すみっコパッド USBコネクタ 給電基板交換

すみっコパッド
すみっコパッド:裏面

すみっコパッド USBコネクタ 給電基板交換

すみっコパッドのUSBのコネクタが破損したとのことで修理のご依頼がありました。

ご依頼のすみっコパッドは、ピンク色で青緑と同じマイナーチェンジ前のバージョンとなります。※因みに黄色は、マイナーチェンジ後のバージョンとなります。

当医院では、マイナーチェンジ前後ともUSBの給電基板は交換用を準備しておりますので基板破損のリスクのあるコネクタ部品単体での半田剥がし交換を行わず基板を丸ごと交換してしまいます。

上:交換基板、下:コネクタ破損基板

配線パターンが0.3mm以下なのでコネクタの半田剥がしに失敗した場合、修復不可能になる可能性があります。

インターネット上の記事でもコネクタ剥がしに失敗されたおもちゃ病院の記事も散見されます。

ではサクッと交換して動作確認しましょう。

破損コネクタ

コネクタ内に破損と電極の浮きも核にできますね。

HOMEのシリコンボタンを付け替えてほぼポン付けで取り付けできます。

基板交換

動作確認は、USBケーブルおよび乾電池にて起動確認と給電アイコンが正常に表示切り替えされていることを確認します。また、USBケーブルではPCとの通信テストも行います。

動作確認

問題ありませんね。これにて修理完了です。

しかしUSBケーブルの抜き差しは自分がやってもママむずかったです。

お子様が抜き差しされる場合は代わりに親御さんがなされた方が良いかと思いますし、再度の破損の懸念もあるのでいっそのことケーブルは差し込んだままでも良いと思います。


すみっコパッド 電源入らない故障修理

すみっコパッド

すみっコパッド 電源入らない故障修理

今回ご紹介する修理記事は、少し趣が異なります。

当院で最近ご依頼の多くなったすみっコパッドの故障があります。

USBコネクタが破損してしまい交換を希望される方が多くなりました。そこで、基板の破損リスクや作業工数の低減を目的にUBSコネクタ部品の交換でなく実装済みの基板を丸ごと交換してしまおうという方針としております。

そこでフリマにてジャンク品(USBコネクタ破損と乾電池でも電源が入らない)を購入しておりました。

この入手したすみっコパッドは、乾電池においても電源が入らないという故障品で、今後の修理依頼に備え故障原因を解析しておこうという記事となります。

無事原因が究明でき電源も入るようになりました。

以下詳細をご紹介します。

すみっコパッド USBコネクタ破損修理

すみっコパッド

すみっコパッド USBコネクタ破損修理

USBの給電用のコネクタが破損してしまったということで修理のご依頼がありました。

対象のすみっコパッドは、マイナーチェンジ前のエメラルドグリーンの筐体色です。

USB給電用の基板を丸ごと交換してしまうという手段を準備していますので、常時依頼の受け付けができるようになりました。お問い合わせフォームよりご依頼をくださいませ。

