ミノルタ AF 双眼鏡 応援鏡 オートフォーカス修理

ミノルタ 双眼鏡

今回は、外来勤務しております地域のおもちゃ病院のドクター様からのご依頼で、無事故障解析ができ修理できた事例の紹介です。

電源ボタン

電源ON時に横にあるLEDの点滅 or 点灯状態でエラー時は状態が確認できます。

それぞれのエラー詳細は、取扱説明書に記載があります。

電源On時にすぐ点灯し4秒後に消灯すれば正常起動となり、正常に起動しています。

箱 応援鏡!?

さて、故障の症状は、ミノルタ製のオートフォーカス付き双眼鏡が、オートフォーカス動作をしたままで、マニュアルボタンも効かないとのことです。

この双眼鏡は、両眼の中央にCCDをフォーカス用のモーターが内蔵されており、いわゆる一眼レフの技術を使用して自動フォーカスを実現したという商品になります。

取扱説明書をみると、電源投入後はいづれかのボタンが押下されるまで静止しているはずなのですが、起動直後から既にモーターがギーコギーコ回転しフォーカス調整が効いています。

フォーカスモードには、オートモードとマニュアルモードがあり、双眼鏡上部に押しボタンがあります。

では故障解析します。

ゼンマイ式 オルゴールメリー フック取り付け

ゼンマイ式オルゴールメリー

ご自宅にあったゼンマイ式のオルゴールメリー修理のご依頼がありました。

主様も詳しい使用方法も分からないまま取り出し取り付けようと試みたがオルゴールも回らずでお困りとのことでした。

引き紐

本体を吊り下げ下部にぶら下がっている紐を引くとゼンマイが巻かれオルゴールが鳴るという代物でした。

届いて直ぐ紐を引いてみると、回ったり何かに引っかかっているような感じで手で回してあげると勢い良く回ったりと動作がおかしいです。

フック

吊り下げるフックも取れてしまったようで、主様で代用のリングを金具で差し込んでいたようです。

固定はセロテープで貼りつけているような感じです。

では分解して内部の不具合を解析します。

接着部

メリー本体は、カバーが画像の黄色いラインで接着固定されております。

剥がす

当初はカッターナイフで切り開こうかと思っていたのですが、抉るだけで開くことが分かったので慎重に抉って開きます。強引に抉ると引き裂かれますので注意が必要です。

原因

原因はすぐ分かりました。

主様で固定用に挿し込んだフックの金具が本体内部のオルゴールの軸のギアに噛み込んでおり回転できなくなっておりました。ということは、この金具は何かの流用品ということだったようです。

