DWE アナログ プレイメイト ゴム系部品交換 メンテナンス 増幅回路 修理

プレイメイト

DWE アナログ プレイメイト ゴム系部品交換 メンテナンス 増幅回路 修理

ご自身でゴムベルトの交換を行ったが、カードの再生音がしないとのことで修理のご依頼がありました。DWEのアナログ版プレイメイトですが、カードを直にスライドさせるゴムローラー部品がないためメンテナンスのみで以後の不具合に関しては不問という条件でとなります。

因みにですが、プレイメイト用のゴムローラー部品を特注するとゴムローラーのみで販売時の製品価格近くになり、ご負担の費用が現実的でないためこのような判断としております。一方、ソニー製のカードプレーヤーは、修理依頼数が多数ですので、大量発注することで現実的な費用でご提供できるのです。

さて、早速ですが開封して状況を確認します。

輪ゴム厳禁

ご自身で輪ゴムに交換されたそうですが、当医院のブログ記事で何度もお伝えしておりますが、輪ゴム(天然ゴム)に交換するのは、厳禁です。幸いに今回は、プーリーが金属製でしたので溶解してはおりませんでした。

溶解した黒ゴムの残りもあったので、お掃除はたいへんだったでしょう。

溶けたゴム残り

プーリーも綺麗にします。

汚れプーリー
綺麗にお掃除
ゴムベルト

プーリー、フライホイールなど残存のゴムや古いグリスを除去し綺麗にします。次にゴムローラーを診ます。

ゴムローラー

かなりの劣化が出ており、カードが滑ってスライドできません。新品は、既に入手できませんし、ソニー製カードのように特注すると、かなり高額になりますので、ここは、当医院在庫のより状態の良いメンテナンス品に交換します。

交換品

次に再生音がしない原因を確認します。よくある原因としては、スピーカーの故障ですが、今回はスピーカーチェッカーで確認し問題ありません。また、導線も全てチェックし断線などもありません。

磁気ヘッド

前チェックは済んだので、磁気ヘッドとアンプ回路のチェックをします。

当医院では、磁気ヘッドで磁気が拾えているか磁気ヘッドのみをチェックできる治具を製作用意しております。確認すると無事、磁気ヘッドで磁気も拾えております。次にその拾った磁気を増幅する増幅回路をチェックします。

今回のアナログ版プレイメイトは、プリアンプ部とパワーアンプとも旧SANYO製のモノリシックのリニアICが使用されております。プリアンプ部にLA3220, パワーアンプ部にLA4110となります。ここでも大活躍するクリスタルイヤホンで入力から経路確認します。

磁気ヘッドからの入力も無事経路確認ができプリアンプ部は問題ありませんでした。問題は、パワーアンプ側にありました。

LA4100

パワーアンプの入力側までの経路には、無事カードの音声が伝播しておりますが、ここで出力から増幅された音声が出ていません。Vccの電圧も正常に上がっており、もちろんですが、GNDの接地も問題ありませんでした。と、ここでVccの電圧を確認した際にテスターのクリップが、あやまってVccと13ピンを短絡させてしまった時に、スピーカーから、なんと!音声が出てきました。しばらくするとまたすぐ音声が出なくなります。

Vccに触れた瞬間にチャージが完了し、またすぐ抜けてしまうような事態は、やはり電解コンデンサーの容量抜けの典型的な症状です。

LA4100のデータシートもインターネットから入手できますので、等価回路も確認します。

等価回路

データシートによると、外付けの電解コンデンサーの容量抜けによって出力がクリップしていることが分かり丸ごと全て交換をします。何とも、運よく偶然に故障個所を探ることができ、とてもラッキーでした。

録音側プーリー

アナログ版プレイメイトは、リピート再生する際は、機械的にカードを逆戻すためのプーリーが、フライホイールの内側に隠れています。ゴムローラーを交換する際は、軸の高さに注意しないと内部で干渉してしまいます。

ゴム系部品のメンテナンスと交換を行い、アンプ部の修理も終わり動作確認をします。

大丈夫そうですね。カードの磁気ヘッドとゴムローラー間の挟まりが強くて差し込む時と引き抜く時に力が必ようです。


こんなに早く治して下さり驚いております。動きもスムーズですし、音もしっかりしていて、買った時と全く同じです。

なんとお礼を言っていいのか感謝の気持ちで一杯です。

貴重なお時間を使っていただき、しっかりと治していただき、感動しています。

諦めかけていた時に、ネット検索をして、宅配おもちゃ病院を見つけ、瀧下Doctorに診ていただき、最高に幸運でした これで孫と遊べます。

大変お世話になり、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。m(_ _)m

~ご依頼様のご感想より~