東芝 ブルーレイ ハードディスク レコーダー D-BZ510 wait 故障 電源コンデンサー交換
当院は、玩具を対象にしたおもちゃ病院ですが、こちらのスタッフブログ記事をご覧になられた方から、お子様の大事な思い出のビデオ映像が保存されているため修理できないかというご依頼がありました。先のブログ記事のご依頼者様もお子様の大事な録画番組があるとのことでした。
そこで、公平性の観点からも有料修理でならということで修理をお受けすることにしました。
さて、故障の症状は、電源を入れてもWAIT表示から一向に進まないとのことです。
D-BZ510によくある電源回路の平滑コンデンサーの容量抜けと思われます。今回は、前回の記事では見送った+5V側の2200uF 25V ~105℃ の電解コンデンサーも準備済みですので、まとめて交換をします。
因みにですが、IC類を触るので、静電対策をしての作業です。
ブルーレイドライブにSATAのHDDと電源回路とチューナーなどなど。
では、まず大事なSATA HDDを外します。大事な思い出の映像が保存されておりますので、慎重に作業します。
HDDの土台がケースにネジ止めされておりますので、各所取り外し、SATAケーブルと電源ケーブルを外します。
おおお!その下から電源基板の目的の電解コンデンサーが見えてきました。ですが、まだまだ他に外さないといけないものがあります。
電源部をカバーしているプラスチック製のカバーとブルーレイディスクドライブ用の電源ケーブルも電源基板から直付けのケーブルで出ているので ブルーレイディスクドライブ側のコネクターを抜きます。
このカバーは、タッピングネジでネジ止めされているので外します。
この電源コネクターを外す際は、注意が必要です。ディスクドライブの筐体側面にフラットケーブルが両面テープで張り付いているので、ペンチでなんかで抉ると誤って側面のフラットケーブルに接触し下手すると断線します。コネクター抜きで横から慎重に抜きます。
電源基板とメイン基板側は、金属部がむき出しの橋渡しのようなコネクターで接続されていますので、これも慎重に抜きます。電源基板のネジは、他に数本残っているので外します。
これで電源基板が筐体から外せるのですが、ここからが、一番の難関です。
電源基板が、外れないのです。
というか、周辺の部品などを全て外してしまえば簡単なのかもしれませんが、全面パネルからなかなか抜けないです。
ズレ防止用のツメががっちり基板の食い込んでいます。基板を撓ませないとイケないくらい抜けません。しかし、撓みを大きくするうと、今度が基板が割れてしまいます。
ここは、ツメが外れる程度の撓みを調整しながら慎重に外します。
格闘すること、数分。基板に問題が出ないか冷や冷やしながら外れました。
では、早速ですが、目的の電解コンデンサーを交換します。一応、位置と電極の方向をメモしながら外します。
今回は、2次側+15V, +5V全ての平滑コンデンサーを交換します。
+15V側・・・3300uF
+5V側・・・2200uF * 2ヶ
無事交換できたところで、組み上げ、ドキドキの電源投入テストです。
WAIT表示から待つこと数秒、無事、WAITの状態から地デジモードに遷移しました。
無事保存されたデータも表示されております。
今年のお正月明け直ぐに不具合が出たのですね。
電源コネクターを一度引っこ抜いているので、ブルーレイディスクドライブの動作テストもしましたが、再生問題ありませんでした。
これにて起動故障の修理は完了ですが、同封のリモコンの電池ボックスの液漏れがあったので、ついでにお掃除をしておきました。
東芝に問い合わせても、部品がなく修理不可と言われ諦めていたので、入院治療で完治して帰ってきたので感激しております。
本当にありがとうございました。
~ご依頼者様のご感想より~