この金具を取り外すことで無事オルゴールが鳴りました。

では、このフックを修理することにします。

試行テスト

フックが刺さっていた穴はM3サイズでしたので、手持ちのM3のネジとナットで針金の輪っかを固定して吊り下げてみました。

NGでした。

このオルゴールは、吊り下げて飾りを回転させるための、それ相応のパワーがありました。

飾りを吊り下げた状態で回転させると飾りの重さによる抵抗の反動で、オルゴール本体が逆回転方向に力が掛かります。

そうです。

M3のネジが緩む方向に回ってしまい最悪落下してしまいます。

より強固に固定できる方法を模索します。

M3の穴があるので、付下げようのM3のネジが切られたフックを固定することにします。

フック案

画像のようなフックを代わりに取り付けます。

ですが、本体側の固定はどうすか悩みます。

小手先の固定方法では、オルゴールの反動ですぐ緩んで落下してしまいます。

そこで、1mm厚の銅板にM3のナットを溶接し底にねじ込んでみます。

ネジ込むだけでは心配なので、ダブルナットで本体を両側からねじ込み強固に固定します。

さらに、ネジには、ロックタイト648の嫌気系のはめ合い用の接着剤で固定しまいます。

ここまでやれば大丈夫でしょう。

固定部品

M3のフックは、内部のオルゴールに干渉しないように8mmの長さにします。

M3ナット溶接

鉄製なので半田で固定します。金属同士なのですが、温度は、400℃程度まで上げます。

この銅板を本体上部のRに沿うように曲げて弾性のエポキシで接着固定します。

接着固定

このメリーの本体は厚紙製なんですよね。

フック側にもナットを入れておき、この厚紙を両側から締め上げ固定します。

ダブルナット固定

固定は流石はめ合い用の接着剤なので強固でした。

いい感じですね。

オルゴールの応力にも負けずに固定できております。

外したカバーを再度接着固定して修理完了です。


DWE お話絵本 ボタン接点修理

絵本

以前こちらの修理記事の方から別の絵本の修理依頼がありました。

ボタン電池の蓋のネジが潰れてしまい電池が交換できないとのことです。

潰れたネジ

まぁ潰れていますね。

ですが、宅配おもちゃ病院的なレベルでは、この程度でしたら、適切なドライバーと技量で開封できます。

サクッと開封
潰れたネジ

サクッと開封できました。

ボタン電池

ボタン電池がすべて膨らんでおり空でした。

幸い液漏れしていなかったので致命傷にはなりませんでした。

さて、動作確認ですが、おさるのボタンが効いていません。

動作確認

主様と相談し先の修理時と同じように絵本から本体を剥がしボタンの接点を清掃します。

両面テープ

猛暑のおかげで比較的簡単に剥がせました。

因みに青森地方も連日の猛暑です。

ですが、このテープの残骸の除去がほんと大変でした。

テープのベースを剥がしを残骸の糊に吹き付けては剥がすという繰り返しです。

配線

ボタンは、透明なシートにパターンが印刷されており、本体にも導通用の塗装もされております。

全ボタンの接触部をアルコールで拭きあげておきます。

また、シートを基板が接触する連結部もアルコールで拭きあげておきます。

拭きあげて後に組み上げ動作確認をしたのですが、なぜか全ボタンが効かなくなっておりました。

ん?

なんでだ?

と調べておりましたが、シートと基板の連結部の電極が横にずれて接続されているためでした。

かなり横にずれてしまうと導通できないためカプトンテープでアライメントして固定しておきます。

潰れたネジも交換し最終動作確認をします。

ネジ交換

問題なさそうですね。これにて修理完了です。


絵本の方もちゃんと音が出るようになり、普通の軽いタッチでも充分なようです。本当にありがとうございました。

全く使いこなせないまま、劣化だけが進み、全く動かず諦めていた教材達が立派に復活して、ビッグなプレゼントとして、役に立ってくれるようになりました。

本当に感謝ふです。ありがとうございます。

~依頼者様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX 赤外線LED交換

SuperDX

アンパンマンのタッチペンで今回は、SuperDX版の依頼がありました。

電源投入後の起動はするが、絵本の絵柄への反応が数回というレベルで、絵柄への反応がほとんどしないという故障とのことです。

不安定な挙動の修理は今までもやってきましたが、スピーカー導線がカツカツで付いていたり離れたなどでした。

今回の挙動を確認すると、初回の電源投入時の反応は、数回レベルでは問題ないのですが、そのうち完全に無反応になります。また、その際に電源の入れなおしをすると、ほぼ100%絵柄に反応しません。

