ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 ゴム部品 ボリューム スピーカー交換
カード再生しても音が出ないということで、ご近所の電気屋さんに修理にお出しになったことろ、修理できなかったとのことでご依頼がございました。
溝を覗きゴムローラーが溶解していないとのことなので、トーキングカードをさし込んでもらい再生音がスピーカーから出ているかご確認いただいたのですが、カード自体も何かに挟まった感じで手でもスライドできないくらいきついそうで、もちろんですが、スピーカーからの再生音も出ていないそうです。
ゴム系部品の劣化ですと、おかしいなりに再生音が出ていて欲しいのですが、どうも電子回路や何かメカニカルな故障が出ていそうですね。
到着後に早速トーキングカードをさし込んでみると、やはり差込みさえもできません。早速開封してみます。
まず、ゴムローラーが完全に固化しカチコチのテカテカになっております。このような状態では、トーキングカードをスライドできません。
プーリー用のゴムベルトも伸びており交換が必要です。というか、プーリーの溝がゴムベルトのゴムで溶けています。モーターのプーリーも錆が酷いです。
うーん、輪ゴムなどの天然ゴムに交換されてもいないのですが、経年により溶解が進んだのでしょう。溶けた凹凸はヤスリでできる限り抵抗が出ないように綺麗に整え、モーターのプーリーも錆を落とします。
さて、次にトーキングカードを溝にさし込んでもキツキツで挟まらない原因も分かりました。通常は、トーキングカードをさし込むと磁気ヘッドの固定台がカード厚さに従い下方へスライドするのですが、そこに付いていたグリスが劣化粘着して下方へスライドできなくなっています。そのため、トーキングカードを挟みこむことができなくなっております。磁気ヘッドモジュールを分解し古いグリスを洗浄し新しいグリスに交換します。
ここまでの動作確認にて無事トーキングカードを再生できるようになりました。
ボリュームにガリノイズが出ているのですが、致命的ではないのですが、ご依頼様にご相談し交換することになりました。
問題なさそうですね。
さて、今回は受け取り時に電池ボックスの液漏れの形跡がありました。同封していただいた、動作確認用の乾電池ですが、重症ではなかったのですが、乾電池の負極側に液漏れ痕があります。容量はまだ十分あったのですが、一度減圧弁が開いてしまうと、さらなる液漏れ懸念が残るので新しいのに交換して動作確認します。
本体清掃時にスピーカーの錆びを発見しました。再生した音は正常にスピーカーから出ているのですが、コーンのフレームの錆びが酷いのと、センターキャップとリード線の接着剤も浮き上がっておりました。
今後のことも考えると交換も必要なのですが、こちらもご依頼様とご相談の結果、交換することになりました。念のため、スピーカー交換後も動作確認をして修理完了です。
何十年も昔のこちらのプレイヤーが動いて、久々にソニーの英会話のカードを聞けてとても喜んでいました。 このたびはご丁寧にありがとうございました。
～ご依頼様のご感想より～