アンパンマン ワクワク クレーンゲーム LED電飾とモーター修理

ワクワク クレーンゲーム

アンパンマン ワクワク クレーンゲーム LED電飾とモーター修理

今回は、地域のおもちゃ病院で外来診療した修理案件となります。

NEWじゃない旧式のアンパンマン クレーンゲームで筐体が赤となります。製造のデートコードは、2013年を挿していました。新型は、緑色のクレーンゲームですが、既にそのマイナーチェンジ版も発売されているようです。

旧式のクレーンゲームの特徴は、前面のパネルにLEDの電飾があるのと、天井にカプセルを入れることのできる煙突があります。クレーンゲームとしての機能としては、ほぼ同じなのですが、カプセルをキャチできない時は、残念のファンファーレは鳴らず、そのまま静かに時間切れになるだけでした。

さて、今回の故障の症状は、パケットの上下がしないのと、クレーンの移動も横移動ができないそうです。

ですが、持ち込まれた時の動作確認では、旦那さんがデモをした際は、横移動はできていたのですが、奥様がデモをされた際は、前後移動のみという、不安定な故障でした。

うーん、不安定となると、また厄介ですな。

当日中の作業完了は、難しかったので入院持ち帰りで解析をしました。

解析をすると、横移動ボタンを押すと、移動しようとビクッともせず、ボタンの押下と同時にボタンから手が離されたように押下解除されてしまいます。

また、パケットの上下もウィーンと音はしていたので、指で鎖を持ち上げたりしてみると、今度は動き出しました。

と、そうこういろいろいじっていると、今度は全てのモーターが動きだしてきました。

モーターのグリスの固着か何かかなぁ?

と、ふと前面パネルのLEDが半分点灯していないことに気づきました。

半分しか付かない

おやおや半分しか点灯しないですね。

分解ついでにLEDの基板を眺めると、消えはじめている箇所のLEDに修理痕がありますね。

プリント基板のパターンが剥がれていてLEDの片方の足で再半田されています。

修理痕

と詳しくみてみると原因は判明しました。

剥離

LEDのカソード側が剥離していました。で、剥離した箇所でカーソードとの導通はもちろんですが、パターン配線も断線してしまっていたので、このLED以降のカソードには、接続されていないため、点灯しないことになっていたわけでした。

お子様がこのLEDを指で押してしまったのでしょうかね。

さて、プリント基板のパターンが剥離してしまっているので、お隣同士のカソードをブリッジで接続します。でさっそく、余ってカットしたリードの足が沢山あるのでそれでブリッジをしました。

ブリッジ

こんな感じでブリッジさせたのですが、このブリッジの方法ではダメでした。

というのもこのプリント基板は、天井の筐体にすっぽり密着して挿入することになり、LED間に抑えの支柱があるので、リード線をブリッジさせると、支柱に干渉して基板が入らなくなります。そこで、ブリッジのリード線を基板側面に移動して接続するようにしました。※画像がなくてすんません。

こんな感じ

無事LEDは全て点灯するようになりました。

さて、回り道をしましたが、クレーンの移動故障に戻ります。

いろいろ調べていて動くようになってしまったのですが、モーターのグリスの劣化が原因の有力候補です。

特に、長期間保管した際、よくモーターが動かないことがあるのですが、軸を回してあげると動き出した経験ありませんか?→おもちゃドクター各位

ということで、横、前後、上下移動用のモーターを外しコミテータとブラシの状態を確認します。

横用モーター
横用モーターとストップスイッチ
上下、前後用モーターギアボックス

既に若干動き出しているのですが、たっぷり塗られたグリスがコミテータとブラシの間に入り込んで導通不良を起こしていそうですね。

変色し固化
劣化

この古くなったグリスをパーツクリーナーで綺麗に洗浄しタミヤのブラシ用グリスと塗布します。

これで仮組し動作を再度確認すると、あっと驚くような快適な回転と反応になりました。

当初は、何かもさっとしていたのですが、機敏に反応し快適になりました。

洗浄後のコミテータ

さて、モーター分解のコミテータを見ると、ほぼ新品なので、使用せず長期保管をしていて、あらためて使おうとしたら動きが変という感じだったのだと思います。

ブラシの擦れ溝の欠片もないです。

クレーンの動きがもっさりとしていたり、不安定だった場合は、モーターのグリスの劣化を疑ってみてください。※もちろんですが、乾電池の容量はいの一番に確認してくださいね。


ナイトライダー USBシガーソケット充電器

ナイトライダー風 電飾
裏面

ナイトライダー USBシガーソケット充電器

玩具ではありませんが、有料での修理のご依頼がありましたので、修理記事としてご紹介します。※残念ながら修理は不可能でした。

アメリカのドラマだと思うのですが、ナイト2000という車に乗ってなんかしているドラマだと思います。※すみません、よく知りません。

その車には、人工知能的なシステムが組み込まれていて、キット(KITT)と呼ばれ、主人公の相棒となり悪を懲らしめる正義の味方(!?)だと思います。^^;

今回の商品は、その車の電飾を捩ったのだと思いますが、車のシガーソケットに差し込んで、エンジンを掛けた際の効果音や電飾効果と上部の押しボタンで11種類の音声も楽しめるとのことです。もちろんですが、商品がUSB充電器で側面に1.0Aの口が2ポート実装されています。

