すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

すみっコぐらしパソコン

すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

巷で大人気らしい、『すみっコぐらし』というキャラクターのパソコンなのですが、以前、電源が入らない修理依頼を地元地域のおもちゃ病院でお預かりしたのですが、解析途中にて、返還要請があり、修理途中断念という結果に終わりました。記事は、こちら

さて、今回は、その修理記事をご覧の方から、マウスのカーソルが動かなくなったということで修理のご依頼がありました。

すみっコぐらしパソコンのマウス断線は、症状の多い故障のようで、ネットで検索しても数々ヒットします。今回のその類の断線かと思われますが、断線修理って、断線箇所の探りとケーブルをどうするかってところが、毎回悩むんですよね。。。

故障の原因は、断線とわかればケーブルを丸ごと交換してしまえば、それで済むんですが、ケーブルのお代が結構します。

調べてみたところ、9芯のΦ=4mm以下のケーブルでは、送料込みでも1500円はします。

まぁ、断線を修理しても延長のケーブルや絶縁材もまぁまぁかかりますから、ご担当のドクター様の判断に任せられるのかもしれません。さて、前置きはこのぐらいにして早速調べます。

シールはがし

このすみっコぐらしパソコンは、蓋面にメイン基板が格納されており、LCD周辺のシールを剥がし止めネジを外さねばなりません。剥がすとシワシワになってしまいますので、事前にご了承をもらっておきます。前回は、シールの全てを剥がしましたが、ネジはシールの周辺位置なので、シワシワになる部分の可能な限りで限定的にします。また、剥がしたシールもまた張り付いてしまわないように、養生テープの裏面で養生しておきます。

マウスケーブル

マウスケーブルは、この白いケーブルです。ピーピーチェッカーで導通を確認するため、マウス側も開封します。

マウス

ここで、導通を確認すると、9本中、3本で導通が取れておりません。

おや!?思いのほか、少ないな...まぁでも3本とはいえ、断線は断線です。マウスカーソルの故障は、この断線が原因とわかりました。

次に断線箇所を探ります。

本体の付け根

真っ先に目につくのが、本体とケーブルが接する付け根です。明らかに内部で何か起きているように盛り上がって黒くなっています。

マウスケーブルの引き回しで断線し内部でこんがらがっているのかもしれません。

断線箇所

断線部分を切り開き切れているであろう箇所の前後を待ち針を付けたチェッカーで探ります。

まさしくビンゴでこの黒くなっている部分の被膜内部でケーブルの芯線が疲労断線しているようです。

と、ここで断線を調べていると、断線がさらに悪化していることが判明しました。実は、断線をしていても、カツカツで繋がっていたらしく、少しひっぱると、ほとんどの線で断線しておりました。

さらに!

他の断線箇所もあることが判明しました。マウスの付け根側も断線しております。

断線箇所
断線箇所

当初は、3本の断線かと思っていましたが、カツカツで接触していたらしく、よくよく調査すると、9本中7本が断線しており、辛うじて生きていたのは、2本のみでした。

断線は、こうでなくてはなりませんね。

さて、修理の方針ですが、

第1案は、断線箇所の前後数センチをカットしてつなげて、短くなった分は、延長ケーブルをかまします。以前、ベネッセのトークパットでやった方式です。

第2案は、9芯ケーブルで丸ごと交換です。

それぞれ部品代がかかるので、それぞれのお見積りでご依頼者様に判断してもらいました。ということで、今回は、第1案の断線修理でいくことになりました。

まず、マウスの付け根については、断線箇所まだざっくりカットします。そこから導線を剥き接続します。

マウス断線箇所

中間の断線箇所も前後をカットし半田付けと被覆後に熱収縮チューブで覆いカッチカチに固めます。

というものの、9本の半田付けは結構心労でした。ケーブルの被覆は、0.6mmで芯線は、0.3mmです。AWG22位です。

半田付け

最後に熱収縮チューブを三段重ねてで被せます。

熱収縮チューブ

ケーブルが白色なので、白色のチューブにしろ!という声が聞こえてきそうですが、手持ちがなくしぶしぶ赤にしております。中間地点の接続ができたところで再度全体の構図をみます。

全体像

本体をケーブルの付け根であった箇所は、本体の端までできる限りくるように移設します。しかし、そうすると、元々本体内部で固定してあった、抜け防止の曲がり箇所での固定が弱くなるので、今回は弾性のエポキシ接着剤で付け根のみ接着固定します。その他の部分の固定は、今後の再修理に備えカプトンテープとホットボンドで固定します。

では、作戦ができたとことで次にフラットケーブルとの接続をします。

フラットケーブル

フラットケーブルは、10芯でしたので、1本余りましたが、被覆の色も同じにできました。次に基板側へ半田付けします。

固定

本体内部ですが、マウスを固定する蓋の膨らみがあり、この膨らみにかからないように固定します。

マウス側接続

画像の順が前後しますが、全ての接続のみを完了したところで、念のためカーソルの動作確認を行い、問題なければホットボンドで固定します。一度固定をしてカーソルの動作に問題あれば、剥がさないといけません。

無事修理も終わり、マウスカーソルも無事動くようになりました。


この度はお忙しい中修理していただき本当に有難うございました!

