ソニー トーキングカードプレーヤー CP-1000 2台の修理
今回は、CP-1000 2台の修理依頼がありました。養生テープで番号付けしている、①が、筐体が新し目で、症状としてはカードのスライドもせず、もちろんですが再生音声も鳴らないとのことです。次に②が、全体的に傷も多いですが、カードが少しは動くとのことです。
番号順は、逆になりますが、まず②番の機種からご紹介します。他のCP-1000同様にゴム部品の劣化にて駆動できなくなっておりました。なお、こちらの機種のゴムローラーは、金属スペーサーの無いタイプですので後述の通り部品代が高くなります。その理由は、当医院では、修理に使う部品の品質を常に向上するよう日々改善を行っております。交換で使用するゴムローラーも製造精度を向上させるために昨年秋頃から交換部品が変わっております。
内部も清掃をして機種②については、無事修理完了です。
次に①番の修理に取り掛かります。
①番の機種は、金属スペーサー付きのゴムローラータイプでした。全体的に新しめですが、故障の主因は、プーリーのグリスが劣化固化しプーリーが回転できなくなっており、その影響もあってゴムベルトも伸びてしまっております。
グリスの劣化固化で粘着する現象は、CP-55とCP-1000でよくみられる現象です。
とここまでは、通所の修理内容と同じなのですが、なぜわざわざ機種①番の数字の順番も変えてご紹介したかというと、ボリュームスイッチの故障が最後最後に発見された内容を是非ご紹介したかったためでした。
ソニー製トーキングカードプレーヤーのCP-1000のボリュームスイッチについては、修理記事でも何回かご紹介しておりますが、Hi/Lowの切り替えができるはできますが、ほぼ機能していないのです。気持ち大きいかな?気持ち小さいかな?という差でしかないレベルの代物です。
以前、オルタネイトスイッチ破損でスイッチの交換を行うかどうかを検討した修理があります。こちら その際も切替によって音量に差がないのであれば、交換不要というご依頼者様が居られました。
前振りはここまでにして、実は機種①を組み上げた最後に筐体のカバーのネジを絞めてボリュームの動作確認をすると、なんと!ボリュームをHiにはできるがLowにはできない症状があらわれました。あれ?おかしいぞ。基板上のスイッチのボリューム切替動作確認は、済んでいるのでカバーのネジの締め方が悪かったのかと再確認しましたが、おかしい箇所はみつかりませんでした。逆にネジを緩めるとちゃんど切替できるようになり、謎は深まるばかりです。このオルタネイトスイッチは、押すたびにONとOFFを繰り返すタイプで、筐体カバーの押しボタン越しに押すと不具合がでます。カバーを外すと問題ありません。
さてさてさて困りました。不具合を調べようとカバーを外すと正常になるので、カバー側のボタンに変に干渉でもしていそうですが、調べる術がありません。在庫スイッチも同規格品がないため、ご依頼様とご相談し、前述のとおり、切り替えによる音量の差が小さいことをお伝えし、Hi側固定でスイッチは取り除くということになりました。
機種①は、最後に思わぬトラップがござましたが、無事動作確認でき修理完了です。