USB充電口

さてさて、故障の症状は、エンジンの起動時およびボタンの操作でも音が出ないとのことです。

車載用の電飾ですが、安定化電源で12Vを印加しますが、故障対策で安全のため電流は、300mAでリミットを掛けておきます。

12V印加

早速動作確認をしてみると、筐体周辺のLEDは点灯しますが、起動時の効果音も押しボタンへの反応もありません。

押しボタン

押しボタンの接触も導通状況も問題ありません。

因みに、正常時の動作は、YouTubeに動作時の動画上げて居られる方の動画を確認しました。

参考動画

仮面ライダーのベルトもそうですが、ファンにはたまらないのはないでしょうか。

※””私はナイト2000だ”、”異常な振動を察知した”etc…トーキングウッディのようだというと怒られるのかも。。。

本題ではありませんが、周辺のLEDが1個点灯していないので、半田付けし直したら点灯するようにはなりました。

半田不良

さてさて、どうしたもんかと悩んでおりました。

全くのウンスンであれば、シガ―ソケットのヒューズ切れや断線を疑いますが、部分的なLEDは点灯しております。

ここで基板上の電源回路を整理します。本機の機能を大きく分けると3ブロックとなります。

  1. 常時点灯LED・・・5V系
  2. 音声や電飾制御・・・3.3V系(シーケンス制御マイコン COBパッケージ)
  3. USB充電・・・5V系(VBUS)

この状態で電源の供給状態を確認すると、自動車の12V電源を2系統に減圧しながら分岐されておりました。

と!ここで、基板中央部のCOBに供給されている5.0Vを3.3Vに減圧している、LDOが異常加熱しております。型番は、ME6208Aです。

ME6208A

早速電圧を測ってみると、VINは、5.0V印加されておりますが、VOUTは、1.2V程しか出ていません。

おおお!

制御マイコン用の3.3Vが上がっていないばかりかLDOがチンチンになっています。

ユメルの時同様にLDOの故障で3.3Vの給電ができなくなっていそうですね。

原因はこれだ!(と思っていました。この時は。)

USB充電側の5.0Vでは、CP1504なる給電ICで12Vから減圧された電源が正常に給電されておりました。

CP1504

ではでは、3.3Vの給電を正常にすれば動作するんじゃね的に考えていました。

異常加熱のLDOは、ME6208AでVINのMaxが18Vまで印加できる高耐圧仕様です。

ですが、今手持ちは、XC6206AとME6211Aの2種しかありません。このどちらもVINが、6V程度の仕様となるので、安易に交換はできません。そこで、回路図を起こしてみました。

電源回路図

既にこたえを記入しちゃっておりますが、ME6208Aの役目は、CP1504で減圧された5.0vを3.3Vにさらに減圧するためでした。従いまして、VINのMaxは、6.5V程度でも十分なので、XC6206Aで仮試験をしてみます。因みに、安全のために電流は300mAで制限を掛けます。

6208Aと6206A

早速、XC6206Aに交換をしてみると、挙動が変わりました。うんともすんともではありますが、安定化電源の電流が制限されました。過電流が流れていたようで検知し電流を制限しています。LDOの異常加熱はなくなりました。

先の6208Aが異常加熱していた際は、130mA程流れていたのですが、XC6206Aに交換した場合、主電源の電流が300mA以上にまで増えたことになります。

おおおと直ぐさま電源を落とし追加の確認を考えます。

交換したLDOが、適切でなかったのかもしれので、それならば3.3VをGND共有で別途外部から安定化電源で給電することにしました。こんな時2系統ある安定化電源が役立ちます。

ですが、やはり電流制限でリミットが掛かります。

この症状は、3.3Vを単独で印加しても変化ありませんでした。

ここで再度整理します。おなじみのひとりブレスト。

  • 主電源12Vを与えて電流制限が起きる。
  • LDO後の3.3Vを別経路で与えても電流制限が起きる。
  • 3.3Vのみを単独で与えても電流制限が起きる。
  • 若干だがCOBが暖かくなっていた。

恐らく、届いた時点で既にCOB内のICには電流リークのパスが存在しており、このリークがそもそもの原因であった。

この電流リークが原因で、3.3Vを生成し給電するLDOにも負荷がかかり、直ぐ破損したが、故障モードが内部で高インピーダンスになったため、主電源の過電流は抑えられ、代わりにLDOは異常加熱をしていた。→当初観測した事象

XC6206Aに交換すると、LDO内の高インピーダンス状態は解消され3.3Vは給電されるようになったが、COB内の電流リークはそのままなので、今度はCOB側が過熱され始めた。

という経緯と推測しました。

どちらにせよ、基板上のLDOからの給電でも外部からの給電でも過電流という事態なので、どちらにも共通するCOB内の電流リークなのでしょう。

もうこうなると手足も出せませんので、残念ながらCOB内の電流リークによる故障で修理不可能と判断せざるを得ないです。

USBポートの充電機能は使用できるので、異常加熱のLDOは除去しておきます。


東芝 ブルーレイディスク ハードディスクレコーダー D-BZ510 修理

D-BZ510

東芝 ブルーレイディスク ハードディスクレコーダー D-BZ510 修理

玩具ではありませんが、以前スタッフブログに修理記事を掲載した際に、たいへんお困りの方からの修理依頼がありましたので、有料修理という前提で修理を承っております。

さて、東芝製ではありますが、船井電機様のOEM品でwait点滅故障のため、容量抜けの電解コンデンサーを交換します。

2011年製

既にメーカー様の修理受け付けも終了しております。まずは、蓋を開け内部を確認します。

内部

SATAのHDD 320GBとブルーレイディスクドライブと基板類と電源やチューナー類ですね。

320GB

因みに、容量アップもHDDのお代をご負担いただければ換装も承っております。ただし、録画番組の移動はできませんのであしからず。

けど、本体内部の埃が、、、こういう時は、エアダスター!※ドラえもんのような言い方で。

エアダスター

かなり重宝しています。自作PCの本体内部などの埃飛ばしにも大活躍です。

使用前

ほら、埃を吹きとばすとかなり綺麗になります。

使用後

電源基板に鎮座している三棟の電解コンデンサーを交換します。HDDを外して前面パネルも外します。前面パネルを外さないとB-CASスロットが電源基板に干渉して外れません。