マウスが使えて娘も大変喜んでおります(^^) ケーブルを曲げないように大切に使わせていただきます。

心より感謝申し上げます。

~ご依頼者様のご感想より~

スヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライト 修理

スヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライト

スヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライトの修理のご依頼がありました。

実は、以前にも数台の修理依頼を受けた経験があるのですが、てっきり『SNOOPY & FRIENDS DIORAMA』という加藤工芸社製の製品かと思っていたら、正式な製品名は、図の通り 『スヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライト 』でした。

シール

さて、前置きはこのぐらいにして診断をします。

クリスマシシーズンに、多いサンタやクリスマス関連の製品になります。乾電池を入れたまま保管してしまったらしく、乾電池が液漏れを起こして動作しなくなってしまったらしいそうです。

過去の修理実績でもそうですが、乾電池の液漏れは、腐食が電子回路に浸食してしまい多くは修理不可能となります。また、今回の スヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライト は、過去に3件修理の経験がありますが、どれもメロディICが故障しており、音楽再生機能を復活させることはできませんでした。

電池ボックスの液漏れで電極に酷い錆が出ていますね。

こうなると、研摩などでは対処できないので電極を新品に交換します。で、ここで錆で導通ができなくなっているのでは分かっているので、電池ボックスの正極と負極に外付けの電池ボックスで4.5Vを印加してみます。

ですが、やはりうんともすんともでした。内部を確認するため底面の接着部分を剥がします。底面の接着固定部分を剥がすと筐体に割れが生じるリスクがありますので、ご依頼者様にその点の許可をいただいて作業をします。

接着剥がし

黄色枠部分は、ホットボンドでまずは筐体と電池ボックスが接着ざれており、境目の隙間が大きい箇所には、ジオラマの筐体と同じ素材の樹脂が封入されております。あまり力を入れ過ぎないくらいに静かに剥がします。

電源スイッチの錆

電源スイッチが錆で終わりの世界です。これでは、導通が取れませんので、電源スイッチが原因かかどうかを切り分けるため、基板端で電源を印加してみますが、やはりうんともすんともでした。残念、、、。

腐食は、本体内部回路の隅々まで浸食しておりました。

スピーカーケーブル

基板とスピーカーの接続部分は、なんと!半田付けではなく、剥いた導線部分を物理的に丸めてセロテープで止めているようでした。ここも酷い錆があがっています。

次に基板を確認します。このスヌーピー&ウッドストック ジオラマファイバーライトは、3枚の基板で構成されています。

  1. ファイバーライト駆動基板
  2. 外音や振動を検知する制御基板
  3. 制御基板に接続されているメロディが内蔵されたCOBのIC基板
基板腐食

電池ボックスにホットボンドで固定されている基板を剥がすと、どちらの基板にも腐食が回っており、導線の殆ども錆でもげております。

参りました、、、基板を個別に動作確認するしかないです。

ファイバーライト駆動基板は、電源ケーブルを交換したところ無事点滅しました。しかし、制御基板側は、メロディIC基板が故障してしまっているので、電源を供給してもうんともすんともです。

メロディIC基板に電源が印加されているかも確認しておりますが、スピーカー端子は、VCCに張り付いたまま微動だにしません。圧電素子からの入力端子も何故かVCCに張り付いたままになっており、2段のプリアンプを無効にしても状況は変わらず、試しにトリガレベルをいろいろ試してみてもダメでした。過去の修理時と同様にメロディIC基板が、故障してしまっています。

今まで4台の修理を受け付けおりますが、どれもメロディIC基板が逝っておりました。インターネットで、同種の故障記事をみてもメロディが流れないとのことなので、このメロディIC基板は、信頼性がとても低く経年でほぼ100%故障してしまうような代物なのかもしれません。

ご依頼者様へ、状況の報告を以後如何されるかとご相談し、今回はファイバーライト機能のみを復活して欲しいとのことでした。では、電池ボックスと電源スイッチを修理します。

交換部品

電池ボックス用の電極ですが、乾電池の正極をと負極を連結する端子に折り曲げようの羽付きがないので、この羽部分を移殖して取り付けます。

羽移殖

これで固定できるようになりました。

配線
ホットボンド

綺麗にホットボンドを流し込み動作確認を行い修理完了です。

P.S

ジオラマ部分の一か所ウッドストックの首が折れていたので、エポキシ接着剤で固定しておきました。


修理依頼の問い合わせから返送まで迅速かつ丁寧にご対応いただきありがとうございます。

途中の細かく状況や確認等についてご連絡いただき、安心して修理をお任せできました。

元の状態から修理は難しいだろうと思っていましたが、最終的にライト点灯ができるようになり満足しております。

また発送から修理後の返送まで一週間程度とかなり早くご対応いただき感謝しております。

楽しいクリスマスを過ごせそうです。

~ご依頼者様のご感想より~

トンクリ ギア噛み 調整修理

トンクリ

トンクリ ギア噛み 調整修理

トンクリと呼ばれる、ファービーにそっくりな商品の修理依頼がありました。既に、ご依頼者様で開封調整を行ったそうで、皮のぬいぐるみが剥がされた状態での受け付けをしました。

