アンパンマン わくわくクレーンゲーム 修理
今回も外来勤務の地域のおもちゃ病院での案件となります。
因みに、当宅配おもちゃ病院としては、宅配移動時の不具合多発のため、クレーンゲームの修理受け付けはしておりませんので、ご注意ください。
さて、お馴染みのアンパンマン わくわくクレーンゲームですが、クレーン移動時に途中で止まるということでした。
動作確認してみると、明らかに縦横移動用のギアが割れて滑っていると分かります。
早速、屋根を開いてクレーン部を確認します。
移動用のギアは、縦用2個と横用2個の合計4個になります。
詳しい位置は、スタッフブログの資料や過去の修理記事が参考になります。
目視でも分かる位綺麗に割れていますね。
こちらも割れています。
このクレーンゲームのクレーン移動用のギアは、横方向移動時の軸は四角軸となっております。詳しい事情は、分かりませんが、製造時期によって軸やギアの形状の仕様が変わっております。恐らく、今回のようなギア割れ多発などの対象のため、マイナーチェンジを繰り返しているのだと思います。
特に、丸軸のギアは良く滑ってしまうので、途中で四角の軸が登場したのでしょう。ですが、それも肉厚が薄くなる四隅に割れが再度出てしまうといったことも起きているようです。
毎度ですが、このギアは特殊形状のギアですので、市場で容易に入手できません。
私も所属しております日本おもちゃ病院協会では、補修部品としてギアを配布しており、今回もそのギアを使用しました。
紫外線照射で固化する光造形タイプをなります。
サポート材や軸径の誤差で仕上げは必要ですが、修理に耐え得る精度で製作をいただけます。本当に助かります。
バリやサポート材の残りなどもヤスリで綺麗に仕上げます。
また、軸への挿入ですが、微妙な調整が必要なので、自分は軸先を半田コテで熱し圧入しております。特に、軸に山が切ってある今回の軸には最適が圧入方法かと思います。
軸径の誤差を考慮せず力ずくで、そのまま圧入するとギアが割れてしまいます。
ギアの山位置を端同士で合わせないとクレーンが斜めになるのでマジックペンなどで印をつけて圧入します。
コロコロさせ確認します。いい感じです。
こちらも綺麗に軸を熱し圧入できました。
あたりまえですが、ギアボックスは、分解し金属製の軸は取り出しギアを圧入します。
ご覧のドクターの皆様にはないとは思いますが、面倒だからといってギアボックスにはまったまま圧入すると、斜めになったり割れたりますので、くれぐれも面倒がらずに行ってください。
収まりもよさそうですね。
念のため、分解したギアボックス内の噛み合いも正常かクレーンの脇についている手回しのくるくるで回してギアが動くか確認もします。
これにはギアボックス側の作業は一段落しますが、クレーンのはめ込み作業に移ります。
クレーンのケーブルが端位置でも問題なく伸びるようにするため、クレーンを一番奥の位置にし、ケーブルを伸ばし固定します。
この作業を行わずにはめ込むと、一番奥に行く前にケーブルに引っかかって止まってしまい、奥のカプセルを拾えません。また、伸び余ったケーブルが、屋根に擦れ移動不良を起こします。
屋根を元に戻し修理完了です。
動作も問題なさそうですね。