電源基板
B-CASスロット

まず、SATAのHDDドライブと台座を外したところです。次に前面のパネルを外しと電源基板が外せるようになりますが、ここで注意です

ブルーレイディスクドライブ用の電源ケーブルが、ブルーレイディスクのフラットケーブルに干渉しています。無理にこじるとケーブルが損傷するので慎重に外します。

干渉部

心配であれば、ブルーレイディスク側のフラットケーブルも外してもいいです。

で、電源基板をメイン基板間もコネクタで接続されています。

コネクター抜き

コネクター抜きでサクッと外します。これ、かなり重宝しますよ。

最後に電源ファンにある黒いカバーを外してやっとですが、電源基板を外せます。

電源ファンのコネクターは、元に戻す際に忘れずにコネクターを戻してくださいね。

サクサクッと電解コンデンサーを交換します。

半田を溶かして外しますが、平滑用の電解コンデンサーの負極側がサーマル接続されておらず、電源基板のGNDとの熱容量が大きいです。溶かすだけなので、半田コテの温度は400℃にして溶かして抜きます。

ネットDIYの方でこの半田作業にチャレンジされた方のブログでは、なかなか溶けず強引にこじったら配線パターンが剥がれ修理不可能になったという事故を拝見しました。

ベタGNDの端子と溶かすには、それなりの経験が必要と思います。

サクッと抜いて交換します。電解コンデンサーの容量と位置、極性はメモや写メでも撮影して間違わないように注意してください。

交換前
交換後

交換する電解コンデンサーは、容量と耐圧はもちろんですが、温度範囲も気をつけてください。さて、元も戻し起動確認をします。

起動成功

無事wait点滅も解消され起動成功しました。

ご依頼者様の大事な録画番組を救出できました。


REGZAレコーダー到着致しました。

ありがとうございます。 たいへん喜んで感謝しています。

とても信頼の出来るお取引きをして頂きまして 心から感謝しております。

ありがとうございました。 自宅に帰って、レコーダーを繋いで 保存している続きを見たいと思います。

とても楽しみです。

~依頼者様のご感想より~

アンパンマン すくすく知育パッド タッチパネル割れ 交換修理

すくすく知育パッド

アンパンマン すくすく知育パッド タッチパネル割れ 交換修理

お子様が誤って付属のペンでタッチパネルを強く叩いてしまい、タッチパネルが割れてしまった修理記事となります。

因みにですが、この割れた事態を液晶割れと表現するのは正確ではなく、正確には外付けのタッチパネルであり、描写の液晶は今回は無事でした。

取説

タッチパネルが割れてしまうと交換する必要があるのですが、市販品で取り付けできるタッチパネルが入手できないことがほとんどです。

しかもタッチパネルのみでの入手も困難なので、交換するとしても液晶とタッチパネルがアセンブリされたモジュールごとの交換です。

以後、このアセンブリされたモジュール一体をタッチパネルと呼ぶことにします。

ですが、今回は同じすくすく知育パッドのタッチパネルを交換したという修理記事をネットで見つけ、しかも国内の通販でそのタッチパネルが入手できるという情報も得ました。

たいへん、ありがたいです。

この手の修理は、交換できるタッチパネルが入手できないので修理不可能になるのですが、部品代も事前に把握でき、ご依頼者様とも費用について合意が取れましたので交換を行いました。

では、状況を確認します。

割れ

液晶は無事映るのですが、タッチ操作ができません。

描写する液晶は無事ですが、その上にあるタッチパネルが破損していますね。

ほら

タッチパネル部の交換が必要ですが、入手できる部品がタッチパネル付きTFT液晶なので丸ごと交換をします。

既に先人の諸先輩方の記事から入手先も掴んでおりますので、早速発注をしますが、ここで注意が必要です。

すくすく知育パッドに装着されている修理記事作成時のパネル型番と同じかも念のため確認します。

過去に、先走って部品を発注してしまったことがあり、到着し開封するとマイナーチェンジ後で、装着されている部品の型番が違ったというオチを経験しております。

ここでは、確かに『MT43G03B』であることを確認します。

純正のタッチパネル

因みに、右側の半田付け部分がタッチパネルをTFT液晶をつなげている半田付け部分になります。タッチパネル無しの場合は、この部品がありません。取れないように裏側が接着されています。

従いまして、タッチパネルのみの交換もできることになり、海外からならこの4.3インチのタッチパネルのみの購入もでき交換もできますが、綺麗に割れたタッチパネルのみ取り除けるかでしょうね。。。※ガラスだし。

