ソニーリピートカードプレーヤーCP-70 トーキングカードプレーヤー CP-1000 ヘッド研摩修理
ソニー製のカードプレーヤーの修理依頼がございました。
お子様がご使用になるとのことで長年修理できるところをお探しだったようです。
今回は特に磁気ヘッドに粘着したゴムの除去と損傷を受けた磁気ヘッドのアモルファスヘッドの研摩に挑戦しましたので、そのご紹介となります。
では、CP-70の方からご紹介します。
リピートカードプレーヤー CP-70
CP-70という機種は、筐体にオレンジ色のパーツが使われており、CP-33やCP-55と少々趣が異にしております。
ですが、中身は実はCP-33そのままだったりします。
ですが、CP-33は、修理不可能である場合がほとんどでして、こちらのスタッフブログで詳細を説明しております。ほんと、ボロボロになったゴムがヘッドに粘着して損傷するんですよね。
カードの再生不良とのことですが開封して拝見します。
オレンジ色が良い感じですよね。
本体を開封すると、輪ゴムがはめられています。
この輪ゴムでの補修ですが、プラスチックを溶かしてしまうので、ダメ絶対です。
恐らく装着されていたであろう、ゴムベルトが除去されているのですが、方々に粘着したゴムの痕がありました。
ゴムローラーは、加水分解でボロボロになっておらず、磁気ヘッドにも粘着しておりませんでした。ほっと一安心です。
ゴムローラーは、辛うじて弾力と摩擦が残っておりましたが、依頼者と相談し新品に交換することになりました。
目視でも表面がテカリはじめているのは分かりますね。
CP-33は、スペーサーの無い直付けタイプのゴムローラーなので接着剤で直付けしますが、軸受けに誤って接着剤が付いてしまわないように注意して接着します。
さて、CP-33でも同じ不安材料でもある、プーリーの劣化したグリスです。
今回のCP-70も同様に劣化したグリスが残っているのですが、この劣化したグリスを綺麗に取り切れないのですよね。
他の機種と異なり軸受けがカシメられており外すことができなんですよね。
なので、軸に少しでも劣化すて古いグリスが残っていると、接着剤のように固着して回転不良を起こします。過去に何度も手痛いしっぺ返しをくらいました。
隙間にしこたまパーツクリーナーを吹きつけこれでもか!というくらい洗浄しました。
IPAにじゃぶじゃぶ浸けておけばいいのかもしれないのですが、コスト的に難しいですね。
一連の部品交換と内部清掃を行い修理完了です。
次に、トーキングカードプレーヤーCP-1000に作業を移します。
トーキングカードプレーヤーCP-1000
CP-1000もご自身で修理に臨まれたらしく分解された状態で届生きました。
こちらもCP-70と同じくゴムベルトが溶解しており、まさに地獄絵図のような粘着でした。
おおお!
ボロボロですね。もちろんですが、磁気ヘッド側にも、がっつりこのゴムの残骸が粘着しております。
この状態でもアルコールで粘着したゴムを拭きとったのですが、これ以上は取れません。
物理的に力を加えると、ヘッドが損傷位にゴムが固まっています。
ダメ元で再生確認をしましたが、ほぼ全くといっていいほぼ磁気が拾えておらずカードの再生もできませんでした。
今回は、このヘッドの表面を研磨しカードを再生できるようにします。