故障状態

まずは、この点の動作確認ではペン先の赤外線LEDの点灯を確認します。

ペン先

少し穴の周囲に異物が付着していましたが、致命的ではありません。異物は後で除去しておきます。

赤外線LED

ペン先から覗き込んでも片方のLEDしか点灯していませんね。

絵柄に反応しない不安定な動作の原因は、このLEDの故障でしょう。

照射される赤外線が少ないためGridドットの絵柄から反射光は少ないためでしょう。

では、分解しサクッと交換してしまいます。

何か付いている

あら!?スピーカーとプラス電極の間に何かパーツが付いていますね。

ペン先

パン先は、4芯のケーブルで画像処理ICとイメージセンサーのモジュールに接続されております。この先のカバーを外します。

赤外線LED
故障LED

片方しか点滅していませんね。このLEDを交換しますが、注意が必要です。

赤外線LED自体が故障していれば、LEDの交換で修理はできますが、そもそも基板からの給電ができていない場合は、その他の故障となります。

そこで、点滅していないLEDをはずしLEDチェッカーで確認します。

20mA

外したLEDを20mAで確認しますが、全く点灯していません。

やはり赤外線LEDの故障で決まりですね。因みに、この赤外線LEDは、850nm Φ=3mmのです。

因みに、交換する正常な赤外線LEDはこのように点灯します。

点灯

この手持ちの赤外線LEDは、封入された樹脂の下部に出っ張りがあるので削ってフラットにしておきます。

出っ張りの削る

この出っ張りと削れないとペン先のカバーに収まりません。

取り付け

基板の穴は半田リボンで綺麗に半田を除去し穴を露出させておき、LEDの足を挿し込みます。

あとは粛々と組み立て最終動作確認します。

動作確認

格段に認識率が向上し絵柄への無反応もなくなりましたね。

以上で修理完了です。


すみっコパッド USB給電基板交換

すみっコパッド

同じになりつつある、すみっコパッドのUSBコネクタ修理の依頼です。

別件ですが、最近、同じ県からの依頼が急増しております。

当医院の口コミでの広まっているのか、いろいろな依頼がありました。

さて、今回の依頼もUSBからの給電で起動できないというものでした。

乾電池の起動は問題ありません。

今回もサクサクと交換し動作確認をしましょう。

プラグ

同封のUSBケーブルのプラグは、目視上は問題なさそうですね。

実際の通信確認は基板交換後に実施します。

液漏れ粉

電池ボックスの裏側に液漏れ痕がありますね。負極箇所に粉が固まって付着していますので、綺麗に掃除しておきます。

交換基板

基板もサクッと交換します。

交換基板

因みに、破損したコネクタは曲がった電極でぐしゃっとしていました。

破損コネクタ

USBケーブルの裏表接続、乾電池での起動問題ありません。また、パソコンとの通信も問題ありませんでした。

これにて修理完了です。


動作も無事に起動するのを確認しました。 子どもも喜んでいます。迅速で丁寧なご対応ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

すみっコパッド USB給電基板交換

すみっコパッド

大人気のすみっコパッドのマイナーチェンジ版の修理依頼です。

※すみっコパッドのUSBコネクタ修理は常時受け付けしております。

USBのコネクタが破損してしまいUSBケーブルからの給電で起動できないとのことです。

乾電池での起動動作は問題ないとのことなので、サクッとUSB給電基板を交換してしまいます。

因みに、当医院ではマイナーチェンジ前後どちらとも交換基板を用意しております。

では、コネクタの破損状況を確認します。

破損コネクタ

目視でも分かるぐらいの破損ですね。電極が曲がってあちこちに行っています。

USBケーブル

お使いのケーブルも同封をお願いしております。

本体側のコネクタが破損しているので、コネクタのプラグ側にも影響が出る可能性があります。

残念ですが、目視では問題なさそうですが、通信用の信号の電極に曲りなどあるようで接触不良でパソコンとの通信ができませんでした。比較確認用に当医院のUSBケーブルを使用するとパソコンとの通信ができるので、通信を行う場合は市販のケーブルを購入していただくようにお願いしました。

さて、本体側の基板交換をサクサクしてしまいます。

交換基板

当医院では、常時数枚アセンブリ用意しておりますので、同時対応も可能です。

交換済み

基板のレジスト色も揃えているので全く違いは分かりません。

さて、こちらの記事に記載しておりますが、USB Type-Cのコネクタ自体の交換はリスクが大きくお勧めしません。以下の画像を見てみてください。

純正基板ランド

純正基板の半田ランドの拡大画像です。

ほら、コネクタの電極端子のサイズと基板の半田ランドが同一形です。

そうなんです。

リフロー前提の基板設計なので、基板のランドに触れることができないのです。

低温半田を使用した場合、元々の半田にじっくりと低温半田を混ぜ込むことができないと半田の融点を下げることができません。従いまして、この基板のコネクタを剥がすためには、リフロー炉かリワーク工具が必要となります。

他の実装部品もあるので、コネクタの端子の上に半田をてんこ盛りにしてリワークステーションで320℃ぐらいで作業するしかないですね。

ネット記事の皆さんと自分も低温半田で失敗した理由がはっきりしました。

さてさて、基板のサクッと交換し動作確認をします。

まず、主様お使いのUSBケーブルで給電起動確認とHOMEボタンの動作確認をします。

問題ありません。

ついでに、Type-Cのコネクタをひっくり返して同じ起動確認とHOMEボタンの動作確認をします。

問題ありません。

念のためですが、乾電池での起動確認もします。

問題ありません。

次にUSBケーブルでパソコンとの通信をします。

が、ここで認識不良があります。

お使いのケーブルではパソコンから認識できません。

おおお!

