1.5才からタッチでカンタン!アンパンマン知育パッド 発振回路修理

バンダイから発売されている『1.5才からタッチでカンタン!アンパンマン知育パッド』という知育パッドの修理の依頼がありました。

症状は、電源が入らなくなってしまったそうです。

乾電池を交換しても、専用のACアダプターでもうんともすんともということです。

そこで、地元のおもちゃ病院に持ち込み診断をされ、半田付け部分の溶かしなおしや信号の解析をされたそうですが、基板のCPU故障とのことで修理不可能で返却されたそうです。

そこで、メーカーのバンダイさんにも相談したそうですが、部品がないのでということで断られたそうです。

当医院の修理記事に同じ知育パッドの記事をご覧になり、藁にもすがる思いでお問い合わせいただきました。

お誕生日のプレゼントとのことなので、修理をされたい旨をお聞きしましたので、受け付け修理を承りました。

ただ、過去に修理した実績も少ないのですが、ご事情を鑑み何としても修理をしたいので、頑張ります。ᕙ( ‘ω’)ᕗ


まず、起動しない要因は、もちろんですが、制御ICの故障の線もありますが、ヒューズ切れやACアダプター用のジャックの故障なども過去にありました。

因みに、過去に液晶割れの修理相談もあったのですが、本商品に採用されている5インチ版の容量式のタッチパネル付き液晶は交換用の在庫がありません。

インターネットで調べてみると、部品自体はあるにはあるのですが、装着可否などを検証する必要があり、そのために投資が必要となります。

仕様の異なる数種の液晶を購入し正常に描画操作できるか検証するなどです。

ですが、そもそも部品の単価が数千円してしまうので、おいそれとはできないという状況です。

さて、診断に話を戻します。電源系や発振回路まわりを確認します。

この液晶が、5インチの容量式で指でタッチして操作します。

ACアダプターは、専用のプラグでDC 5.4V 700mAです。大きさからスイッチング式ですね。

因みに電池ボックスの乾電池は、単三が4本で1.5V * 4本 = 6Vとなります。

電源基板に実装されているDCジャックで給電の排他接続がなされており、ACアダプター側が優先です。つまり、乾電池が挿入されていてもACアダプターを指すと電池ボックスの配線が遮断されACアダプター側からのみ給電されるということです。

電源のヒューズは、基板上にH刻印1.0Aのチップヒューズが実装されております。また、乾電池側の電池ボックスの電極間のショート防止のため、別途アキシャルのヒューズが別に実装されています。

前任のドクターは、DCジャック、電池ボックスの導線の半田付け部を一式溶かしなおされておりました。また、発振回路のクリスタルの足も溶かしなおされています。

で、ヒューズは以下の箇所にあります。

電池ボックスのアキシャルヒューズは、ケーブルの裏にあります。

さっさとヒューズは切れていないことを確認します。

どちらも問題ありませんでした。

電池ボックスからの給電とACアダプター側の給電は、ダイオードで集約されチップヒューズに接続されております。

この主電源は、後段のレギュレーターにて3.3Vに減圧され液晶のドライバーや音声用のオペアンプ、COB内の制御ICに給電されております。※なので、ACアダプターの電圧と電池ボックスの電圧が違いますが、稼働の主電源は、レギュレーター後の給電にて動作します。

さて、各電源系を順に確認し正常に給電されているのを確認できました。

特にCOBモールドの基板真裏に3.3Vの電源経路がリングになっており各パスコンが仕込まれております。VIAが各所に打たれているので、ICの電源パッドの配置制約で配線されています。配線幅が太いのですぐ分かります。

電源の配線端、基板の下方にノイズ対策のインダクターでL結されています。さらに逆起対策用のダイオードもありますが、電源が2系統あるので、それぞれの電流量にあわせ個別配線されています。

表面もテストパッドが各所にあり、VDDもシルクでテストパッドが設置され正常に3.3Vに上がっていることが確認できました。

電源系は問題ありませんでした。

プリント基板設計のセオリー通りの配線でしたので、実務での経験があればすぐ電源経路が目視ですぐ分かります。

給電の電流量で配線幅が規定されていて、配線角やVIAの打ち方も教科書通りになってました。ただ、CADの仕様なのでしょうか、GNDべた面の鋭角部分の削除があったりなかったりします。これはEMIなどの放射ノイズ対策なのですが、設計担当が別々だったのかもしれませんが、出図前のチェックがマチマチでした。

車載マイコンの設計開発時分、このEMI対策でいやというほど、ECUメーカーさんと評価対策をした経験を思い出します。

話が脱線しがちですね。。。次に発振回路を確認します。

まぁ、確認するまでもなく、予想はできていましたが、張り付きもしておらず、何ならACアダプターからのスイッチングノイズ的なノイズも見えたので、まったく動作してしないことが分かります。

ただ、IC側が動作していないのか、発振回路が問題で機能していないのかまではまだ切り分けできていません。

順に確認しましょう。

次は発振回路回りです。

基板上は、6MHzのクリスタルとコンデンサーのみしか配置されておりません。

バッファアンプは、IC内なので基板上に無いにしても帰還抵抗と電流制限抵抗が基板上に見当たりません。

おそらく、COBのモールド内のベアチップの近くに配置されているようです。

後で判明しますが、これが原因解析の糸口になります。

まぁ、COBモールド内でIC側に電源端子の断線で給電できていない場合や、発振回路のボンディングワイヤーが剥がれていたりもあるので、一つづつ要因を潰していきましょう。

