メッセージを録音できるおもちゃ
大事なメッセージが録音されており、その音声がでなくなったとのことで修理のご依頼がありました。おもちゃの名前は不明でした。
早速お送りいただきました。底面に音声再生用の押しボタンがあります。
ですが、この手のおもちゃに興味のある方であれば、なんで基板の電極が見えるほどの穴があいているの?という疑問が湧くと思います。ハイ、自分もそうでした。開封するとその理由ははっきりします。
開封すると基板が見え、COBのみが実装されております。電源用の電解コンデンサーは、裏面に実装されていました。さてさて、シルクをよく見ると、RECとかVCCとかGNDとかが見えますよね。
そうです。
このおもちゃは、底面の押しボタンは再生専用で、声を録音する場合は、何か専用の基盤に乗せて、先の電極がポゴピン(※参照)で接続されるような仕様と分かります。
なるほどー。
さて、修理作業に戻ります。分解作業を続けます。
(*´Д`)はぁ~とため息が出る光景でした。
ボタン電池内蔵なんです。これでは、電池が切れると動作しなくなります。しかも、隙間から緑の何やらが見えます。そうです、アレです。
使用中に電池が底を付き液漏れを起こしておりました。その影響で基板の負極に電解液が付着し電極が剥がれ断線もしておりました。
さて、動作不良の原因ははっきりしましたが、修理の策を練ります。
- このままめくれた電極を修復してボタン電池を入れてもまた容量が尽きた時に液漏れしてしまう。
- ボタン電池も入手の困難(ダイソーで購入できるかどうか基準)なLR42という薄型だった。
そこで、電池ボックスを外付けしてしまおうと思います。
メリット:外付けにすれば、電池の交換も用意で単三乾電池なので、入手も容易。
デメリット:基板裏面の電極のVCCとGNDから電源をとるので、前述の録音する機材に乗せることは今後できない。
諸々、ご依頼様とご相談し外付けの電池ボックスで対応することになりました。
では、めくれた電極からお掃除をして復活させます。
まずが、剥がれた箇所を接着し固定します。次に断線した箇所は二か所になります。そこを半田付けします。
ピーピーチェッカーで導通を確認します。
次に電池ボックスの電極をVCCとGNDに接続します。因みに、事前に電極パッドのVCCは、ボタン電池の正極に電極パッドのGNDは、ボタン電池の負極に接続されていることも確認します。
電池ボックスのリード線は、ぐらつきで取れないよう根本と筐体をエポキシで固めておきます。
さて、メッセージですが、先の基板腐食の進行も今後懸念されるため、別途他の媒体へ録音しておくことをお勧めしておきました。
以上で修理作業は完了です。
早々と、画像の通りきちんと修理してくださり、音声を聞く事が出来て嬉しかったです。
修理の際も、丁寧にメールで連絡して下さり、本当にありがとうございました。
~ご依頼者様のご感想より~