ソニーリピートカードプレーヤー CP-33 基板換装
カードが再生できないということで修理のご依頼がございました。長期保管時に乾電池を入れたままだったようで、液漏れを起こしているそうです。早速状況を確認します。
液漏れの懸念があったので、ACアダプターで稼働させると、ゴムローラーは回りはじめるので、乾電池で操作しない原因は、やはり液漏れの腐食のようです。電極も液漏れの粉で腐食が広がっているので、除去洗浄し研摩しておきます。
電池ボックス電極の腐食以外にもゴムベルトが溶けて切れておりますので、除去清掃し交換をします。ですが、これかなり厄介なんですよね。。。
粘着したゴムを丹念に綺麗に除去し溶剤で綺麗にします。プーリー、フライホイール、モーターぷーりー全てにこびり付いています。
ゴムベルトは無事交換できました。カードを直にスライドするゴムローラーは、まだ摩擦も残っておりましたが、劣化も見られたのでご相談の結果、交換をということで、ゴム系部品は全て交換します。
以上で、当初の不具合箇所の対処ができたので、最後に動作確認をしたところ、なんと!カード再生音が出ない。。。おかしい、もう一回入れてみると、音がでた!今度は、リピート再生時に音がでない。。。LEDも点灯しっぱなし、、、なんとも不安定が症状が起きています。
当初の診断時は、数回のカード再生検査のみだったので、運よくこの不具合が出ていなかっただけのようでした。さて、困りました、原因の解析をと基板を眺めていたら、乾電池の液漏れにより腐食が、基板側にも広がっています。
恐らくこの腐食が原因と思われますが、基板上の腐食は、修理ができないのと症状との因果関係を解析するには、回路図が必要でしょう。もちろん、そんな情報はないので、リバースエンジニアリングでもしないといけないのですが、ちょうど部品取り用の基板が手持ちにあります。
CP-33の基板についてですが、初期ロットでは、TI製のTMS3477 ICチップが使用されておりますが、CP-33もICチップ内製化を進めたらしく、CXDナンバーのICチップに置き換えが進んでおります。今回の機種は、置き換え後の基板となり、ちょうど同じ基板の在庫がございました。早速基板を交換してみると、無事再生できLEDも点灯と消灯もできました。
安心材料として、不具合の基板と交換した機種では、同じ不具合である音が出なかったりとい不安定な症状が再現されましたので、基板が原因であることは間違いありません。
因みに、ケーブル類を固定する際に部品間に接着剤で止めているのですが、この接着剤が取りにくいです。下手をすると部品を破損しかねませんので、十分注意をします。