まず、過去経験あるあるのクリスタル部品の故障を疑って6MHzのクリスタルを交換してみます。

刻印6MHzのクリスタルです。

配線は、そのままCOBのモールド内に引き込まれております。

で、基板の裏面にC11, C13のコンデンサーがあります。

前任のドクターが、溶かしなおしの際にフラックスの塗ったのかフラックス入りの半田だったのかフラックスの痕があります。

6MHzのクリスタルってなかなか在庫ないですよね。

手持ちの6MHzのクリスタルに交換しますが、まったく改善の兆しなしです。

(´・_・`)

要因がはっきりしませんね。そんな簡単にはいきません。

そこで、消費電流を計測してみます。

この商品は、ACアダプターや電池を挿入すると、即ICが起動します。電源をOFFしてもスリープ状態に遷移するのみです。

起動はしませんが、電流がどのくらい流れているかとリセットボタンやボリュームボタンや電源ボタンの押下で電流量が変化するかも確認しておきます。

これで何かしらの動作の状況の判断材料にします。

まず、電源印加状態のままで16mAほど流れています。

ですが、どのボタンを押下してもこの16mAの増減はしませんでした。

あれ、、、。そうですか。。。

ピクリともしないのです。

給電をやめると、電流は完全にストップするので、これはこれで、やはり完全に制御ICが起動しておらずスリープのままのようです。16mAは、スリープ時の待機電流でしょう。

※スリープで16mAってすごいですよね。知育系タブレットの電池の持ちが悪いという評価が多いのは、このような仕様にも起因するのかもしれません。

さて、少なくともIC側への給電はできていそうです。

でも、しかしまだ故障個所の切り分けができていません。

まぁ、COB内の制御IC回りはどうしょうもなく、できる策は限られるので、次に発振回路が機能していない前提で解析を続けます。

というのも、前述の発振回路の抵抗類がCOBのモールド内にあるので、この部品の不具合を疑いました。

発振回路内の不具合で発振できていなかったとう前提で手持ちのSGで外部からクロックを印加してみます。

ICは、外付け発振回路前提の回路設計されているのですが、如何せん発振回路の一部がCOBモールドの中なので、前述の水晶の発振回路であると予想しクリスタルのどちらかの足に直接外部から6MHzのクロックを印加します。

振幅は、IC用電源である3.3Vとします。

すると、起動し出しましたー!

キタ――(゚∀゚)――!!

外部クロック起動

やはり、原因は発振回路でしたか。

総括すると故障は、以下のように推測できます。

バッファアンプは活きていたようで外部からのクロックは内部のクロックツリーに伝播できたようです。

帰還抵抗か電流制限抵抗に異常があるようです。定数が変化したため発振できなくなったようです。

外部クロックは、クリスタルの足の決まった片側の足側のパッドからでしか起動しなかったので、電流制限の抵抗部にも問題があるかもしれません。

さて、COBモールド内の外付け回路ではどうもできないので、外部からクロックを印加できるようにマイコンで波形を生成して印加できるようにしましょう。

ちょうど手持ちのCH32V003があるので、PWMで6MHzを生成してそのまま空きスペースに設置しましょう。

ちょうど、3.3V電源用の電解コンデンサーが基板の隅にあるのでそこに設置します。

起動と同時に矩形波を発振し続ける至極単純なプログラムです。

基板の端のちょうどよいスペースも見つかり、ちょうどIC系の電源用の電解コンデンサーもあります。そこに設置します。

それと、元々付いていたクリスタルは念のため外しておきます。

たぶん、付いたままでも悪さはしないとは思いますが、念のため外します。

最終動作確認も問題ありませんでした。

動作確認

故障原因の切り分けが難航しましたが、大事なプレゼントの品物を復活でき感無量です。

依頼者様のお子様もよろこんでもらえるとうれしいです。


気に入ってずっと遊んでいたおもちゃだったので、遊べなくなった時は本当に悲しそうにしていたのですが、久しぶりに起動したのを見て、子どもの顔がパァッと輝いていました。

宅配おもちゃ病院様のおかげで、夢中で遊んでいる姿をまた見ることができてとても嬉しいです。

修理の依頼をしてから返送していただくまで、経過を細かく連絡していただき、起動しなくなった原因や修理内容を詳しく教えてくださいましたので、安心してお任せすることができました。