また左側のAは、アノードで、Kは、カソードで、バックライト用の端子となります。

40ピンの1,2番ピンは、アノードとカソードで、37~40ピンは、タッチパネルの端子となります。

話しを修理に戻します。

まずは開封してタッチパネルを外します。

フラットケーブルは、コネクタにテープ留めされておりケーブルは、両端の黒いツメでロックされています。ロックはずしテープも剥がしケーブルを抜きます。

ケーブルコネクタ

裏返してパネル留めのテープも剥がします。

ゴムテープ

筐体カバーとパネルの間の緩衝材となっており両面テープで張り付いています。剥がしますが、両面テープの糊を剥がすのに一苦労しました。

干渉ゴム材
テープ糊
タッチパネルとTFT液晶

ご依頼様は、保護用のシートも貼っておられたようですね。ですが、ペンの衝撃が強すぎたのか、そもそも割れ易かったのか、、、。

余談ですが、ネットでは保護シートは貼っても割れてしまったというコメントを拝見したので、割れやすいパネルだったのかと思います。

発注したタッチパネルも翌日には届きサクッと交換します。

上:割れたタッチパネル、下:新品のタッチパネル

さて交換に際し1つ問題がありました。

すくすく知育パッド専用のタッチパネルではないので、タッチパネル側のフラットケーブルの曲がり癖がかなりキツイです。先の本体側の白い筐体に収めようとすると、このフラットケーブルが前面にはみ出てしまい先のゴムのテープが貼れません。そこで押し込んでみたら、タッチパネルの端子と液晶側の端子の半田付け部を固定している接着が少し剥がれてしまいました。

😨

接着剥がれ

といっても、画像からも半田付け部までは及んでいませんが、今後同じようにパネルを交換する際は、この点に注意しないとイケません。剥がれないように事前にテープをはるか、万一剥がれても弾性の接着剤を塗布しなおしておくのが良いと思います。

もろもろ交換をおこないケーブル類はカプトンテープで固定しておきます。

テープ止め

蓋をして動作確認をします。

修理完了

綺麗に取り付けできました。緩衝用のゴムもはみ出ていませんね。

動作の状況も問題なしですね。

タッチパネルと液晶の互換性に関する記事をスタッフブログにアップしております。こちらも参考にしてください。


この度は、本当にありがとうございました。

子どももそれはそれは喜んでおり、その姿をみて、感謝の伝えようがないほどです。

子どもがとても大切にしていた玩具を壊してしまったのは暫く前のことでした。

その落胆は、私が使い方を注意するのを躊躇するほどのもので、直ぐに修理を考えましたが、 修理しようにも、メーカーに断られ、地元では電子系の玩具修理を受けて頂ける方を見つけられず困っておりました。

ようやく、瀧下さまのおもちゃ病院に行き着いて、こちらなら受けて頂けるかもと思ったのですが、 ちょうどその当時、ご依頼が立て込んでいらっしゃって受付を中断されている時でして、 これも運命と、一度、修理を諦めていました。

月日か経ち、子どもも玩具のことは忘れていると思っておりましたが、 クリスマスの話になったとき、 「プレゼントは、サンタさんにアンパンマン号なおしてもらうの」と言い出しまして、、 新しい魅力的な玩具はたくさん出回っているのに、そこまで思っているのならと、 再度、修理について調べ始め、もしかしたらの希望をもっておもちゃ病院のサイトを訪問させて頂いた次第でございます。

たくさんのご依頼あって、その1つ1つのご対応にも手間暇かかることと想像に難くないですが、 とてもご丁寧に連絡頂きまして、安心してお任せすることができました。

また、ご対応の早さにもかなり驚きました。 メルマガの記事も面白く、専門的なことは分りませんが、楽しく拝読させて頂いております。

お持ちの知識や技術も含め、ボランティアの域を超えていらっしゃるように感じてしまいます。

重ねてになりますが、この度は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

TAKARA マーメイドメロディーぴちぴちピッチオルゴールメーカーCuteBlue 修理

オルゴールメーカー

TAKARA マーメイドメロディーぴちぴちピッチオルゴールメーカーCuteBlue 修理

長期間、乾電池を入れたままで保管し液漏れを起こしていたそうです。

ご近所のおもちゃ病院に依頼されたそうですが、液漏れで基板がダメになっているので、修理不可能と返されたとのことでご依頼がありました。

他院にて一度修理不可能と診断されたそうですが、過去の修理事例でも経験があるのですが、手に負えない代物だと、詳しく診断せずにCOB不良とか基板不良とか、それらしい専門用語を使って返却してしまったかもと心配しています。※『私には修理不可能だが、他のおもちゃ病院に相談してみてください。』と伝えるだけでいいのに。

前任のドクターがそうでないことを祈りつつでは、診断を開始しましょう。

液漏れ

電池ボックスの液漏れはよくあるような液漏れなので最後に取っておきます。給電は、直接導線に給電して動作確認します。

ディスク

このオルゴールメーカーは、付属の穴の沢山空いたディスクに好きなメロディーが鳴るようにピンを差立てます。

ピン立て

因みに、一番外側は音階ではなく半音上げなので、半音上げる時に音階と同時に立てておきます。

そのピンが、本体にある押しボタンを押下して音色を奏でるというおもちゃで、右側にある手回しのノブでディスクを回します。

なので、メロディーの再生スピードは、手回しのスピードとなります。

押しボタン

各音階が鳴るタイミングで3つの内のどれかのLEDも連動して光ります。

では、本体を開封します。

本体下部

液漏れの影響で、電池ボックスの渡りと負極の導線、手回しのスイッチの根本に粉が吹いております。導線は交換しておき、手回しノブのスイッチの粉は綺麗に除去し再半田しておきます。

次に制御基板を確認します。

制御基板

こちらは綺麗ですね。基板には、セラミックのヒューズとセラミック発振子、電解コンデンサーが実装されています。では、パターン面を確認します。

基板

まぁ、汚れはありますが、液漏れの影響はなさそうですね。

※前任のドクター様は、何を診断されたのでしょう???COBと電子回路をみて早々に断念したのでしょうか?

