ドリームトイパッドプラス 乾電池容量コンパレータ回路故障 修理不可

タカラトミー製のドリームトイパッドプラスというタブレット商品の修理の依頼がありました。

新品の乾電池を入れて起動しても容量が低下しているから交換してねという表示が出て起動できないそうです。

地域のおもちゃ病院でも修理ができなかったようなで、当医院に依頼がありました。

乾電池の容量を起動の頭でチェックし容量が低い場合は、乾電池の交換を促すという機能です。

依頼者は、乾電池で動作させていたということでした。

当該商品は、専用のACアダプターも使用できます。

乾電池は、1.5V * 4本 = 6.0Vとなります。

一方、専用のACアダプターは、5.0Vの仕様となっております。

いづれの給電経路であっても、電源回路のレギュレーターで、IC用電源の3.3Vに降圧されております。

ではということで、ACアダプターで起動させるとどうなるか確認します。

まずは、分解し基板と液晶とスピーカーのみにします。

とりあえず、念のためクリスタルは正常に発振していることは確認できました。

本商品も同様の商品と同じ6MHzのクリスタルで動いています。

乾電池側からの6.0V給電では、同じく容量不足表示が出ます。

ACアダプターからの5.0V給電でも同じように容量不足表示が出ます。

ホホー。┐( ̄へ ̄)┌

給電されているのが、乾電池なのかACアダプターなのかまではチェックしておらず、単に電位のみをチェックしていそうですね。

ある閾値を下回るとアラート表示をして電源を落とすというアルゴリズムのようです。

乾電池の場合は、遊んでいると次第に容量は低下していくけど、ACアダプターは、アダプターの故障でもない限りは電位は低下しないから、低下していた場合は、乾電池の容量不足としているようです。

電源回路を回路図に起こすとACアダプター側が優先でいづれの経路でも3.3レギュレーターを通して減圧されます。

一方、今回の乾電池の容量不足に起因する、容量低下をチェックする回路は、どちらの給電経路であっても同じ回路に入力されておりました。

主電源から、液晶用の電源やIC側の3.3Vは、正常に給電されているので、システムとしては正常なのだが、主電源のコンパレータ回路が故障しているので、アラートを出して電源を落としていると思われます。

で、そのコンパレータ回路を探しました。

基板上の制御ICが内蔵されているCOBに横に抵抗分圧されている回路を見つけました。

主電源が直で入力されており、分圧された中点の電圧が、COB内部に配られております。

ほぼ間違いなく、主電源のコンパレータへ電位を印加する回路のようです。

このコンパレータで電位をチェックしています。

乾電池であった場合とACアダプターであった場合で、印加電位と抵抗分圧の電位を確認します。

と、おやおやー!?

中点のはずが、大きく下回っておりますね。

ちょっとざっくりですが、ACアダプターでの起動以上の電池を同定すると、5.0Vの半分の約2.5Vが閾値としてもどちらも下回っているので、アラート表示が出ていそうです。

前述の回路図と計測された電位から、不良モードはどのようになっているのか推測します。

抵抗分圧の抵抗値は、いづれも177kΩ程でした。

中点の電位が落ち込んでいるので、COB内部に何かリークがあり、中点が低下したと思われます。

計算してみると、COB内部に186.67kΩ程度の抵抗成分があり、その影響で2分割の抵抗分圧が、1/3まで低下しております。

自分は、この商品ICの設計者ではありませんが、コンパレータの不良でリークがあるというのは珍しくはありません。

古くは、ラダー抵抗式のADなどでも何らかの不良モードでリークが起き変換できなくなっていたりも予想できます。不良モードとして有力なのは、IOのプルダウン側の抵抗が、常時有効になっているのかもしれません。

いづれもしてもCOB内の不良なので、もうお手上げ状態です。

┐( ̄へ ̄)┌

であるならば、もう一歩突っ込んだ検証をしてみました。

リーク分の抵抗値が、分圧の抵抗値に近いのであれば、R19の基板上の抵抗を取り払ってみると、いくらか中点に近づきコンパレータ回路自体が活きていれば、もしかするとアラート表示されずに起動できるかもしれないと浮かびました。

抵抗ちっちぇー!

拡大鏡と極細ピンセットでやっとつまめるレベルです。

早速外して起動テストをしてみました。

が!

ざんねーん。_| ̄|o

リーク分が無くなり完全にプルアップ状態になりました。

中点の電池は、5.0Vです。

リークがあろうかと思いきやコンパレーターの入力はプルアップする事態になりました。

ですが、依然として乾電池の容量不足のままです。

この結果から、内部のIOリークではなく、コンパレータ回路が故障しており機能していないようです。スタック故障のように常時コンパレータ閾値を超えることができないような故障モードです。

まぁ、いづれにしてもこの事態を打開できる策はありませんんで、依頼者の方に報告をし修理不可能という結論になりました。

すみっコスマホ USBコネクタ交換

すみっコぐらしのおもちゃってアンパンマンを同じぐらい、いろいろ各社製品を出していますよね。

  • すみっコパッド
  • すみっコパソコン
  • すみっコスマホ

今回のすみっコスマホは、タカラトミー製でスマホの形をしたゲーム機になります。

充電式でUSBミニBタイプとなり、専用のACアダプターが用意されています。

ただ、ミニB形状のコネクタは、今では珍しく、依頼者様のお子様もご自宅にあった他の形状のACアダプターを差し込んで壊してしまったそうです。

メーカー様にも既に問い合わせ済みで修理対象外とのことでした。

コネクタのハウジング内の電極がめちゃめちゃになっていますね。

このUSBミニBの規格は、5ピンになっています。

このタイプのコネクタでないと刺さらないのですが、他のコネクタを強引に差し込むと今回のような破損になります。

同様な商品でおなじみのすみっコパッドにおいてもUSB Type-Cのコネクタの差し込みが斜めになると、これもまたハウジング内の電極を壊してしまったりと、なんとも小さい子供には扱いが難しいという状況です。