無理なお願いだったにも関わらず、お引き受けいただき本当にありがとうございました。

これからも大切に使っていきます。お世話になりました。

~依頼者のご感想より~

パウ・パトロール あそびもまなびもパウっとかいけつ! ワンダフルパウパッド タッチパネル割れ修理

お子様が、あやまって踏んでしまいタッチパネルを割ってしまったとのことです。

タッチ操作以外の液晶の描画や音声などは問題ないとのことです。

メーカー様も修理対応はされていないとのことでした。

液晶サイズから、4.3インチと推測され、メーカー様のホームページからも抵抗式のタッチパネルとも判明しておりますので、割れたタッチパネルの交換で修理できそうです。

ガッツリ割れていますね。

因みに、本機は充電式です。

さて、分解し液晶と取り出し状況を確認しましょう。

リポの横に異常加熱用の熱電対が付いていますね。

液晶と外すには、電源基板も外す必要なあります。

液晶のカバーは、ネジ止めを外すとカパッと外れます。

早速ですが、手持ちの4.3インチのタッチパネルに交換します。

ただ、このタッチパネルは液晶のアルミ筐体の縁に強固に粘着しているので、ホットナイフで両面テープを熱して慎重に剥がします。

これ、かなり難しいですよ。

剥がす相手はタッチパネルのガラス板なので

失敗すると、液晶画面に傷を付けてしまうので、粘着部のみに熱を与えて少しづつゆっくり剥がします。

ですが、場数を重ねている自分でも端に少し傷を付けてしまいました。

傷は液晶のバックライトが点灯するとほぼ見えなくなり、さらにその上にタッチパネルを装着するとほぼ目視では分からないので、依頼者様に報告し了承の上、このままくみ上げることになりました。

因みに、液晶含めてモジュールを全交換するとかなり高額になってしまいます。

では、まず液晶単体での描画テストです。

問題ありませんね。

タッチパネルを剥がす作業で液晶の描画に何か影響が出ているかもしれませんので、この描画の確認作業は重要です。

先にカットしておいた、タッチパネル側ののフラットケーブルの半田付けもきれいに外してタッチパネルを装着します。

両ケーブルの端子のアライメントを目視で微調整して強力両面テープで固定します。

因みに、タッチパネルのケーブルは、組付けたアセンブリ後に半田付けします。

理由は、本体内部に仕込むとケーブルが湾曲して接続することになるので、無理な力がかからないようにするためです。

ケーブルの組付け後に半田付けをして、カプトンテープで養生と絶縁をしておきます。

動作確認

動作、問題ありませんね。

無事操作できるようになりました。


おかげさまで、修理されたおもちゃを息子が手にした時の喜びようは、言葉にできないほどです。

息子が泣くほど嬉しそうにしている姿を見て、私も大変感動しました。

今回のやり取りを通じて、宅配おもちゃ病院の瀧下様の温かい対応とプロフェッショナルなサービスに深く感謝しております。

この度は、急なお願いを快く引き受けていただき、本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

タカラ ハローキティ ルシール 印字ヘッド修理


無事に受け取らせていただきました。

また動作も確認致しましたが綺麗に印字ができるようになっていてとても感動しております!

キティちゃん大好きで、今回たまたまフリマアプリでテプラを見つけ購入致しました。

購入した後に宅配おもちゃ病院様のブログを拝見し自分が印字不良のものを買ってしまったことに気づきました。

依頼したものの原因不明の印字不良が続き諦めようとしていたところ、最後まで原因を突き止めていただき無事に手元に戻ってくることができました。

ここまでしていただけたことにとても驚いています。

専門的なことはわかりませんが、とても丁寧にやり取りもしてくださいました。

壊れたおもちゃが息を吹き返したことに感動しております。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

タカラ製のルシール・カーニバルでお馴染みのハローキティバージョンですね。

当医院でもお馴染みになっております印字ヘッドの折れたツメの補修修理です。

既に依頼者様は、当医院の他の有料修理記事を購入され修理内容をご確認の上でのご依頼でした。

因みにですが、本修理記事も以降で有料となりますが、簡単な小手先の修理作業ではないので、有料記事を購入したから簡単に修理はできませんので、ご留意ください。

他の不具合と同様に印字しても文字が印刷されないということです。

外れた金属製のバネも同封いただいておりますので、ほぼ確実に印字側のヘッドのゴムローラーを押し付けできなくなっていますね。

のぞき込んでも矢印のあったであろうツメが折れてなくなっていますね。

では、詳しく診断しましょう。

インタラクティブ バズライトイヤー修理

みんな大好きバズライトイヤーです。

スペースレンジャー!

音が鳴らなくなっているとのことです。

当初、誤認していたのですが、この商品は起動しない場合うんともすんともなので、音が鳴らないとう症状は、単に音だけが鳴っていないのか、それとも全く動作していないのかわかりづらいです。

切り分けには、レーザーボタンを押してみてLEDが点灯していれば、単に音だけがなっていない状態となります。

もし、LEDすらも点灯しないのであれば、起動すらしていない状態と切り分けできます。

まずは、電池ボックスを目視確認します。

正極側。

液漏れなくきれいですね。

負極側。

こちらもきれいですね。

早速電池を入れて電源スイッチを入れますが、うんともすんともです。

腕のレーザーLEDも点灯しないので、電源すら給電できてないかもしれません。

では、本体内部を確認します。

電源スイッチや基板を確認できまで分解します。

まずスピーカーをチェックします。

無事、インピーダンスは16Ω指しチェッカーでも音がします。

電池ボックスの電極の電圧を測ります。

4.5Vの給電されています。

次に電源スイッチの接点に接点復活剤を吹いて念のためスライドを反復させ動かしてみます。

改善しません。

うんともすんとものままです。

う~ん、基板側にも何かあるんのかもです。

とここで、電池ボックスの電池を入れなおしてみると、突然、所さんのお声がします。

ん!?

