アンパンマンのタッチペンで今回は、SuperDX版の依頼がありました。
電源投入後の起動はするが、絵本の絵柄への反応が数回というレベルで、絵柄への反応がほとんどしないという故障とのことです。
不安定な挙動の修理は今までもやってきましたが、スピーカー導線がカツカツで付いていたり離れたなどでした。
今回の挙動を確認すると、初回の電源投入時の反応は、数回レベルでは問題ないのですが、そのうち完全に無反応になります。また、その際に電源の入れなおしをすると、ほぼ100%絵柄に反応しません。
まずは、この点の動作確認ではペン先の赤外線LEDの点灯を確認します。
少し穴の周囲に異物が付着していましたが、致命的ではありません。異物は後で除去しておきます。
ペン先から覗き込んでも片方のLEDしか点灯していませんね。
絵柄に反応しない不安定な動作の原因は、このLEDの故障でしょう。
照射される赤外線が少ないためGridドットの絵柄から反射光は少ないためでしょう。
では、分解しサクッと交換してしまいます。
あら!?スピーカーとプラス電極の間に何かパーツが付いていますね。
パン先は、4芯のケーブルで画像処理ICとイメージセンサーのモジュールに接続されております。この先のカバーを外します。
片方しか点滅していませんね。このLEDを交換しますが、注意が必要です。
赤外線LED自体が故障していれば、LEDの交換で修理はできますが、そもそも基板からの給電ができていない場合は、その他の故障となります。
そこで、点滅していないLEDをはずしLEDチェッカーで確認します。
外したLEDを20mAで確認しますが、全く点灯していません。
やはり赤外線LEDの故障で決まりですね。因みに、この赤外線LEDは、850nm Φ=3mmのです。
因みに、交換する正常な赤外線LEDはこのように点灯します。
この手持ちの赤外線LEDは、封入された樹脂の下部に出っ張りがあるので削ってフラットにしておきます。
この出っ張りと削れないとペン先のカバーに収まりません。
基板の穴は半田リボンで綺麗に半田を除去し穴を露出させておき、LEDの足を挿し込みます。
あとは粛々と組み立て最終動作確認します。
格段に認識率が向上し絵柄への無反応もなくなりましたね。
以上で修理完了です。