ソニーリピートカードプレーヤー CP-70 CP-55K 修理
ソニーリピートカードプレーヤー CP-70とCP-55Kの修理のご依頼です。どちらの機種もカード正常にスライドされないとのことで、手でサポートをしてあげると音はスピーカーから出ているそうです。この時点で、スピーカーおよび磁気ヘッドと電子回路系に致命的な故障はなさそうですね。
CP-70は、過去に数回の修理実績しかございません。白の筐体にオレンジのパーツが使用されており、他の機種とは違う様相を呈しておりますが、ボタン類をよく見ると中身は、CP-33でした。こちらの過去記事でもご紹介しております。
CP-70の中身は、CP-33とご紹介をしておりましたが、1点違う点がございます。それは、リピート再生時にトーキングカードの録音が可能なのです。公文様の英語カードのような短いカードではなく、トーキングカードにて約7秒の録音が可能です。
では、まずCP-70の修理から着手します。
ご依頼様の方より、以前に譲り受けた商品とのことでした。開封をします。
開封際し電池ボックスの蓋のカード差し込み口に割れがありました。ご依頼様に確認すると元からあった割れのようなので接着しておきます。この部分は、開封の際に撓みの応力がかなりかかる場所なので、以前何方かが開封された際に誤って割ってしまったのでしょう。
まず目に入るのは、ゴムベルトが輪ゴムに交換をされております。やはり何方かが修理に挑戦したのでしょうか。この輪ゴムですが、ご覧の皆さんは決してマネをしてはいけません。
過去にもCP-1100で同じ症例があったのですが、輪ゴム(天然ゴム)を取り付けてしまうとプーリーに粘着しプラスチックを溶かしてしまいます。今回は、浸食がまだ出ていなかったので一安心です。
カードが滑って正常にスライドできていないかった原因は、ゴムローラーが劣化のため滑ってしまっていたためでした。輪ゴムは、もちろんですがゴムベルトに交換をします。
電池ボックスの電極に液漏れで接触不良も出ていましたので研磨しておきます。
ゴム系部品を一式交換します。
最後に筐体全体をアルコールでお掃除して修理完了です。
次にCP-55Kの作業に着手します。
因みに、CP-55Kは、CP-55と同じ中身なのですが、恐らく末尾のKは、公文様向けのOEMとして出荷された型番と思います。そのため、化粧箱以外には、Kの文字がどこにもなかったりします。
さて、CP-55Kですが、カードのスライド不良以外に、カード再生時の音量が非常に小さいです。正常時に比べ、1/5程に低下しています。CP-55あるあるですが、ACカップリングコンデンサーの劣化が原因と思われますので一式交換をします。
まず、劣化ゴム部品。ゴムベルトは、長期保管のため伸びており曲がり癖もついてプーリーで滑っておりました。また、ゴムローラーも表面の固化が出ています。
今回のゴムローラーは、スペーサー付きのゴムローラーです。
一式アルコールで洗浄しておきます。
次に音量低下ですが、アルミ電解コンデンサーをまるごと交換します。無事に再生音量も正常に戻りました。因みに、コンデンサーの劣化については、こちらやこちらが参考になります。
新品のように綺麗にしていただいて、息子も楽しそうに触っていました。
自分の小さい頃に使っていたものを息子が使っているのはとても嬉しいです。
これからもたくさん使って遊びながら学習できたらいいなと思います。
事前の見積もりから代金支払まで、メールやYouTubeでスムーズにやりとりできたので、子育て中で落ち着かない生活をしている私にとってはとても便利でありがたかったです。
ありがとうございました。
~ご依頼者様のご感想より~