ソニー製 トーキングカードプレーヤーCP-1100の修理のご依頼がありました。
お孫様へのプレゼントとのことでした。
モーターは、初期版でした。この初期版は、速度調整が本体内部のネジで、速度を確認しながらネジで調整できるタイプでなかったりします。また、分解するとあやまって壊してしまうような代物になります。
症状としては、本来はカードをスリットに差し込むと自走してスライドし磁気テープの音声が再生されるのですが、かろうじて自走はするが音声が歪んでいるとのことです。
当医院に届いて再生確認をしましたが、ゴムローラーが固化し滑っておりました。
音声が歪んでいた主因は、このゴムローラーの固化でした。
ゴム部品は、硫黄成分が抜けてしまいカチコチに固化し、カードの磁気テープとの摩擦で表面もツルツルに磨かれるという次第です。
また、プーリーのゴムベルトも伸びているので、ゴム系部品は丸ごと新品に交換します。
また、メンテナンスとして、各機構部を一旦バラバラにして外し、カード検知スイッチの接点は研磨しておきます。
ON/OFFを繰り返しいるので、接点が火花で焦げて黒くなっています。
ボリュームもガリノイズが出ているので、新品に交換します。
このボリュームは、CP-1100の筐体形状にフィットするように特注されたか部品の形状に合わせて筐体設計されたようです。残念ながら、現在市場で入手できるボリュームは装着できません。当医院では、新品のオリジナル加工部品に交換して対応しております。
あとは、各所の劣化グリスをアルコールでふき取りきれいにしグリスを再塗布します。
ヘッドのコア部の摩耗もありますが、アジマスが著しく狂っていなかったので、無事音声の歪みなく再生できるようになりました。
本体内部もきれいにお掃除して修理完了です。
再生音も問題なく綺麗に再生できていますね。
しっかり修理メンテナンスしておりますので、今後も末永く活躍いただけると思います。
このたび、ソニーのトーキングカードプレーヤーを修理していただきました。
ネットからの修理依頼の問い合わせから修理完了で戻ってくるまで4日というスピードで驚きました。
息子が35年ほど前に使っていてその後、実家の甥、姪が使ったままに「死蔵」されていたものを、孫が生まれたのを機に復活させるべくこちらに修理を依頼しました。
ネットの説明をよく読み、その指示に従ってお願いできました。やり取りはすべてメールにて迅速なお返事、対応をいただけました。
修理内容についても詳しく連絡をいただき、また修理の結果の様子もYouTubeの動画にてすぐに確認できました。
駆動部分のゴムの劣化などおそらくは「定型」の修理内に収まっていたようでその実績から安心してお任せすることができました。
最後に、このトーキングカードプレーヤーはアナログの極地ではありますが、スマホやタブレットでは実現できない数々のメリットがあるものです。
こどもにとってカードの向き、表裏を確認して細い溝に通すという作業はなかなか複雑な作業です。
どうか、修理を迷われている方はぜひ修理して次の世代に伝えて欲しいと願っています。
安易に自分で修理しようとはせずに、実績のある業者さんに丸投げするのが1番です。
一歳半の孫娘は興味津々な眼差し。息子も懐かしがって喜んでいます。
このたびは大変お世話になりました。
~依頼者のご感想より~