ぬいぐるみを被った状態は、ハムスターのようなキャラクターのようです。こちらで確認できます。

さて、不具合の症状は、起動させると内部のギアボックスで何か挟まったように止まってしまい、リセットボタンを押しても電池を入れ替えてもその状態のままで止まってしまうそうです。また、内部の配線も取れてしまっているそうです。

2021年の11月上旬から2022年の1月上旬までの長きにわたりお預かりした案件となります。

早速、状況を確認しまいたが、まぶたを開閉するギア部が噛んでいるらしく、モーターが鳴ったまま停止しております。ギアが回転の途中で外れているのか、ギアズレでバキバキ鳴っています。

バキバキ

まず、取れた配線は、マイク配線でしたんで、サクッと半田付けしておきます。

マイク配線取れ
半田付け

さて、次に以前ご依頼者様の知人の方に修理をしてもらったそうで、しばらくはそれで動作をしていたが、不具合が再発したのでと、ご依頼に至ったそうです。

で、その際に各所調整をされたらしいのですが、各所のネジが緩んだままになっておりました。

モーター外れ

ネジが抜けており、モーターが横にズレて取れております。あ”~

頭部パーツ止めネジ

また、頭部を止めているネジも緩んでおり、ズレております。おやおや(´・ω・`)

先のバキバキとなるギア外れは、これが原因でした。まず、不具合の解析をするため、正常な状態に戻し再度動作を確認します。

ですが、今後は当初の不具合通りに途中でギア噛みが起きて止まるようになりました。やっと、ご依頼内容の解析をスタート地点に立てました。以下から時系列にて原因解明と処置内容をご紹介します。

まず、ギアボックス内を確認すると、まぶたを開閉するシャフトが大きく湾曲していることに気づきます。また、このギアボックス内にグリスが塗布されていないので、どうもまぶた開閉のシャフト軸の滑りが問題でギア噛みが起きていそうです。

曲がり癖

緩んでいたネジをしっかり絞めてグリスをたっぷり塗布し動作確認を再開します。すると、まぶたを開閉する軸が、湾曲して曲がっているのが、ほぼ原因ぽいところまで判明しました。

曲がり箇所

発売されてかた数十年経過しているそうで、その間、恐らくまぶたの開閉途中のシャフトに力のかかったままの状態で長く保管でもすると、夏の高温などでシャフトに曲がり癖がついてしまったのかもしれませんね。

このギアボックスは、各所のシャフトが、圧入されていたりと容易に分解できないため、このままの状態で何とか修理できないか検討します。

次に目についたのは、背中のネジです。

スイッチの感度調整ネジ

このネジは、耳を上下する際に上下の上死点と下死点の切り替え位置でスイッチがONになるように調整できるネジです。動作を見ていると、明らかに上下動作の死点を超えて動作していそうで、その際にギア噛みが起きているように感じました。※安易にネジを回してはいけませんね。

経年でスイッチがONになる位置がズレたか、誤って調整してしまったかと推測し、調整しながら動作を見ていると明らかに動作が快適になり、ギア噛みも起きなくなりました。

おおお!もしかして、原因はこのネジの調整だったのかと浮かれておりました。この状態から、分解した各所を組み上げて最終的に外側のカバーをはめた状態でもギア噛みが再発しなければと思いつつ、組み上げを行いました。

が!とあるネジを絞めた拍子にギア噛みが再発しました。(×~×)それは、ここです。

ネジ

基板を電池ボックスを止めるネジを絞めるとギア噛みが再発し、緩めるとギア噛みがなくなります。恐らくネジを絞めることで基板が湾曲しその応力でギアボックスの枠も歪みギア噛みが出ているようです。そこで、ガチガチにネジを絞め切るのでなく、電池ボックスを固定はするが、ギア噛みが起きないところを探し少し緩ませておきます。

おおおお!やっとこれで行けるかと思い、ギア噛みが起きないかを確認します。

数日置きに、電池を入れ直し起動させ、5分程度放置し動作をみます。初日の確認は、OKでしたが、2回目の動作確認で、やはりギア噛みが起きてしまい、もうどうなんだという疲労困憊モードになりました。(×へ×;)

この時点で、ご依頼様には、先のシャフト軸の湾曲で修復不可能になるかもしれない旨、お伝えしていたのですが、たいへん思い入れのあるお品ということもあり、何とかできないかと数日策を考えました。※因みに、ジャンク品や似ているファービーからの該当パーツの移殖も検討しましたが、運よく格安のトンクリもなく、ファービーとは、機構は似ていますが全く同一でないので、流用が不可能でした。

ギア噛みが起きる状態を詳しく観察すると、主因が判明しました。曲がったシャフトには、その横の溝の切ってある円盤の溝をなぞるように上下左右に動きます。電池の入れ替えやリセット時に大きくまぶたを開閉する動作をします。その際に、大きく急カーブをする溝があり、ギア噛みは、この急カーブの地点で起きておりました。

