DWE アナログプレイメイト アンプIC故障
今回の記事は、アンプ回路に使用されているICが故障しており交換不可のため修理を断念した記事となります。
他の玩具もそうなのですが、年月が経った場合回路に使用されているICがディスコンになっていたり、そもそも製造メーカーが半導体事業を閉じていたり、残念ながら統廃合になっていたります。
今回も旧サンヨー製のラジオやカセットテープ用にリリースされていた、LA3220が故障しており、市場でも入手ができなため修理を断念しました。
依頼者様は、ゴムベルトの溶解までは確認されて修理を依頼されたのですが、残念ながら他の故障要因が致命傷となりました。
ゴムベルトは、このアナログプレイメイトでよくある溶解してドロドロになっていました。ベルトについては交換部品の在庫があります。
こちらが、プリアンプ部に使用されている旧サンヨー製のLA3220です。
データシートもネットで入手できます。
LA3220は、オペアンプが2回路実装されており、ALC(Automatic Level Control)自動レベル制御も2回路実装されております。
オペアンプの2回路の内、1回路はマイク部の音声増幅ともう一方の1回路は磁気ヘッドからの音声を増幅するといった設計がなされております。
どの磁気カードプレーヤーの修理でも同じなのですが、機構系の故障以外にも電子回路の故障もないかチェックします。
磁気ヘッド自体は、当医院に検査治具があるので検査を行い、二つある磁気ヘッドの録再生用も再生用も無事機能しておりました。
ですが、音声が全く増幅されずスピーカーからも音声が出ていないので、回路の調査に乗り出しました。もちろんですが、スピーカーは事前チェック済みです。
データーシートを基に回路を調べると磁気ヘッドで拾った音声が正常にIC入力まで入力されているのですが、出力からはまったく反応がありません。
電源などの他の印加状況もチェックをしておりますが、これは完全にICが故障していました。
磁気ヘッドから配線を外し外部からオーディオ出力を絞って印加しIC単独で駆動できるようにカップリングコンデンサーを外して独立させます。
出力にクリスタルイヤホンをつなぎ音声の変化を観察しました。
まったくうんともすんともです。
電源印加時のポップノイズすらありません。
このLA3220の電源は、カードの挿入を検知したスイッチによってICに電源が印加されるので、テストのために検知スイッチは入りのままにしておきます。
悩んでプリアンプ部のみであればディスクリートや他のオペアンプで自作回路で代替えしてしまろうかとも思ったのですが、他の不具合もないか調べたところ、LA4100のパワーアンプ側にも何やら問題があります。
スピーカーからは、カード検知時にポップノイズは出ていますが、こちらの入力にも外部から信号を印加しましたが、こちらも音声がでていません。
ざっくり調べてみると、ブートストラップ回路の220uFの電解コンデンサーが容量抜けしてしまっておりました。
ゴム系部品の交換やメンテナンスと電子回路のアンプ部の修理において部品調達の策の検討などを踏まえると、修理費事態も高額にならざるをえないです。
諸々を検討し修理不可能と判断しました。
もし入手できるのであればジャンク品から基板のみ移殖した方がコスト的にも良いかもしれません。
今回は、電子回路の故障により修理不可能となった案件の紹介となりました。