┐( ̄へ ̄)┌

では、分解しましょう。

表面の化粧シールの裏側に隠しネジがあります。

化粧シールは、温めながらゆっくりめくります。

無事外せました。スマホケースも剥がしていますが、超強力な両面テープで張り付いているので、無理に剥がすとスマホケースの合皮も避けてしましそうです。

無理に剥がさずに作業はできますので、スマホケースは付けたままの方が安全です。

USBコネクタは、基板に直付けされております。

ハウジングのプラグシャルが4か所と電極の5ピンが半田付けされています。

普通の半田ごてでは該当端子を一度に同時に溶かし外すことはできません。リワークが必要になります。

この手のコネクタ外しは、リワークしてもいいですが、たいていコネクタ近くのチップ部品も一緒に溶けてしまい、温度管理が適切でないと基板を焦がしてしまい基板損傷で修理不可能となります。いわゆるリワークの腕が必要となります。

自分以前はリワークして外していたのですが、無理にコネクタを剥がすと電極が基板のパターンごと剥がれてしまった悲しい過去があります。

今では、低温半田で外していますが、かなり高額なため、おいそれとは使えません。

また、この低温半田で剥がした場合、残留しないように吸引線で新しい通常半田を盛っては吸引し盛っては吸引するということを4,5回繰り返します。

この作業で手を抜くと半田付けしても半田が脆くコネクタが、またすぐ剥がれてしまいます。

また、低温半田を使う半田コテも専用のコテを用意しまいといけません。使いまわすとこれもまた、通常の半田付けも脆くなります。

作業に先立ち、本商品はリポのバッテリー式なのでき作業中のショート事故を防止するため、バッテリー端子を外して端子を絶縁しておきます。

では、準備ができたところで専用のコテで小手先の温度管理もしつつ慎重に外します。

綺麗に外せましたね。⸜(´・∀・)_∠※

サクッとやっているようですが、毎度緊張する作業です。

失敗 = 基板損傷 = 修理不可能

であるからです。

残留の半田も繰り返し盛っては吸引を繰り返しきれいにできました。

コネクタを無事外せたので、ここでやっと修理可能と判断できそうです。

そこで、充電以外の機能に問題ないか確認します。

バッテリーの給電端子に導線を取り付け、またコネクタの端子にも導線と取り付け、バッテリーからの給電起動と充電の可否を確認します。

ですが、依頼者様のお子様が、充電池が底尽きるまで遊ばれたようで、到着した時点で既にバッテリーがゼロでした。

これでは、バッテリーからの給電起動確認ができないので、起動できるレベルまで若干増し充電をします。

リポとニッケル水素対応の充電器で少し充電しておきます。

これで起動確認できるようになりました。

バッテリーからの給電起動問題ありませんね。

外したコネクタの電源端子から安定化電源で給電してあげると、電池マークが充電マークに変化し充電も開始しました。

因みに、USBからの給電は、5.0V 1Aです。タカラトミー製のACアダプターの規格を画像から念のため確認しておきます。

さて、コネクタ以外の機能には問題なさそうなので、コネクタ部品を探して発注します。

やはりですが、このコネクタは国内のパーツ屋さんでは扱いがありません。

従いまして、いつもの経路で部品を探し発注しておきます。

待つこと、2週間。

部品も無事届き比べます。

図面もあるので、発注前にも入念に確認はしておりますが、現物でも目視で比べます。

大丈夫そうですね。

きれいに取り付けできました。

この状態で充電機能の確認をします。問題なく電池マークから充電マークに切り替わりました。

では、本体も組みなおします。

コネクタも無事元通りになりました。

これにて修理完了です。

充電できなくなり、お子様もたいへん落ち込んでおられるとのことなので、これはまた遊んでもらえると思います。\(^o^)/


娘もとても喜んでました。
本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ファービー スピーカー交換修理

ファービーの声が出なくなったということで修理の依頼がありました。

実は、お住まいの地域のおもちゃ病院にまずは診断をお願いしたということです。

当初の起動しない原因が電池ボックスの液れによる電極端子の折れと判明し電極間を導線で短絡した対処されました。

無事、起動し動くようにはなったのですが喋らないそうです。

ここで、当初診断をお願いしたおもちゃ病院様では、これ以上の修理は難しいということで返却されたそうです。

とても大事なファービーということで、販売元のタカラトミーにも相談をされたそうですが、やはり修理の受け付けはできない旨となり、当医院へ相談をされました。

声が出ない以外の動作については問題ないとのことで、事前に動画も拝見できました。

ファービーの声が出ない原因は、過去にも経験がありスピーカー故障が多いです。

では、診断をしましょう。

声が出ないファービー

音声は出ていませんが、それ以外の挙動は快調ですね。起動時のモーターの回り具合も遅くなっておらず、グリス劣化系の不具合の兆候もみられません。

では、分解しスピーカーの状況を確認します。

底面の結束バンドで筐体とぬいぐるみが固定されております。

ぬい合わせが開かれた形跡がないので、前任のドクター様は、原因解析をせず修理不可能という判断を下したようですね。

方々をいじくりまわし壊してやっと修理不可能とするドクターも居られるので、早々に断念いただいたのは、依頼者様にとっても幸運だったと思います。

耳は、可動の支柱の穴に縫い付けられていますので、糸を切って外します。

ただ、この耳の棒は、経年劣化で脆くなっていますので、力を入れるとぽきっと折れますので注意が必要です。折れた場合は、ワイヤーで補強しエポキシ接着剤で固めてOKです。