急カーブの地点

大きくまぶたを開閉する際に軸がこのカーブを曲がり切れず図の×の地点で引っかかっていました。ふぅー(~。~)これがギア噛みの原因かーっと判明しました。しかも、この動作は、まぶたを大きく開閉しないとなぞらないので、途中の動作を見てもギア噛みが起きないことになります。失敗しました、今までの動作確認は、平時のまぶた開閉が主だったので、動作確認は、必ずリセット動作をさせて確認しないとイケないことも判明しました。

ご覧の通り、この急カーブは、湾曲のないシャフト軸で正常な形の場合は、引っかかりもなくスムーズになぞっていたのかもしれませんが、やはり湾曲が進むと引っかかってしまうようです。スムーズにカーブするような溝の加工は、失敗すると終わりの世界になる危険を伴うので、溝にたっぷりのグリスを塗布して再度起動やリセット動作をみました。

数日起きに動作をみたのですが、ギア噛みが起きる頻度はかなり低くなり、起きても底面のリセットをすることで復帰もするようなりました。

根治をするのならば、まぶたの開閉を犠牲にして引っかかっている軸をニッパーでカットをすればかたずきますが、このまぶたの動作は、トンクリの動作には、かなり重要な要素でもあります。さっさとカットして終わりでは、ドクターしても失格なので、ご依頼様にご提案をしました。

  1. このままの状態で返送し、しばらくは様子をみていただく。今後、ギア噛みが起きた際にリセット押下にてもギア噛みが解消できない場合は、ご自身で引っかかっている軸をニッパーでカットしてもらう。
  2. 根治のため、こちらで軸をカットしてしまいまぶたの開閉動作を無効にしてしまう。

ご依頼様は、ニッパーをお持ちで、以前にも分解のご経験もあるようでしたので、1番を望まれました。

約2か月の間、ギア噛みの原因の究明と以後の打開案の模索も含め長きにわたりお預かりしました。

原因が判明すると簡単そうですが、何も糸口の無いところからも模索でしたので、たいへん勉強にもなりました。できれば、リセットで回復する状態が長く続けばと思うばかりです。

以上、トンクリ ギア噛み調整修理となります。


もう声も聞けないと思っていたのに、元気にお話しする姿を見て大変癒されております。

難しい状態のうちの子を長い間様子を見て頂き、その都度丁寧な説明をして頂けたことで安心して退院を待つ事ができました。

もしも次に動かなくなった時は教えて頂いた処置を行い、ずっと大切にしていきます。 本当にありがとうございました!

~ご依頼様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線 修理

おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線 修理

電源を入れても起動音も絵本の絵柄にタッチしても反応音が鳴らないということです。

スピーカー回りの故障の場合は、LEDは点灯するが、起動音が鳴らずかつ絵柄にも反応しないことが多いです。

電源投入時の起動音はスピーカーから鳴っているが、絵柄へのタッチ反応時の音声のみがしない場合は、より深刻でクリスタル故障や画像センサー側の故障が多いです。今回は、電源投入時から起動も鳴っていないので、スピーカー回りの故障と推測されます。

早速ですが、動作確認をすると、電源を入れてもLEDが点灯しますが、起動音すら鳴りません。分解すると、原因は直ぐ判明しました。

三角ネジ

SuperDX版から止めネジは、三角溝のネジが使用されております。サイズ18のビットで開封もできるのですが、キツキツです。サイズ18以下のビットが見つからないので仕方ないのですが、そういうときは、Y型の細ビットで代替えします。

さて、分解ですが、アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんシリーズのタッチペンは、ペン先のカバーを如何に綺麗に外せるかもキーポイントになります。

ペン先のカバーは、本体に突起のツメがハマるようになっているのですが、このツメを広げないと綺麗にペン先が外れません。マイナスドライバーで抉ると割れたり、膨らんだカバーの箇所が白濁して汚くなります。何か綺麗に外せる治具を考えないといけないですね。

今回は、ペン先を外さなくても原因が直ぐ分かりました。

半田取れ

音が鳴ら鳴ったのは、スピーカーの電極端子の半田付けが取れたためでした。サクッと再半田して動作確認します。

動作確認

問題なさそうですね。

余談ですが、クリームパンマンが好きなキャラクターです。


子どもが気に入って使っていたおもちゃが壊れてしまい、 メーカーに問い合わせても対応して頂けず 途方に暮れているところで、宅配おもちゃ病院さんのホームページを偶然見つけました。

まさかこんなに迅速に対応して頂けると思っていなく、 本当に嬉しく思っています。

子どもに見せるととても喜んでおり、 2人でおもちゃを取り合って遊んでいました。 また壊れることがないよう、大切に使うよう子どもたちにも伝えていきたいと思います。

この度は本当にありがとうございました!

