本体側のUSB充電コネクタは破損してしまい充電ができなくなったとうことで修理の依頼がありました。
コネクタ内のモールドが破損して取れてなくなっています。
電極も曲がっていますので、電源のショートも心配です。
では、分解し内部を診断します。
隠しネジが6か所あります。
蓋が強力な両面テープで貼りついているので、くっつかないようにクラフトテープなどに貼っておきます。
おおお!
外来ノイズ対策で基板がシールドされていますね。気合が入っています。
コネクタが破損しているので、念のため電源ショートが発生していたかどうか確認します。
コネクタの電源とGND間に導通はありませんでした。
ここがショートしているとヒューズなどが切れているか、回路の充電ICが破損している可能性があります。
ではでは、特殊半田でコネクタを外しますが、先日他のおもちゃ病院から別件で相談がありました。
コネクタを外し際に『低温半田』を使用したが、失敗して基板のパターンを剥がしてしまったそうです。
また、このコネクタ外しを侮っていたようで、文面から恐らく練習なしに挑戦し撃沈したらしいです。
ここで、断っておきますが、簡単ではありません。
経験がないドクターは、挑戦しないでください。依頼者の不利益になります。
基板を壊し修理不可能になります。
大きな勘違いをされていたのか、当医院の記事で記載している『低温半田』とは、単なる低融点半田ではありません!
特殊半田は、ビスマスが混ざっており、基板の半田に混ぜることで超低融点の60℃くらいで溶けます。
お湯でも溶けます。
市販の低融点半田(190℃)ごときでは剥がせません。
低融点半田で剥がしたいのら、リワークステーションで基板を養生して剥がすべきです。
記事で『低温半田』などど誤認識を生む書き方が問題だった思い、今後は『特殊半田』と記載するようにします。
特殊半田も安くはないので、多少の投資が必要です。
充電コネクタの電源/GNDに半田を盛って外すので、念のため先にリポバッテリーを外します。黄色は、サーミスタ線ですね。
外した後は、絶縁しておきます。
では、USBコネクタを外します。
まずは半田をしこたま盛って、特殊半田をそこにさらにしこたま混ぜ溶かしこみます。
特殊半田の量をケチると失敗します。
ネットの修理記事の方の中には、この盛った半田を再利用されておられますね。
無事、取れたら残留の特殊半田を吸い上げるため、フラックスと通常半田を盛っては吸引リボンで吸い取りを数回繰り返します。
ではでは交換します。
交換するコネクタはこちら。
きれいに交換できましたね。
充電機能も無事復活しましたね。
これでまた遊べるようになりました。
子供も大喜びでたくさん使用していますが、全て正常に作動しています。
メーカーが修理対応していないにも関わらず、見積もりから修理、発送まで非常に迅速丁寧で、諦めていたものが直り相談してよかったです。
YouTubeに修理後の動画が投稿されるというのも、子供と一緒に見ながら盛り上がりました!
ありがとうございました。
~依頼者のご感想より~