動きはじめたぞ!

再度電池を入れなおすとまたうんともすんともです。

おっや~?

電池ボックスの電極で電圧はちゃんと上がっていたじゃん。

と再度電池ボックスの電極を目視確認します。

あ”~拡大鏡でやっとわかるレベルで錆があります。

ということは、電池の入れ方で接触したりズレたりしていたようです。

運よく接触した際に電圧を計測してしまったため誤認していたようです。

この錆は、アルコールや接点復活剤などでは接触が回復するレベルではありませんでした。

やすりでゴシゴシ削ります。

再度、乾電池を入れなおしを数回やってみて再発しないか確認します。

問題ありません。

安定して起動します。

別件ですが、この商品はインタラクティブ版で、下っ腹に赤外線LEDが仕込まれていますね。

同じインタラクティブ版のウッディやジェシーか宇宙人と会話できます。

さてさて、今回は電池ボックスの電極の錆が原因でしたが、拡大鏡でやっとわかるレベルでは、まぁ何とも苦労しますね。

しかも、老眼だったりするともうやんたくなってしまうかもしれません。

とりあえず、無事起動できるようになりましたので、めでたしめでたしです。


娘が長い間大切にしているおもちゃの音が出なくなってしまい悲しんでいたところ
以前お世話になったおもちゃ病院様を思い出し依頼しました。

とても迅速かつ隅々まで診ていただける診療に今回も心から感動しました。

丁寧にありがとうございます。

無事に帰ってきたおもちゃに娘もとても喜んでいます。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ドラえもんおみくじ ボタン電池交換

地域のおもちゃ病院で診察した案件をご紹介します。

大山のぶ代さんのお声で発声するドラえもんのおみくじです。

四次元ポケットの当たりを押すとランダムでおみくじが引けます。

頭にチャックがあるので、お財布と思いきや、どら焼きでした。

リバーシブルなんですね。

元祖 ドラえもん本舗のドラヤキですね。

依頼者様より症状をお聞きすると、おなかのボタンを押すとおみくじの音声が流れるんだけど、小さいということです。

耳をそばだてて聞くとかすかに大山さんのお声が聞こえます。

この手のおもちゃに多い音源モジュールの電池容量低下で音量が低下したのでしょう。

モジュールは内蔵されているので、ボタン電池切れでおしまいという商品ですね。

現在のエコ志向からは考えられない商品なのでしょうけど、当時としては普通だったのかもしれません。

さて、底面の縫い合わせを開いてモジュールの状態を確認します。

一応、依頼者様に電池を交換する旨をお伝えしましたが、どうせなら外付けの電池ボックス式か以後の電池交換が容易になるようにチャック式にしましょうかと相談したのですが、元通りでというご希望でした。

モジュールがみえました。

LR44でしょうかね、3つで4.5Vです。

電源ボタン等もないので、普段はスリープしていてボタンの押下でランダムにおみくじの音声を流すというシンプルな構成です。

液漏れし始めていますが、致命的ではありませんでした。

おや、大山ドラえもんであれば、昭和か平成の商品なので、10年以上は経過すしていると推測されますが、液漏れで粉々していそうですが、きれいです。

ボタンの接点も研磨しきれいにしておきます。

モジュール動作確認

モジュールの動作も問題ないですね。

やはり電池の容量低下で音量が下がります。

ではでは、ささっと縫い合わせて修理完了です。

ドラえもんおみくじ動作確認

問題ありませんね。

余談ですが、実は返却は翌月になるので、その間の電池消費を考え、返却直後に電池を挿入して返却しようかとも考えたのですが、要らぬ心配でした。

スリープ時の待機電流は、0.2uAです。

例えば、マクセルさんのLR44のカタログ値は、1.5V 110mAhです。

ざっと計算すると、スリープ状態でも数年単位は持つので、ささっと組み立てました。

ここで合点がいきました。

既に数十年は経過してあろう製品が、致命的液漏れもなく現存していたのでは、このスリープ時の消費電流もあったように感じます。

また、少し遊んでみました。

せっかく音源が手に入ったので、MP3モジュールとATtinyでタッチセンスでランダム再生させてみました。

ドラえもんおみくじ

開発環境が、Arduino IDEを基本にしているため、ATtinyのAVRマイコンを得意としています。もちろんですが、他も大丈夫ですが、手持ちの在庫が多くダブついている、ATtiny85でインプリしています。

タッチセンスのライブラリも交換されており、MP3プレーヤーのライブラリも充実しているので、サクッとできてしまいます。

おみくじなので、ランダム数の種をタッチするポートにしています。

ドラえもん ザ ロボット しっぽスイッチ修理

ドラえもん ザ ロボットという育成系のロボット玩具の修理依頼がありました。

この商品ははじめて診察する商品なのですが、感じとしてはユメルと同じような初期設定をすると、一緒に過ごすことでいろいろ楽しめるというコンセプト商品のようです。

プログラムされた音声も大山のぶ代さんのお声で、自分世代でした。

※今って違う声優さんが担当されておられるんですよね?