因みに、マイナーチェンジ後の黄色筐体の基板も用意できておりますので、どちらのすみっコパッドも対応可能です。

では、早速診断をしましょう。

まず、基板の丸ごと交換で対応できる前提があります。それは、

乾電池で無事起動や操作HOMEボタンの操作ができていることです。

ただ単純にUSBケーブルからの給電のみができていないということが判明している場合は、基板の交換のみで対応できます。

因みに、給電仕様はこちらの記事で回路図を以前起こして確認済みです。

また、お持ちのUSB-Type-Cケーブル側のコネクタにも破損がないかも確認が必要です。

ケーブル

同封いただいたケーブルのプラグに破損が生じていれがケーブルの交換も必要となってしまいます。大丈夫ですね。次に本体側を目視確認します。

コネクタ

目視でも分かるくらい破損がありますね。内部の電極も曲がりまくっています。

次に乾電池にて無事起動できるか確認します。

乾電池起動

問題ないですね。※容量の少なめな乾電池を使用していたのでメモリが少なめに出ていますが、、、。

事前チェックはこれで完了です。

では開封してサクッと基板を交換してしまいます。

USB給電基板
破損コネクタ

取り外した基板のコネクタ内を目視しますが、曲がった電極が横たわっていますね。

この基板を交換します。

交換基板

ほぼ同じ基板なので目視では違いは分からないですね。

交換済み
起動確認

では、USBケーブルで起動確認します。

動作確認

無事起動確認できました。電源アイコンもUSBからの給電マークになっております。

また、別途パソコンと接続して通信テストも無事確認できました。

以上で修理完了です。


コネクタ部分が壊れてしまい、遊べなくなってから、 もう、治す事が出来ないのかなぁと子供たちも私も半ば 諦めていたところでした。

瀧下様のお陰で、こうしてまた 遊ぶ事が出来ましたこと、心より感謝しております。

何より、商品をお送りしてから修理返送して頂くまでが、 とても迅速な事、メールで何度もこまめに説明等して頂いた事で、安心してお願い出来ました。

~依頼者様のご感想より~

すみっコパッド マイナーチェンジ版 USBコネクタ換装

すみっコパッド

すみっコパッド マイナーチェンジ版 USBコネクタ換装

すみっコパッドのUSBコネクタが破損してしまいUSBケーブルからの給電ができないでお困りという案件をご紹介します。

同様のUSBコネクタの破損修理は、以前換装修理を行った経験があります。

前回は、同じUSB Type-Cコネクタのまま換装しても同じように再度破損してしまうことを懸念しUSB Type-Aで換装をさせていただきました。

今回は、コネクタ外しで失敗する懸念があったので、USB Type-Aのコネクタに換装する案は撤廃し、電源基板を事前に用意し基板を丸ごと換装することで修理の完成度を上げようという作戦で挑みました。

ですが、作戦に失敗してしまいました。T_T;

まずは、電源基板を比較しましょう。

上:MC前換装基板、下:MC後USB破損基板

レジストの色はともかく、明らかにUSBコネクタの位置が違いますよね。

実は、すみっコパッドという商品をネットで拝見すると、いつも目にする青緑色の筐体色の製品と黄色筐体の製品を見かけます。

てっきり、同じ商品で色を選べるのだと思っていたのです。

※因みに、ピンク色もあるようです。

依頼の際に破損したUSBコネクタの口の画像を拝見した際に気づくできでした。

コネクタ口

明らかに青緑色のすみっコパッドに比べ手前に出ていますよね。

これは、恐らくUSBコネクタの破損事例が多いので際込みがより容易にかつ力がかからないようにするために手前に移動させたのだと思います。

従って、筐体の色をまとめると以下のような感じです。

MC前後
  • 青緑色のすみっコパッド・・・マイナーチェンジ前の初期版でUSBコネクタの口は奥まっていて良くコネクタが破損する。
  • 黄色のすみっコパッド・・・マイナーチェンジ後のすみっコパッドでUSBコネクタの口が手前に出て配置されている。

マイナーチェンジ(MC)後の筐体ですと、以前に施行したUSB Type-Aのコネクタへの換装も不可能となります。

破損箇所

さてさて、折角基板を用意しましたが、基板を丸ごと換装できませんので、仕方ありませんが、USBコネクタの換装を実施します。

以前は、ヒートガンで熱しながら剥がしていくという手段でコネクタを剥がしましたが、レジストの一部を焦がしてしまう事態に遭遇しました。

また、他のおもちゃ病院でのコネクタ換装事例を参照しても、コネクタ外しに際し失敗してパターンを剥がしてしまったという事例も散見されます。

一応、新卒の頃は自身で設計したマイコンの評価でこの手のQFP剥がしなどの経験はありますが、もうそのような技量も怪しくなっております。

そこで今回は、低温半田を使用して剥がしたいと思います。

この低温半田とは、通常の半田にビスマスなどのレアアースを混ぜることで融点をぐっと低くできるという代物です。

ですが、ジャンジャンと使えるような資材ではないですね。

まぁまぁお高いです。

事前にいくつかの同じUSB Type-Cのコネクタ外しで練習をしておきました。

さて、今回のMC後の基板でUSB Type-Cコネクタ外しに挑戦します。

コネクタ外し

結論から申し上げますと、失敗してしまいました。( ̄▽ ̄;

