メリーの修理依頼です。電池を入れても動かないとのことで、事前に内部の画像を拝見しておりました。
かなり古い製品で画像からも乾電池からの液漏れで電極まわりが腐食したのが分かります。さて、内部を詳細調査します。
乾電池の電極からスイッチ経由してモーターまでの回路経路の導通(電気抵抗)を測定しましたが、スイッチを入れても案の定導通無しです。次にモーターを調査します。
ウォームギアが縦割れを起こしているので、交換します。
モーター自体は、電圧の印加で回転しました。1.5Vの乾電池で44.3mAほど流れています。ですが、コミテーターやブラシの焦げやグリスの劣化が激しいです。
清掃と銅版の酸化膜の除去を行い、再度の電流計測です。※コミテータの溝は、交換手段がないので、清掃のみ実施。グリスは、モーターのブラシ用専用グリスを付加します。
44.3mAから51.7mAへ約20%の改善。
次に回路経路の腐食酸化をルータで研磨して除去します。電極と電路のほぼ全てに腐食が広がってしました。ルータでの研磨は、やりすぎると強度に影響しますので、腐食の表層のみを除去できるよう丁寧に行います。
このメリーは、乾電池からの電路でボディGNDではなく、ボディにプラス側が経路として設計されております。乾電池のプラス電極が、接触する箇所も念のため研磨し修理完了です。
また元の音色が復活しました。
メリーも赤ん坊も元気に動いている姿が見れて
まるで他界した母親が見た景色を今は見ているように感じます。決して楽な仕事ではないかもしれませんが
是非、この先も続けていってください。今後とも、心暖まるお仕事ができるよう願っております。
~ご依頼者さま ご感想より~