Bボタンが陥没して遊べなくなったということで修理の依頼がありました。
詳細な故障診断で単純な故障ではないことが理解できました。
かつ、これまでのデータも保持したまままた遊び続けられることに娘が大喜びしています。
修理に出した当初は、データが消えるかもしれない、表面に傷ができるかもしれない、治らないかもしれないと不安もいっぱいだったようですが、おもちゃ病院に賭けて良かった!と仕切りに申しておりました。
ありがとうございました。
~依頼者のご感想より~
※本商品に内蔵されたESP32 WROOMの無線モジュールにおいて技適が適用されております。このモジュール部分における分解などを行うと、技適マークが無効になりますので以降の電波の放射は電波法違反になりますので、くれぐれもご注意ください。
さて今回は、ボタン修理以外の故障が多く、危険な状態になるかもしれないという事態も判明したので、ご紹介したいと思います。
Bボタンが陥没していますね。
シリコンボタンの傘部分が破損していそうです。
ネジの蓋をこじって開き内部を確認します。
とここで、異常な事態に遭遇します。
リチウムイオンバッテリーが本体内部でカラカラいっています。
基板に両面テープで固定されているはずが、剥がれてグラグラ動いています。
これが、後に判明しますが、たいへん危険が状態とを誘発していました。
かつ、Bボタンを制御しているチップダイオード部品の破損も誘発しています。
一歩、間違うと充電中の発火や爆発の危険性があるのでリコール案件のような気もします。
ほら!
変でしょう!
リチウムイオンバッテリーパックの底面に変形があります。
そうなのです!
固定している両面テープが剥がれてグラグラ内部を動いたため、USB Type-Cコネクタにぶつかりバッテリーパックの底面にぶつかっていたのです。
これって、もしパック内部の電極などに傷が付くと充電中の発火事故になります。
そもそもバッテリーパックの縁がコネクタの電極に接触したまま充電をしてしまったらと思うとゾッとします。
安全性のためコネクタをバッテリーパックに敷居でも作って固定すべきです。
さらに、この影響は続きます。
コネクタ横にあるショットキーバリアダイオードにもぶつかってチップダイオードの足が取れてします。
なんと!
とここで過去の記憶が蘇ります。
以前、たまごっちユニを修理した際に同じようなチップダイオードが取れてBボタンが効かない症状がありました。
その時も今回と同じくバッテリーパックの底面に変形がありました。
すべてが繋がりました。
両面テープが剥がれてバッテリーパックがグラグラするとバッテリーパックの底面がUSBコネクタにぶつかり変形し危険です。
さらに、Bボタンのショットキーバリアダイオードも破損してBボタンが使えなくなります。
バッテリーパックが内部でグラグラしている際は、一刻も早く使用を中止した方が安全です。
まだ、つづきます。
ぐらぐらの影響でバッテリーの正極の導線が金属疲労で折れていました。
バッテリーパックの両面テープが剥がれによって、バッテリーパックの張り直しと折れた正極導線の半田付け、チップダイオードの交換が必要になりました。
チップダイオードは、以前の修理で替えの部品を既に入手しておりますのでサクッと交換します。
拡大鏡でカソードの方向を間違えないようにします。
ここでやっと、本題のBボタンの修理に取り掛かれます。