ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100の修理依頼がありました。

カードをスリットに差し込むと電源が入りうなりだしはするが、カードを引き込み自動再生しないということです。

40年以上前に購入された商品ですが、是非依頼者様のお子様にもということで修理の依頼がありました。

差し込んだ手で押してあげるとスピーカーから音声はオカシイなり出力はされるそうなので、駆動系のゴム部品の劣化が主因と思われます。

では、早速診断を開始しましょう。

ゴムローラーがカチコチに固化してツルツル滑っていますね。

摩擦がまったくなくなっていますので、カードを引き込みできなくなっています。

ゴムベルトも伸びてしまいプーリーを駆動できなくなっています。

ゴム系の部品は、すべて新品に交換します。

フリマなどで、ゴムベルトのみを交換し平気でメンテナンス修理済みとして販売されている方が居られますが、一番肝心要のゴムローラーも新品に交換しているか確認をしてください。

中古で購入して一時カードが再生できてもすぐまた故障してしまいます。

当医院にも中古で購入し再生不良であったという相談もきておりますので、ご検討の皆さまにおかれましては、ご注意ください。

話を修理に戻します。

磁気ヘッに摩耗はありますが、おおよそ経年使用レベルなので、再生テストで音質を確認します。

ボリュームにガリが出ていますので、新品のボリュームに交換します。

この手のボリュームは、接点復活剤如きでは一瞬回復しますが、翌日にはもう再発してしまうので、新品への交換必須です。

また、ときどきあるのですが、カード再生終了後にカード検知スイッチがOFFになった瞬間、『ピューン』という雑音というか音がします。

耳をスピーカーにそばだてると聞こえます。

過去に基板上の電解コンデンサーの総交換で解消した経験があるので、今回も全交換します。

まぁ、電解コンデンサーは消耗品なので、40年も経過したのなら、ACカップリングコンデンサーも含めパスコンも交換した方が安心です。

カードの検知スイッチも分解し接点の焦げを研磨しておきます。

カードを抜き差しする度にON/OFFを繰り返しますので、火花で接点が黒変します。

ON/OFFの切替時の抵抗を確認します。

その他、機構系も一式分解しメンテナンスします。

やはり、ゴムローラーは新品がいいですね。

カード再生速度を検査カードと測定器で調整し、磁気ヘッドのアジマスの調整し修理完了です。

動作確認

音質も問題ありませんね。

これで、依頼者様のお子様におかれても十分活躍いただけると思います。


この度は,お盆前のお忙しい時期に大変迅速かつ丁寧にご対応いただきまして,ありがとうございました。

約40年前発売の古い製品のため,もう直らないものとあきらめかけておりましたが,瀧下様のおかげで小さい頃に遊んでいたとおりの元の完全な状態に直っており,感動しました。

お盆休みまでに修理いただくことまでは期待していなかったのですが,大変迅速にご対応いただいたおかげで,自分の娘と,お盆休みで実家に帰省してきた姉と甥とで,(私と姉と母は)懐かしみながら,(娘と甥は新鮮に)楽しむことができました。

これからも大切に使わせていただきたいと思います。

ご苦労もおありかと思いますが,瀧下様には,これからも良い物をより長く使うためのこの活動を是非続けていただければと思います。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~