ケーブルのプラグ内の電極に何か起きてようです。

裏を取るために当医院のUSBケーブルで通信確認をすると、無事に本体認識しデータの通信もできました。

主様にも市販のケーブルを購入いただくことで対処をお願いしました。

修理コネクタ

動作確認もでき修理完了です。


CSMファイズギア ファイズフォン修理

ファイズフォン

CSMファイズギアというバンダイプレミアムから発売されている『COMPLETE SELECTION MODIFICATION』という仮面ライダーのアイテムのようです。

仮面ライダー1号の変身ベルトは、いろいろ修理をしているのですが、シリーズの全てを知らないため、どの仮面ライダーのどのようなアイテムなのか落ちう点は、よく分かっていなかったりします。

で、このファイズフォンは、恐らく仮面ライダーのベルトに合体して装着できるアイテムで、変形し銃型にもなるようです。

で、不具合とは、LEDの点灯はするものの効果音が小さいとのことで、押しボタンの反応も一部機能しないとのことでした。

それと、過去にも同様に修理を受け付けた際に隠しネジの箇所などは分からず、むやみに抉って破損してしまうリスクをお伝えした際に修理を断念されたケースもあります。

従いまして当医院で同様の修理を承る場合は、注意事項・同意事項にも記載してある修理に際し破損など了承いただく前提となります。

特に開封に際し隠しネジの蓋をこじったり、ステッカーを剥がしたりカットしたり、場合によっては接着箇所をノコギリでカットするような場合もあり得ます。

ではでは現品を拝見します。

表面

何か同着できる装飾部品がありますね。スピーカーの穴が見えます。

裏面

単四乾電池の電池ボックスがありますね。電池ボックスの蓋はツメを押し込んでスライドさせるタイプです。

LED点灯部

往年のガラケー携帯の液晶部に各動作モードに反応するLED画面があります。

それぞれのモードエントリーでLEDが点滅します。※詳しくは、後述の動画で確認できます。

押しボタン部

操作する押しボタンがあります。

では開封ですが、主様が事前に一度開封に挑戦されたらしく隠しネジの箇所は全て判明しております。

1点、銃型に変形するヒンジ部のみネジの蓋がありますので蓋をあけてネジを外します。

隠しネジ
液漏れ腐食
液漏れ腐食

電池ボックスの負極からの液漏れで腐食が広がっていますね。

腐食は広がってはいますが、通電はできているようなでLEDが点灯していたようです。

粉を綺麗に洗浄清掃して腐食配線も交換します。

腐食電極

電極を外し腐食部研摩し抵抗をチェックします。

洗浄清掃済み
再配線

幸いに基板側には致命的な腐食の広がりがありませんでした。

断線

断線していますね。

この配線は多芯のケーブルがイヤホンで使用されているリッツ線です。こちらが参考になります。

音が小さいとのことですが、当医院に届いた際の動作確認では全く音がしておりませんでした。その原因は、このケーブルの断線で基板のシルクにもSP-とありました。

断線部をリード線とクリップで導通させ動作確認をします。

動作確認
動作確認

よさげですね。音の反応も大きさも十分です。

ポリウレタンの被覆は、溶かした半田で除去し半田付けした後、極細収縮チューブで絶縁します。

半田付け

数か所ネジが紛失していたので、手持ちのネジを装着しておきます。

組み立て際し、いろいろ懸念が出てきました。

配線混雑

リッツ線が断線した原因のひとつですが、銃型に変形して仕様するとヒンジ部にリッツ線の多芯ケーブルが収めます。

ですが、このような稼働をすると金属疲労で断線してしまいます。

とても狭いスペースに多芯ケーブルが2本収まっております。

もうこれは筐体設計上の問題なので、今後の運用で(遊び方)注意いただくようお願いしました。

次に、何故か555→ENTER動作で認識エラーが時々発生しました。

反復入力してもエラーが続くのですが、他のモードを一度入れたりすると、無事認識したりします。

5ボタン自体とENTER自体の押下の反応音はしているのでENTER後の認識のようですが、こちらも運用で対処をお願いしました。

で組み立てて最終動作確認をします。

組み立て完了
動作確認

側面のスイッチの反応なども主様に教えてもらい動作確認しました。問題ないようですね。

これにて修理完了です。


修理していただきましてありがとございます 。

そして丁寧な対応、修理中の経過報告などとても安心して修理依頼できるサービスだと感じました。

私自身とても思入れのある作品の玩具なので不具合が治り満足しております。

また機会がありましたら利用させていただきたいと思います。

ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

イワヤ 赤ちゃんブリテッシュ 骨折修理

赤ちゃんブリテッシュ

大人気のイワヤの赤ちゃんシリーズの赤ちゃんブリテッシュです。

画像が斜めなのは、写し失敗したのではなく骨折で斜めっているのでした。

右後ろ足

右の後ろ足が折れてしまっています。

骨折で右側の後ろ足が動いていません。

ですが、肝心の折れた残骸の足先がぬいぐるの中にありません。

ぬいぐるみを開いた形跡はないので、恐らく残骸が本体内部に転がっているはずです。

少し振るとカラカラ音がします。

では、縫い目に沿って開き足の状態を確認します。

足先

折れた足先はやはり内部に転がっており、何とか取り出せました。

ちょうど稼働軸の下で破断しています。

折れた箇所が少し曲がっているのでぽきっと折れたのではなく、ゆっくり曲がりながら最後に折れたようです。

骨接ぎは、いつのも通りワイヤーを通す穴をピンバイスであけてワイヤーで強固にまずは固定してからエポキシ接着剤で固めてしまいます。

ただ、稼働軸の横なので穴をあけることができる場所があるか、あけれたとしても固定できるかがポイントになります。

では、足パーツが取り出せるまで縫い目を開いて本体のネジ留めを外します。

猫の開き

後ろ足の軸から折れた部位を取り出せるまで開きます。

骨折

穴の位置に注意すればワイヤーは通せそうですね。

ワイヤー

ワイヤーは3本で穴位置は、7箇所です。

では、エポキシ接着剤で固めます。

エポキシ接着剤
エポキシ接着剤

エポキシ接着剤が固着するまで十分に時間をおき稼働テストをします。

稼働テスト

すぐぽきっと折れることもなく固着できましたね。

では、ぬいぐるみを縫合しますが、過去の失敗もあるので、徐々に縫合しながら稼働を交互に繰り返し作業します。

縫合完了
動作確認

この愛くるしい動きが大人気なのえしょうね。


こどもたちもたいへん喜んでいます。 ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイ修理

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイ

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイという、恐らく仮面ライダーのアイテムと思われる修理依頼がありました。

お持ちのカードで認識不良が出ているとのことで、ご自身で修理に挑まれたそうです。

分解の際に顎の付け根のネジが潰れてしまい開封できなくなったことと、あちこちのネジを外した際に本体内部のバネらしき部品が飛び出てしまい収拾つかなくりご相談をいただきました。

