デビルっちのたまごっち ネジ折れ修理不可

デビルっちのたまごっちの折れたネジの除去と起動しない修理のご依頼がありました。

依頼者が中古購入された時点で既に以下のような状態だったそうです。

  • 電池蓋の片方のネジが折れて、折れたネジの残骸が本体内部に埋まっている。
  • 電池を入れても起動しない。
  • 本体側のネジの溝も既に潰れており4本中1本しか外せなかった。
  • 液漏れの形跡はなさそう。

デビルっちのたまごっちですと、中古でも取引価格帯がかなり高騰しておりますが、既にボロボロの状態であれば、かなり安く入手できるかもしれません。

個人的な見解ですが、前述のような状態であれば、300円相当でしょうかね。

悪名高いデビルっちのたまごっちは、ネジを無事外せることはまずないです。

修理にためも本体側のネジも基板のネジも全てのネジがポキポキ折れます。

そのような経験を多くしておりますので、当医院でデビルっちのたまごっちの修理お受けする場合は、修理方針は一任いただき修理に挑戦します。修理作業において更なる破損が発生し全て了承をいただき、かつ修理不可能であっても診断料のご負担をお願いしております。

さてさて、状況を確認しましょう。

左側の蓋ネジが折れて残骸が本体に埋没しています。

蓋のネジが折れた場合は、本体を分解し裏側から除去を削ったネジ穴を再建できます。

ですが、そのためには本体側を分解する必要があります。

残念ですが、本体側の残ったネジは溝が潰れています。

最悪であったのは、右上の本体ネジに瞬間接着剤と思われる接着剤が使われております。

当医院でも、何度も啓蒙しておりますが、ネジ外しに接着剤は厳禁です。

インターネットで、無責任に接着剤でと書き込んでいる人がいますが、何度も書きます。

接着剤でネジは外せません。

というか、本体とネジがくっつき今回の記事ような最悪の事態になります。

ネジがくっついてしまうような想像は容易に付くと思うのですが、インターネットのウソ情報を信じてしまうんですよね。残念ですね。

愚痴を言っていてもしょうがないので、修理に話しを戻します。


そもそもデビルっちのたまごっちのネジに限らず、使われている鉄製のネジは柔らかいので普通にネジを回してもみるみるうちに削れてしまいます。

まずは、分解するため本体側の接着剤が使われていない3本を外します。

ほんと、柔らかくみるみる削れます。

接着剤が使われていないネジは、頑張れば外せます。

無事3本のネジは、かなり時間がかかりましたが綺麗にはずせました。

ではでは、接着剤が使われてネジの開封に挑戦します。

過去に接着剤が使われたネジを外せた経験があるので挑戦してみます。

相当かなりの圧を掛けながらネジを回すのですが、ネジの頭が本体と強固に接着しており、ビクともしません。挑戦すること30分で完全に溝がなくなりました。

ー_ー;

それよりも、最悪な事態になりました。

液晶が破損しました。

事前にこのようなリスクは了承の上でしたが、残念でなりません。

分解後の確認でも広範囲に破損していることが分かりました。

あ”~接着剤さえ使ったいなければと後悔でなりません。

ここで修理不可能という判断もできますが、もう少し何かできないか模索します。

もし、起動しない基板を修理できた場合、基板を他の初代たまごっちに移殖して遊ぶことだけはできるかもしれません。無事分解できたら基板の移殖可否を確認します。

さて、右上の接着剤が使われたネジは既に溝が完全になくなりましたので、物理的にネジの頭を削り取ります。

最終手段です。

ネジの頭をルーターとドリルで削り取り分解はできました。

頭を削ったネジの残骸を抜きますが、このネジも回している途中でネジ切れることが多いです。

冷や冷やしながら回します。

抜けたー!

全ての作業が、緊張の連続でドキドキしながらの作業です。

ほんとうに心臓に悪いです。※年配の方はご注意ください。

ていうか、なんじゃこりゃ?

なんで基板のネジが錆てんの?

基板のネジも折れやすいのに錆ていると、ほぼ無理じゃん。。。

┐( ̄へ ̄)┌」

ここまできたのなら、仕方ないので挑戦します。

残念でした。

チーン

_| ̄|o

折れて残ったネジの残骸からも分かりますが、錆て脆くなってネジが折れました。

液漏れはないってあったのですが、液漏れのガスで腐食したのかもしれませんね。

基板側のネジが折れるともうどうしようもありません。

ご覧のように基板が液晶の電極に密着できず液晶が正常に描画できませせん。

この弊害が後述の動画で確認できます。

本当にデビルっちのたまごっちは多難な商品です。

次に起動しない原因を解析するため、基板を確認します。

基板の電極も怪しいですね。

基板上の素子の半田付け部分を一式溶かしなおします。

液晶の電極との接点も腐食部分をできる限りで削り研摩と表面をアルコールで拭きとってみます。

すると、起動し始めました。電源の印加でビープ音が鳴るようになりました!

このような状況下でもなんか、うれしい。

\(^o^)/

前述の基板ネジ2本で基板を抑え留めることはできませんが、本体側のネジのみでネジを絞めて起動してみます。

起動確認

明らかに描画オカシイですね。

薄かったり、切れ切れだったり、例の破損した左上端が黒くなったままだし。

因みに、過去の経験で破損した液晶の黒い広がり部分は、今後時間の経過とともに広がります。

もう、ここまでやったのだから、このデビルっちのたまごっちの筐体での稼働は諦めましょう。

ということで、在庫の初代たまごっちに基板を移殖できるか調べます。

結論からいうと、ダメでした。

液晶のサイズが微妙に小さいのです。

それで、電極の間隔も若干狭い。

こんな感じで筐体にも納まりません。

もう一個あった新種発見の初代たまごっちも同じでした。

なんか、デビルっちのたまごっちは、各部品も共通ではなかったのでしょう。

なので、ネジもきつく締められている要因にもなっているのか、、、も。

さーって、ここで万策尽きました。

もう、蓋の折れたネジの補修は断念し、依頼者へ修理不可能とお伝えしました。

翌日、再度起動確認をしたところ、起動もしなくなっておりました。

半田の溶かしなおしで一時的に回復したのだとすると、COBモールド内のボンディング断線などでしょうかもしれません。

以上、今回はデビルっちのたまごっちのネジ折れにおける修理不可能であった内容の紹介でした。

皆さんは、たまごっちのネジ外しに接着剤は禁止活動を広めてください。