ベネッセから販売されていた教材と思われる、音声を録音し再生できる絵本の修理依頼がありました。
生前のお子様の声が録音されておられるとのことで、久しぶりに再生し声を聞こうと思ったところ動作しなくなっていたとのことです。
お子様の思い出のお品物の修理依頼も過去にいただくこともあります。今回も何としても音声が聞こえるようにしましょう。
ボタン電池2個で動作します。
ロックする回転ノブには、録音時に押すボタンがありむやみに消去してしまわないようにダイヤル付きの蓋がついているのですね。
通常聞く際は青い『きく』ボタンで再生されます。
さて、事前に液漏れの形跡があることはお聞きしていたので、電池ボックスの電極を確認します。
まず、現状で電池を挿入し電圧を確認します。
2.4Vしか上がっていませんね。
腐食部の抵抗成分で電圧も電流も制限されています。もちろんですが、きくボタンでも音声は再生されません。
では、液漏れの腐食が負極側に広がっていましたので、まずは接点復活剤で拭きあげ、ルーターで腐食部を研磨します。
では、再度ボタン電池を入れて電圧を確認します。
正常に電圧があがりましたね。
ついでに音声も無事に再生されるようになりました。
大事な音声とのことでしたので、再生音声をCD-Rに記録し渡しておこうと思います。
取扱説明欄には、記録された音声はながらく保存できると記載があります。
マイクで拾った音声をフラッシュメモリに記録していると思われます。
半導体メモリの信頼性に依存はするのですが、まともな半導体メーカーのFlashメモリであれば10年位は十分保存可能です。
ですが、メモリは保存できても再生するIC側が故障する場合もあります。
今回は、無事大事な音声を再生できるようになり、ほっと安心しました。
以上で修理完了です。
何かしゃべってと言ったら、ちょっと早口で当時お気に入りだった歌を歌ったのを思い出しました。
修理して下さりありがとうございました。
無事再生できております。
この度は本当にありがとうございました。
~依頼者様のご感想より~