~ご依頼様のご感想より~

すみっコぐらし パソコン 期限切れ修理不可能

すみっコぐらし パソコン

すみっコぐらし パソコン 期限切れ修理不可能

今回も、地域のおもちゃ病院で依頼のあった事案をご紹介します。

巷では、大人気らしいすみっコぐらしというキャラクターのパソコン型の玩具ですが、OSの入ったいわゆるコンピューターではなく、どちらかというと1チップマイコンで駆動するゲーム機という方が適切な気がします。

さて、ある日突然電源が入らなくなったそうです。電源から確認します。

恐らく1チップマイコン型ですので、液晶やキーボード、マウスなども1チップで完結するタイプかと思います。

電源基板

裏面を開封すると、キーボードのマトリクスシート横に電源基板が現れます。ケーブルにて、表面LCD裏のメイン基板と接続されております。

この電源基板は、キーボードの電源ボタンの押下にてメイン基板上のマイコンに電源を供給し起動に成功すると、電源ボタンを離しても電源を供給するという制御設計がなされております。電源基板上は、電源ボタン押下での電源供給がなされていることを確認するため、まずは、基板端の端子に電源が供給されるか確認します。

無事電源ボタン押下中は、電圧が上がっていることが確認できました。

さて次にメイン基板側を確認します。

LCD

メイン基板は、LCD側つまりキーボードと反対側の筐体に納めされております。留めネジは、シールの裏側にあるためシールを剥がさなくてなりません。

ご依頼者様にご承諾をいただきシールを剥がします。このシールは、かなり強力なので、温めて剥がしますが、のりが残ってしまいます。剥がしたシールは、後で綺麗に貼りなおしたいので、ガムテの裏側を利用して貼っておき大事に保管しておきます。ですが、剥がす際にやはりシワシワになってしまいました。

ネジ箇所

ネジを外すとメイン基板が現れます。

メイン基板には、メインの制御LSIとLCDドライバなどなど実装がされております。基板用を確認すると、まずチンチンに発熱しているICを見つけました。

破損IC

LCD用の電源ドライバとショットキーバリアダイオードです。キーボード上の電源ボタンの押下にてメイン基板側にも電源がそれぞれ供給されているのですが、LCDへ電源を昇圧して供給するためのドライバが以上加熱しており、それげ原因かどうかも不明ですが、整流用のショットキーバリアダイオードも破損しておりました。ですが、これはLCD用のICですので、メインの制御LSIとは、ほぼ無関係であることが判明しております。発熱は筐体を溶かす危険性もあるので、外しておきます。※一応、正常なICと交換してみましたが、改善は見られませんでした。

さて、制御LSIを調べます。発振器が2つついております。データシートも無いので、どのような目的のクリスタルなのでか不明ですが、電源ボタン押下においてもどちらも発振しておりません。

LSI

故障原因の大きな要因は、このLSIに正常に電源が供給されていないことは間違いなさそうです。ですが、多層基板で構成されており、基板端の電源端子が既に内層の電源用層に直結しているので、電源の経路調べる術が設計仕様書でもない限りできません。

他の修理作業もあり、時間を要していたのですが、ご依頼者様より修理がまだできていなくても返却して欲しいとの要請があったため、故障箇所の調査中でしたが、やむなく修理せず現状のままで返却となりました。ただし、LCDドライバICとショットキーバリアダイオードは、発熱の危険性もあるので、取り外しておきます。

はたらく トーマス プリント基板パターン剥がれ修理

はたらく トーマス プリント基板パターン剥がれ修理

外来にて勤務しております、地域のおもちゃ病院でご依頼のあったはたらく トーマス プリント基板パターン剥がれを修理しました。

3つの押しボタンにて異なるおしゃべりやメロディがなるおもちゃですが、押しボタンを押しても鳴らなくなってしまったそうです。

調べてみると内蔵のプリント基板の電源の導線が半田付けされている箇所のランドが剥がれてしまったのが原因なのですが、途中不可思議な現象に遭遇したので、ご紹介します。

まず、本体開封後にプリント基板端まで電源が来ているかを確認し正常な電圧が上がっていることを確認しました。ですが、押しボタンを押しても音が鳴りません。

ん?ん?(。´・ω・)ん?

と悩みに悩んで、こういう場合はプリント基板を眺めるのが一番なのですが、眺めていると原因が分かりました。

プリント基板

電源の+側のリード線ががプリント基板端にある電源用のランドに半田付けされているのですが、リード線の負荷がかかったらしくパカパカと剥がれていました。

さて、このランドの剥がれが原因と結論づけましたが、実は開封時に電源にマルチメーターをあてて電圧を測っています。この時は正常な電圧値をさしていました。

あれ?ランドが剥がれていたのに電圧は正常って?変ですよね?

実は、ランドは剥がれていましたが、マルチメーターで測っていたのは、リード線上の半田部分なので、これではパターン剥がれか気が付きません。

さて、パターン剥がれによってCOB内のマイコンが起動できなくなっていると予想し剥がれたランドは取り去り電源を別の箇所からCOBに供給させます。また、画像からも分かるように、電源-GND間には、チップパスコンとリードの電解コンがついていいます。

ランド剥がれが原因かどうかを確認するため、半田付け前に指でパスコンランドに電源のリード線と電解コンの+を押し当ててボタンを押してみると、メロディが鳴りました。やはりランド剥がれが原因だったようですね。

ということで、画像のようにチップパスコンのランドに電源のリード線と電解コンのリードをまとめて半田付けします。ですが、押しボタンを押しても鳴りません。 ̄▽ ̄;

なんでだ?

