ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 ゴム系部品交換
カードの再生速度や音程などが不安定ということで修理のご依頼がございました。
お受け取りし動作確認を行うとやはりカードのスライド途中で滑ってしまっております。
かなり劣化が進んでおりカチコチに硬くなっており、プーリーもカードも滑っておりました。
今回は、ボリュームの低域箇所にガリノイズが出ておりましたので、ボリュームも新品に交換します。
CP-1100は、プーリーと支柱が干渉してノイズを発する不具合があるので、その対応もしております。
さて、交換部品の作業と清掃も終え次に再生速度のチェックをします。
再生速度は、取り扱い説明書にも記載されている、2.4cm/secで確認できるテストカードとその時の周波数を測定しチェックします。幾分、早くなっております。聞き覚えのあるカードなら、あら早口!?と分かる程度です。厳密には、20Hz程高くなっております。
ですが、ここで問題が出ました。
この手の開発や設計を行った方ならご存知かもしれませんが、初期のCP-1100は、調整ツマミがモーターの筐体内部のコイルにツマミネジが2つあります。筐体内部なので、アルミカバーをこじって開けて回して取り付けて、違ったらまた外して調整しての繰り返しとなります。さらにアルミのカバーも無事外せるかも鍵になります。ツマミでの調整は、破損のリスクもあったので、最終案としてご依頼者とご相談の結果、現状のままとのことになりました。
では、カーバーを外さなくても回転速度を吸収できるよう、ゴムローラーの径が少し小さいサイズで交換してみます。※ちょうど、2種の径サイズのゴムローラーが運よく在庫しておりました。早速交換をしてみると、先の20Hzの差は、10Hz程にまで吸収できました。
自分の耳でも聞き慣れたカードでは、その差はほとんど分からないレベルになりました。これで、アルミのカバーを外さなくてもよくなりました。
40年程前に聞いていたカードの音声と同じ音声が聞けて感無量です。
閉まってあったプレイヤーを久々開いて再生した時は、音も切れ切れでうまく聞こえず、もう駄目かなぁ〜と諦めかけておりましたが、おもちゃ病院の瀧下様に繋がり、修理していただいて生き返りました。
~ご依頼者様のご感想より~