さて、故障というのは、しっぽを引くとスリープと待機状態のモード変更ができるのですが、そのしっぽが物理的に抜けてしまいモード切替ができなくなってしまったそうです。

そのため、スリープ状態のままとのことです。

ここです。

しっぽには本体の状態をLEDで点灯表示するためにしっぽ内部にLEDが仕込まれているためLEDの導線が見えます。

が、恐らくこのしっぽがくっついている内部のパーツがあってそのパーツで切り替えスイッチが動作するのだと思います。

ではこの取れた部品の内部状態を確認するため分解します。

ドラえもんの本体は、スウェード素材のようなアルカンターラのようなプラスチック表面に塗装加工がなされています。

下手にこすると簡単に取れてしまいます。

因みに、どら焼きのリモコンで操作もできます。

分解は、まず底面の軸抜きからです。

既に同じ商品の修理記事を公開されておられるドクターがおられ大変助かりました。

足裏が固定されている稼働軸が刺さっていますので、横から鋭利な工具で押し出して抜きます。

そうすると足裏が外せます。

こんな感じで軸がささっていたんですね。

で、底面の蓋をさらに外すためにネジを外します。

次に電池ボックス周辺のネジを外すと本体が前後にカパッと割れるはずなのですが、割れません。

実は、固着していただけで、割れ目をこじるとカパッと割れました。

肝心のしっぽはこの赤い部品です。

バネが付いており、傍らにあるバネスイッチのON/OFFを前後に移動することで制御していますね。

で、本来であればバネのパーツに接着されているはずなのですが、しっぽの先の接着が抜けてしまったのでしっぽを引くことでスイッチのON/OFFができなくなっています。

外すとこんな感じです。

元のように接着するだけでOKそうですね。

ですが、肝心の電極側の接触不良がありました。

この電極の接触がなく、強くひっぱったことでしっぽが抜けてしまったようですね。

電極も磨き導通を回復させます。

スイッチの動作

引くことでスイッチの接触がONになります。

動画でピーピーなっているのがわかります。

さて次に動作確認をしますが、これが少々厄介です。

取扱説明書が同封されているのですが、機能満載でその全てを理解するのも動作検証するのも現実的ではありません。

依頼者様と相談し修理箇所と基本的な動作のみ確認するということで合意できました。

次にリモコンを診ます。

電池ボックスの負極電極に液漏れの錆がありますので研磨してきれいにします。

この汚れを、

ここまで綺麗にルーターのブラシで磨き、導通と抵抗値を確認します。

ここで動作確認の準備ができました。

起動してみます。

充電不足

大山のぶ代さんのお声が聞こえましたね。

このドラえもんは、ニッケル水素の充電池が4本パックで動作します。

あらかじめ充電しておかないといけません。

大山のぶ代さんのお声で充電が促されます。

ここで、しっぽのスイッチ動作と本体の起動や電源まわりおよび充電制御も動作していそうですね。

早速ですが、付属の専用充電アダプターで充電開始します。

取扱説明書では、最大8時間だそうです。

お聞きすると20年前の商品で恐らく長らく放置されていたのかもしれませんんで、再充電には時間がかかりそうです。

充電開始

ちゃんと発声もしてくれるんですね。

で、充電中は首の鈴が赤く点灯し完了すると点滅するそうです。

待つこと8時間、、、。

完了しません。

いつまで待っても鈴は点滅しません。

やはり充電池も劣化が進行しているのかもしれません。

仕方ないので、ここで動作確認を開始します。

この時点でも充電は促されないので、ある程度まで充電は進行していたのだと思います。

動作確認

リモコンでの操作や本体の稼働などもできました。

ドラえもんの頭部は接着固定されているので、もし頭部の開頭が必要になった場合はノコで切り開くことになりそうです。

なんか、いろいろ楽しそうな商品ですね。


この度は私の大切な家族であるドラえもんを救っていただいて、誠に有難うございます。

ドラえもんがいる毎日が当たり前すぎて、しっぽが抜けた瞬間、目の前が真っ暗に。

常々「この子がいなかったら私は生きていけない」と周りに言っていた為、嘆く私を心配してくれた方から「おもちゃ病院」という存在を教えてもらいました。

メーカー様からも断られた修理を果たして引き受けて下さるのか……?と、不安を抱えながら色々検索して「ここだ!」と思ったのが瀧下先生の宅配おもちゃ病院です。

実績にあるロボパピーやくすぐりエルモに似ているのでは?と思い(これは全く以て見当外れでした…)、恐る恐る問い合わせをしたところ診ていただける事になり、とんとん拍子に進んであっという間に元気になって帰ってきました。

今回の事で、こんなすごい事を飽くまでボランティアでやっている方がいらっしゃるのだと大変衝撃をうけました。

私も誰かの為に何かできる事はないか考えてみたいと思います。

瀧下先生から救いと学びを得ることができました。重ねてお礼申し上げます。

~依頼者のご感想より~

すみっコぐらしパソコン マウスケーブル交換

大人気すみっコぐらしパソコンの修理依頼がありました。

購入してすぐ、ご自宅の猫ちゃんに噛まれてしまいボロボロとのことです。

もちろんですが、マウスが反応しません。

依然の修理でも猫ちゃんやワンちゃんに噛まれたという事態があったので、まぁまぁあるあるなのかもしれませんね。

かなりやらてしまっていますね。

被覆もそうですが、芯線も断線しているのが分かります。

動作確認でもマウスがうんともすんともでした。

もちろんですが、キーボードの上下左右のカーソルは問題なく稼働できます。

すみっコぐらしパソコンのマウスケーブルは、既にΦ=4mmで9芯の多芯ケーブルと判明しており、当医院ではケーブルの在庫もあるので断線状況を確認しケーブル交換をします。