この状態で電源の導線から給電して診ます。

やはりうんともすんともです。押しボタンにも手回しのノブにも無反応です。

先の実装部品で、クリスタルが気になるのでオシロで波形確認をします。

早速ですが、発振していないことが判明しました。指でつまんでみると、グラグラしているようです。動かしていると、起動メロディがなったりもします。

セラミック発振子
紛らわしいZ文字

印刷の文字が、非常に紛らわしいのですが、2.0MHzの発振子です。Zは、恐らくメーカーの識別用の文字ですね。※Z2.0って、最初22.0MHzと勘違いしていました。

再半田

で、早速再半田してみますと、無事に起動メロディーもなり、ディスクのピンにも快調に反応します。

ほらね!

快調!快調!直った!直った!と喜んでおりました。この時は、、、。

とりあえず状況を依頼者様に報告し了承の上、残る電池ボックスの液漏れを直して返却という心づもりで翌日を迎え、再度起動してみると、、、

なんとー!

うんともすんともです。ガーン。😨

なんで?!┐( ̄へ ̄)┌」

いろいろ考えていると、イヤな予感がします。

裏を取るべく分解しクリスタルを再半田します。

無事、起動メロディが鳴るようになりました。音階の押しボタンにも反応します。

もしかして、COB内のPLL回路のボンディングワイヤーが、カツカツで断線しているか、そもそもセラミック発振子側の接触不良がどちらかが起きており、半田コテの熱で膨張接触と冷却断線を繰り返しているようです。

切り分けが難しいので、交換ができるセラミック発振子を入手します。

といっても、国内では入手できないので、いつもの海外より注文してひと月程待ちます。

部品除去
交換セラミック発振子

約ひと月後に無事届き早速交換します。

実装

原因の切り分けのためだけですが、部品交換を行います。

というのも、PLL回路のパターンに半田コテを当てると、発振子もボンディングワイヤーのどちらにも同等に熱が伝わってしまうので、ここわ一つづつ潰していきます。

で、早速交換を行うと、やはり無事に起動しメロディーを奏でます。

で、時間をおきます。じっくり冷めるまで数時間置きます。

因みに、この時期の青森の朝晩は、寒くなってきております。

翌朝、同じように電池を入れ起動確認すると、なんと!

うんともすんともです。残念。。。( ̄▽ ̄;

数分、悲しみに暮れていると、今度は自然に起動し始めました。

先の再半田だけの時は、何をしてもうんともすんともから改善はしなかったのですが、時間を置くと起動できるようになりました。

セラミック発振子の故障は、ほぼ間違いないのですが、他の故障も複合的に発生していそうです。ここは、確実に一つづつ潰していきます。

部品発注の間、約ひと月あったのですが、電源SWの接触が悪化しております。

到着当初は、接点復活スプレーを吹いておいてのですが、時間を置くと接触が悪くなって、電源ONにしても雑音交じりになり、恐らくチャタリングのようにONとOFFが瞬時に繰り返されているようなので、電源SWを交換します。

電源SW

次に、基板に実装されている電解コンデンサーが気になります。ここも要因から排除するため、新品の電解コンデンサーに交換しておきます。

電解コンデンサー

この交換作業を行い、数時間置きました。

で、再度起動確認をすると、今度は起動時に”キキキ”というノイズを発するようになりました。電源ON/OFFを繰り返すと無事に起動しだしたりします。何らかのアクションで起動はするようになりました。

もう、最後に残すは基板上の素子の半田を全て溶かしなおししてみます。

過去にたまごっちでも経験済みです。基板上の目視では分からないクラックや腐食には交換あります。

半田汚れ
2MHz

念のため発振子の発振も確認します。

すると、不具合が綺麗さっぱり消えました。

不具合は、不思議なように消えました。

なんと、一番効果のあったのが、基板上の半田を溶かしなおしでした。

でも、騙されないように、この状態で十分に時間をおき冷まします。

このような起動確認を分解した状態で数日繰り返します。

約四日間、一日二回づつ時間間隔を十分に開けて繰り返し起動確認すると、無事問題なく起動します。時々、電源ON時にノイズ混じりになりますが、電源の入れなおしたりで無事起動します。

良好そうですね。

では、液漏れの電池ボックスの対処を行い、筐体に組み込み再度動作数日確認をします。

電極洗浄
再固定
液漏れ修理

組み立てた状態でも問題ありませんね。

いやー、長かったです。対処療法でしたが、懸念される原因を一つづつ潰していかないとイケませんでした。特に厄介だったのは、熱を当てると復活する点で、いちいち冷まさないと本当に解消されたのかが分からない点でした。


我が家でも問題なく動いてくれました。

感動です!

逐一詳しい状況の連絡メール、写真、動画をくださり、安心して預けて待っていられました。

又、こまめに動作確認をしてくださり、あまりの丁寧な対応に感謝しきりでした。

一時は諦めたおもちゃ達ですが、思い切って瀧下様にお願いして本当に良かったと心から思います。

特にオルゴールメーカーは、治療困難だったと思います。

諦めず最後まで手を尽くしてくださり、無事復活して戻って来れたので孫の代まで大切にしていきたいと思います。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

すみっコぐらしパソコン

すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

今回は、大人気のすみっコぐらしのパソコン型ゲーム機のマウスの動作不良の修理です。

パソコン型でキーボードと液晶画面があり、1チップのSoCにて各種のアプリを楽しめます。小学の低学年から算数などの勉強アプリも入っており、ほのぼのとしたキャラクターと一緒に楽しめます。