潰れたネジの開封とバネの装着、カード認識不良の3点の修理となります。

では、診察しましょう。

届いた状態でカードを挿入してみると認識不良が多いです。

この玩具は、認識エラーと起こすと『認識不良』と言います。

潰れたネジ
ネジ

当医院は、何故か潰れたネジの特にたまごっちの開封依頼を多くいただき、開封に際しコツなども多く、この程度の潰れはサクッと外してしまいます。

まず懸念の潰れたネジを外せたので、その他のネジも外して開封します。

ですが、おでこの辺りがどうも開封できません。

注意が必要

上記画像の辺りですが、上側からのネジ2本を外しても左右に開きません。

強引に開くと割れてしまいます。

このパーツのネジの台座が少しパーツに食い込んではめられているので、本体を左右に開きながら、かつパーツの上に持ち上げると開封できます。

実物の組み上げ状況を見ながら作業すれば特に問題なく開封できます。

さて、次なるバネの装着です。

取れたバネ

バネというか先にプラスチックの部品も付いてしますね。

開封すると直ぐ取れた場所が分かります。

ここ

本体内部に同じようなパーツが転がっていました。よく見るとカードを挿入セットする際にひいたりするレバーのバネでした。

ちょうど上下に一つづつセットするようで、依頼主様がレバーを開封した際に外れてとれたのでしょう。

装着

レバーのネジを外し、こんな感じにレバー内部に装着します。

2点目も解決しました。

最後のカード認識不良の原因を解析します。

本体内部

カードには複数の穴があいており、その穴をプッシュスイッチ側の検知スイッチで穴の有無を認識するというメカニズムです。

カードスロット

スイッチの突起がスロットの穴から出ていてカードの縁でカードに密着します。

レバーの引いたり押したりすることでスロットが開閉しカードとスイッチの突起が密着しON/OFFが切り替わります。

スイッチ形状
位置関係

1番から7番までがカードの穴と対になっており、0番のスイッチが恐らくカード自体の有無を検知しているようです。

この手のスイッチの接触不良は、電極の汚れか酸化膜で、本来であればスイッチを交換すべきです。

ですが、同じスイッチがそう簡単に入手できないため現品のスイッチの接触をどうにかして回復できないか検討します。

因みに、基板との半田付けも念のため再半田しておきます。

まず、現状でのON/OFFをハンディテスターで確認します。

チェック結果

ほぼ全滅です。

このスイッチは、オープンな状態でクローズ(短絡)になっている、ノーマリ―クローズタイプのスイッチです。従いまして、カードを挿入しない状態で長期保管すると、スイッチが短絡されたままで保管されることになります。