どっと汗がでました。

十分な半田を盛っておけなかったのが失敗の要因を反省しております。

電極の端子には、十分に事前に通常の半田を盛っておき、その半田に特殊ハンダが十分混ざるようにてんこ盛り混ぜ混ぜします。

ここで少しでもケチってはイケません。

自分は、これで失敗したと反省しております。

融点が、100℃以下に落ちるので余熱でも半田は溶けたままですが、コネクタのプラグシェルのツメが基板穴に引っ掛かりがあり、ある程度の力引っ張ることになるのですがその際に電極の半田が十分溶けていないとパターンが剥がれてしまいます。

ハイ、2本剥がしてしまいました。

TL3というテストポイントが出ているA8 SBV1のパターンとA1 GNDの2本を剥がしてしまいました。

パターン剥がれ

2023.7.7(金)追記

すみっコパッドのUSB基板のUSBコネクタの半田付けを外す点について見解が出ました。他のおもちゃ病院でも同じようなコネクタ剥がし失敗事例が多いのです。純正基板のUSB Type-Cコネクタのランド面積が小さいことが判明しました。基板の見た目ランドの面積も十分のように見えますが、このランド位置でコネクタを載せると、後述の説明のようにほとんどランドがコネクタの足の外に出ていません。

そうなのです。

この半田ランドは、リフロー用のランドなので小手先などをあてるようには設計されておりません。従いまして、低温半田を用いたとしても小手先が十分あたらず、そうすると低温半田も十分混ざりません。

従いまして結論としては、純正のコネクタを外して新品のコネクタに換装するという修理方法は、ほぼ確実にランドは剥がしてしまう可能性が高いです。


TL3の配線 A8 SBV1の信号は、実装後は使用されていないので、このままとします。

A1のGNDは、ランドの上部1/5が残っているので端子との間に半田を盛って接続させてしまいます。

今回も致命的なパターン剥がれではなかったので、このままコネクタを換装してしまいます。

で!重要な作業があります。

低温半田で剥がしているので、基板のランドに残留しないように、半田付けのランドに通常の半田を盛って吸引線で吸取っておきます。

自分、2,3回これを繰り返しました。

この残留の特殊ハンダを除去しないと半田付け部が脆く折角コネクタを換装しても何かの応力で半田クラックがすぐ入ってしまいます。

さて、コネクタの半田付けも、これもまたたいへんです。

見えません。(∵)

半田付け

端子が小さすぎますので、拡大鏡越しに半田コテを使用しますので、間違って頬を火傷しそうです。

無事換装

半田外しに失敗してしまいましたが、幸いに致命的なパターンではなかったので無事稼働できるようにはできました。

MC後のすみっコパッドも事前に基板を用意できるようにしておこうと思います。

動作確認

USBからの給電で起動確認を行い、またUSBケーブルで接続したパソコンからも保存されたデータにアクセスできることを確認できました。

以上で今回の修理は完了です。


届いたお品を拝見しましたが、修理前と変わらない様子で、修理の痕跡が分からないくらいで驚きました。

子供は届いた箱を開封するなりすぐに遊びたいと早速給電ケーブルからの給電にて電源を入れて夢中で遊んでおります。

今日に至るまで約3ヶ月ほどかかってしまいましたが修理受付していただき本当に感謝しております。

子どもの喜ぶ顔が何よりの証拠です。

修理依頼する決心をして、ご連絡差し上げて、それを受け付けて頂いて本当に良かったです。

そうでなければ今日このタイミングで夢中になって遊ぶ子供の姿には出会えなかったです。

今回修理いただいた場所が場所だけに、また壊れてしまわないか心配ですが、大切に使わせていただきます。本当に色々とありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ディズニークレーンゲーム スイッチ接触不良修理

ディズニークレーンゲーム

ディズニークレーンゲーム スイッチ接触不良修理

今回は、外来勤務している地域のおもちゃ病院でヘルプ要請のあった案件を紹介したいと思います。

おもちゃ名は、ディズニーのクレーンゲームです。

アガツマ製のアンパンマンのクレーンゲームはお馴染みですが、同様のおもちゃがいろいろなキャラクターで販売されております。

基本構成は同じなので、一度、機構や動作仕様を理解できていれば、どんなクレーンゲームが来ても怖くないですね。

さて、故障の症状は、電源を入れた際にクレーンがホーム位置である左下端に移動しますが、移動に際しモーターの空回り音がしたまま止まないということです。

従いまして、遊ぶこともできません。

ホーム位置をクレーンが戻る仕組みを理解していれば、この原因は、端にクレーンが達したことを検知するスイッチに何らかの不具合がおきていると推測できます。

クレーンが既に左下のホーム位置に移動しているが、モーターが空回りしている原因は、クレーンが壁に接触したがそれを検知するプッシュスイッチの押されても、電極の接触不良でスイッチがONにならないか、何らかの原因はクレーンが壁に達していてもスイッチが押されていないようなケースも予想されます。