底面は、結束バンドで絞められているので、ささっとニッパーでカットし外してください。

流用しようとせず、要らぬ事故で筐体を破損しては元も子もないです。以下で代替えの結束バンドを購入しましょう。

ぬいぐるみは、目と口の枠で固定されていますので、お口のあたりまでたくし上げてます。

お口の両側にお目目と口の枠を固定するネジがあります。

また、おでこのセンサーの上でホットボンドでもくっついていますので、枠をずらしつつホットボンドを剥がします。力を入れすぎると枠が折れるので、ここも注意します。

耳もホットボンドで固定されているので慎重に剥がすと無事、脱皮できます。

筐体もカバーがネジ止めされています。

ネジを外すとカバーが開き内部が見えます。

お腹にある白いのが、お腹スイッチでその奥にスピーカーがあります。

また、その導線がコネクタで基板に差し込まれていますので、固定してあるホットボンドを丁寧に剥がしコネクタを抜きます。

ネジを外すとお腹スイッチとスピーカーが外れます。

やはりスピーカーが故障していますね。

声が出ない以外の不具合がないか、仮交換して動作確認します。

スピーカー仮交換動作確認

他の不具合はなさそうですね。起動直後の眠りも数回の振動で起きますし、くちばしや各所のスイッチの反応、マイクの反応、おでこの光センサーにも反応していますね。

因みに、動画でおでこのLEDが光っていますが、これは赤外線LEDでして、ファービー同士が会話するための通信用のLEDです。

人間の目では見えませんが、カメラには光ってみえています。この機能も問題なさそうです。

実は、この会話機能をリモコンで実現したものを当医院の通信販売しております。

さてさて、スピーカーは交換するとして、この機にオススメするメンテナンスをまるっと実施します。

電池ボックスの液漏れの掃除と導線による補修ではなく銅板で補修しなおします。

モーターのグリス劣化で起動不良が起きやすいので、グリスアップしておきます。

拡大鏡で覗き込みブラシの損傷がないので、グリスアップのみとします。

また、お腹と背中スイッチの接点も研磨して復活剤を吹いておきます。

底面の電池ボックスと基板を分離します。このネジ2本で分離できます。

さて、初代ファービーで眠ってから起きないという症状を多く聞きます。

ファービーを逆さまにしたりして姿勢センサーを感知させると起きるのですが、この姿勢センサーの接点が汚れると起きなくなります。

分解し内部の金属接点を磨いておきます。

姿勢センサーの導線がホットボンドに埋まっているので掘り起こします。

蓋は、コテの熱で溶かし溶着されているので、境界の隙間をカッターナイフなどで切り込み蓋を開きます。

電極で金属球が見えますので、外して磨きます。

当初の起動動作確認では寝起き動作は問題ありませんですたので、内部の電極もきれいですね。

次に、液漏れの電池ボックスを対処します。

液漏れの粉は、電極を外して洗浄します。

粉が付着して固まった電極は、ブラシなどで軽く物理的に剥離してそれでも取れない粉は、弱酸性の溶液で中和分解しきれいにします。

追加された導線は、申し訳ありませんが外して、元のように折れた電極のバネを銅板で制作して補修します。

で、折れた電極です。

0.5mm厚の銅板で似た形で作り半田付けします。形を整えて設置します。

良い感じです。

向かい合う電極との接触具合を確認しながわ微調整します。

電池を入れて電極間の電圧を測って確認しておきます。

最後になりましたが、Φ=40mmのスピーカーに交換します。因みにですが、スペースがキツキツなので、薄いスピーカーでないと入りませんので、同型スピーカーに交換し筐体とは強力両面テープで固定します。