さてさて、真っ先に思いつくのは、接点復活剤ですが、ここでちょっと待ったです。

先の画像のようにこのスイッチの突起は、カードに密着するので、むやみに吹き付けてしまうとカードに染みが付いてしまいます。

自分は、この手のカードを良く知らないのですが、大事なカードだったりすると染みが残念な感じになります。

そこで、2段階で検討します。

揮発性の高いクリーナー(今回はフラックスクリーナー)を吹き付け液をスイッチ内部に浸透させ、ON/OFFを繰り返し電極の接触部をコキコキします。

クリーナー
クリーナー結果

クリーナーを吹き付けコキコキすると、おおよそ全てのスイッチが改善しました。

もちろんですが、カードの認識も問題ありません。

経過確認

実は、ここで少し浮かれており、このままで状態が持続してくれればいいなーと思っていました。

そうです、この点の接触不良はそう簡単に回復しません。フラックスでもないので酸化膜なんぞはとれないでしょうね。

数時間で数枚のカードで認識不良が再発しました。

既に策が付きているので、最終手段の接点復活剤をスプレーし念入りにコキコキします。

やはりコキコキ後は正常に認識するのですが、この状態がどこまで続くのかだけです。

依頼者様には、当医院で提供できる策はもうないとお伝えし、先の潰れたネジの在庫がなかったので発注したネジが届くまで経過観察することにしました。

ですが、ここでも残念ながら数日で再発しました。

ネジが届くまでそのままというのもイヤなので、強制的に全スイッチを押し込むことができるカードを作成しました。

自作カード

このカードを挿入すると全スイッチを強制的にON/OFFできます。

保管時や認識不良が発生した際に挿入していただきスロットの開閉を繰り返しスイッチの接点を回復していただきます。

スロット

潰れたネジを装着し修理完了となります。

交換ネジ
ネジ装着
口のカード挿入箇所
エヴァみたい

このアイテムですが、角出して口を開くと、エヴァンゲリオンにそっくりですね。

最終動作確認

どうかこの状態が長続きするように祈るばかりです。


動作確認もバッチリできて、自分の持ってるすべてのカードを認識することができるようになり、とても嬉しいです。

修理してくれた瀧下様には感謝しています。

~依頼者様のご感想より~

トーキング ウッディ ヒューズ切れ修理

ウッディ

トーキング ウッディ ヒューズ切れ修理

タカラトミー製のトーキング ウッディです。

日本語と英語を切り替えることができるバージョンとなります。

背中の紐が取れてしまい、依頼者様自身で修理に挑んだそうなのですが発声できずということでご依頼がありました。

他の依頼案件では、引っ張った紐が戻らないケースが多く、その多くがボビンを巻き取るバネが破損したためです。

今回は、巻き取ることはできるのですが声が出ないということなので、早速ですが拝見しましょう。

本体モジュール

実は、本体は既に外された状態で届きましたので、この状態で故障診断をします。

電池ボックスの電池を抜きますが、同封された乾電池はアルカリ乾電池で、電池ボックスに収められていた電池は、パナソニック製のエネループでした。

これ故障解析のために覚えておいてください。

ボビン

因みに首側から覗くとこのようになっており紐巻きもできています。

ボビン巻き動作

ですが、電池ボックスの蓋のネジが開きません。

ネジ

通常は、ネジを回すと蓋ごと外せるのですが内部のナットも一緒にクルクル回っています。

しかもネジの溝も潰れかけています。

仕方ないので本体をカパッと開いて外します。

潰れたネジ

まぁまぁ溝が削れて潰れていましたね。

ネジ山破損

