アンパンマン いっしょにステージミュージックショー シリコンボタン電極接点復活
今回ご紹介する記事は、地域のおもちゃ病院で診察したアンパンマン いっしょにミュージックショーです。
ご依頼者の方もかなり古いおもちゃなので、修理できればお願いしたいという、何とも丁寧なご依頼でしたので、気合を入れて頑張ります。
お子様が使用されていたおもちゃで、お孫様へということでした。
発売が、2006年なので、約17年前のおもちゃですね。
故障の症状は、電池を入れてもうんともすんともとのことです。
おもちゃ病院の会場で、まずは当日返却可否判断のため電源回りを確認しましたが、電池ボックスの酷い腐食でしたので、入院預かりとしました。
内緒ですが、この電池ボックスに新品に交換した単三乾電池が収まっていたのですが、全ての電極のプラスマイナスが逆に入っていました。
電極が錆びて完全に導通できていないので、逆電圧の印加で電子回路が故障するといった再作の事態にはなっておりませんでした。
まずは、電池ボックスの電極は総交換します。
単三用の電極の手持ちがなかったので、部品発注をしている間に他の故障を診断します。
分解し電源を外部から安定化電源で供給します。
あらら、鍵盤は辛うじて反応しますが、両再度のメニューボタンは全滅です。
不思議に感じるほど、全滅なのは原因を考察したいです。
一個や二個反応してもいいはずなのに、全てのボタンで接触不良が起きています。
基板を眺めます。
埃はありますが、パターンは損傷なく綺麗です。念のためお掃除兼ねてアルコールで拭いておきます。
ボタン側の電極は摩耗が激しいですね。
この電極の表面には、凹凸のパターンが付いているのですが、凹凸もなくフラットです。
まずは、接触不良の状況を確認します。
かなり強く押し込まないと反応しません。
このような状況が基板上の全パターンで生じています。
電極の表面の摩耗状況から、かなり頻繁に押し込む様な機械的な動作が反復して起きたようですが、鍵盤でもないメニューボタンは頻繫には使用しません。
かなり不思議です。
科学的な反応もないので、保管状態とかどのようにしていたか返却時にお聞きしてみたいと思います。
今回の修理は、この接触不良の電極をアルミなどの補修材無しに手軽にかつ完全に修復し記事となります。