ここまでの作業で仮組し動作確認します。

仮組動作確認

問題ありませんね。

ではでは組み立ててぬいぐるみをかぶせホットボンドで再固定します。

耳回りは可動部なのでホットボンドが要らぬ場所に付着しないように注意します。

底面を結束バンドで絞め、耳も耳棒の穴の箇所で縫い付けておきます。

さぁーて、動作の最終確認です。

Part1
Part2

日本語版のファービー君を無事修理できました。

依頼者様の思い出の大事なファービーとのことなので、万事無事に修理できました。

今後も主様と一緒にあそんでもらえると思います。


この度は、初代ファービーを蘇らせて頂き、ありがとうございました。

瀧下先生に辿り着くまでは、もう二度とあの元気な声を聞くことは出来ないのかとひたすら機械音のみで動いている姿を悲しく見つめる日々でした。

細かい質問にも、丁寧に返信してくださったり作業工程も動画で知らせて下さったり、とてもありがたかったです。

喋ってるファービーを確認した時は、嬉しくて泣きそうでした。

おもちゃに対する丁寧な治療と、ご対応に深く感謝です。

治して頂いたファービーとは、これから毎日大切に暮らします。

ありがとうございました。

瀧下先生は、ゴッドハンドを持つ名医です。

~依頼者のご感想より~

できた!がひろがる ドリームトイパッド プラス タッチパネル交換

液晶画面にひびが入ってしまったそうです。

メーカー様や他のおもちゃ病院にも修理を相談をされたそうですが、修理不可能とのことで相談がありました。是が非でも修理します。

※因みに、当医院では4.3インチの液晶画面の割れは常時受け付け対応をしておりますので、どしどしご依頼をください。

では、状況確認しましょう。

ジェシーの上あたりからまっすぐ本体の上側にバキッと割れていますね。

この状態で電源を入れると液晶の描画は正常にしますが、タッチ操作がまったく反応しません。

液晶の描画は正常なので上層に張り付いたタッチパネルの交換で対応します。

念のため割れの衝撃で下層の液晶画面に傷などないかも確認します。

裏のカバーを外し、40ピンのコネクタおよび基板のネジを外します。

電池ボックスの導線も回り込んでいるので、脇に寄せて引っかからないようにしておきます。

液晶モジュールの抑えを外すとシリコンのケースに入った液晶モジュールがお目見えです。

表面のカバーにはスポンジ製の両面テープで液晶の枠に張り付いています。

液晶と筐体の隙間から入ったごみが両面テープに粘着していますので、この機に両面テープも新品に交換しておきます。アンパンのすくすく知育パッドと同じですね。

液晶モジュール単体を外せました。

因みに、液晶の40ピンケーブル以外のケーブルで向かって右側の4線のケーブルがタッチパネルのケーブルで左の2線のケーブルがバックライトのケーブルです。

間違って、バックライトのケーブルはカットしてはいけません。

ではでは、タッチパネルを剥がしましょう。

何気にこの作業が一番気を使います。だって、下層の液晶画面に傷を付けないように慎重に剥がさないとだめだからです。ホットナイフで温度管理をしながらゆっくり、ゆっくりと作業します。

タッチパネルのケーブルも中間でカットし半田付け部も気を付けて外します。

半田が十分溶け切らないうちに強引に剥がすとシートのパッドを剥がしてしまう事態になります。

次にきれいにタッチパネルが剥がせたら、今度は残った液晶の描画確認です。

既にタッチパネル剥がし作業をしていますので、液晶の描画に何かしらの影響が出ているのを知らずに新しいタッチパネルを貼ってしまうとモジュール全交換になり元も子もなくなります。そのため重要な必須確認作業になります。

きれいに描画できていますね。

タッチパネル剥がしで傷もつけることもなく作業できました。

では、次の難関であるタッチパネルを液晶の枠に位置合わせしながら、かつケーブルの端子の位置合わせもしながら張り合わせます。

埃が入らないようにカメラレンズ掃除用の毛の付いた鞴でフーフーします。( ̄b ̄)フー

口でフーフーして拭いてはいけません。余計な物が付くとカビの原因になります。

たいへんきれいに張り合わせできました。

タッチパネルのケーブルは、裏面に両面テープを付けて”最後”に半田付けします。というのも、液晶を本体内部にセットするとケーブルが湾曲したわむので先に半田付けしてしまうと撓めなくなります。

位置調整をしながら、半田付けをしてカプトンテープで絶縁と固定をします。

きれいに仕上がりましたね。

タッチ操作確認

タッチ動作も問題ありません。

操作ができなくなって遊べなくなっているのでしょうから、これからもたくさん遊べます。


今回修理依頼した理由が、おもちゃの持ち主ではなく下の子が投げて壊してしまったためどうしても修理したくてお願いしました。

タカラトミーもできず、地域のおもちゃ病院でもできずだったので本当に助かりました。

電池入れた瞬間からまた遊び始めて、本当に修理お願いして良かったと思いました!

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

※因みに、本作業は、荷物を受け取ってから6時間以内には返送までできたという超々超特急での作業で完遂できました。

ドラえもん ひらめきパッド スピーカー故障修理

知育パッドのドラえもんひらめきパッドの修理内容の紹介です。

スピーカーからの音が一切でないそうです。

極稀に音が鳴る場合もあるが、ほとんど出ていないとのことです。

スピーカーの故障が疑われるのですが、スピーカーの故障以外にスピーカーの導線の断線や半田取れ、基板側の音声駆動回路の故障など要因はいろいろ考えられます。

早速分解します。

まず、スピーカーの端子間のインピーダンスを診ます。

DC測定にはなりますが、O.L.(オーバーロード)のままです。

おおお、ボイスコイルの断線でしょうか!?

次に念のため基板とスピーカー端子間の導線の断線も診ます。

+側も-側も断線はありません。

さらに、スピーカーを外し、8Ωのスピーカーを仮付けしてみます。

無事正常に音声が鳴りだしました。

ここで、スピーカーの故障と判断しても良さそうです。

が!

ここで一大事です。

手持ちのスピーカー駆動回路があります。

メロディICを使ってトランジスタ一つで駆動させたスピーカードライバーです。

スピーカーの駆動確認のための治具として用意しています。

一大事なのは、このスピーカーチェッカーでスピーカーを鳴らしてみると!?

鳴っちゃうのです。┌|◎o◎|┘アリャ

ですが、かなり電流が流れているようで、治具の電源LEDが電源低下で点滅してしまうくらいです。

強引に電流を流すと鳴るが通常のドライバーだと鳴らないとなると、断線というよりは高インピーダンスになっているようですね。

怠けてマルチメーターのDC計測だけではなく、LCRメーターで計測しましょう。

やっぱりね。

さらに計測する度にコロコロ値が変わります。

48Ωだったりもします。

そうなれば、スピーカーからは、音は出ていたのだが、とても小さくて聞こえなったという事態でしょうかね。

ただ、8Ω→36/48Ωになるような高インピーダンスの故障モードってどんな故障モードなのでしょうか?

