ソニートーキンカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換と磁気ヘッドアライメント

ソニートーキンカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換と磁気ヘッドアライメント

30~40年ぶりに動かしてみたところ、最初の1時間ぐらいは、正常に動いていたが、その後カードを正常にスライドできなくなって再生音も変になっているのとのことです。お子様にも是非使いたいとのことで、修理のご依頼を受けました。

ゴム系部品に問題がありそうですが、最初の1時間は正常だったのは、恐らく稼働させている間に脆くなったゴムが伸びきってしまったのでしょうね。

さて、早速開封して状況を確認します。

ゴムベルト

やはりゴムベルトが伸びておりプーリーを回転できなくなっておりましたので、新品のベルトに交換をします。この時点で、動作確認用に同封いただいた5枚のカードは再生できるようになりました。今回は、ついでにゴムローラーも固化劣化が見られたので、ゴム系部品は、まるごと交換します。

ゴム系部品

また、ボリュームにもガリノイズが出ていましたので、クリーナーで内部を洗浄し接点回復剤を吹いておきます。※一時的な回復は見込めますが、恒久対策としては、ボリュームの交換が必要ですが、致命的でもないため今回は洗浄のみに留めました。

ボリューム

さて、今回記事では、過去にも経験のある磁気カードの磁気劣化と磁気ヘッドも摩耗によるカード再生音の異常についてです。

特にメロディ主体のカードでは、顕著に再生音の歪みが気になってしまうのですが、原因のカードの磁気は、元に戻すことができません。また、磁気ヘッドにおいても、交換部品が流通しておりませんので、摩耗の酷い場合は修理不可能(こちらの記事参照)で再生音の異常においても改善は不可能になります。そこで、何とか少しでも改善はできないかと磁気ヘッドのアライメントを微調整してみました。

調整前では、1枚目のデモンストレーションカードにおいて再生音の歪みがあります。アライメントを調整し、同じ他のCP-1100と新品のCP-7000で再生音の比較を行いました。

新品のCP-7000においても歪みが聞こえるので、やはりカード自体の磁気劣化が支配的な歪み原因ではありますが、対象の改善はできたようです。

修理完了

最後に、モーターの回転速度も遅くなっておりますので、速度調整を行い修理完了です。