ケーブルの断線などの懸念もあります。

で、ヘルプ要請のあった前任ドクターから状況をお聞きします。

ここで、たいへん残念が事態に遭遇しました。

前任のドクターは原因が分からないので、しかたなく別の同じクレーンゲームを購入してクレーン部分を丸ごと移殖したそうです。

移殖元のクレーンゲームは正常に動作はしていたそうです。

ですが、移殖を行っても症状がまったく変わらずで自分に相談をしたという顛末でした。

┐( ̄へ ̄)┌」

次回の診察日も近いので、ここは診察方針についていいたことがありましたが、グッとこらえて引継ぎ診察することにしました。

従いまして、私が診断するおもちゃは、依頼者様の持ち物だった部分は、クレーン部以外で、クレーン部は、前任のドクターが購入したクレーンという混乱をしてしまいそうな感じです。

前任ドクターの判断で、本品を何とか修理して、その依頼者様に返却するそうですが、何か違う気がします。。。


文句ばかり言っていてもしかたないので診察を開始します。

まずは、現物を拝見する前に情報収集です。

ネットには、同じクレーンゲームの修理記事を拝見できますが、そのほとんどがクレーン移動用のピニオンギア割れでした。しかも、このおもちゃの持病のような症例でとても多くの修理記事があります。

ピニオンギアをはめ込むと分かりますが、軸が太すぎます。Φ=1.9のピニオンギアに対し軸が恐らく、Φ=2.1位ありそうです。

おおお、もう何か原因の一端が見えたような気がします。

ピニオンギアが割れてしまうとクレーンの移動時に軸が滑ってしまってクレーンが端まで正確に移動できずにスイッチを押せていないのではないかと推測できます。

ではでは分解します。

天井の蓋を外すとクレーン部が見えます。

と!ここで衝撃的な光景が目に入ります。

なんじゃこれ?

なんじゃこれ?

┐( ̄へ ̄)┌」

クレーンがY軸方向に移動する際に下辺に到達してことを検知するスイッチですが、止めネジは無いしクレーンの支柱とスイッチの突起の間にケーブルが挟まっているし、どうしてもうなったの?

前任のドクターは、クレーン部を丸ごと移殖したのですが、移殖の際にモーターとの半田付けもしなおしており、その際にスイッチ部も外して付け替えていたようです。

その付け替えで外したスイッチを正確に元に戻しておらず、しかも突起と支柱の間にケーブルを挟み込んでしまうという、何とも?と思えない作業です。

そもそもクレーンゲームの動作仕様をご理解できていないのですね。

本来は以下の画像のように、移動するクレーンの支柱がスイッチの突起を押しこみスイッチがOnになります。

これが、クレーンがY軸の下限の端に達したということを検知するためのスイッチとなります。

ケーブル除去
スイッチON
抑えネジ

このスイッチは、押し込まれた反動でズレたり外れたりしないように本来ネジ止めされていたはずなのですが、このネジさえも付いていませんでしたので、付け忘れたネジを要求して付けておきます。

まずは、移殖に失敗した原因の一つが分かりました。

X軸方向のスイッチ

X軸方向の検知スイッチは、留めのネジは付いていませんがネジ以外のこれといった不具合はなさそうです。

この検知スイッチ2つは、動作にとても重要なので接点復活剤を吹いてコキコキしておきます。

調査を継続します。

前述のピニオンギア割れが懸念されるので、確認します。

ピニオンギア割れ

やはり、ガッツリ割れていますね。

ピニオンギア割れ

こっちも割れています。

X軸方向およびY軸方向どちらのピニオンギアも割れています。しかも、目視で分かるぐらいはっきり割れ目が見えるほど割れています。

移殖元のクレーンゲームは正常に動いていたとのことなので、恐らくは割れてはいるが、辛うじてトルクは残っている程度でギアは回転していたのだろうとは思います。それと、移殖元のクレーンゲームは中古品であったようです。