故障の解析と原因の考察は以上までとしてスピーカーを交換します。

手持ちのΦ=23mmのスピーカーは 0.5Wだったのですが交換します。

これで無事音声が鳴るようになりました。

ドラえもんの知育パッドで、音が出なくなったという症例は、地元のおもちゃ病院でもネットの記事でも多くみます。

たぶん、故障率が高いのでスピーカー部品の品質によるものか、駆動回路の設計ミスなどもあります。まぁ、玩具にそこまで品質ってところもあるかと思います。

おしえてトーマス メンブレン配線劣化 修理不可

地域のおもちゃ病院での診察案件の紹介です。

おしえてトーマスという押しボタンとスピーカーで構成された商品です。

電源用のLEDの類もないので、スピーカーから音が出ていなければ動作しているのかどうか分からないという状況です。

まず、限られた時間内で修理可否の判断をするため、電池ボックスをまず確認します。

液漏れで導通不良が出ていましたので、粉の除去とブラシで軽くアルコールでゴシゴシしておきます。

この時点で起動できればと思ったのですが、依然うんともすんともです。

次に分解して基板端で電圧が上がっているかを確認します。

依頼者のお子様が、しこたまシールを貼られておられたので、ネジの場所探しに苦労しました。

電池ボックスの電極にて正常に電圧が上がっていることと、その導線がつながっている基板端でも正常に電圧が上がっていることが確認できました。

電源は、ON/OFFボタンで制御されているので、電池を入れた時点で既にICは起動しスリープ状態になります。

ON/OFFのボタンにて処理が進行するかスリープするかというシステム制御となります。

液漏れの電極を綺麗にしておきます。導線も錆びてしまっていますので交換します。

分解には、蝶番のネジも外さないといけません。バネで蝶番の摩擦を増してあるので、かなりきつかったです。

で!すぐスピーカーの故障が判明しました。

コーンが浮き上がっておりチェッカーでも反応がありません。

音が出ていなかった原因はこれですね。

コーンが浮き上がっているので、印加電圧が大きくコーンがめくれ飛び出した状態のまま長期間保管していたようです。因みに、コーンを戻すと音が鳴りだします。

ささっと、スピーカーを交換します。

電源ONで起動してくれればと思っていたのですが、まだうんともすんともです。(´・_・`)