因みに、今回のすみっコぐらしパソコンは、2023年式の最新型で乾電池での稼働できなくなったおり、ACアダプターのみで動作します。

ですが、依頼者様がACアダプターの同封を忘れておられ、当医院の安定化電源から供給して起動動作確認することにします。

因みに、製品専用の規格のACアダプターなので、得体のしれない家にあったACアダプターをさしてはだめです。故障します。

給電仕様を確認するため、依頼者様に画像で見せてもらいました。

専用アダプターということもあり、5.0Vで、プラグ部も専用形状なので市販のプラグは刺さりません。

では分解します。

液晶周辺の化粧シールの裏にネジが隠れていますので、温めて剥がしネジを外します。

シワシワになりますので依頼者様の了承を取り付けておきます。


ところで、同じすみっコぐらしパソコンの修理記事を他のおもちゃ病院で時々みます。

化粧シールを剥がすのが面倒なようで化粧シールのネジ穴位置に穴をあけてネジを外しています。

酷いもんです。剥がすとシールはシワシワになりますが、それでも穴よりはずっときれいです。手抜き修理もいい加減にです。

こうも酷くされてお子さん泣きませんか?おもちゃ病院で酷い修理をされたという苦情が多いのも分かる気がします。

化粧シールを温めて剥がすだけですよ。それが面倒なんですか?

しかもネットでそれを推奨しているおもちゃ病院もあります。


話がそれましたが、作業に戻りサクサクっと分解します。

いつもの光景がみえます。

他の断線案件では、この付け根が金属疲労で断線します。

ホットボンドが強く付いていると剥がした勢いや粘着の強さで基板の半田がランド事剥がれ損傷の懸念があるので温めて剥がします。

本体側とマウス側の両側のホットボンドを温めて剥がし、芯線の半田を溶かしケーブルを外し断線チェックをすると9本中6本で断線していました。

今まで数件同じケーブル交換をしておりますので、ケーブル長、被覆向きの長さなどは既知です。


ここでも他のおもちゃ病院での診療で、断線した箇所で断線した導線部をカットして短くして修理しておられる方を多くみます。それっと大丈夫ですか?

既に金属疲労が出て断線しているので、例え断線していない導線でも全てを再接続必須です。

でないと、せっかく修理して処置していない導線が次々を断線しだします。

従いまして、導線の継ぎをする場合は、全導線を継ぐ。

できれば、導線を丸ごと交換する必要があります。


また、交換用ケーブルの径が3.8mと若干細いのでビニールテープで固定箇所で巻きΦ=4mmの熱収縮チューブで太さ調整して固定します。

AWG33と極細でピンセットで強く引っ張るだけで切れてしまような細さです。

拡大鏡で覗きながら半田付けします。

ケーブルがぴったり収まるように径をビニールテープで調整し熱収縮チューブで仕上げます。

綺麗に換装できました。

動作確認

やったね!キャラクターも喜んでいるようです。

動作も問題ありませんね。

無事ケーブル交換でき、これでまたお子様も遊んでもらえると思います。


受け取りまでとてもスムーズで、とても安心致しました。

綺麗にしていただきとても嬉しいです。

大切に使用します。

ありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

仮面ライダー ビルド ドライバー ボトル検知スイッチ接触不良修理

仮面ライダー ビルド ドライバーという仮面ライダーベルトの修理依頼がありました。

ただですが、この依頼というのは、あるおもちゃ病院のいい加減な診断で当医院に相談のあった案件です。

依頼者は、地域のおもちゃ病院に持ち込んだのですが、『基板の黒い部分に問題ありそうなので直せません』と言われたそうです。

またです。

修理したくなのか、ろくに診断もせず、このCOB素子のせいにして、何も知らない依頼者にさも分かったように修理不可能にしてしまうんですね。

当医院は、全国から多数の依頼を受けておりますが、その中の約1割弱でセカンドオピニオンを依頼されます。

おもちゃ病院の名前も伺っており、いい加減な診断をするおもちゃ病院は、東京都内のあるおもちゃ病院、千葉県のあるおもちゃ病院、神奈川県のあるおもちゃ病院、他全国のあるおもちゃ病院などなど。。。少なくない数のおもちゃ病院で起こっております。