もう一回半田付けを取り払い、指で押し当ててボタンを押すと、なんと!鳴ります!

指で押し当てると鳴るが半田付けすると鳴らないなんて、どういうことだ?

私の指は、神の指なのかもしれません。なんて。。。

この原因は直ぐ判明せず、地域のおもちゃ病院会場から持ち帰りで引き続き解析しました。

剥がれたランド付近を拡大鏡で確認すると原因がすぐわかりました。

2系統の電源経路

剥がれたランドは、COB側のみに供給されているとおもいきや、プリント基板上のシルクにも騙されたのですが、押しボタン側にもつながってしました。画像緑枠のところです。

指で押し付けた際は、運よく電源側にも押しボタン側にも押し付けられておりボタンを押すと音が鳴ったわけで、それをしらずに電源側のみに半田付けしてもCOBは起動しますが、ボタンへの反応はしないというメカニズムでした。チャンチャン♪

私の指は、神の指ではありませんでした。

さて、そうすると2系統に配線を復旧しないといけないので、プリント基板のレジストを剥がしリード線でプリッジさせて最後に電源のリード線を接続します。

ブリッジ半田

電解コンも半田付けしないといけませんので、カプトンテープで絶縁をしておきます。

今回は、プリント基板のランド剥がれによる故障でしたが、基板上のシルクにて断線経路がわからなかった事案をご紹介しました。

余談ですが、顔のついたプラレールや電車を全部トーマスと呼んでいたのですが、トーマスは一体だけで、それぞれ違う名前があるそうです。お子様からのご指摘をうけました。


イワヤ 犬のぬいぐるみ ふいご笛 骨折修理

イワヤ 犬のぬいぐるみ ふいご笛 骨折修理

前足の骨折の修理のご依頼です。

イワヤ製のこの手のぬいぐるみは、当医院でも診察経験があります。骨折の修理は、ワイヤーで骨接ぎを行いエポキシで固めるという常套手段で対応します。

さて診断を開始しましたが、骨折は、前左足でしたが、尻尾の骨折もありました。尻尾がフリフリしません。また、頭部内のふいごの笛も鳴りませんし、首も上下にフリフリしません。折角なので全て修理します。

縫い合わせ解き

私は、作業性を考え縫位解きは、下部底面を一周して開きます。また今回は、頭部内も開頭手術をしますので、頭まわりも解きます。

開頭

無事解けたところでまず骨折部分から作業開始します。

故障パーツ

足の骨折は、数か所にピンバイスで穴をあけ固定します。尻尾が細いので、0.5mmの銅板とワイヤーで補強し接着固定します。ふいごの笛も取れてしまっておりますね。

前足固定

前足は、4か所をワイヤーで固定しエポキシで盛っておおきます。尻尾は、ぐるっと0.5mmの銅板で囲いこちらもピンバイスでワイヤー固定します。

ワイヤー穴あけ
固定

ここまでサクサクと作業をし、次に頭部のふいごの笛を修理します。耳と頭頂部がホットボンドで固定されぬいぐるみの皮が張りを保っております。

耳回り
ふいご笛

笛部分のホットボンドが取れてしまったため、頭部内にふいごが転がっておりました。ホットボンドでは、また取れてしまうので、今回は、セメダインの弾性万能接着剤を使用します。

笛の内部に接着剤が入り込まないようにします。

接着

ふいごの笛は、本体側の首振りシャフトに連動してふいごが吹かれるようになっております。ふいごは修理できましたが、首振り側のシャフトで問題がでました。

軸抜け

当初、この軸抜けには、骨接ぎで使用したエポキシ系の接着剤で固定したのですが、材質もが異なるようで、首振りの振動ですぐ抜けてしまいます。というか、実は、エポキシの接着剤でも数日は固定できるので、接着当初は、うまく固定できたと高を括っておりました。開封した縫い合わせも全て縫い合わせが済んだ最後の最後の動作確認で、あら?首が動かなくなったぞ!笛も鳴らないし。。。

