DWE 両面デジタルプレイメイト SDカード破損 回避策
数日前から突然、カードを通すと途中で止まってしまうという不具合の相談がありました。
途中で止まってしまうというと、カードのスライドさせるゴムローラーに何らかの問題が発現したのかもと推測します。
では、早速拝見します。
まず、不具合の出ているSDカードはZippyシリーズのSDカードとトークアロングカードでした。
このSDカードは、Zippyというキャラクターのトークアロングカード向けのSDカードで、向かって左の水色のSDカードが、全カード対応のSDカードで、右のオレンジのSDカードは、Zippy and His Friendsというカード限定カードのようでした。
本体側に挿入されたスロット番号との組み合わせは、以下のようになります。
スロット1側:Zippy #003
スロット2側:Zippy and His Friends #002
また、動作モードも録音再生モードとなります。
届いたこのセッティングが重要でした。
この状態で再生確認をすると、お問い合わせ時のようにバーコードを読み込んだあたりのスライド途中でハングアップしました。
それ以降は、如何なる動作もせず、電源の入れ直しかACアダプターの抜き差しをすると再度読み込みをし始めますが、録音再生モードのままだと再度カードを差し込んでもハングしました。
不具合の再現実験は成功しました。
続けてカード再生モードを録音再生モードではなく単なる再生モードに切り替えて再生確認すると無事再生できることが確認できました。
故障モードは、録音再生モードでカードを再生すると発現する故障と判明しました。
さて、ここでハードウェアかソフトウェアのどちらに問題あるのかを切り分けるため、当医院の両面デジタル対応のプレイメイトに該当のSDカードをスロット番号と同じスロットに挿入しトークアロングカードで再生確認をすると、同じように録音再生モードでのみハングし、単なる再生モードでは同じく問題なく再生できました。
今回の故障は、再生機種本体の問題ではなく、どうもSDカードのデータの問題の線が強くなりました。まだ続きます。
そこで、SDカードのデータを確認します。
スロット1側に挿入されたZippy #003に保存されているREC.LSTというファイルに破損が見つかりました。
因みに、スロット2側のZippy and His Friends #002のREC.LSTファイルは無事でした。
REC.LSTファイルは、音声録音した際に、SDカードに保存するファイルとトークアロングカードの紐づけをしたリストファイルのようでこのファイルが正常に読み込めないために録音再生モードで問題が出た推測できます。
バーコードを読み込んだあたりでSDカードの録音音声が無いかを確認するが、ファイルが破損していて読み込めないようです。
さて、SDカードと挿入されたいたスロットについて再確認します。
スロット1側:Zippy #003
スロット2側:Zippy and His Friends #002
インターネットで調べてみると、Zippy系のカードは、Zippy #003は全てのトークアロングカードに対応していて、Zippy and His Friends #002は、その一部のトークアロングカードのようでした。依頼者様が使用しているZippyのトークアロングカードは、後述の調査にて両方のSDカードどちらでも再生できるトークアロングカードでした。
ここまでをまとめます。
故障の原因は、スロット1側に挿入されたZippy #003に保存されているREC.LSTファイルが破損しているためで、録音再生モードでトークアロングを再生しようとすると、REC.LSTファイルが破損しているためにハングアップしてしまいます。
恐らくですが、故障が出た時期は、以前に何か音声を録音した際に何らかの原因でREC.LSTファイルが誤って破損してしまったようです。
この推測の裏付けと取ります。
スロット1側にZippy and His Friends #002を挿入して再生確認をします。
※Zippy #003は抜いております。
Zippy and His Friends #002のREC.LSTファイルが無事なので再生モードでも録音再生モードでも問題なく再生できました。
次に、再度届いて状態のスロット1側にZippy #003をスロット2側にZippy and His Friends #002を挿して再生確認します。
期待通りハングしました。
この実験から、録音再生モードでトークアロングカードを再生すると、スロット1側の録音データが優先再生されます。ですが、スロット1側に挿入されているSDカードのREC.LSTファイルが破損しているので、ハングアップしてしまいます。
やっとここで原因が推測できました。
ですが、残念ながらSDカードのREC.LSTファイルは修復ができません。
というかやったことがありません。( ̄▽ ̄;
このSDカードは、Windowsなどのパソコンで中身を読み込むことはできるのですが、書き込むことができるのかも分かりません。そもそも破損したファイルをどう修復できるのかも不明です。
回避策を検討します。
Zippyのトークアロングカードを使用するだけならZippy and His Friends #002をスロット1に挿して運用しても良い気がします。
ですが、Zippy #003でしか再生できないトークアロングカードもお持ちの場合どうすべきか悩みます。
音声の録音はせず、カードの再生のみを行う場合は、以下のようにすればトークアロングカード再生はできました。
スロット1側:Zippy and His Friends #002・・・REC.LST OK
スロット2側:Zippy #003・・・REC.LST NG
現状のまま、とりあえずトークアロングカードを再生することのみはできますが、懸念点も残ります。
なぜ、Zippy #003のREC.LSTファイルが破損したのかという疑問が残ります。
以前、録音した際に途中で電源を抜いてしまったり電源が落ちたりしたのであれば、それが原因かもしれません。
もしそのような記憶がない場合、トークアロングカード再生自体の問題は、本体側には無いとお伝えしましたが、この機種で音声を録音すると、スロット1側に挿入されているSDカードのREC.LSTファイルが破損してしまうような故障かもしれません。
残念ですが、この音声を録音すると、REC.LSTファイルが破損するという故障も修理できそうにないです。
こればかりはテストをすると無事なSDカードのREC.LSTファイルが破損するリスクもあります。一方で実は、REC.LSTの破損したZippy #003にあらためて何らかの音声を録音すると、元に戻るのかもという期待もあったりします。
リスクを冒してまでも録音テストを行うのをやめトークアロングカードは再生のみとするならば、以下のスロットとSDカードの組み合わせで運用するかというご提案をしたところ、この運用でとなりました。
■ご提案のスロットとSDカードの組み合わせ
スロット1側:Zippy and His Friends #002
スロット2側:Zippy #003
再生のみでの運用とするならば、前述のSDカードとスロットの組み合わせにしていただければと思います。ただ、音声の録音もしたいし、再生のみで運用しても操作ミスで録音してしまうかもという心配があれば、録音テストもできますが、最悪REC.LSTが無事なSDカードも破損してしまう可能性があります。
今回は、REC.LSTファイルが破損した場合の回避策についての記事になります。
SDカードのデータファイルを直接編集するというのは、その方法やリスクなどの考慮しないといけません。Windowsで読み込めるからといって、同じファイルシステムでないかもしれないし、編集できるのかな!?
そもそもバイナリーレベルでそのようなファイル内容なのかも分かりません。
完全が企業秘密の領域ですね。
この度は中古で購入したディズニーの両面デジタルプレイメイトを修理していただきました。
年末の忙しい時期にもかかわらず、迅速かつ丁寧に対応していただき、素人では絶対にわからない故障の原因を突き止めて下さいました。
対策も考えていただき、無事に再生できるようになり、返って来て再生できた時には子供と手を叩いて喜びました。
ご相談して本当に良かったです。ありがとうございました。
~依頼者様のご感想より~