東芝 ブルーレイ ハードディスクレコーダー D-BZ510 wait故障と電源入らない故障修理

D-BZ510

東芝 ブルーレイ ハードディスクレコーダー D-BZ510 wait故障と電源入らない故障修理

おもちゃ病院での修理という方向性が異なりますが、お子様の記録映像を救出したいという事態とのことでした。

同機の修理依頼が多くなってきましたので、有料修理案件として常時受け付けするようにしました。お困りの方は、お問い合わせフォームより、家電/急患等(有料)をお選びいただき、お申し込みください。

さて、今回の症状も電源投入後にwait状態からすすまず電源が切れてしまうとのことです。

電源回路の容量抜けの電解コンデンサーを交換します。

ブルーレイディスク

ふと気づくのですが、ブルーレイディスクドライブの電源ケーブルが基板に噛んでおります。このような設置では、ケーブルの断線が起きてしまいます。

うーん、いい加減なハメ方ですね、製造担当がミスったのでしょうかね。。。

ジャンパー線

目的の電解コンデンサー周辺のジャンパー線も曲がってる。

何か怪しいぞ!

電源基板を外します。

電源基板

電源基板の外し方は、過去記事を参照ください。

ではでは裏面っと。

え”-!

作業痕

既に交換した痕があるじゃなの!?

1次側の電解コンデンサーが既に交換されたであろう痕があります。

今回のwait故障は再発なのでしょうか???

チェックマーク

マジックペンで、2次側の電解コンデンサーにチェックマークが入っているので、このマークも何やら過去がありそうな雰囲気がプンプンしますね。

疑問は尽きませんが、作業は粛々とすすめます。

交換完了

取り外す際は、基板のベタGNDの熱容量を考慮して、半田ごての温度は高めで溶かし外します。逆に取り付ける際は、熱し過ぎると基板のパターンを剥がしてしますので、適温でパパっと作業をします。

組み立ては、分解と逆の作業を行い電源投入確認をします。

録画番組一覧

無事電源も入り、録画番組一覧が確認できました。

ブルーレイディスクドライブの再生確認も行い修理完了です。


後日談1となります。

電源投入からの起動までは回復できたのですが、返却後ご使用の最中に突然電源が落ちてしまう現象が発現しました。wait起動故障とは、別のあらたな故障現象のようです。

返却後、普通にご使用いただいていたのですが、約2週間程したところで発現したとのことです。

再診察のため再度送付いただき診察を開始しました。

交換をした電解コンデンサーの部品の初期不良かもと心配したのですが、一応取り付けるまでにはチャックはしているので稼働中の故障とは考えづらいです。

早速、取り外し部品をチェックしますが、目視これといった不具合はないです。

目視確認

膨れや液漏れ、焼損などありません。

部品チェック

うーん、そこで念のため他メーカーの電解コンデンサーに再度交換し、稼働テストをしばらく行おうと思います。

ルビコン製 電解コンデンサー

とここで、基板を取り付ける際に電源が入らない現象が起きました。

ん、ん、ん、早速あらたな発現かもと、これでは稼働テストもなにもできないので、基板をチェックします。

1次も2次側も電解コンデンサー端での電圧も正常に出ています。

基板間のソケットを抜き差しをしてみると、なぜか電源が入るようになりました。

今回の故障の一端がみえたのかもです。この点は、記憶に留めておきます。

ちょうど、サッカーのワールドカップ期間中でしたので、主様に許可をいただき番組の録画と再生を確認します。

イングランド vs セネガル

2時間程の録画番組の再生もイングランド戦の録画も再生も問題ありません。

もちろん、操作中に電源が落ちるような現象も起きません。

このような通常使用を約1週間経過したところで、操作中に電源が突然落ちる現象が発現しました。

発現すると、電源ボタンが効かなくなり、全くのうんともすんともな状態です。

もちろんですが、基板を再度外し電源を確認しても給電は正常です。

その他基板構成

いろいろ現象を調べると暫く時間を置くと復活し、しばらく稼働しても突発的に電源が落ちようになりました。しかも、落ちる頻度の間隔が日に日に短くなっています。

もうこうなると、メンテナンスマニュアルや設計仕様書でもない限りは原因を究明できないです。例え、原因究明できたとしても修理できるのかも不明ですね。

そこで、依頼者様と相談の上、今回は大事なプライベートデータのダビングを最優先とし、電源が付く間に急ぎダビングをしてしまいます。

ですが、またしてもここで問題が発生しました。

フォーマット不可

BD-Rがフォーマットできない!

BD-ROMの再生は問題ありません。(T_T)半分泣きそうになっておりましたが、横にあったBD-REが目に留まりました。(∵)

ダメ元でやってみるかとフォーマットしてみると、みごと成功しました。

D-BZ510の故障記事をネット調べてみると、この手の故障も多々目にします。

レーザー出力が弱っているのでしょうか。。。

さーて、ここでも仕方がないので、BD-REにダビングしてしてしまいます。

総数10枚、1枚あたり5時間程で、プライベートデータなので、通常再生速度でのダビングになります。

最初の数枚は、電源が落ちることもなくダビングできていたのですが、枚数を重ねるごとに電源が落ちるようになり、次第には毎日電源が落ちるようになりました。

かなり状況が悪化しております。

もう、半泣きしながら電源が落ちたら、しばらく時間をおき、ダビングを続けておりました。

ダビング開始から約1週間、やっと45時間のダビングが完了しました。

大事なお子様の記録データということでしたが、無事救出できました。


後日談2

後日談1では、プライベート動画をダビングしお返ししたところまでを紹介しましたが、本機の原因をその後も解明を続けており原因も無事判明し修理回復できました。

Wait点滅故障ではなく電源自体が全く入らない故障の原因は以下となります。