この蓋を締める用途のネジはネジ山が途中まで切ってあり、山の無い部分はちょうど蓋の厚さ分ありくるくる空転するためのものです。

目視上、山に問題無さそうなのですが、恐らく主様が占める際に山がズレたまま強引にネットにねじ込んでしまい先端のネジ山が広がりナットに変に噛み込むようになったいたようです。

ナット

この状態でネジを回してしまったので、本体のナット受けの方にも削れが生じております。

ナット受け

ネジに噛んだままのナットがここでくるくる回っていました。

こうなるとネジを交換してもナット側がくるくる回ってしまうので、ナットを接着剤で固定します。六角形のネット受けが削れていますが、六角形の形こそ保っておりますので、弾性のエポキシ接着剤でナットがくるくるしない程度で固定します。

接着固定

後の祭りでもあるのですが、次回同様のケースではプラリペアを充填して固定しようと思います。多分その方がより強度があるような気がします。

さて、ネットの抑えはこのようにして山の削れたネジも交換します。

M2.6 * 6mmのなべネジです。

交換ネジ

通常のネジに交換すると蓋を開ける際にくるくる回し過ぎるとネジが外れてしますので、その点は依頼主様に注意事項といいうことでお伝えしておきました。

さて、電池ボックスの蓋はこれで良しです。

次に通電し動作確認をします。

紐を引っ張ってもうんともすんともです。

バネのスイッチの接点がうまく接触していない可能性もあるので、紐で引っ張るのではなくクリップの導線でバネスイッチの両極を短絡させて確認します。

これでもうんともすんともです。

と、電池ボックスを除くとアキシャルのヒューズが目に付きます。

おおお!

恐らくこれが切れたためでしょうかね???

とー!

そうだ、元々電池ボックスに収められていた電池はニッケル水素の充電池でした。

そうです!

玩具メーカー様も充電池は使用しないでくださいと銘打っているのは、このためでした。

900mA以上の大電流を流せるニッケル水素の充電池は、電子回路を破損してしまう危険性があるので、アルカリ乾電池の使用を推奨しております。

今回は、保安部品であるヒューズが切れたことで発声しなくなっていたと推測されます。

ヒューズ
ヒューズ切れ

やはり切れていました。

外部電源で直接印加すると無事発声しだしましたので、発声しない主因はこのヒューズ切れでしょう。

バネもバネスイッチも無事なので電池ボックス蓋のネジ交換とナット固定、ヒューズの交換で修理できそうです。

500mAヒューズ

発声動作時の実測の電流量は、目視で約25mAです。

デジタルマルチメータなので、サンプリングの誤差や起動電流を考慮し500mAのヒューズとしました。ポリスイッチも検討しましたがスペース的に無理でした。

というか、アキシャル型のヒューズの入手性が悪く500mA以下で容易に入手できる経路が探せませんでした。

以前、たまごっちの修理の際も、この点宿題にしていたのですが今だ解決できずでした。

交換ヒューズ

ではでは、ヒューズを交換し動作確認をしますが、ウッディは首のはめ込みがまぁまぁ大変なんですよね。

開いた状態
はめ込み

首のはめ込み部がむき出しになるように洋服もたくし上げます。

やっと入ったところでネジを絞めます。

次に紐の輪っか部に接着してある紐と解き洋服の穴に通します。

輪っかには一旦縛られてはおりますが、瞬間系の接着剤で固められているので、アセトンで湿らせ解きます。

縛った紐

これで組み立て完了です。

動作確認

大丈夫ですね。これにて完了となります。


診断も素早く説明も丁寧で、ここに依頼して本当に良かったと思いました。 息子も大喜びです。

~依頼者様のご感想より~