では、次に基板を確認します。

COB内のICでシステム制御されており、発振回路用の4MHzのクリスタルと外付けコンデンサーがあります。帰還抵抗と制限抵抗はCOB内のようです。

早速、オシロで発振を確認しても印加電圧に張り付いたままです。

おおお、発振回路にも問題ありですね。

4MHzのクリスタルとコンデンサーしかないので、恐らく発振回路が発振できず起動しないので、スリープにも遷移していなかったようです。

ですが、ちょうど4MHzのクリスタルの持ち合わせがなかったので、仕方なく4MHzの外部クロックをマイコンで生成し印加します。

あくまでも、4MHzのクリスタルの在庫補充されるまでの間のつなぎです。

電源ONのメンブレン配線を確認し端子を探します。

この外部クロックでの印加状態で暫定的に電源ONしてみます。

導線で端子を短絡すると、『いっしょに遊ぼう!』という発声が聞こえます。

無事にアンパンマンの起動音声が流れました。

スピーカーの駆動回路も発振回路以外の基板で動作しました。

電子回路側は修理はなんとかできそうですね。

さて、起動できるようになったので、メンブレンのボタンシートを取り付けて今度は電源ONボタンで起動できるか確認します。

ですが、起動はあまり期待はしていませんでした。

というのも、既に目視でわかるレベルで導電塗料の配線に劣化があります。

目視でも分かるレベルです。

稼働時の疲労で断線はしておりませんでした。

というのも、基板に接する配線端で抵抗値を計測します。ボタンの接点間で数MΩから数kΩをバラバラに抵抗値を指します。

しかも、それぞれの端子で抵抗値がバラバラです。

IC側のでのボタンの押下を認識するには、おそらく端子間の短絡を検出と思われますが、高抵抗の場合は認識できないようです。

目視で分かる以外の箇所にもおそらく劣化して配線部分が多岐にわたっているようです。

1mm以下の断線レベルでしたら、導電塗料などの補修材で補修しますが、このような長い配線でかつ、どこかにあるであろう箇所も分からないとなると修理は難しくなります。

案の定、メンブレンの配線も取り付けてもうんともすんともです。

一応、目で見える配線の表面はアルコールや接点復活剤での拭き上げはしていますが、依然抵抗値が高いままです。

導電塗料での電子の流れには詳しくはないのですが、配線内部の導電部が目で見えない箇所、塗料の内部などで劣化していそうです。

残念ですが、今回はメンブレン配線の修理不可能という判断となりました。

4DRC ミニドローン バッテリー端子半田クラック修理

地域のおもちゃ病院での修理案件の紹介です。

ミニドローンの電源が入らないということです。

因みに、本商品は規制対象外のドローンとなります。

プロポ側は正常に電源が入りペアリングの待機待ちにはなるのですが、本体側の電源が入らないので操縦できません。

バッテリー交換タイプで、バッテリーのみを脱着できます。

Micro USB Type-Bのケーブルでバッテリーを充電します。

各バッテリーの電圧はある程度上がっていましたので、本体側の電源のON/OFF問題です。

ただ、本体を分解すると大ごとになり、当日の限られた時間内での診断はできそうになかったので、当日の会場では電源ボタンの接触不良のみと診断しました。

黄色い枠が、電源のプッシュスイッチで、押すと電源が入り本体のLEDが点灯します。

プッシュスイッチはよくあるタクトスイッチで、スイッチボタンの隙間から接点復活剤を吹きボタンをコキコキを繰り返します。

残念ながら電源は入ることもなく入院となりました。

分解し内部を確認します。

ローター用のモーターが4つとメイン基板が見えます。

測距姿勢センサーが付いているので、自動でホバリングや操作もオートできます。

その下層に通信やカメラ制御用の基板がさらに1枚、2階建てになっています。

懸念していた電源用のタクトスイッチは問題ありませんでした。

目視半田クラックもありません。

導通チェッカーでボタンの反応も問題ありませんでした。

一部の足が半田付けされていませんが、導通は他の端子で基板に接続されておりますので、未半田は問題ありません。

次に電源自体が基板端で上がっているか確認します。

ただ、バッテリー端子のコネクタが表面実装タイプで引き出された配線もタクトスイッチ裏だったので、電源用の電解コンデンサー端でバッテリーを装着し電圧を測ります。

まったく、電圧が上がっておりません。

あらららのら。

そ・な・の?(´・_・`)

これはバッテリー端子に問題ありそうですね。

バッテリの脱着の繰り返しでコネクタの半田付け部分にクラックが入って導通していないようですね。

バッテリ単体側の電圧は正常だったので、コネクタ回りを確認します。

表面実装タイプで半田付け部はコネクタの裏側です。

端子が少し横にみえるので、半田を溶かし盛っておきます。

これでどうでしょうか?

キタ――(゚∀゚)――!!

やっぱりね。

本商品の基板のバッテリー端子の半田付け部分がコネクタ裏に隠れているので、半田付けの不具合を目視確認できません。

ただ、過去の経験でこの手の電源不良は、クラックの出る要因が限られるので、その経験がいきました。

無事修理でき、ペアリングもでき操縦できました。

余談ですが、最近のドローンは操縦が簡単になりましたね。

10年ほど前に自分がもっていたドローンは、姿勢センサーがなかったので、ホバリングや操縦も全てプロポのステックで微調整しながらでした。

その前のヘリQはもっとむずかったです。


1.5才からタッチでカンタン!アンパンマン知育パッド 発振回路修理

バンダイから発売されている『1.5才からタッチでカンタン!アンパンマン知育パッド』という知育パッドの修理の依頼がありました。

症状は、電源が入らなくなってしまったそうです。

乾電池を交換しても、専用のACアダプターでもうんともすんともということです。

そこで、地元のおもちゃ病院に持ち込み診断をされ、半田付け部分の溶かしなおしや信号の解析をされたそうですが、基板のCPU故障とのことで修理不可能で返却されたそうです。

そこで、メーカーのバンダイさんにも相談したそうですが、部品がないのでということで断られたそうです。

当医院の修理記事に同じ知育パッドの記事をご覧になり、藁にもすがる思いでお問い合わせいただきました。

お誕生日のプレゼントとのことなので、修理をされたい旨をお聞きしましたので、受け付け修理を承りました。

ただ、過去に修理した実績も少ないのですが、ご事情を鑑み何としても修理をしたいので、頑張ります。ᕙ( ‘ω’)ᕗ


まず、起動しない要因は、もちろんですが、制御ICの故障の線もありますが、ヒューズ切れやACアダプター用のジャックの故障なども過去にありました。

因みに、過去に液晶割れの修理相談もあったのですが、本商品に採用されている5インチ版の容量式のタッチパネル付き液晶は交換用の在庫がありません。

インターネットで調べてみると、部品自体はあるにはあるのですが、装着可否などを検証する必要があり、そのために投資が必要となります。

仕様の異なる数種の液晶を購入し正常に描画操作できるか検証するなどです。

ですが、そもそも部品の単価が数千円してしまうので、おいそれとはできないという状況です。

さて、診断に話を戻します。電源系や発振回路まわりを確認します。

この液晶が、5インチの容量式で指でタッチして操作します。

ACアダプターは、専用のプラグでDC 5.4V 700mAです。大きさからスイッチング式ですね。

因みに電池ボックスの乾電池は、単三が4本で1.5V * 4本 = 6Vとなります。

電源基板に実装されているDCジャックで給電の排他接続がなされており、ACアダプター側が優先です。つまり、乾電池が挿入されていてもACアダプターを指すと電池ボックスの配線が遮断されACアダプター側からのみ給電されるということです。

電源のヒューズは、基板上にH刻印1.0Aのチップヒューズが実装されております。また、乾電池側の電池ボックスの電極間のショート防止のため、別途アキシャルのヒューズが別に実装されています。

前任のドクターは、DCジャック、電池ボックスの導線の半田付け部を一式溶かしなおされておりました。また、発振回路のクリスタルの足も溶かしなおされています。

で、ヒューズは以下の箇所にあります。

電池ボックスのアキシャルヒューズは、ケーブルの裏にあります。

さっさとヒューズは切れていないことを確認します。

どちらも問題ありませんでした。

電池ボックスからの給電とACアダプター側の給電は、ダイオードで集約されチップヒューズに接続されております。

この主電源は、後段のレギュレーターにて3.3Vに減圧され液晶のドライバーや音声用のオペアンプ、COB内の制御ICに給電されております。※なので、ACアダプターの電圧と電池ボックスの電圧が違いますが、稼働の主電源は、レギュレーター後の給電にて動作します。

