トーキングカードプレーヤー CP-1100 他4台 修理
ソニー製 トーキングカードプレーヤー CP-1100 3台と中央出版 トーキングUFO 1台の修理の依頼がありました。
内CP-1100の2台は、2020年に一度当医院で修理実施した機種の再修理依頼となります。
因みに、中央出版社製のトーキングUFOは、ソニー製のカードとの互換性が高く同じカードを再生できます。録音機能も有しているので、CP-33やCP-55などと同じ機能を有していますね。
では、順に診察しましょう。
CP-1100 ③番機
2020年にゴム系部品の総交換と磁気ヘッドのアジマス調整やカード検知用のマイクロスイッチの調整も実施しておりました。
カードを差し込みスライドはするのですが、音声が速くなっておりかつ音質も悪く途切れ途切れです。また、カードを差し込んでもカードの挿入を検知できずスライドしないことが出ています。
まず、交換した円筒形のゴムローラーが片減りしており、正円を描くように軸を中心とした回転できなくなっておりました。そのため、カードを再生しても磁気ヘッドに正常に密着できなくなっています。
以前のカルテからも、磁気ヘッドのアジマスを調整しても完全にアライメントを取り切れなかった旨の履歴が残っておりました。
従いまして、まずはゴムローラーを再度交換実施しアジマスを取り直します。今回もできるだけのラインでの調整となります。
履歴にも残しているので、かなり四苦八苦して調整しましたが、なかなか最善がポイントを探せませんね。今回もやはり最善な落としどころで調整をします。
また、ゴムベルトも耐久性のよい素材ベルトに交換しておきます。
次にですが、カード検知のマイクロスイッチのスイッチバネが弱くなっております。強く押し込むとONにはなります。
2020年の時点では交換用のマイクロスイッチの在庫が無かったのですが、その後に入手できましたので、今回は新品のマイクロスイッチに交換します。
再入院にはなりましたが、ゴム系部品の再交換とメンテナンスで無事再稼働できるようになりました。
では、次のCP-1100を拝見します。
CP-1100 ④番機
2年前に交換をした、ゴムベルトの1本が切れておりました。
より耐久性の向上したゴムベルトに交換します。また、カード再生速度が速くなっておりますので調整もします。
ゴムローラーは、まだまだ使用できる摩耗の程度でしたので、表面をアルコールで拭きしておきます。
ただ、磁気ヘッドのコア部にあたっている筋が出ているので、アジマス調整でヘッドとの間隔を調整します。
よさそうですね。では、次のCP-1100を拝見しましょう。
CP-1100 ⑩番機
⑩番機は、新規の修理機種です。
こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。
このゴムベルトは、ソニー純正のゴムベルトではなく、他のおもちゃ病院で交換されたと思われるゴムベルトでした。
ゴムローラーも経年でカチコチに固化しておりますので、新品に交換します。
また、内部清掃で各機構部を綺麗にします。
長年のホコリや汚れもスッキリ綺麗にします。
カードを挿入差し込む本体の隙間から埃類が入り込みます。
ゴムベルトも交換しカードの再生速度を調整、アジマス調整も行います。
よさそうですね。では再度のトーキングUFOを診察します。
トーキングUFO ⑬番機
前から疑問だったのですが、この製品名のUFOとは、どういう意味で付けたのでしょうかね。
主に語学用の教材としても、UFOというネーミングってね。。。
こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。
CP-1100同様に耐久性の高いベルトに交換します。
ゴムローラーは、問題ありませんので、こちらも内部清掃かねて埃や汚れを綺麗にします。
トーキングUFOは、再生速度をSLOWにできるボタンが実装されております。
カードの再生速度をチェックすると、なんとSLOW押下時の再生速度が適正速度、通常時速度がやけに速くなっております。
こちらもカード再生速度を適正速度にしておきます。
以上、4台のカード再生機の修理でした。
約2年程前の機種の再修理となりましたが、ゴム部品などの消耗部品は定期的にチェックすると、末永く使用になれると思います。