しかし割れているピニオンギアは、その内に完全に滑ってしまうので交換をします。

ピニオンギア

ここまでまとめます。

  • 移殖元の中古のクレーンゲームは、正常に動いていたようだがピニオンギアが割れていた。
  • ピニオンギアは、割れてはいたが回転のトルクが残っていたのでクレーンの動作に支障が出ていなかった。
  • 移殖作業にミスがあり、スイッチの突起部の支柱の間にケーブルを挟み込んでしまいスイッチがONにならない状態だった。

ここまで調査結果から、この機種の不具合の原因は移殖作業に伴う移殖作業ミスだったようです。

挟まっていたケーブルも正常に引き回しテープ固定し、念のためスイッチに接点復活剤を吹き接点を綺麗にしておきます。

ここでスイッチの動作を確認します。

スイッチ動作確認

良好ですね。

では、取り付け忘れたネジを受け取りケーブルを固定し天井を取り付けて再度動作確認します。

ですが、ホーム位置に戻る際にモーターの空回りが発生します。

というか、天井の蓋の閉め方で動作が変わります。

正常に動いたり、モーターの空回りが発生したりと不安定です。

まだ、何か不具合の原因が潜んでいます。

このクレーンゲームは、クレーンが端まで到達した場合、スイッチがONになる旨は、前述の通りですが、他のクレーンゲームと違いスイッチの突起に対し点で押し込む仕様になっております。

その押し込む点というものも天井に仕込まれておりました。

接触位置

天井の蓋に何やらあります。

この何やらある支柱の凸部分がスイッチの突起を押し込むようになっております。

そうです!

この天井の蓋が経年で湾曲しており接触が悪くなっております。

当初からモーターが空回りする原因がやっと判明しました。

この突起との接触を改善できなければモーターの空転は解消できません。

そこで、アルミの太目の針金を凸部の先頭に接着し凸部をかさ上げします。

かさ上げ

針金をまずは瞬間系の接着剤で軽く固定しその周りとエポキシ接着剤で固めてしまいます。

注意点としては、この突起部分は、スイッチの突起のある先の収められている隙間にはまり込むので針金の太さには注意が必要です。

マジックペンで明記

天井の蓋の突起は、前後を逆に取り付けても良いように両側に同じ突起がありますが、かさ上げは片方のみに対して施しているので、今後取り付け方向を間違えないようにマジックペンで明記しておきます。

動作確認

問題ありませんね。

スイッチの感度も良好です。

引継ぎ案件でしたが、最終的な原因解明まで紆余曲折ありましたが、主因は天井カバーの突起部の湾曲でスイッチがONにできないためでした。


マジカルスマートノート 電源スイッチ修理

マジカルスマートノート

マジカルスマートノート 電源スイッチ修理

今回のご依頼は、マジカルスマートノートではお馴染みのタッチパネル割れの交換ではなく電源スイッチが効かなくなり、スリープできなくなってしまったそうです。

電源スイッチの効かないとなると、経年もしくはON/OFF反復による破損か腐食やジュースなどの異物の侵入など考えられます。

では、早速状況を確認します。

届いてすぐ電源ボタンを押下しようとしたのですが、そもそも外装のボタンがどうもスイッチに届いていないようで押すという行為自体ができません。どうなっているのか開封して確認しましょう。

ボタンが届いていない

外装のボタンがスイッチのノブに密着していません。

これは、どうもおかしいですが、横から見るとスイッチが破損して電極が剥き出しになっているのが分かります。

左:新品スイッチ 右:破損スイッチ

あらららら、スイッチの筐体の半分が吹っ飛んで電極が剥き出しですね。

ON/OFFの繰り返しによってスイッチが割れてしまったのでしょう。

試しに、スイッチの電極を短絡させると、正常にスリープからウェイクアップします。

ちょうど、同じスイッチの在庫があるのでサクッと交換します。

交換スイッチ

基板には表面実装されております。

2極の電極とスイッチ本体を固定するケースの2か所の合計4か所が半田付け箇所となります。

表面実装タイプなので、半田コテの当てすぎに注意して破損したスイッチを外します。

ボス穴付き基板実装パッド

綺麗に外せました。ランドも綺麗にしフラックスも洗浄しておきます。

交換実装

交換スイッチも綺麗に半田付けできました。

元通りに組み立て押しボタンでの動作確認をします。

スリープ動作確認

問題なさそうですね。

メーカー様では既に製造も終了しておりますので、修理受け付け窓口も、もう無いとお聞きしております。タッチパネルの交換など、お子様の大事なマジカルスマートノートが復活できました。