さて、各電源系を順に確認し正常に給電されているのを確認できました。

特にCOBモールドの基板真裏に3.3Vの電源経路がリングになっており各パスコンが仕込まれております。VIAが各所に打たれているので、ICの電源パッドの配置制約で配線されています。配線幅が太いのですぐ分かります。

電源の配線端、基板の下方にノイズ対策のインダクターでL結されています。さらに逆起対策用のダイオードもありますが、電源が2系統あるので、それぞれの電流量にあわせ個別配線されています。

表面もテストパッドが各所にあり、VDDもシルクでテストパッドが設置され正常に3.3Vに上がっていることが確認できました。

電源系は問題ありませんでした。

プリント基板設計のセオリー通りの配線でしたので、実務での経験があればすぐ電源経路が目視ですぐ分かります。

給電の電流量で配線幅が規定されていて、配線角やVIAの打ち方も教科書通りになってました。ただ、CADの仕様なのでしょうか、GNDべた面の鋭角部分の削除があったりなかったりします。これはEMIなどの放射ノイズ対策なのですが、設計担当が別々だったのかもしれませんが、出図前のチェックがマチマチでした。

車載マイコンの設計開発時分、このEMI対策でいやというほど、ECUメーカーさんと評価対策をした経験を思い出します。

話が脱線しがちですね。。。次に発振回路を確認します。

まぁ、確認するまでもなく、予想はできていましたが、張り付きもしておらず、何ならACアダプターからのスイッチングノイズ的なノイズも見えたので、まったく動作してしないことが分かります。

ただ、IC側が動作していないのか、発振回路が問題で機能していないのかまではまだ切り分けできていません。

順に確認しましょう。

次は発振回路回りです。

基板上は、6MHzのクリスタルとコンデンサーのみしか配置されておりません。

バッファアンプは、IC内なので基板上に無いにしても帰還抵抗と電流制限抵抗が基板上に見当たりません。

おそらく、COBのモールド内のベアチップの近くに配置されているようです。

後で判明しますが、これが原因解析の糸口になります。

まぁ、COBモールド内でIC側に電源端子の断線で給電できていない場合や、発振回路のボンディングワイヤーが剥がれていたりもあるので、一つづつ要因を潰していきましょう。

まず、過去経験あるあるのクリスタル部品の故障を疑って6MHzのクリスタルを交換してみます。

刻印6MHzのクリスタルです。

配線は、そのままCOBのモールド内に引き込まれております。

で、基板の裏面にC11, C13のコンデンサーがあります。

前任のドクターが、溶かしなおしの際にフラックスの塗ったのかフラックス入りの半田だったのかフラックスの痕があります。

6MHzのクリスタルってなかなか在庫ないですよね。

手持ちの6MHzのクリスタルに交換しますが、まったく改善の兆しなしです。

(´・_・`)

要因がはっきりしませんね。そんな簡単にはいきません。

そこで、消費電流を計測してみます。

この商品は、ACアダプターや電池を挿入すると、即ICが起動します。電源をOFFしてもスリープ状態に遷移するのみです。

起動はしませんが、電流がどのくらい流れているかとリセットボタンやボリュームボタンや電源ボタンの押下で電流量が変化するかも確認しておきます。

これで何かしらの動作の状況の判断材料にします。

まず、電源印加状態のままで16mAほど流れています。

ですが、どのボタンを押下してもこの16mAの増減はしませんでした。

あれ、、、。そうですか。。。

ピクリともしないのです。

給電をやめると、電流は完全にストップするので、これはこれで、やはり完全に制御ICが起動しておらずスリープのままのようです。16mAは、スリープ時の待機電流でしょう。

※スリープで16mAってすごいですよね。知育系タブレットの電池の持ちが悪いという評価が多いのは、このような仕様にも起因するのかもしれません。

さて、少なくともIC側への給電はできていそうです。

でも、しかしまだ故障個所の切り分けができていません。

まぁ、COB内の制御IC回りはどうしょうもなく、できる策は限られるので、次に発振回路が機能していない前提で解析を続けます。

というのも、前述の発振回路の抵抗類がCOBのモールド内にあるので、この部品の不具合を疑いました。

発振回路内の不具合で発振できていなかったとう前提で手持ちのSGで外部からクロックを印加してみます。

ICは、外付け発振回路前提の回路設計されているのですが、如何せん発振回路の一部がCOBモールドの中なので、前述の水晶の発振回路であると予想しクリスタルのどちらかの足に直接外部から6MHzのクロックを印加します。

振幅は、IC用電源である3.3Vとします。

すると、起動し出しましたー!

キタ――(゚∀゚)――!!

外部クロック起動

やはり、原因は発振回路でしたか。

総括すると故障は、以下のように推測できます。

バッファアンプは活きていたようで外部からのクロックは内部のクロックツリーに伝播できたようです。

帰還抵抗か電流制限抵抗に異常があるようです。定数が変化したため発振できなくなったようです。

外部クロックは、クリスタルの足の決まった片側の足側のパッドからでしか起動しなかったので、電流制限の抵抗部にも問題があるかもしれません。

さて、COBモールド内の外付け回路ではどうもできないので、外部からクロックを印加できるようにマイコンで波形を生成して印加できるようにしましょう。

ちょうど手持ちのCH32V003があるので、PWMで6MHzを生成してそのまま空きスペースに設置しましょう。

ちょうど、3.3V電源用の電解コンデンサーが基板の隅にあるのでそこに設置します。

起動と同時に矩形波を発振し続ける至極単純なプログラムです。

基板の端のちょうどよいスペースも見つかり、ちょうどIC系の電源用の電解コンデンサーもあります。そこに設置します。

それと、元々付いていたクリスタルは念のため外しておきます。

たぶん、付いたままでも悪さはしないとは思いますが、念のため外します。

最終動作確認も問題ありませんでした。

動作確認

故障原因の切り分けが難航しましたが、大事なプレゼントの品物を復活でき感無量です。

依頼者様のお子様もよろこんでもらえるとうれしいです。


気に入ってずっと遊んでいたおもちゃだったので、遊べなくなった時は本当に悲しそうにしていたのですが、久しぶりに起動したのを見て、子どもの顔がパァッと輝いていました。

