マミートーク 修理
今回は、マミートーク 3本の転院受け入れからの修理となります。
マミートークの多い不具合原因に、リチウムイオン充電池の過放電による使用不能があります。リチウムイオン充電池は、取り扱いにとても注意が必要なため、本来であればメーカー様以外での修理行為は、厳禁になろうかと思いますが、当医院の他の記事の通り、個別に当医院と誓約書を取り交わしていただく前提で、リチウムイオン充電池の交換を承っております。
今回は、初診のおもちゃ病院様で大まかな不具合原因の切り分けができておりますが、改めて拝見させていただきます。
赤いトークボックスですが、充電池もACアダプターでの起動も、うんともすんともでした。充電池が過放電の場合でも、ACアダプターでの起動は確認できるのですが、うんともすんともなので、電池以外の不具合がありそうです。
これまた、不具合の多いコネクタ外れが原因でしたが、ズレて差し込まれているので、最悪電源GNDのショートの懸念もありましたが、正常位置ではめ込みましたら正常に起動確認とカード認識をしました。メーカー様でのホットボンドでも固定もやはり、度重なる振動では、外れてしまうのでしょう。
メンテナンスを考えると子基板化するのもいいですが、反面このような振動による外れがあるので、やぐら式でスペーサーで固定してフレキで接続するのが、ベストでしょう。以上で、赤いトークボックスの修理作業は完了です。
こちらは、はじめてお目にかかります。大きい緑のマミートークです。初診では、充電池の過放電とのことですが、開封して確認します。
過放電は過放電ではあったのですが、別途電源供給してみると、起動確認はできますがカード認識をしません。充電池以外に不具合がありそうです。
赤外線LEDの照射が出ておりません。回路図から原因を探ると、イメージ処理LSIからの制御信号が出ていません。強制的に制御信号を吊ってあげると赤外線は、照射されましたが、画像の認識はしません。
電源の印加も正常、基板上の目視確認でも断線や腐食もないので、原因はさらに深く探らねばなりません。イメージセンサー間とのデータやクロック信号は、オシロでも目視できたので、イメージ処理LSI上の不具合の線が強いような気がします。LSIの不良解析の経験がある方は、察しがつくと思いますが、もうここから先のシーケンス確認や信号の特性確認などは、設計仕様書と検査治具や測定器でもない限りかなり難しいです。
ご依頼者様の当初のご希望は、3本中、2本の修理がご希望と承っていたので、ひとまずこの緑の大きいマミートークは、ペンディングとして次のマミートークを拝見します。
緑の小さなマミートークは、初診内容のとおり、リチウムイオン充電池の過放電のみが原因でしたが、充電用ACアダプターの口が破損しております。
負極側のカバーが破損して取れております。これではカツカツの接触なので、トラブルの原因になります。2.5mm 4極のコネクタを探し交換を行い、緑の小さなマミートークの作業は、完了です。
さて、3本中、2本の修理が完遂できたので、緑の大きいマミートークの件をご相談した結果、今回の修理は見送りということになり、以上でご依頼の修理作業を完了としました。
様々な修理箇所があった中、2台がこんなに完璧にまた動くようになって本当に感謝しています。 もう使えないと諦めていたところなので、余計に嬉しいです。ありがとうございました。
~ご依頼者様のご感想より~