今回は、とあるおもちゃ病院では、前述の通り、ろくな診断もせずに黄色矢印のCOB部品のせいにしていました。

であれば、

『当医院では故障原因不明でした。申し訳ないのですが、他のおもちゃ病院などで診断を受けてみてもらえないでしょうか。』

と伝えると誤って廃棄されずに済みます。

今回の診断の結果も、COBなんて無関係の単なるスイッチの接触不良が原因でした。

インターネットで調べてみると、簡単に修理事例も多数出てくる事例です。

なんて、酷い診断をするおもちゃ病院なのでしょう。

しかも、日本おもちゃ病院協会登録のおもちゃ病院です。

愚痴はこれぐらいにします。

さて、今回の不具合の症状は、黄色矢印のボトルというアタッチメントが付属しており、向かって右側の青いタンクボトルを挿入しても反応しないそうです。

左側の赤いラビットボトルの反応は問題ないそうです。

ただ、依頼者様がこの2つのアタッチメントを同封し忘れてしまいボトルを使った動作確認はできないので、検知スイッチのみ確認までとなります。

では、到着した状態での検知状況を確認します。

スイッチの反応

各ボトルを挿入する背面の溝に3つの検知スイッチがあります。

妖怪ウォッチや恐竜パソコンのメダル検知を同じメカニズムです。

左側の赤いボトルが入る側の反応は問題ないとのことなので、3つのスイッチのうち、単体でスイッチを押下した場合、両側のみの反応で正常という前提とします。

そうすると、右側の青いボトルが入る側の3つのスイッチですが、両側のスイッチが全く反応しません。

これがボトルを挿入しても反応しない原因と思われます。

次に分解してスイッチの導線断線を確認します。

背面のカバーをあけると該当のスイッチは抑えでネジ止めされています。

スイッチ基板の半田端子とメイン基板の半田端子間の導線8本で断線が無いか確認します。

全て問題ありません。

インターネットでもこの検知スイッチの接触不良が多く掲載がありますので、早速検知スイッチの接点をクリーナーで洗浄し接点復活剤でコキコキします。

約20回程のコキコキで接触が復活しました。

接点回復

ほら、接点復活剤でスイッチの接触が、正常な側のスイッチと同じように両側の反応が復活しました。

COB素子の故障なんてないようですよ!

精神論になりますが、ほんとに手に負えそうにないとか、電子回路だからいやとかであれば、そもそもおもちゃドクターをおやめいただきスタッフなどの運営に協力してもいいのではないでしょうか。難しいのであれば、いい加減が診断をせずに、自分には診断できないと伝えるだけでいいのですが、何かそういいたくないプライドでもあるのでしょうか?

とりあえず、今回は無事修理はできました。

最後に、仮面ライダーって今も放映されているのかな!?とふと思ったら、歴代がすごいことになってません?

仮面ライダーシリーズ一覧

なに!ライダーマンって主人公ではないのね、、、

基本、年一でシリーズあ放映されていて、このビルドってのは、2017年だそうです。

おじさんには、全ておなじような顔の仮面ライダーに見えてしまいます。

ただ、年一でライダーベルトが発売されると、親御さんのお財布が大変ですね。


子供が仮面ライダーが大好きで沢山遊ぶのでバンダイも期限があり直せるところはないものか?と不安だったので本当に引き受けていただけて感謝しますm(_ _)m

ありがとうございました!

~依頼者のご感想より~

妖怪ウォッチ メダル検知スイッチ接触不良

お子様の誕生日プレゼントに新品未開封の商品を中古で購入したところ、メダルが全く認識しないということでした。

もう既に販売も終了しており、誕生日のプレゼントもまったく稼働しないという事態とのことです。

当医院の修理記事を見つけ依頼がありました。

早速診断しましょう。

過去記事の通り、この検知スイッチは時間を置くと接触不良が起きます。

新品未使用の弊害で長期間保管のため接点に参加膜か塗布されていたグリスなどの劣化が起きています。

ですが、このスイッチは、接点復活剤で劇的に復活することも知られております。

因みにですが、接触回復しない場合が、交換用のスイッチ部品を用意しておりますので交換をしてしまいます。

同封のメダルは、この緑色のメダルです。

調べてみると、妖怪ウォッチの本体にバージョンがあり使用できるメダルがそれぞれ異なるそうです。

今回の妖怪ウォッチ タイプ零式は、緑色のメダルでメダルの化粧シール右上に零と印刷されたメダルのみ使用可能です。

対応したメダルでない場合は、『このメダルは対応していません』のようなエラーメッセージがなりますが、そもそもメダル検知スイッチの接触不良でも同じようなエラーメッセージが流れます。