宅配おもちゃ病院様のおかげで、夢中で遊んでいる姿をまた見ることができてとても嬉しいです。

修理の依頼をしてから返送していただくまで、経過を細かく連絡していただき、起動しなくなった原因や修理内容を詳しく教えてくださいましたので、安心してお任せすることができました。

無理なお願いだったにも関わらず、お引き受けいただき本当にありがとうございました。

これからも大切に使っていきます。お世話になりました。

~依頼者のご感想より~

パウ・パトロール あそびもまなびもパウっとかいけつ! ワンダフルパウパッド タッチパネル割れ修理

お子様が、あやまって踏んでしまいタッチパネルを割ってしまったとのことです。

タッチ操作以外の液晶の描画や音声などは問題ないとのことです。

メーカー様も修理対応はされていないとのことでした。

液晶サイズから、4.3インチと推測され、メーカー様のホームページからも抵抗式のタッチパネルとも判明しておりますので、割れたタッチパネルの交換で修理できそうです。

ガッツリ割れていますね。

因みに、本機は充電式です。

さて、分解し液晶と取り出し状況を確認しましょう。

リポの横に異常加熱用の熱電対が付いていますね。

液晶と外すには、電源基板も外す必要なあります。

液晶のカバーは、ネジ止めを外すとカパッと外れます。

早速ですが、手持ちの4.3インチのタッチパネルに交換します。

ただ、このタッチパネルは液晶のアルミ筐体の縁に強固に粘着しているので、ホットナイフで両面テープを熱して慎重に剥がします。

これ、かなり難しいですよ。

剥がす相手はタッチパネルのガラス板なので

失敗すると、液晶画面に傷を付けてしまうので、粘着部のみに熱を与えて少しづつゆっくり剥がします。

ですが、場数を重ねている自分でも端に少し傷を付けてしまいました。

傷は液晶のバックライトが点灯するとほぼ見えなくなり、さらにその上にタッチパネルを装着するとほぼ目視では分からないので、依頼者様に報告し了承の上、このままくみ上げることになりました。

因みに、液晶含めてモジュールを全交換するとかなり高額になってしまいます。

では、まず液晶単体での描画テストです。

問題ありませんね。

タッチパネルを剥がす作業で液晶の描画に何か影響が出ているかもしれませんので、この描画の確認作業は重要です。

先にカットしておいた、タッチパネル側ののフラットケーブルの半田付けもきれいに外してタッチパネルを装着します。

両ケーブルの端子のアライメントを目視で微調整して強力両面テープで固定します。

因みに、タッチパネルのケーブルは、組付けたアセンブリ後に半田付けします。

理由は、本体内部に仕込むとケーブルが湾曲して接続することになるので、無理な力がかからないようにするためです。

ケーブルの組付け後に半田付けをして、カプトンテープで養生と絶縁をしておきます。

動作確認

動作、問題ありませんね。

無事操作できるようになりました。


おかげさまで、修理されたおもちゃを息子が手にした時の喜びようは、言葉にできないほどです。

息子が泣くほど嬉しそうにしている姿を見て、私も大変感動しました。

今回のやり取りを通じて、宅配おもちゃ病院の瀧下様の温かい対応とプロフェッショナルなサービスに深く感謝しております。

この度は、急なお願いを快く引き受けていただき、本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

タカラ ハローキティ ルシール 印字ヘッド修理


無事に受け取らせていただきました。

また動作も確認致しましたが綺麗に印字ができるようになっていてとても感動しております!

キティちゃん大好きで、今回たまたまフリマアプリでテプラを見つけ購入致しました。

購入した後に宅配おもちゃ病院様のブログを拝見し自分が印字不良のものを買ってしまったことに気づきました。

依頼したものの原因不明の印字不良が続き諦めようとしていたところ、最後まで原因を突き止めていただき無事に手元に戻ってくることができました。

ここまでしていただけたことにとても驚いています。

専門的なことはわかりませんが、とても丁寧にやり取りもしてくださいました。

壊れたおもちゃが息を吹き返したことに感動しております。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

タカラ製のルシール・カーニバルでお馴染みのハローキティバージョンですね。

当医院でもお馴染みになっております印字ヘッドの折れたツメの補修修理です。

既に依頼者様は、当医院の他の有料修理記事を購入され修理内容をご確認の上でのご依頼でした。

因みにですが、本修理記事も以降で有料となりますが、簡単な小手先の修理作業ではないので、有料記事を購入したから簡単に修理はできませんので、ご留意ください。

他の不具合と同様に印字しても文字が印刷されないということです。

外れた金属製のバネも同封いただいておりますので、ほぼ確実に印字側のヘッドのゴムローラーを押し付けできなくなっていますね。

のぞき込んでも矢印のあったであろうツメが折れてなくなっていますね。

では、詳しく診断しましょう。