パイルトルネード アクションピストン 修理

バンダイ製 パイルトルネードの修理依頼です。特救指令ソルブレインというヒーローものの武器らしいです。『守るものは命、救うのは心』 特救指令ソルブレイン とありました。※おもちゃドクターをしていますが、この手の情報には疎くすみません。

この武器には、3つのランチャーモードがあるらしく箱の絵柄でいうと、金色の砲身二つがいろいろが動きをするようです。パトライトは回りますが、そのランチャーモードと呼ばれるピストンアクションが動かなくなったとのことです。

早速ですが、引き金を引くとパトライトは光り回りますが、砲身はうんともすんともでした。幸いに内部でモーターの駆動音はしているので、ギヤか何かが外れたかしたのでしょう。

まずは、分解です。

隠しネジ
ステッカー

分解に際し困ったことが出てきました。上部の稼働蓋の青いステッカー下に隠しネジと本体上部に広面積な銀色のステッカーがあり、分解の妨げになっております。

隠しネジは、きれいに剥がせなければ、ネジ穴に沿って穴を開ける許可と、銀色のステッカーは、つなぎ目に沿って切り込みを入れる許可を頂きました。無理に剥がして破損をするより切り込み程度なら目立たたず安心です。

青いステッカーは、目立つ場所なので、ステッカー全体を温めてゆっくり剥がすことに成功しましたので、穴を開けずにすみました。

さて、原因は、ピストン運動用のギアを駆動するトルクギアが縦割れを起こし横ずれをおこしておりました。そのため、ギアの噛み合わせもズレてしまっていました。

ズレ
縦割れ

修理の方針ですが、汎用的な替えの部材がないので、まずは割れ部分は接着をします。

ですが、このピストン運動を見たことがある人は、すぐ理解できるかと思いますが、激しい振動で市販の接着剤を使用した接着程度では、すぐまたズレるか割れが酷くなると思われます。

過去にゼンマイのギアの縦割れで使用経験のある嫌気系の強力接着剤を使用します。また、再ズレを抑制するため太いアルミ針金で残りのシャフト部分をぐるぐる巻きにしてズレないようにしました。

針金の巻き方を間違えると他のギアに干渉するため、隙間の程度を見つつ巻きます。

干渉確認

以上の補修で無事、三つのランチャーモードが復活しました。

しかし、筐体を含めやはり経年的な劣化もあります。ギアの縦割れのようにギア欠けの発生も懸念されますので、以降は大事に保管されてはと思いました。


今回も無償で玩具の修理をして頂き、ありがとうございました 玩具に問題はなく、元気に動作しております 今回修理が大変な依頼をしてしまい、大変申し訳ありませんでした 本当に感謝しております

~ご依頼者様のご感想より~