てんしっちのたまごっち 液漏れ腐食研摩修理

てんしっちのたまごっちの修理の依頼がありました。

未開封品として入手されたとのことですが、電池交換し起動しようとしたところボタン電池から液漏れしていたそうです。

そのまま新しいボタン電池で起動しても、蓋をすると電源落ちてしまうそうです。

液漏れの影響もありそうですね。

では診断しましょう。

電源おちちゃう

ボタン電池の挿入直後は、ピーっとなって起動はしますね。ですが、蓋をすると液晶が消えます。

電池ボックスの電極の腐食を確認すると黄色丸枠の箇所に腐食があります。

蓋をしないボタン電池挿入直後は、電極の腐食突起部ではなく、電極の他の箇所に電池の電極が接触し導通起動できていたようです。

蓋をしボタン電池を押し込むと電極の突起部と電極が接触するようになり、ここで導通不良が起きて電源が落ちているようです。

早速接点復活剤で腐食を拭きとりましたが、表面的な腐食ではなく何も改善しませんでした。

分解し電極を剥き出しにしてルーターのワイヤーブラシで研摩します。

ある程度は綺麗になりますが、導通が解消できるまでにはなりません。

では、最終手段になりますが、ルーターで腐食部を研磨します。

ニッケルメッキが完全に剥がし金属面を露出させるまで削る必要がありました。

かなり頑固が錆びでした。

動作確認

無事蓋をしても電源が落ちることなく稼働するようになりました。

各押しボタンの反応感度も問題ありませんので、これにて修理完了となります。


てんしっちのたまごっちは子どもの頃遊びたかったのですが、その機会に恵まれず大人になりました。

しかし大人になった今もこの小さなゲーム機のデザインがとても好きで、手元に置いておきたくなりました。

できれば実際に遊んで、子どもの時の未消化の思いを果たしたいと思ったのですが、購入したものは電池の接触不良でした。 諦めようかまたは別の中古品を探そうかと考えていたところ、宅配おもちゃ病院さんを知りました。

別のモノではなく、壊れたこの個体が治るのなら、私がこの品を手にした意味があるような気がしました。

修理をお願いしたところ、あっという間に不良の原因を突き止めて直してくださいました。私の場合は入院期間は1日ほどで、発送から修理後の受け取りまでは4日ほどでした。

手元に届いたてんしっちの画面を見ながら、昔電気技師だった祖父におもちゃを治してもらって嬉しかった記憶が蘇りました。

おもちゃは子どもの頃の大切な感情をずっと持っていてくれるのかもしれないですね。

おもちゃ病院さんはその感情を思い出させてくれる貴重なところだと思いました。 この度は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~