ドナーとなってくれたエルモを助ける その①
今回の記事は、少し趣の異なる記事となります。経過を都度アップしていきたいと思います。今回は、まずその①です。
先日、くすぐりエルモの修理記事をアップしました。こちら。
ざっくり説明すると、尻餅をつく際の駆動ギアの山がごっそりはがれてしまい、プラリペアなどでの補修も強度的にできなく、エルモのジャンク品から該当ギアを移植修理して成功したという内容です。
移植元のエルモは、ジャンクの不動品ということで入手してエルモになります。
該当ギアが無事であったので、そのまま移植し、その他の部品はまた他の修理時の部品取り用にと先のご依頼者様からご寄付をいただきました。
ですが、ドナーとなってもらい、他のエルモを助けてもらったので、このエルモ君も何とか修理してあげたいと思っておりました。
移植して、もうないギアをどう今後修理していこうかという宿題もありましたので、以下の点を考え修理に挑んでおります。
- 腰曲げギアボックス内のギア山めくれの修理方法の模索
- ドナーエルモの故障修理
では、まずこちらの記事で宿題にしておりましたギアの山がきれいにめくれてしまったギアはどのようにして修理すべきかです。
修理記事でも説明しておりますが、このギアですが、腰を曲げ尻餅をつく際の回転軸となります。直立から90度腰を曲げる動作時にモーターからの駆動を両足に伝える役目を担っております。
ギアの山がめくれたのは、この腰曲げ時に強いちからがかかり、運悪くギアの成形時の金型にプラスチックを流し込む際の粘着が界面で足りなくはがれてしまったようです。
当初は、ギアの山が無事な反対側で型取りし、山をプラリペアで成形できるかなと挑戦をしましたが、成形した部分が薄く、さらにこのギア自体の素材がジュラコンであるので、素材同士の粘着強度が足りなく、動作確認であっけなく木っ端微塵になりました。
成形による補修だ断念し他の案を模索します。
ここでこのギアの動作を観察します。
このギアは、当たり前ですが円形の周囲に山が刻んであります。
ですが、エルモの動作を観察すると、尻餅をつく際に直立状態から90度しか回転をさせません。そうなのです。ギアのほとんどが尻餅には寄与していないんです。
ここでひらめきました。360度回転するわけではないので、逆側の山が無事であれば180度回転させて取り付ければよいではないの?
画像のように180度回転させて取り付けると山の無事な側で駆動することになり、まったくもって問題なくなります。
ギアの山だけはね。。。
そうなんです、そうは簡単に問屋は卸しません。
両足に取り付けるギアの軸が、前方後円墳のようにRを切ってあります。
上方向が、Rを切ってある方向となります。
ですが、ここでもひらめきます。
軸は四角の1辺のみR形状なので、R形状のRを削り取ってしまえば、四角になりどの方向でも差し込みできるではないですか!
※恐らくのこのRは、組み立てる際の両足の方向合わせのために切っているRなので、その点に注意すれば良いということになります。
さて、このギアの材質は、ジュラコンなので削るというよりは、ナイフでカットするという方があっていますね。
早速、R部分を両足ともカットしてしまい、ギアの山の無事な方向が、かみ合うようにギアの位置を回転させ取り付けます。
よさそうですね。ギアの山がめくれてしまった場合の修理方法は、この方法で行けそうです。
次に稼働テストをさせるべく、ドナーエルモの故障自体を確認します。
入手時から電池ボックスの液漏れがあったので、液漏れ腐食はサクッと片付けてしまいます。
次に白エルモのほとんどで起きているピニオンの割れもサクッと交換してしまいます。
モーターのピニオンギア以外のギア掛けはないのでギアの嚙み合わせに注意しながら圧入します。
腰曲げ用のピニオンギアは、協会支給のピニオンギアを軸を熱し垂直圧入してエポキシ接着剤で固定します。
さて、これで通電稼働できるようになったところで、組みつけ動作をさせてみます。
おや!?おかしいです。
エルモがエビ反ります。。。
ただ、その後は、いつもの起動時の前後前後のプルプルが起きるので、Hブリッジのトランジスタが故障ではなさそうです。
ギアの回転テストのみ先に行うため、両足は取り付けずに角度センサーのみの右足のみで稼働させると、なんといきなり後ろに足が回転し始めます。
まだ何か不具合がありますね。角度センサーもしくは姿勢センサーからの信号正常に伝わっていないようです。
えびぞっているのですから、そもそも尻餅を付いていると勘違いしているのでしょう。
角度センサーの接点を掃除し各種導線の断線もチェックします。
姿勢センサーも分解し内部の接点を掃除しておき、制御基板までの導線も断線チェックします。
センサー内に金属球がありますので、蓋を取りお掃除します。
1極接触不良が出ておりました。金属の接点が異常に奥に曲がっており金属球と接触しておりません。恐らく製造時からの不具合のようなので、今回の故障とは無関係と思われます。
次に各種センサーからの導線が、制御基板の端子で正常に半田付けできているかも懸念されるので、各付け根とプルアップ/ダウン抵抗の半田付け部分を再度溶かし直しておきたいと思います。
と、ここで以前の修理時にHブリッジのトランジスタの破損の経験もあったので、一応大丈夫とは思いますが、トランジスタを外しチェッカーで念のため確認もしておきます。
Hブリッジの各トランジスタは取り外しチェッカーで確認しましたが問題ありませんでした。
センサーからの導線の半田部も溶かし直し再度動作確認をします。
_| ̄|o チーン
まったく改善されていません。。。
基板端でもセンサーの導通確認をしましたが、正常でありますので、こうなると制御ICが実装されている子基板側の問題のように思われます。
引き続き、ドナーエルモの修理は継続し進捗あれば都度アップしていきたいと思います。