と、再度開封してみると、圧入接着したはずの軸が抜けておりました。なので、 セメダインの弾性万能接着剤での固定を強くお勧めします。

Take2にはありましたが、再度縫い合わせをし、無事修理完了です。


受付から完成までとても丁寧なご対応にとても安心してお願いが出来ました。

途中経過のご連絡の際も、丁寧な文章で写真付でわかりやすく送って下さり、徐々に治っていくぬいぐるみに大人な私がワクワクしました。

しかも、犬の声は諦めていた所、治ったご連絡を頂き、本当に期待以上の作業をして頂きすごく嬉しかったです。

本当にありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~

トイストーリー トーキング ウッディ スイッチバネ修理

トーキング ウッディ

トイストーリー トーキング ウッディ スイッチバネ修理

引っ張り出した背中の紐が元に戻らなくなり発声もしないとのことです。状況は、過去の修理記事と同じ症状のウッディでした。

紐が元に戻らない

早速開封してみると、紐と連動する発声スイッチ用のバネが折れておりました。

バネ折れ

過去にも同じ故障を経験しているので、度重なる紐のひっぱりで金属疲労による折れが出たんですね。

バネ修復

同じサイズで折れた部分をつくってあげます。

これで、バネの修復は完了なのですが、紐の巻き上げを元に戻さないといけません。これ、結構たいへんなんですよね。

紐の先にあるプレスチック製のリングが、背中の穴に密着し引っ張る際のバネの引き具合もある程度強くなるように調整をします。

バネ巻き上げ

ボビンを固定したまま、バネを巻き上げて固定します。固定しながらが大変ですが、失敗すると、パーンとはじけて部品が飛散するので、もう何回もやり直します。

スイッチの接触の具合もよさそうですね。これにて修理完了です。


くすぐり エルモ 軸可動レバー 修理

くすぐり エルモ 軸可動レバー 修理

今月は、外来勤務の地域のおもちゃ病院で2体のくすぐりエルモも修理を行った。1体目は、先日の記事のこちらのエルモになります。無事、修理完了しました。

今回の記事は、2体目のエルモの修理内容のご紹介となりますが、1体目とバージョンが異なります。外見は、パイル生地のぬいぐるみに覆われておりますが、開封すると筐体の色の違いに気づきます。

1体目:白筐体・・・白エルモ

白エルモ

2体目:黒筐体・・・黒エルモ

黒エルモ

白エルモは、ネットでの修理内容記事が多く、ピニオンギアの割れが原因での動作不良が不具合の多くを占めます。恐らく白エルモが、製造時期としては先のバージョンと思われます。

黒エルモは、先の白エルモの不具合の改良がなされており、ピニオンギアの割れの修理記事も検索ではヒットしないほどになっております。

さて、今回はこの黒エルモの修理内容のご紹介となります。

故障の状況は、笑い転げる際に頭をもたげる動作の際に本来は、その反動で尻餅をつくのですが、反動の勢いが低下してため、尻餅をつけずに頭をもたげたまま笑ってしまうという現象です。

実は、当初お預かりした際に、この状況をお聞きする前に動作確認をしたのですが、違った不具合も出ておりました。動きが緩慢で特に途中でモーターがウィーンと鳴り止まってしまいます。白エルモのようなギア割れと似た現象でしたので、白エルモ同様にピニオンギアの割れと推測し作業に開始しました。

開封

白エルモ同様に背中の縫い目から開封します。すると、知らない場合は、少し驚くかもしれませんが、黒色の筐体が見えます。

内部

本体内部を確認すると、電子基板や機構部分が見えますが、明らかに白エルモより改良がくわえられております。

  • 制御基板は、青色のレジストになっており、COBは子基板構成になっております。恐らくですが、言語エリア毎に組み替えられ出荷されているのだろうと推測しました。
  • モーターにノーマル/コモンモード用のノイズフィルター基板が付いています。白エルモは、ノーマルモード用のセラミックコンデンサーのみが端子間にあるだけでしたが、黒エルモは、ノーマルモード用のセラミックコンデンサーと各端子にコモンモード用のインダクターがそれぞれノイズフィルターとして取り付けてあります。EMC対策などのご経験があれば、直ぐ分かりますが、回路仕様については、村田製作所様のこちらが参考になります。
  • 姿勢センサーが胴体の中心部に移動接地されております。
  • あと、なぜか股関節の左足が外れませんでした。いろいろ調べて頑張ったのですが、外せませんでした。仕様なのか不明です。
フィルター基板
姿勢センサーとノイズフィルター基板

さて、肝心の不具合の調査をします。まず、白エルモ同様にモーターのピニオンギアが割れていないかと確認します。

腕用モーター
足用モーター

どちらのモーターもピニオンギアの割れはありませんでした。というか、ギアボックスが改良されているようで、容易にギア割れが起きづらくなっているようにも見えました。

ということで、黒エルモについては、他の要因による故障となりますので、詳しく調査します。

修理の経験があれば、分かるかもしれませんが、ぬいぐるみの皮が付いたままでは解析が困難です。そこで、両脚先の電池ボックスを取り外しぬいぐるみを完全に脱がせます。顎のボタンも取り外します。