さて、今回のご依頼は、マウスの動作がおかしくネットでもよく見かけるケーブルの断線にてマウスが動かせなくなって居られます。当初のご相談は、初夏の6月でしたが、依頼当医院依頼者激込みにて、10月の作業となってしまいました。メーカー様でも修理対応はできないとのことで当医院で対応することになりました。

マウスの操作状況はこんな感じとなります。クリックには反応しますが、マウスの上下左右の操作ができません。

マウス操作

同様の案件を過去にも1件マウス断線の修理を実施しております。

その際は、断線箇所の特定と継ぎ接ぎを行いましたが、断線箇所特定の工数がたいへんかかり見た目も悪いしということで、今回はケーブルを丸ごと交換してみたいと思います。

ですが、使用されている9芯 Φ=4mm シース白色は入手できません。ネットでも探し出せませんでした。9芯もAWG28規格らしく適合ケーブルを探すのに苦労します。

AWG33と極細規格になり、Φ=3.2mmにはなりますが、黒色のケーブルが見つかりました。筐体への固定がゆるゆるになるので、被覆を噛ませ太くして固定します。また、AWG33と極細なので強度も低くなります。この点は、どうしようもありませんので、今後のご使用で十分ご注意をいただくことで対応したいと思います。

隠しネジ
シワシワ

開封には、液晶画面の回りに貼ってある化粧シールに隠れたネジを外さないといけません。ですが、このシールは強力でして剥がすとシワシワになります。

開封し、メイン基板とマウスの基板端の端子にのっているホットボンドをめくりケーブルを外します。

メイン基板端
マウス内の基板端

交換するケーブル内の芯線の配色にもできるだけあわせてたいので、配色とシルクの印字をメモしておきます。

断線状況

断線は、9本中8本で断線しておりました。ここで注意ですが、本体に取り付けられたままの状態で断線チェックを行ってもダメです。ハンディテスターのピーピーチェッカーでは、曲がった応力でカツカツで接触しているので断線していてもピーピー鳴ってしまうのでケーブルは外して両端をテスターピンのクリップで固定し、本体の付け根とマウスの付け根をくねくねさせ断線をチェックしてください。

次に交換用のケーブルを用意します。

本体の付け根とマウスの付け根は、収縮チューブを被せ径を太らせてはめます。

本体の付け根

本体の付け根には、ケーブルの抑えをネジ止めしますが、裏表が分かりづらいので注意ください。過去の修理機種の画像ですが、突起がある方がケーブルと逆側に付きます。

ケーブル抑え向き
マウスの付け根

ケーブルの端を剥く前に収縮チューブを被せておきます。

剥き幅

AWG33なので強く引っ張っただけで簡単にちぎれる位なので剥く作業も慎重に行います。

芯線のよりに半田をしておきます。

本体基板端
マウス基板端

綺麗に半田付けできましたね。配色の並びシルクの組み合わせが間違わないように十分に確認します。仮組を行いマウスの動作確認を行います。

動作もばっちりですね。

でここで、電源のON/OFFの感度が悪くなっているので、本体キーボード側をあけて電源ボタンの電極を掃除しておきます。格段に感度がよくなりましたが、やはり多少の接触不良は残ってしまいました。

ケーブル長

入手可能はなケーブルでの修理を行いました。ケーブルの径には多少難はありましたが、収縮チューブを被せて対応しました。シースの型さもマウスを使用する上では問題ない、といか純正ケーブルに比べると格段に柔らかくなりました。

ケーブルを交換することで、各段に作業性も上がり工数も削減できました。以前の継ぎ足し修理でも補修部材費と同等の費用に抑えることもできましたので、今後の修理はケーブルの交換が良いと思います。※ただし黒色になりますが、、、。


問題なく稼働しております、娘も大喜びです。

入り切りのスイッチもうちでは問題ありません、マウスも正常に作動しております。 シールのたわみも気になりませんし、受けて頂けただけでうちは感動ものでした。

忙しい毎日かとは存じますが、これから寒くなりますのでお身体に気を付けて下さいませ。 本当に有難うございました。

~依頼者様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

今回は、外来勤務している地域のおもちゃ病院での診察記事となります。

タイトルの通り、カバー外れによる動作不良時の修理対応になりますので、同じ症状への対応として共有させていただきます。

まず、不具合の症状としては、無事起動はするのだが、絵本の絵柄に正常に反応したり全くしなかったりと動作が不安定とのことでした。

補足ですが、この依頼者様は、単四型の乾電池とニッケル水素の充電池を混合して使っておられました。それが今回の故障原因ではありませんでしたが、お子様が使うのなら万一のことも考え単四乾電池でお使いください。

こんな感じで不安定に反応したり突然しなくなったりです。

因みに、グリグリ回しながらペン先を当てている理由は、2個ある赤外線LEDの故障を疑っているためで、そうすると片側のみの反応に差が出るかどうかを見たためとなります。

では、状況から故障の原因を推測してみます。

起動は無事できており、正常に絵柄への反応することもあるので、ペン先の接触不良を疑いました。

旧式のペンの場合、コネクタが基板に半田付けされているので、その剥がれなどが起きているかもしれません。ですが、このペンは、SuperDXなので、新式の場合は、コネクタではなくフラットケーブルとなりますんで、他の要因かもしれません。

次に、絵柄のグリットドットは、ペン先より照射されている赤外線LEDの反射光をCMOSイメージセンサーで読み取ります。過去の修理事例では、この赤外線LEDが故障していたために無反応でありました。今回は、不安定であるとのことなので、片方のみが故障して赤外線を照射できていないかもしれません。※因みに、SuperDXは、850nm波長の赤外線LEDです。

他の要因としては、これもペン先に異物が侵入し入光穴を微妙に塞いでいるのかもしれません。

事前の検討はこのぐらいにして、原因を探ります。

内部

このSuperDX版では、本体のネジに三角ネジが使用されております。サイズは、▲1.4か▲1.6になります。自分が持っていた▲1.8は入りませんでした。以前は、ギリギリ入っていたのですが、近ごろのネジ穴は小さくなったのかもしれません。

さて、フラットケーブル版ですので、新規版となりペン先は、コネクタではない接続方法となります。ではペン先を確認すると、原因は直ぐ分かりました。

カパカパ

カパカパしてる!

