イワヤ 犬のぬいぐるみ ふいご笛 骨折修理
前足の骨折の修理のご依頼です。
イワヤ製のこの手のぬいぐるみは、当医院でも診察経験があります。骨折の修理は、ワイヤーで骨接ぎを行いエポキシで固めるという常套手段で対応します。
さて診断を開始しましたが、骨折は、前左足でしたが、尻尾の骨折もありました。尻尾がフリフリしません。また、頭部内のふいごの笛も鳴りませんし、首も上下にフリフリしません。折角なので全て修理します。
私は、作業性を考え縫位解きは、下部底面を一周して開きます。また今回は、頭部内も開頭手術をしますので、頭まわりも解きます。
無事解けたところでまず骨折部分から作業開始します。
足の骨折は、数か所にピンバイスで穴をあけ固定します。尻尾が細いので、0.5mmの銅板とワイヤーで補強し接着固定します。ふいごの笛も取れてしまっておりますね。
前足は、4か所をワイヤーで固定しエポキシで盛っておおきます。尻尾は、ぐるっと0.5mmの銅板で囲いこちらもピンバイスでワイヤー固定します。
ここまでサクサクと作業をし、次に頭部のふいごの笛を修理します。耳と頭頂部がホットボンドで固定されぬいぐるみの皮が張りを保っております。
笛部分のホットボンドが取れてしまったため、頭部内にふいごが転がっておりました。ホットボンドでは、また取れてしまうので、今回は、セメダインの弾性万能接着剤を使用します。
笛の内部に接着剤が入り込まないようにします。
ふいごの笛は、本体側の首振りシャフトに連動してふいごが吹かれるようになっております。ふいごは修理できましたが、首振り側のシャフトで問題がでました。
当初、この軸抜けには、骨接ぎで使用したエポキシ系の接着剤で固定したのですが、材質もが異なるようで、首振りの振動ですぐ抜けてしまいます。というか、実は、エポキシの接着剤でも数日は固定できるので、接着当初は、うまく固定できたと高を括っておりました。開封した縫い合わせも全て縫い合わせが済んだ最後の最後の動作確認で、あら?首が動かなくなったぞ!笛も鳴らないし。。。
と、再度開封してみると、圧入接着したはずの軸が抜けておりました。なので、 セメダインの弾性万能接着剤での固定を強くお勧めします。
Take2にはありましたが、再度縫い合わせをし、無事修理完了です。
受付から完成までとても丁寧なご対応にとても安心してお願いが出来ました。
途中経過のご連絡の際も、丁寧な文章で写真付でわかりやすく送って下さり、徐々に治っていくぬいぐるみに大人な私がワクワクしました。
しかも、犬の声は諦めていた所、治ったご連絡を頂き、本当に期待以上の作業をして頂きすごく嬉しかったです。
本当にありがとうございました。
~ご依頼者様のご感想より~