ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000とCP-1100の2台の修理依頼がありました。
カードを引き込み再生しないとのことです。
どちらもカードをスリットに差し込むと本体内部でモーターの回る音がしており、ゴムローラーの溶解も目視上なくカードを手で押してあげると、おかしいなりにスピーカーから音声が再生されるとのことです。
ここまで事前確認できると、致命的が故障が恐らくなく、ゴム系部品の経年劣化が主因の故障と予想できます。
では、早速診断しましょう。
CP-1000
モーターのカラカラ音が対象ノイズ交じりです。
電池ボックスの負極のバネに多少の錆が上がっておりますので、ルーターのブラシで研磨しておきます。
CP-1000あるあるですが、ゴムベルトが溶解しておりますね。
最近、オーディオ系のYouTuberの方のSONY製ウォークマンの修理動画を拝見したのですが、ウォークマンでも使用されている同じゴムベルトが同じように溶解して切れていました。
同じ供給元からの部品なので、経年で同じように溶けてしまうんですね。
ただ、この溶けたゴムってとても厄介なんですよね。
アルコールでふき取り、残骸をこそぎ取りを繰り返してきれいにします。
大量のアルコールとキムワイプできれいにします。
約1時間ほどかけてここまできれいにします。
その他の箇所もメンテナンスしておきます。
本体内部で何か部品が取れてカラカラ鳴っていたのですが、このフライホイール軸受けが剥がれておりましたので接着しておきます。
これもCP-1000あるあるなのですが、右下のゴム栓が取れておりますので、これも新品の栓を接着して付けておきます。
フルメンテナンスなので、バラバラに分解し劣化してスポンジ類も総交換しておきます。
溶けたゴムベルトと劣化して表面がツルツルになったゴムローラーを交換します。
駆動モーターの速度をテストカードで確認し微調整します。
また、ゴムローラーを交換しておりますので、磁気ヘッドのアジマスを再調整して音声を確認します。
問題ありませんね。
音質も良くすこぶる快調です。
CP-1100
CP-1100は、ゴム系部品の劣化で駆動不良が主因でした。
その他もボリュームのガリもなくフルメンテナンスで修理できそうです。
CP-1100は、グッドデザイン賞も受賞した商品で、私も好きな機種の一つです。
電子回路のアンプ部も電子素子の故障も少なく、設計者の手腕が見て取れます。
駆動モーターの速度をテストカードで確認調整し、磁気ヘッドもアジマス調整をして動作確認をします。
問題ありませんね。
CP-1000およびCP-1100とも無事修理できました。