そうです。イメージセンサーのICチップが実装されている基板に付いているカバーが外れています。

これではダメです。

モジュールに内部に設置されたレンズからの焦点が、イメージセンサーの焦点とズレてしまい赤外線反射光の認識ができなくなります。また、横の隙間からも入ってきた外乱光によって赤外線も多少乱されてしまうようにも思います。

焦点ズレ

本来レンズの焦点が、イメージセンサーの位置で像が結ぶように設計されているので、少しでもズレると像がズレてしまいます。

一応赤外線LED 2個がちゃんと点滅しているか確認します。

大丈夫ですね。2方向からの2つとも無事点滅しております。

次にパン先のカバー外れが本当の原因かと、カバーをずらした状態とハメた状態で絵柄への反応をみます。

やはり、レンズの焦点ズレで画像認識ができなくなっていそうですね。

歴然と絵柄への反応にカバーを絞めた際と開けた際で差があります。

では、取れたカバーを同じように接着しますが、これも厄介です。

イメージセンサーのチップ

直ぐ内部にイメージセンサーのチップがあるので、粘性の低い瞬間接着剤などを使うとIC側に流れ込んでしまい、終わりの世界になります。

そこで、粘性の高いエポキシ接着剤を使用します。

ですが、あくまでもカバーを被せた状態でつなぎ目に盛るだけですよ!

エポキシ接着剤

この状態をキープしそのまま時間をおきます。

まっすぐ

まっすぐ上に向くように固定します。

固まったところで本体に装着し動作確認です。

収まり
動作確認

動作確認もばっちりですね。

恐らくですが、ペンを絵本にタッチする際の振動で接着面が剥がれてしまったのでしょうね。


ミニレコードプレーヤー修理

ミニレコードプレーヤー修理

当医院の修理記事を見た方からミニレコードプレーヤーの急患での修理依頼がありました。

外観上問題なさそうだが電池を入れてもうんともすんともだそうです。

このミニレコードプレーヤーは、古い玩具の音出し用に本体内部に仕込まれた音源でして、原理はレコードのまんまとなります。

押しボタンを押すと、レコードに録音された音源数種を順に再生してくれます。スピーカーは、針に直にコーンが接続されており、針の振動がそのままコーンに伝わり音声として鳴ってくれるという仕組みです。

過去の修理では、電気回路経路の錆による回路不良とモーターのグリス固化による駆動不良がありました。

では、早速拝見します。

配線経路

配線経路上は、目視上問題はなさそうです。念のためハンディテスターで導通を確認しましたが、腐食や接触不良もありませんでした。

乾電池の電圧が正常にモーターの電極端まで上がっております。

では、モーターが問題かもしれません。

モーター

専用形状のモーターですね。

やはり、モーターの駆動不良が起きておりました。指で回してあげると少しづつですがカクカクし始めました。内部のブラシおよび軸のグリスが劣化していると思われます。

このモーターは、側面に隙間が空いており、内部へ接点復活スプレーを簡単に吹き付けできました。また、軸の穴にも両面にもグリスを塗布しておきます。

すると、勢い良く回転し始めました。

不具合の主原因はモーターの駆動不良でしたが、その他の箇所もメンテナンスしておきます。

針先

針先に埃が結構付着しているのでお掃除しておきます。同じくレコードの表面もアルコールで綺麗にしておきます。

ここで、このミニレコードプレーヤーを修理したことのある方ならご存知かと思いますが、このミニレコードプレーヤー最大の難所は、ゴムベルトをモーターの軸に装着する点です。

一度分解のためにゴムベルトをモーターの軸から外してしまうとそう簡単には再度取り付けでいません。というのも、レコードを筐体内部に装着してからでないとゴムベルトを装着できないような構造なのです。文面では説明しにくいです。

そこで順に説明します。

まず、ゴムベルトが装着されているレコード裏の溝にマスキングテープを貼りつけゴムベルトをはめておきます。

マスキングテープ

次にこのマスキングテープが取れないようにレコードを本体に装着します。

ゴムベルト
本体内部側

このゴムベルトは、装着後ピンセットなどで摘まむことができないくらい狭い隙間しかないためアクセスが非常に悪いです。そのため、小さなマイナスのドライバーでも容易に摘まみ上げられるようするためのマスキングテープでした。

ピンセット

次に裏面からピンセットの先を穴から差し込み先のゴムベルトを引っかけます。この時に貼っておいたマスキングテープを剥がして取り除いておきます。

自分は、一度剥がすのを忘れて組み立ててしまい、今回の修理は同じ作業を2回してしまいました。

あとは、モーターの軸がゴムベルトに引っかかるように設置してあげればOKです。

音声再生速度は、電池ボックス内のスライドツマミで調整できます。

ツマミ

では、早口の最速再生です。

次に最も遅い再生速度です。

どちらも問題なさそうですね。

これは、どのような玩具に仕込まれいた音源でしょうかね?

