DWE 旧式アナログプレイメイト 修理断念

DWE 旧型式のアナログプレイメイトの修理依頼がありました。

ですが、今回は修理費用が高額になりそうという見通しのため修理を断念したという案件の紹介記事となります。

故障の症状としては、カードを引き込み自動再生しないという症状ですが、この旧型式のDWE製のアナログプレイメイトでは、ほぼ確実にゴムベルトが溶解しています。

経年劣化で溶けて切れてしまうんですよね。

しかも溶けて方々にはじけ飛ぶので、筐体内のあちらこちらに溶けたゴムが粘着しています。

カードを磁気に駆動するゴムローラーも経年劣化で表面が固化して摩擦が低下します。

当医院では、このゴム系部品は交換部品を用意していますので交換できますが、今回は電子回路にも故障があり修理を断念しました。

さて、ゴム系部品の劣化は分解し目視でも確認はできます。

次に電子回路の故障の有無は、実際にカードの磁気を拾い音声を増幅し再生できるか確認します。

届いた当初ですが、前述のとおりカード駆動系のゴム部品が一式ダメになっているので、カードを手で押しながらスライドさせました。

これで一応は再生音はめちゃくちゃでも何かしらの音は確認できます。

ですが、初回、動作モードがマイク録音モードになっているのを知らずに録音動作をさせてしまいました。

しまった!と思い、早速、生徒モードで再生すると、何かしらの音はスピーカーから出てきました。

おおお!電子回路には問題はなさそうかなと思い、次に生徒+先生モードで再生すると、先の初回録音したぐにゃぐにゃな音声も一緒に再生されました。

録音機能にも問題はなさそうだと、高を括っていたのですが、この直後から一切なにも再生できなくなりました。

やれやれとどっと汗が出てきました。

電子回路の基板を磁気ヘッドから離しINから音声信号を印加して信号の伝搬を探ります。

カップリングコンデンサーなどの経路を調べ電解コンデンサーの容量抜けもチェックしつつ故障箇所を調べると、プリアンプのLA3220のオペアンプが故障しています。

印加信号が増幅されていません。

というか、ノイズが混ざり酷い状態です。時間が経過するとノイズの状況も変わったりするので、非常に不安定な動作です。

後段のパワーアンプは問題ありませんでした。

前述の診断作業中の症状を考えると電源の印加でIC内の故障を誘発したと思われます。

動作モードをいろいろ切り替えてもうんともすんともです。

交換用のLA3220の用意もあるのですが、工数を考えると修理作業料が高額になります。

この点を依頼者と相談しました。

ちょうど、代替えの同じ機種がありましたので、代わりにお譲りするということで今回の案件は一旦のクローズし、後学のため宿題となりました。