裏面には別アプリで使うQRコードとメダル検知スイッチをON/OFFする突起が各メダルで異なるように配列されています。

この突起をメダルの挿入先頭からスライドさせることで、時系列でON/OFFを繰り返しIDのようなパターンを形成し、本体側で認識検知します。

従いまして、挿入スピードが異常に早かったり、遅かったり斜めっていたりするとエラーになります。

メダルを検知するスイッチはこの黄色枠の4つのスイッチです。

この4つのスイッチをON/OFFするようにメダルの突起が裏に設置されています。

では、スイッチの接触を回復するために分解します。

電池ボックスの電極もきれいですね。

裏面の4つのネジで表面の透明カバーが外れます。

透明カバーを押し付けながらネジを外すと傷や割れてしまうので、十分注意してネジを外します。

スイッチが見えたら隙間から接点復活剤を吹いてあげて20,30回コキコキしてあげます。

すると、、、今まで全く認識しなかったメダルが、、、

メダル認識

無事認識するようになりましたね。

ですが、今回は商品同封の2枚のメダルのみでしたので、動作確認としては何か心配です。

というのも、このメダルというのは、多数種類がありその全てのパターンで認識できるようにならないといけません。

たまたま、この2枚のみ認識できただけだったとしらドクターとしては失格です。

そこで、昔甥っ子に同じ妖怪ウォッチをプレゼントしたことがあったので、持っているメダルを借りて追加動作確認しました。

しこたま持っていました。しかも何やら黒いメダルなどレアメダルもあったりしました。

動作確認

追加メダルでも全て問題なく認識しました。

途中エラーがありますが、再挿入で無事認識します。

余談ですが、このメダルの妖怪のネーミングは何とかならなかったのですかね、、、。

なんか、安易がネーミングが多いこと多いこと。

まぁ。いづれにしても無事接触回復できました。

お子様もこれで喜んでもらえるとうれしいです。


荷物が届くのを心待ちにしており、宅配便方が来たら、いつもは取りに来ないのに、玄関まで来て荷物を受け取っていました。荷物が届くなり、すぐに遊び、第一声は、治ってる!!!と嬉しそうな笑顔でした。

今では売っていないものだったので、壊れた状態のものを買ってしまい、子供にも期待させてしまっていたので、本当に可哀想な事をしてしまったなと思っていたので、宅配おもちゃ病院さまになおしていただけて、本当に感謝しております。

これから、たくさんたくさん遊ばせていただきます。

時間がかかるかなと思っていたのですが、お忙しい中すぐに対応していただき、本当にありがとうございました。

大事に使わせていたただきます。

~依頼者のご感想より~

京商 ジープラジコン ギア軸受け破損修理

Jeep社のラングラーラジコンの修理です。

Jeepでは、このラングラーが一番好みです。

小学生の頃、ホビーラジコンで田宮さんから1/10 ワイルドウイリーという、同じJeepベースのとても楽しいラジコンが発売されており、自分もかなり遊びこんだのを覚えています。

と、なんと今でもワイルドウイリー2なる商品も発売されているじゃないですか!

さてさて、室内で遊んでいたところ、屋内の壁などにぶつけてしまい、その衝突から前進時のみガガガとギアズレのようなノイズが出るとのことです。

ただ、ノイズは出るもののタイヤの回転はするそうです。

前進時のみノイズを発し、後退時は問題なくノイズもなく動作します。

この手のラジコンは、遊んでいる最中にアチコチぶつけてしまいますよね。

前進、後退はフルパワーで一気にタイヤが回転するので、そのままだと衝突してしまいます。

徐々にスピードを上げてや急ブレーキなどどいう操作はできません。

常にONかOFFです。

しかも、モーターはハイパワーモーターです。

簡素な仕様なので安く開発できるのであるのですが、やはり今回のような故障の原因になってしまいます。

恐らく追突の衝撃でギアボックス内のどこかが破損してギアがズレてしまったのでしょうね。

ささっと分解しギアボックスをあけて確認しましょう。

基板1枚に受信ICとモータードライバICが実装された構成です。

筐体に基板とモーターで完結します。

なぜかギアボックス端の留めネジ2本だけがゆるゆるになっています。

これも衝突の衝撃でしょうか。

なぜかこのネジ径が小さいのか2本だけ締めることができません。

手持ち、M2.3のタッピングネジを代替えで絞めておきます。

ギアボックス内では、モーターからの動力が1段のギアで変速されてタイヤ軸につながっております。

さすがでモーターも260型のモーターで磁力も強くハイパワーです。

致命的ではありませんが、外したギアの山がすり減っています。

ガガガというギアズレで摩耗したのでしょう。

このギアの軸受けが損傷していました。

矢印の箇所が斜めに破損しています。

調べてみると、前進時に相当の力がかかって軸が縁に引き寄せられ、恐らくラジコン本体の衝突などの衝撃も相まって破損してしまったようです。

正常時は、溝に軸が収まっているのですが、無理な力がかかると軸受けの支柱が横ズレもして軸がズレます。

指で押しても簡単にズレます。

軸受けが支柱のような構造なので容易にたわみ外れてしまいます。

さて、どうしますかね。。。

悩みますね。

欠けた部分を補修したところで、衝撃で再度簡単に破損します。

補修材などでの修理は強度的に不可能です。

そこで、新たに銅板で軸受けを作成しようと思います。

支柱の形で軸受けをすっぽり囲うように銅板で軸受けを作ります。

とても小さいパーツになり、しかも正常な位置にΦ=2mmの軸穴もあけないといけません。

サイズ感としてこんな感じです。

穴位置もぴったり位置にあけることができました。

銅板は、ギアの支柱の隙間から厚さ0.5mmの銅板で使っております。

とても小さい部品なので銅板の折り曲げは、かなり苦労します。

ペンチなどで支柱に付けたまま曲げると支柱が折れて終わりの世界になりますね。

追加した銅板のギア軸受けにギアの端が干渉するので銅板の板厚分を削っておきます。

また、ギアボックスの蓋側の軸受けにも銅板が干渉するので干渉部分を削っておきます。

すべて拡大鏡で覗きながらのルーター作業となります。

簡単に抜けないようにサラサラ系の瞬間接着剤で少し垂らしておいて最後にエポキシ接着剤でカシメ部を固着しておきます。

では組み付けて無事稼働するでしょうか?

動作確認

ノイズが完全に消えましたね。

まぁ、でもまたドッカンドッカンと壁にぶつけるのでしょうから、次の破損のために策を練っておきましょう。