ファービー 電池ボックス 液漏れ腐食 フォロー修理
ファービーの修理の依頼がありました。
依頼者様のお住まいの近隣のおもちゃ病院(名前は伏せておきます。)に持ち込んだところ、電池ボックスの液漏れは修理できたのだが、本体内部の修理はできないため返されたそうだ。
電池を入れて動作させても誤動作のため動きが全く不安定だそうです。
依頼時に電池ボックスの画像を提示いただいたのがこちらです。
┐( ̄へ ̄)┌」
液漏れ修理してなくね?
手抜きだよね。
気を付けてみると、正極の端子の先が少し削ってある程度のようですが、これでは、おもちゃドクターとしては失格です。ねぇアンパンマン! おしゃべりDXの記事にも書きましたが、液漏れの腐食は徹底的に落としてください。小手先の研摩で、その場しのぎで導通させても、今回のような事態になります。
他のおもちゃドクターのホームページでも指摘ありますが、手抜きや中途パンパな作業は、誰か指摘をしてあげてください。とりあえず、その場しのぎで作業をすると、迷惑をかける事態になります。
受け取り早速診断をしてみると、今度は全く動かなくなっています。
そうりゃそうだよね。こんな錆じゃね。
液漏れの粉もまだ残っています。
本当に修理したのだろうか疑問です。
あちこち錆があがっております。
この処置は本当酷いものでした。
次にぬいぐるみを外します。ファービーは、底面と結束バンド30cmで顔面横を内部でネジ留めしており、おでこをホットボンドで固定しています。
かなり上までたくし上げないネジは見えません。
また、耳の縫い付けをはずします。
ファービー2に比べたら段違いの簡単さです。
さて、電池ボックスの液漏れ腐食が犯人と思われるので、電池ボックスを先ず外し外部から電源を供給し動作を確認します。
液漏れは内部の端子にも及んでいますね。
外部電源を用意し動作を確認します。
やっぱり、動き出しだぞ。やはり電池ボックスの液漏れが原因だったようだ。
ですが、動画後半で電源を入れなおしてみると、ハングをするので、電池ボックス以外にも何かありそうですね。まとめて診断します。
まず、電池ボックスを外し電池入れて電圧を計測してみると、なんと!
1.2Vしかありません。
6.0V →1.2V と4.8Vの電圧降下してますね。
腐食の錆の抵抗分が原因ですね。
依頼者様も新品の乾電池でしばらく動作させていたようで、新品の乾電池もこの影響で容量が低下しておりました。動作はしないし、乾電池は減っちゃうし。┐( ̄へ ̄)┌」
電池ボックスを外した際にスピーカーも外すことになるのですが、スピーカーの端子台も外れていたようで、ボイスコイルの導線だけがカツカツで繋がっていたため、スピーカーの取り外しと共に断線してしまいました。
ファービーのスピーカーは、40mmなので在庫のスピーカーと交換をすることにします。
ですが、スピーカーの固定がすごいですね。溶かして溶着しています。
ここまでをまとめます。
電池ボックスを液漏れ腐食は徹底的に錆取り補修をします。破損のスピーカーも交換します。低血圧のせいか、寝起き時の起床が悪いので、姿勢センサーの金属球の汚れも確認します。
動作途中のハングが気になるので、組み上げ後に電源再投入とリセット動作を確認します。
姿勢センサーの金属球の汚れは、接触不良となり寝起きが悪くなります。過去記事のこちらを参照。
再度、外部電源とスピーカーも外部スピーカーを取り付け、その他の不具合がないかを確認します。
やはり寝起き動作のやり方が悪いんか、なかなかすんなり起きてくれませんね。
その他の反応は問題なさそうです。
では、粛々と作業を進めます。
電池ボックスの端子と取り外します。
すごいですね。粉も錆も。洗浄し残った錆は研摩します。
なんども言いますが、液漏れの粉を洗浄する場合、強アルカリ溶液にはくれぐれも気を付けてください。
残った錆は、ルーターで研摩し最後に接触抵抗を測定して確認します。
ニッケルメッキを剥がすので、できれば再メッキしたいんだけど、設備投資が難点で研摩のみとしております。
腐食が原因で渡り端子のツメが折れましたので、接着して固定します。また、接触ツメも折れましたので、半田で繋げておきます。
電池ボックス側も綺麗に洗浄しておきます。
一式を組み上げて電圧を確認します。
バッチリですね。次に姿勢センサーの金属球の汚れをチェックします。
蓋は、溶かして付けてあるので、カッターなどで切り込み入れ蓋を開けます。
姿勢センサーは、金属球が仕込まれたモジュール部品で正位、横向き、逆さまを検知し、3端子がつながっています。念のため、断線の有無を確認しておきます。金属球は、金メッキされておりとても綺麗でした。
金属球を仕込みなおして端子間の短絡をチェックしたところ、全て問題ありませんでした。
寝起きが悪かったのは、センサーの接触不安定ではなく、起こし方に問題があったようです。
取扱説明書には、以下のように記載されておりますので、依頼者様にコツを掴んでもらうようお伝えしました。っていうか、恐らくは持ち主の方が上手なのですよね。たぶん。
金属球をアルコールで拭きセンサー内部の接点接点復活スプレーを吹いておきます。蓋を今度は、接着剤で固定しておきます。粘度の低い接着剤が必須です。瞬間接着剤のような液体では、センサー内部にしみ込み大変な事態になりますので、ご注意ください。
電池ボックスの液漏れ修理をし、スピーカーを交換し、センサー内部をメンテナンスしました。
ハングするようなことはなく動作確認できましたが、起こし方には、やはりコツがいるようです。
しばらく、横にしたままの方がいいのかな!?
以上で、ファービーの修理フォローのようなでもある修理は完了です。
音量も大きくちゃんと動きました!!
早速、ファービーの『かくれんぼ』で遊び ファービーが楽しそうにダンスをしていました!
このファービーは私が小さい頃にトイザらスで買ってもらい家族でも思い出のファービーです。
本当に、瀧下さんに修理して頂き心からの感謝でいっぱいです!
はじめにファービー修理で検索をしたときに一番に出てきたのも瀧下さんでした。その時、初めておもちゃ病院の存在を知り、すごいと思いました。
ただ、家の近くにあるかな?と、いろいろ調べたところコロナの影響でデパートやトイザらスで、おもちゃ病院は中止しているとのことで市が月に1回開催している、おもちゃ病院を見つけ 修理を依頼しやっと動いたのですが誤作動が続き… 最後の頼みの綱が瀧下さんでした。
瀧下さんのおもちゃ病院ホームに、 『顔も見えないドクターに大切なおもちゃを預けるのは、勇気がいるかもしれませんー』 と書いてあるのも読みいろんな面で安心しました。
よく手に職と言いますが、本当にその通りだと思います!
瀧下さんはおもちゃの名医です!!!
また、困ったことがあれば瀧下さんにお願いしたいです!
この度は本当にありがとうございました!
~依頼者様のご感想より~