以前のように正常に動くようになり、娘も喜んで使用しています。

クリスマスにもらったおもちゃだったので、これからも使えるようになり、本当に嬉しいようです。

この度は誠にありがとうございます。

~依頼者様のご感想より~

タカラ ルシール・カーニバル 印字ヘッドツメ折れ修理

ルシール・カーニバル

タカラ ルシール・カーニバル 印字ヘッドツメ折れ修理


お忙しい中、なおしていただきありがとうございました。 おもちゃではないにもかかわらず、良心的なお値段ですぐになおしていただき、大変うれしいです。 ご連絡も早く、とてもスムーズに安心して修理していただくことが出来ました。 また故障した時はお願いしたいと思います。 本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

当医院のお馴染みになりつつある、タカラ製ルシール・カーニバルです。いわゆるテプラです。

シリアル番号から、恐らく90年代の後半製造のようなので、25年程経過しています。

過去の修理実績からもわかるのですが、印字ヘッドにテープカートリッジが密着するようにゴムローラーを押し付けるバネがあります。

バネ

このバネは、コの字型でヘッドのツメに引っ掛かり、ゴムローラーを印字ヘッドに抑えつけております。ですが、経年劣化でプラスチック製のツメが長年強い圧力が掛かったままになっているので、ツメが折れてしまいます。

