ベネッセ Talking Q-rios 検知スイッチ修理

地域のおもちゃ病院の外来で担当したベネッセのトーキング キュリオスという教材の修理依頼がありました。

付属のカードを機材に挿入すると、それぞれのカードに対応したレッスンが受けられるという代物です。

不具合は、それぞれの対応したカードが正常に認識されないため、正常に遊べないということです。

付属のカードは、7枚でした。

この手の修理経験があれば、すぐピンとくると思いますが、カードに入っている切り込みが、本体のスリットにある検知スイッチをON/OFFします。

そのパターンで、挿入されたカードを認識しレッスンのプログラムを選択し実行するという商品です。

隙間から除くと、検知スイッチが4つあるのが分かります。

4つですので、2の4乗で16パターンを表現できます。

0000と1111を除いた14パターンとなり、付属の7枚のカードの裏表で 7枚 * 2 = 14 パターンとう設計思想ですね。

前置きは、この位にして、この手の検知スイッチは接触不良はすぐ起きます。

過去にも妖怪ウォッチのメダル検知スイッチで同様の事態に遭遇しています。

妖怪ウォッチの検知スイッチは、接点復活剤で劇的に復活しましたが、今回はどうでしょうか?

では、まず分解をします。

参りました。

基板が、筐体の軸を溶かし溶着されています。

軸を削り基板を抜くしかありません。

とここで基板のICに目が行きます。

おおお!

ノヴォトン製のマルチメディアICですね。

アンパンマン ことばずかんスーパーDXでも使用されているICです。

検知スイッチはこの4つです。

まずは小手先で接点復活剤を吹き込んでみますが、残念ながら復活しません。

何度コキコキしても改善しません。

では仕方ないので、他の方法を考えます。

一番良いのは、検知スイッチを新品に交換することですが、そんな運よく手持ちに同じ検知スイッチがあるわけありません。

また、インターネットで入手できるかも探しましたが、見つかりません。

ではではとスイッチを分解して接点を清掃しましょう。

スイッチ4つを取り外し抵抗値を確認しましたが、うち2つがまったくの不導通です。

かなりの腐食か何か起きています。

分解し接点を確認すると、ものすごい劣化グリスと黒変した酸化膜はありました。

4つのスイッチのうち、2つで完全に不導通だったので14パターンのうち、半分の7パターンが認識できなかったはずです。

まずは、内部の劣化しこびり付いたグリスをこそぎ落とし接点の酸化膜を研磨します。

さらにですが、恐らく材質はリン青銅で、バネ性も落ちており接点同士の押し込み量も低下しています。恐らくこれが主因かと推測されます。

若干バネ圧があがるようにまげまげしておきます。

検知スイッチ動作

無事改善しましたね。

これで全カードでまたレッスンを受けることができるようになりました。