ソニートーキングカードプレーヤー・リピートカードプレーヤー・ランゲージ・パル LP-II 修理

カードプレーヤー

ソニートーキングカードプレーヤー・リピートカードプレーヤー・ランゲージ・パル LP-II 修理

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100, CP-55Aと株式会社エスコアール社製 ランゲージ・パル LP-IIという製品です。

ランゲージ・パル LP-IIという製品は、当医院での修理経験がありませんが、こちらのURLを拝見すると失語症の治療機器のようです。では、順番に状況を確認しましょう。

トップバッターは、ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000です。つい先日、CP-1000Gという製品を修理しましたが、Gが付く製品と付かない製品がありますが、調べてみますと、学研向け教材用としてOEM供給された製品には、型番の一番最後にGが付くのでないかと推測されました。

cp-1000

動作は、カード検知してもカード送りもされませんが、モーターが駆動している音は聞こえるので、駆動系の不具合ですね。開封してみると、ゴムベルトを駆動するプーリーのグリスが劣化して固着しており、またそのプーリーを通じて動力を伝えるゴムベルト2本も伸びており交換が必要でした。カードを送るゴムローラーも、経年劣化で固化が出ておりますので交換が必要で、全て新品に交換します。

プーリーのグリス固着
ゴム系パーツの交換
ゴムローラー

CP-1000のゴムローラーですが、製造時期によって金属のスペーサーが付くものと付かないものがあります。当医院では、両方に対応できるゴムローラーを在庫しております。今回は、スペーサー無し版ですが、つい先日修理を行ったCP-1000G 3台のこちらは、全てスペーサーありでした。劣化グリスの掃除と再グリス、ゴム系パーツの交換で修理完了です。


つぎは、CP-55Aを診断します。

CP-55A

こちらもゴムベルトを駆動するプーリーのグリスが劣化して固着しており、清掃と再グリスをします。またその動力を伝えるゴムベルト2本も経年劣化で固化しており交換が必要でしたので交換します。

ゴムベルト

ゴムローラーも、表面のテカりが出始めておりますので交換をします。

ゴムローラー

CP-55Aも一連のグリスの清掃と再グリス、ゴム系パーツの一式交換で無事、再起しました。

他の修理依頼も同じですが、当医院では、返送前にアルコールで全体をきれいにしてから返送をしております。修理でグリスや手の油などが付いてしまうので、きれいにします。


最後にランゲージ・パル LP-IIです。

LP-II

当医院では、初の修理事案なので仕様について調べてみました。

こちらにも詳細がありますが、動作モードには、先生用と生徒用があります。また、ブランクカードなるカードが用意されており、自由な音声を録音もできるようです。

通常は、先生モードでカードに録音された音声を再生しますが、生徒モードにすると、自分の反復練習用に録音した音声を続けて再生比較もできるようです。

内部

先生と生徒用モードは、機械的に磁気ヘッド位置がカードを上下しトラックを切り替えるようになっております。また、カセットテープレコーダーのように右側に消磁用のヘッドもあるので、録音に対応していますね。

さて、ざっくりとした動作仕様は、このぐらいにして、不具合をみてみます。

まずカードを挿入してもうんともすんともという感じではなく、動作が不安定です。カード挿入検知用のLEDが、本体中央にあるのですが、カードを挿入しても反応しません。音声の再生系は無事かを確認するため、手で押して送るとぐちゃぐちゃですが、音声は再生されます。磁気ヘッドと増幅回路系は、生きている見込みありです。

ですが、カード検知時に光るだろうLEDですが、カードを抜くときに一瞬光ります。

( ,,`・ω・´)ンンン?

おや!?

実は、カード検知のスイッチの接触不良で、がっつりレバーを押し込むとOFFとなり、微妙に離れるとONになっていたという状態でした。テスターでの導通チェックでも、接触不良がすぐ発見できました。

カード検知スイッチ

しかし、このスイッチは、分解が用意ではないので、接点回復剤で回復をみます。

中々頑固です。たっぷり内部まで染み込むまで吹き付けON/OFFを繰り返します。

頑張ること、10回程で安定的にON/OFFが切り替わりようになりました。

と実際に再生確認をすると新たな問題が出てきました。

ゴムローラーが滑ってカードが途中でスリップします。

ゴムローラー

当医院では、ソニー製のカードシステム向けの在庫は用意しておりますが、他社製品のゴムローラーの用意はありません。ソニー製カードシステム用のゴムローラーを用意する際も、たいへんでしたが、新たに準備するのは、とてもたいへんです。

  • ゴムローラーは、容易に取り外せる仕様か?
  • ゴムメーカーさんにサイズ採寸して発注する場合、金型代や初期ロット分などコストに見合う費用で製作ができるかコスト試算が必要。
  • ランゲージ・パルとしての専用品になるので、今後の修理台数の見込みが多くないと発注は不可能

おもちゃ修理においては、どのパーツもそうですうが、製作に多額の費用をかけては無意味になります。特に、製品代金より多くの修理費用は、特段の理由がない場合は、厳しいと思います。

ということで、ランゲージ・パル LP-IIについては、ゴムローラーを新規に製作するのではなく、表面を紙やすりでざらつかせて摩擦を増すということで、今回は、ご依頼者様と合意できました。

以上で、修理が完了です。


トーキングプレーヤー等、3台を拝受しました。

どれもカードが動き、きれいな音が出て、感激しました。

修理をしていただき、本当に助かりました。 感謝いたします。

~ご依頼者様のご感想より~