エンたま 2個の修理依頼がありました。
おれんじじゅーす
おれんじじゅーすというエンたまです。
因みに、業界ではエンたまとは、『超じんせーエンジョイ!たまごっちプラス』の略のようです。
卵の状態のままゆらゆらするが、一向に孵らず、ボタンの効かなかったとのことで、いろいろ電池の入れ替えをしていたら液晶の一部も映らなくなってしまったそうです。
卵のまま孵らない原因は、恐らく、クリスタルの発振がしていないためと思われます。
起動直後は、IC内のRC発振で起動し起動成功後に外付けの発振回路に切り替わるというメカニズムです。
クリスタルに発振不良があると、時計が進まないことで確認ができます。
また、液晶の一部が切れているのは、液晶と基板間の導通に不良が出ているためと思われます。
おや!?
隙間がありますね。
既に分解開封されたような跡がありますね。
本体を固定するネジも緩んでいたので、液晶が切れている原因は、液晶の電極と基板の接触が離れているのが原因ですね。
開封すると、他の原因も判明しました。
事前申告はなかったのですが、圧電素子の片側の導線が取れています。
何やら芯線のケバケバが、クリスタルの足に触れそうで触れていません。
なるほど!〇-〇
依頼者のところでボタンが効かないとかフリーズのような挙動を示していたのでは、このケバケバがクリスタルの足に触れていたのかもしれません。
実は、届いてすぐの動作確認では、液晶は切れてはいますが、時計も進んでいましたし、ボタンへの反応もしておりましたが、ビープ音が鳴っていませんでした。状況と動作が一致しました。
恐らくですが、宅配便の配送通の振動で触れていたケバケバがクリスタルから離れたと思われます。
ではでは、基板と液晶電極をアルコールで拭き取りきれいにします。
押しボタンの電極をシリコンボタン側の電極もアルコールで拭き取りかつシリコンボタン側の塗装面も表面を研磨しておきます。
で、最後に圧電素子の導線は、金属疲労もあるだろうから、2本とも芯線を剥きなおして再半田しておきます。
因みに、圧電素子なので、銀食いを防止するため200°で銀入り半田を使用します。
普通の半田を使ってしまうと、セラミック上に銀でメッキされた中央部が、半田コテに吸収されてしまい半田付けできなくなってしまいます。
ここでネジを締めようとすると、本体側の下2本のネジ溝が削れてしまっていて締めることができなくなっています。
ネジ径の同じ長めのタッピングネジで絞めなおしておきます。
さてさて、これでどうでしょか?
無事、液晶も描画しビープ音も正常になりました。
押しボタンの感度も良好ですね。
ここで気づいたのですが、おれんじじゅーすのデザインが筐体の上にありますね。
アカインしるばー
アカインしるばーは、押しボタンの効きが悪すぎて遊べないとのことです。
ボタンの接触具合を確認します。
なるほ!
これですね。
シリコンボタン側の導電塗料が、ボタンの押下の繰り返しで剥がれ基板のパターン側に粘着していますね。
アルコールで拭き取り、シリコンボタン側の電極表面もきれいにします。
ではでは、動作確認です。
これで、押しボタンの押下の感度が復活はしましたが、液晶に問題がありました。
過去の症例と同じように液晶焼けが出ています。
具体的には、日光のあたったまま長期間保管されたため、液晶ガラス面上に貼られている偏向フィルターが焼けてしまったためです。
液晶の黒さがなくなり赤くなり見えづらいです。
エンたま用の部品取り液晶の在庫があれば交換できますが、もう在庫がないので、この液晶焼けについては現状のままお使いいただくことになりました。
これで、エンたま 2個、無事に修理できました。
今たまごっちに電池入れてみました‼️
しっかりとたまごから産まれて、ちゃんと育ちます‼️
感動しました˙˚ʚ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ɞ˚˙ありがとうございました‼️
瀧下様に修理を頼んで、ほんとにほんとに良かったです☺️٩(ˊᗜˋ*)و♪
家に直してもらいたいたまごっちまだあると思うので、また宜しくお願い致します(っ ॑꒳ ॑c)
ありがとうございました😊🙏(#´ᗜ`#)
~依頼者のご感想より~