今まで依頼や相談のあった全ての機種で同じツメ折れが発生しております。

今回のこのツメの補修を行います。

マウスでバトル!! 恐竜図鑑パソコン 断線マウスケーブル交換修理

恐竜図鑑パソコン

マウスでバトル!! 恐竜図鑑パソコン 断線マウスケーブル交換修理

パソコンのマウスケーブルが断線してマウスが効かないとのことで修理の依頼がありました。

詳しい原因は、お聞きしておりませんが断線んお被覆の噛み痕から、猫ちゃんやワンちゃんに噛まれたのかもしれませんね。

断線

この玩具は、マウスのカバーが着せ替え出来る、すみっコぐらしパソコンと同一のプラットフォームのようです。従いまして、ケーブルも9芯のケーブルと予想されます。

電源投入し起動はしますが、マウスによるカーソルの移動は全くできません。

では分解して内部を確認します。

分解には、液晶周辺の化粧シールを剥がして隠されているネジを外します。

このシールは剥がすとシワシワになってしまうので、ネジが外せる程度までギリギリで剥がします。

化粧シール

周辺のネジと蝶番のネジを外すとカパッとカバーが外れます。

内部

すみっコぐらしパソコンと全く同じプラットフォームでした。マウスも同一のプラットフォームでした。

マウス

やはりソフトウエアをキャラクターごとに入れ替えプラットフォームは同一にして開発するというビジネスですね。

恐らくプラットフォームの開発メーカーは、別にあって、玩具メーカー各社にOEMで供給し各キャラクター毎にソフトウェアを別々に開発しているものと思われます。

さて、断線の状況を確認します。

断線

ほぼほぼ全滅ですね。

9芯のケーブルでサクッと交換してしまいます。

ですが、9芯のケーブルは純正のケーブルに比べ細いためマウスと本体の付け根の固定方法を検討しないとイケません。

9芯ケーブル

すみっコぐらしパソコンの時は、50cmちょうどでしたが、このマウスでバトル!! 恐竜図鑑パソコンでは、少し長めの55cmでした。

両端を皮むきして固定する付け根をビニールテープと熱収縮チューブで太らせ筐体に固定します。

固定は、弾性のエポキシ接着剤を使用します。

固定

バッチリですね。

半田付け

AWG33なので半田付けも慎重に行います。

全容

本体側は、ちょうどΦ=4mmになるように調整してΦ=4mmの熱収縮チューブで仕上げました。

接着固定

太らせて固定しますが、強く引っ張られると衝撃で断線してしまうので、引っ張りにも耐え得るように弾性のエポキシ接着剤で固定します。

仕上がり

綺麗に仕上がりました。

動作確認

動作も問題ありませんね。修理完了です。


子どもたちも再び遊ぶことができてとてもうれしそうでした。

修理依頼の申し込み完了後のやり取りから最後まで本当にありがとうございました。

初めての依頼だったので少し不安がありましたが、丁寧なやり取りをスムーズにできることができたので安心できました。

メーカーさんにも修理を断られていたので、助かりました。

大切に使わせていただきます。

~依頼者様のご感想より~

ファービー 2012年版 スピーカー交換修理

ファービー

ファービー 2012年版 スピーカー交換修理

ファービーというおもちゃがあります。いろいろお話しができ触ったり話しかけると反応したりと多彩が動きをしてくれる愛くるしい!?ぬいぐるみとなります。

以前からファービーと呼ばれるおもちゃ修理は度々行ってきたのですが、今回は、2012年以降に発売されたファービーとなります。

それ以前は、眼球がよりリアルが眼球だったのですが、2012年からはカラー液晶が埋め込まれ、瞳が動くようになりました。

さて、ファービーの説明はこれぐらいにして、依頼の修理に関して話を戻しましょう。

動き全般は、問題ないのだが声が出ないということでした。

ご依頼者様の町内のおもちゃ病院に一度修理をお願いしたとのことですが、分解できないということでギブアップされたそうです。

声が出ないファービー

声が全く出ていないですね。

この時点での推測は、スピーカーの故障の線が高そうですね。

インターネット上の修理記事でもスピーカーの故障の修理記事を見かけます。

では、早速診断に取り掛かります。

液漏れ痕1
液漏れ痕2

電池ボックスの電極に液漏れの跡がありますね。

電極と取り外し洗浄の上、綺麗にしたいのですが、電池ボックスは、製造組み立ての際に稼働軸が圧入されており電極を外せないです。

圧入軸

この電極は、電池ボックスに付いたままパーツクリーナーで洗浄します。

で次にスピーカーの位置を確認します。

底面のネジを外すとぬいぐるみの留め具が外れます。

尻尾の留め具

スピーカーは、本体側面にあるのですが、本体を分解しないとどうも外せないようです。

ですが、ここで大変な事態に遭遇します。

目周辺留め具

目の周辺の留め具はツメで挿入されているのですが、そのまま引き出せません。

内部で開いているツメを小さいマイナスドライバーで外し引き抜きます。

無理にひきだすとちぎれますので、慎重に作業してください。

ネジがない

とここで、気づくのですが、大事な留めネジがありません。

どうも、前任のおもちゃドクターが付け忘れたようですね。手持ちのネジを付けておきます。

┐( ̄へ ̄)┌」やれやれ

次に耳周辺の留め具も外します。

あああ

前任ドクター様は強引に引っ張った痕がありますね。もう、ちぎれそうです。

慎重に外します。

綺麗に外せました

この留め方を知っていれば難しくなく外せます。

もうスピーカーの穴が見えていますね。

ですが、ここで壁にぶち当たります。

スピーカーは、本体側面にケースに収められて固定されています。

目の周辺の留め具は下部しか外せませんでした。上部の留め具は、耳周辺の留め具を外さないと外せないようです。

耳周辺の留め具

耳周辺の留め具は、耳を外すことができればぬいぐるみを含めて外せるのですが、耳は、プラスチック製のパーツで留められておりこのパーツは、一度はめ込むともう外せないようなパーツです。