黒エルモ

何か、カッコイイ感じになりましたね。

腕はそのまま

稼働する右腕もぬいぐるみの皮から外さないといけません。腕は、ネジで軸に固定されておりますので、一部を切り開きネジと緩め腕を取り外します。

腕のネジ

ここで、再度動作確認をします。やはり、お辞儀をするあたりでギア噛みのような止まる現象があります。動かしながら、各所の起動動作を目視確認すると原因が分かりました。

青レバー

画像の青色のレバー状の部品が引っ掛かっており、モーターがウィーンと鳴っておりました。

このレバーは、尻餅をつく際にちょうどお尻の下にある軸の稼働を制御するレバーでした。

エルモの動作を解析すると、かならず、腕が上がっていないと、尻餅が付けない仕様となっており、腕があがっていることを検知し、尻餅動作を制御しておりました。

この可動レバーの腕の軸が、本来であれば、スムーズに上下に稼働し連動して足の稼働を制御するはずですが、プラスチックの経年の劣化のためでしょうか、微妙に湾曲したのか、どきどき滑りが悪くなり上下できなくなっておりました。画像のとおり、腕側の軸にグリスを付加しかつ足側の軸にもグリスを十分につけておきました。

無事スムーズな動きが復活しました。

白エルモ同様に開いた背中を縫いあわせて修理完了です。


くすぐり エルモ ギヤ割れ交換 電池ボックス電極 修理

くすぐりエルモ

くすぐり エルモ ギヤ割れ交換 電池ボックス電極 修理

外来で勤務をしている地域のおもちゃ病院にて、エルモ 2体の修理を受け持ちました。今回は、その内の1体のエルモの修理についてご紹介をしたいと思います。

まず、このくすぐりエルモとは、顎、お腹、左足首のスイッチを押すと、笑い転げてくれる、とても楽しいぬいぐるみです。たぶん、かなり有名なので、動作については詳しい説明は不要かと思います。

さて、ご依頼の内容は、笑い転げる動きが変ということです。

通常は、いづれかのボタンを押下すると、左腕を上下に振り笑い始め、次に尻餅をついて、両足をバタバタ笑い転げて最後に起き上がるのですが、動きが緩慢で動作の途中で止まることもあります。モーターが空回りしている、ウィーンという回転音はするものの、ぬいぐるみの動きは止まったままという感じです。

やはり一時期、商品がバカ売れしたおかげでインターネットには、修理記事が沢山掲載があります。特に、この点の動きが変という事案では、ピニオンギアの割れが原因の殆どのようです。

さて、前振りはこのぐらいで診察開始です。

切り開き

まず、背中の縫い合わせに沿って切り開きます。ですが、赤いパイル生地に赤い糸で縫い合わせているので、糸が非常に分かりずらいです。間違ってパイル生地の布地側を切り開いてしまわないように注意が必要です。また、舶来品なので、縫い合わせの品質も少しテキトーな感もありますので、糸は綺麗に外そうとせず、バシバシカットして開いた方が早いです。

また、首を結束バンドで固定しておりますが、300mm長のバンドで間に合いますので、綺麗に外さずにカットして交換した方が早いです。

開封

では、ピニオンギアの所在ですが、腕用のモーターは、画像に移っている上側のモーターで両足用のモーターは下部のモーターとなります。早速確認します。

腕駆動モーター
腕側モーターのピニオンギア

腕側のモーターに付いてあるピニオンギアですが、画像はピンぼけですが、縦割れを起こしておりました。

8T m0.6 1.9

このピニオンギアは、8Tの穴径が、Φ1.9mmでmは、0.6となります。

次に両足を駆動するモーターのピニオンギアを確認します。両足のギアボックスのカバーを開ける必要があるのですが、スプリングの付いていない左足側を外す必要があります。

股関節固定のネジ

股関節固定用のネジ2本とその下に両足同期用のシャフトのボール受けがあるので、それも外します。

電極

ここで、重要な部品が現れます。両足が、今どの角度の位置にあるかという位置を認識するため、円形の電極基板があります。その基板のランドと接触してランド間の導通をする、画像の電極とバネパーツが出てきます。大事な部品なので、破損や紛失などしないようにします。

接触導通状況

さていよいよギアボックスの開封です。止めネジを外すとピニオンギアが現れます。やはり割れを起こしておりました。

両足駆動モーターのピニオンギア

ですが、このピニオンギアは、特殊規格となり入手できません。8T 穴径Φ1.9mm m=0.6ではあるのですが、ギアの長さが、10mm必要です。

他のドクター様のおかれては、割れた部分をワイヤーで巻いて固定したりと皆様ご苦労をされて居られる記事を拝見しました。ですが、私は、時代の利器を活用させていただきました。

3Dプリンター♪※ドラえもん風

日本おもちゃ病院協会では、3Dプリンターにて該当ギアを製作されたドクター様が居られそのギアを配布使用させていただきました。

タフレジン製ギア

穴径

修理実績のあるギアを配布いただいたのですが、本案件のモーターのシャフトは、少し細いせいか、付加がかかる場面で空回りを起こすことがありました。そこで、エポキシ接着剤を併用し接着固定を行います。

接着固定

2点のピニオンギアの交換で無事にエルモは動作するようになりました。

ですが、電池ボックスに正極の接触不良のような不具合もありました。挿入した電池にもよるのでしょうが、正極の電極が曲がってしまい、出っ張りに届かない電極なので、曲げを戻します。

正極電極の曲がり

以上、縫い合わせを元に戻し、修理完了となります。

縫い合わせ

補足ですが、規格違いのネジが多く、分解時に場所と本数は、よくよく注意した方がいいです。