仮面ライダーディケイド ディケイドライバー Ver.2 腐食断線修理

時々依頼のある仮面ライダーの変身ベルトの修理依頼です。

常時受け付けはしていないのですが、お問い合わせのタイミングで受け付けできることがあり、今回は受け付けさせていただきました。

さて、数か月前から電源が入らなくなったとのことです。

既に一度ご自身で分解もされ、電池ボックスに腐食がある旨は伺っておりました。

では、分解し診断をしましょう。

まず、本体はベルト部分に脱着できるようになっています。

ツメでとめられているのですが、何故かなかなか外せません。

上面の押しボタンを押すとボタン側はカパって外れるのですが、下面側のツメが外れません。

強引に引っ張ると筐体が浮き上がり割れそうです。

心配なので、分解して外します。

この黒いツメがバネで引っ込み引っかかるのですが、向かって右側のツメが外れません。

たぶんコツが要ります。(˘•ω•˘)

恐れくですが、上面が外れたら、下側にスライドさせるように押し込むと外れることが多かったです。

ではでは、本体側を診断します。

乾電池の液漏れによる粉と腐食があります。

たぶん、導線も腐食が伝搬してますよね。

基板は、2枚構成で、メイン基板とカードのバーコードを読み込むリーダー基板がフラットケーブルで接続されています。

ここで注意です!

バーコードのリーダー基板は簡単に外れますが、メイン基板はネジを外しても取れません。

無理に引っ張ると電池ボックスの導線と前面のLEDにつながるFPCケーブルを断線させてしまいます。

というのは、製造時の組み立て順が不明なのですが、以下の順で作業しなければなりません。

  1. 基板の電池ボックスの導線の半田付けを溶かし導線を外す。
  2. バーコードリーダー基板のネジを外す。
  3. メイン基板のネジを外す。
  4. シリコンボタンの基板をずらして外す。

前面のLEDと接続されるFPCケーブルは、外せません。メイン基板にもコネクタで接続されていますが、接着剤で固定されているので、引っ張ったりして外そうしてはいけません。

ここです!

ベルトの機構上、本体がガッシャンガッシャン回転するので、その振動でケーブルが外れるのを嫌ったのでしょう。

本来であればこの黒いツメを起こすとFPCケーブルが抜けますが、基板をコネクタおよびツメが、まるっと接着されています。

┐( ̄へ ̄)┌

これで、作業性が一気に難しくなっています。

このFPCケーブルを付けたまま診断および修理作業を強いられます。

ー_-;

基板の両サイドにボックスの導線と電池ボックスの導線が、4か所づつあります。

電池ボックスの導線のみの半田付けを溶かして外しますが、導線の色と位置をメモっておきます。

ですが、基板のネジを外しても電池ボックスの導線で基板が浮き上がらないので、のぞき込まないと確認できません。

無理に引っ張ると断線します。というか、もう断線していました。

電池ボックスの負極の片側で断線しています。

後で判明しますが、負極の液漏れが伝搬し導線も腐食し脆く、恐らく振動で取れてしまったようです。

スピーカーも作用のため半田を外しておきます。

電池ボックスからの導線は、単四乾電池が1本づつ基板に接続されています。

緑の導線が、乾電池間の渡り線の役目になっていますが、渡り接続は基板上で接続されています。

基板側の半田付けのランドは、腐食でボロボロでした。

導線も使い物になりませんので、導線は全交換し基板側には、裏面の腐食がないランドに半田付けします。

ここで、仮組し動作確認をします。導線の断線以外の不具合がないかを確認します。

仮組動作確認

カードの同封がなかったので、今回はカード検知と認識識別機能の動作は確認できませんでした。

依頼者様にも動画を確認いただき、問題なさそうということでした。

では、電極の腐食研磨します。

液漏れは片方の単四でのみあったようですね。

粉の除去と腐食部の研磨をします。研磨は、ルーターのブラシでこすります。

研磨後の抵抗値もちゃんと確認しておきます。

電池ボックスは、ほぼ完ぺきに元に戻せました。

さて、別件ですが、基板に検知スイッチが2個付いています。

先の動画でもこの検知スイッチの反応をみたのですが、実は片側のスイッチは無効です。

有効側の検知スイッチのみが、本体回転時にベルト側の突起に接触し反応するのですが、無効側のスイッチは何らそのようなカラクリがありません。

なぜ部品まで付いているのかは、正直分かりません。

???

もしかすると、カードを連携した動作において、ベルト以外の何か別のアイテムに装着すると、この検知スイッチが活きるのかもしれません、、、が、詳しくないので分かりません。

( ̄▽ ̄;

取り外した導線やスピーカーも元に戻し修理完了です。

動作確認

基板が外せないなど、いろいろありましたが、無事動作するところまで修理できました。

乾電池の液漏れには、今後もお気をつけください。


受付から修理までが思っていたよりもずっと早くて助かりました🙇‍♂️是非友人などにも紹介させていただきます!

また機会があればよろしくお願いします。ありがとうございました。

~依頼者のご感想より~