すみっコぐらしのおもちゃってアンパンマンを同じぐらい、いろいろ各社製品を出していますよね。
- すみっコパッド
- すみっコパソコン
- すみっコスマホ
- すみっコぐらしPhone
今回のすみっコスマホは、タカラトミー製でスマホの形をしたゲーム機になります。
充電式でUSBミニBタイプとなり、専用のACアダプターが用意されています。
ただ、ミニB形状のコネクタは、今では珍しく、依頼者様のお子様もご自宅にあった他の形状のACアダプターを差し込んで壊してしまったそうです。
メーカー様にも既に問い合わせ済みで修理対象外とのことでした。
コネクタのハウジング内の電極がめちゃめちゃになっていますね。
このUSBミニBの規格は、5ピンになっています。
このタイプのコネクタでないと刺さらないのですが、他のコネクタを強引に差し込むと今回のような破損になります。
同様な商品でおなじみのすみっコパッドにおいてもUSB Type-Cのコネクタの差し込みが斜めになると、これもまたハウジング内の電極を壊してしまったりと、なんとも小さい子供には扱いが難しいという状況です。
┐( ̄へ ̄)┌
では、分解しましょう。
表面の化粧シールの裏側に隠しネジがあります。
化粧シールは、温めながらゆっくりめくります。
すみっコスマホは、厚手のシールで剥がしてもシワシワにはなりません。
無事外せました。スマホケースも剥がしていますが、超強力な両面テープで張り付いているので、無理に剥がすとスマホケースの合皮も避けてしましそうなので、注意が必要です。
スマホケースからは無理に剥がさずとも作業はできますので、スマホケースは付けたままの方が安全です。
USBコネクタは、基板に直付けされております。
ハウジングのプラグシャルが4か所と電極の5ピンが半田付けされています。
普通の半田ごてでは該当端子を一度に同時にすべて溶かし外すことはできません。リワークが必要になります。
この手のコネクタ外しは、リワークしてもいいですが、たいていコネクタ近くのチップ部品も一緒に溶けてしまい、温度管理が適切でないと基板を焦がしてしまい基板損傷で修理不可能となります。いわゆるリワークの腕が必要となります。
自分以前はリワークして外していたのですが、無理にコネクタを剥がすと電極が基板のパターンごと剥がれてしまった悲しい過去があります。
今では、特殊半田で外していますが、かなり高額なため、おいそれとは使えません。
また、この特殊半田で剥がした場合、特殊半田の成分が残留しないように吸引線で新しい通常半田を盛っては吸引し盛っては吸引するということを4,5回繰り返します。
この作業で手を抜くと半田付けしても半田が脆くコネクタが、またすぐ剥がれてしまいます。
また、特殊半田を使う半田コテも専用のコテ先を用意しまないといけません。小手先を使いまわすとこれもまた、通常の半田付けをした際に特殊半田の成分であるビスマスが通常半田に溶け込み半田付け強度が脆くなります。
因みに、この手のリワーク作業は、経験がない場合はやってはいけません。
ほぼ確実に失敗し基板の配線を損傷します。
特に、エンジニア歴もない、素人おもちゃドクターがテキトーにやって壊すようなことが無いようにお願いします。
作業に先立ち、本商品はリポのバッテリー式なのでき作業中のショート事故を防止するため、バッテリー端子を外して端子を絶縁しておきます。
では、準備ができたところで専用のコテで小手先の温度管理もしつつ慎重に外します。
綺麗に外せましたね。⸜(´・∀・)_∠※
サクッとやっているようですが、毎度緊張する作業です。
失敗 = 基板損傷 = 修理不可能
であるからです。
経験のない方には、本作業はお勧めできませんので、早々に諦めてください。
残留の半田も繰り返し盛っては吸引を繰り返しきれいにできました。
コネクタを無事外せたので、ここでやっと修理可能と判断できそうです。
そこで、充電以外の機能に問題ないか確認します。
バッテリーの給電端子に導線を取り付け、またコネクタの端子にも導線と取り付け、バッテリーからの給電起動と充電の可否を確認します。
ですが、依頼者様のお子様が、充電池が底尽きるまで遊ばれたようで、到着した時点で既にバッテリーがゼロでした。
これでは、バッテリーからの給電起動確認ができないので、起動できるレベルまで若干増し充電をします。
充電器で少し充電しておきます。
これで起動確認できるようになりました。
バッテリーからの給電起動問題ありませんね。
外したコネクタの電源端子から安定化電源で給電してあげると、電池マークが充電マークに変化し充電も開始しました。
因みに、USBからの給電は、5.0V 1Aです。タカラトミー製のACアダプターの規格を画像から念のため確認しておきます。
さて、コネクタ以外の機能には問題なさそうなので、コネクタ部品を探して発注します。
やはりですが、このコネクタは国内のパーツ屋さんでは扱いがありません。
従いまして、いつもの経路で部品を探し発注しておきます。
待つこと、2週間。
部品も無事届き比べます。
図面もあるので、発注前にも入念に確認はしておりますが、現物でも目視で比べます。
大丈夫そうですね。
きれいに取り付けできました。
この状態で充電機能の確認をします。問題なく電池マークから充電マークに切り替わりました。
では、本体も組みなおします。
コネクタも無事元通りになりました。
これにて修理完了です。
充電できなくなり、お子様もたいへん落ち込んでおられるとのことなので、これはまた遊んでもらえると思います。\(^o^)/
娘もとても喜んでました。
~依頼者のご感想より~
本当にありがとうございました。