はてなんだくん メモリ半田剥がれ修理
以前の修理記事で、この『はてなんだくん』と『はてなんだろうくん』と表記してました。正しくは、『はてなんだくん』のようです。
さて、今回のご依頼は、電源投入後、帽子のLEDは点灯するけど、起動音や絵本へのタッチ反応がないとのことです。
当医院に過去に依頼のあった実績の多くは、スピーカー自体の故障かスピーカーの断線が多く、今回の症状もスピーカー関連の問題だと思って、高をくくっていたら全く違いました。
電源投入すると帽子のLEDは点灯しますが、あとはうんともすんともです。反復して電源等ON/OFFを繰り返すと、LEDの点灯にしたりしなかったり、点灯してもしばらくすると消えたりという不安定な状況です。早速分解して内部を調査します。
スピーカーも目視では、リード線の取れもないようです。取り外し単体でチェッカーで確認しましたが、問題なしです。リード線内の断線もありません。
基板側の根本も固定用の先着剤を取り除き確認しましたが、断線や半田剥がれ、端子間のショートなどもなく問題なしです。 予想が、外れました。 因みに、基板の電源端にも正常に電圧が上がっていることも確認済みです。
- 整理すると、電源は正常に基板端子まで供給されている。
- 電源LEDは点灯するが不安定
- 起動時も絵本タッチ時も音声反応がない
うーん、しばし基板を拡大眼鏡で眺めておりましたら!
とここで、自分が使用している拡大ルーペを紹介します。
このループは、左右に拡大率の違うレンズを取り付けることができるので、とても便利です。作業時は、左目メインで半田付け後の基板や端子チェックは、右目メインでというふうに切り替えが容易です。倍率の違うレンズと取り付けて、左右同時に見るとエライことになりますので、ご注意を。
基板を拡大鏡で眺めておりましたら、なんとメモリICの半田が剥がれているではありませんか!
カパカパいっていました。これで因果関係があいました。
このメモリIC MX29LV640Eは、Macronics製のFlashメモリでして画像認識してスピーカーから流す反応音声を格納していると思われます。当然、半田が剥がれておりますと、音声データが読み出せませんので、音声は無反応になります。
また、恐らくですが、起動時に起動用の音声データが正常に読み出せなかった場合は、電源が落ちるようになっていたのでしょう。そのため、起動後少し時間がたってからLEDが消灯するケースが現れたように推測します。
このICは、0.5mmピッチで再半田には少々苦労しました。手法は、人それぞれでしょうが、いつもは半田を盛って吸い取る手法ですが、今回は、残った半田にフラックスを流してコテあてでいけました。
これで無事起動も絵本へのタッチ反応も確認でき修理完了です。