以上で修理完了です。


ゼンマイ式 魚釣りゲーム ゼンマイ交換

魚釣りゲーム

ゼンマイ式 魚釣りゲーム ゼンマイ交換

今回の記事も外来勤務している地域のおもちゃ病院の修理案件です。

キティちゃんやすみっコぐらしのように各人気キャラクターでデザインされております、ゼンマイ式の魚釣りゲームです。※因みにゼンマイって漢字で書くと、発条って書くらしいです。

ゼンマイを巻いて設置した口パクの魚を竿で釣り上げ、数を競争するゲームです。

持ち込まれた際は、ゼンマイが故障しておりその修理案件となりました。分解して中身を確認します。

機構は至極単純で巻いたゼンマイのギアで左右のターンテーブルを回転させるだけです。

このゼンマイが終わるまでに魚を釣り上げるというものですね。

故障ゼンマイ

ゼンマイのギアですが、半月の扇型の軸がネジ切れで取れております。また、バネも抑え取れてバラけております。

軸のネジ切れが致命傷の一つで約0.5mmの軸はギアを回してターンテーブルを回転できるだけの固着は無理ですね。

その他に、ゼンマイの回転速度を制御しているギア軸が多分折れて紛失してしまっており、たとえ修理できたとしても高速で回転してしまいゲームが成り立ちません。

実は、このおもちゃの他の修理記事は、インターネット上でも閲覧でき、その記事においても同じようにギアの軸が折れております。しかも、取れたギアも紛失してしまったようでもあったそうです。※その記事では、元々白色のゼンマイが純正なようなので、このおもちゃも一度修理されたのかもしれませんね。

さて、他のおもちゃドクター様に於かれましては、流用できるゼンマイを探したりとご苦労をされて居られるので、私も流用できるゼンマイを検討します。

まずは、部品代を抑えるため、ダイソーのおもちゃコーナーを物色しました。

因みに、この魚釣りゲームは、現在も市販されており、フリマでも格安で取引されております。どーしてもの修理の場合は、残念ながらそれらから部品取りも検討してもいいかもしれませんが、まず流用できるゼンマイをそれよりコストを抑えて入手できるか探ります。

ダンスイミングダック

すると、黄色いアヒルが目に留まります。

商品名は、ダンスイミングダックです。こちらもゼンマイで泳ぐアヒルです。

実は、ゼンマイのツマミの隙間から覗くと、なんと!

先のギアに刺さる半月扇型の軸が見えます。

そうでした!この手のゼンマイは、規格や仕様が共通なのかもしれません。

早速、アヒルを解体してゼンマイを確認します。因みに、このアヒルは接着剤で固着されているので、本体はノコで切り開きます。※間違ってゼンマイも切らないでね。

ほら
ぴったり
ぴったり

なんと、ぴったりではないですか!

※なんか、運を一つ使ってしまった感があります。

しかし、ゼンマイのツマミが魚釣りゲームのツマミ穴に通らず、しかも高さ位置が違うので、ツマミを抜き高さ位置が合うようにエポキシ接着剤で固めておきます。

軸抜き
位置高さ調整

そのままでは高さがたりませんので、筐体側を削り上に上がるように調整します。回転ギアの干渉にも気をつけます。

裏側
ツマミ

ツマミが軸の長さの限界で本体ギリギリにしか接着できませんでした。

もしさらに押し込みたい場合は、本体の穴を拡張するなり必要です。

もし、ご覧のおもちゃドクター様において、同じ魚釣りゲームでお困りの場合は、ダイソーのおもちゃコーナーでスイミングダックをゲットください。

あ!因みに、ターンテーブルを回転させるギアは、アヒル側にはついていませんので、そもそも失くした場合は、ギアそのものを作りないといけませんので、ご承知おきください。


IILUMINATION BUBBLE イルミネーションバブル 修理

IILUMINATION BUBBLE イルミネーションバブル

今回の外来で勤務している地域おもちゃ病院での修理記事となります。

共有情報的には、それほど重要ではないのですが、ドクターの皆様でも同じようご経験があるかと思い記事として共有したいと思います。

おもちゃの機能としては、ボトルに入ったシャボン玉の原液をセットし引き金を引くとシャボン玉が銃口より送出されるという代物ですが、イルミネーションとあるように上部にLEDにてイルミネーションの電飾効果があります。

さて、この手の水物のおもちゃ、あるあるなのですが、電気的な箇所が全て腐食します。

アンパンマンのお風呂シャワーなども水気で錆が広がります。

ある意味、仕方ありません。

完全に乾かして保管もできませんので、マダシマダシ使い続けるか、今回のようにオフシーズン入り前にオーバホールするしかありません。

割れ補修

筐体の割れも所々に発生しておりエポキシ接着剤で固めておきます。

ポンプ

このおもちゃは、ボトル内の原液は、送風モーターの駆動でポンピングされ風の送風口に運ばれます。

最初みたときは、血液を送る装置のような印象を受けました。

このギアの軸も錆が広がっており錆取りとグリスを付けておきます。

破断

引き金ですが、恐れく強く握ることを繰り返したので、途中で割れて完全に破損しておりました。こちらもエポキシ接着剤で固めておきます。

中身

中身は、送風用のモーターがあり、羽で銃の前面に送風されます。同時にシャボン玉の原液をポンピング送風口の口に垂らしてシャボン玉を生成するというメメカニズムです。

しかも、垂らした現役の残りは、ボトルに戻るという機能まで付いておりました。

電飾LED