強引に外そうとすると、ほぼ100%割れてしまいます。

困りました。どのパーツも破損させず、ぬいぐるみも切り開かずに分解しようと頑張ったのですが、分解するにはぬいぐるみを切り開かないとダメなようです。

インターネット上の修理記事は、どれもぬいぐるみを剥がした詳細が記載していないので、この事態を予想すると、やはりぬいぐるみを切り開いていると思われます。

スピーカー位置
アルミ電極

お腹周囲のアルミ泊は、手で持ち上げた際の感度を検知するための重要な電極なので、剥がしてそのままちぎってしまわないようにしてください。

スピーカーが直ぐそこに見えているのに、ぬいぐるみを切り開くのも、何かやだなーと思いつつ何か策がないか探しておりました。

外せるツメは、全て外し、お腹周囲のアルミ電極も剥がしておきます。次に本体を留めてあるネジも4箇所外しておきます。

すると、完全ではありませんが本体が開き始めます。

外せた

ある程度開けると、スピーカーが収納されているケースを外せるようになります。

留めのツメが周囲にもあるので、簡単ではありませんが注意して外します。

ぬいぐるみを切り開かずにスピーカーを交換できそうです。(*´д`)

左:交換スピーカー 右:故障スピーカー

故障スピーカーを取り外しチェックします。

インピーダンス測定

DC測定にはなりますが、インピーダンスをチェックしますが、O.Lのままですね。

ボイスコイルが断線しているようです。

サクッと交換して元のように組み立てます。

修理完了

無事声も元通り出るようになりました。

分解は難しいのですが、スピーカーの交換でしたら分解せずに交換できました。

前任のドクターさんは、早々に断念してしまったようですが、難しいなりに、他の策を検討し依頼者様の不利益にならないようにがんばっていただきたいです。


元気に元通りの声が出ていることを確認いたしました。

元通りに声を出しながら、動いている姿を見て、 感動しました。嬉しい気持ちでいっぱいです。

家族全員で喜んでいます。

これから今まで以上にずっと大事にしていきたいと思います。

本当にありがとうございました。

ブログも拝見させていただき、修理の道のりがとてもよくわかり、 信頼できる良い病院に預けてよかったと思いました。

~依頼者様のご感想より~

ディズニー ミーリーダー スピーカー交換

ディズニー ミーリーダー

ディズニー ミーリーダー スピーカー交換

ミーリーダー(Me Reader)という玩具をはじめて知りました。※因みに、現在でも販売されております。

絵本と読み上げ機器がセットになっており、絵本を選択しページ記載のマークボタンを押すとページの英文を読み上げてくれるという製品になります。

CMOSイメージセンサーを使用したグリッドドット方式とは異なり、読み上げの仕組みが簡単で読み上げてくれます。

さて、故障の症状は、絵本のボタンを押した際に該当のLEDが点灯はするのですがページボタンを押しても読み上げをしてくれないそうです。

LEDが点灯するというので、制御ICは稼働していそうですね。ページ選択のボタンの断線かスピーカーの故障と予想されます。

本体内部

本体は、ネジ6本で固定されており開封すると、制御ICが封入されていると思われるCOBとそれが実装されたメイン基板、選択された絵本のLED基板の構成となります。

押しボタンは、フラットケーブルでメイン基板から引き出されており接点を補強パーツをネジ締めにて接点を接続しております。

故障の原因は、まずは簡単なスピーカーチェックをして正常ならフラットケーブルの接続とボタンの反応確認、最後に基板の動作確認という流れで良いと思います。

さてさて、故障原因は直ぐ判明しました。

スピーカーが故障しておりました。ケーブルの半田を外して抵抗を測りますますが、O.Lでボイスコイルが断線しております。

ボイスコイル断線

スピーカーは、Φ=29mmなので交換をしますが、スピーカーの高さ調整が必要でした。

手前:故障スピーカー 奥:交換スピーカー

手前の緑のスピーカーが故障した純正スピーカーです。筐体に固定するためにウレタンシートが貼ってありました。画像からも分かる通り、手持ち交換用のスピーカーの高さが違います。

この交換用のスピーカーにウレタンシートを貼って取り付けると収まりません。

そこで、筐体裏の抑えツメ部をルーターで削りウレタンシートを貼って収まりを良くしました。

スピーカーを交換する際は、高さに注意ください。

高いスピーカー

スピーカーの周囲に固定用の接着剤を塗布しておきます。

動作確認動画

今回2回目の利用です。

ミーリーダーの修理の前例が、見当たらなかったので不安でしたがもしかして音声系なら瀧下さんなら何とかしてくれると思いダメ元で送りつけましたが、やはり頼んで正解でした。

うちは年の差兄弟なので上の子のおもちゃを下の子に渡せる事が嬉しく、そして懐しく感謝感謝であります。

~依頼者のご感想より~