ディズニー 三つ目のエイリアン リトルグリーンメン クレーンゲーム

宇宙ロケット型の筐体の中にクレーンゲームが仕込まれているおもちゃです。

地域の外来のおもちゃ病院でクレーンのパケットが上下しなくなったということで担当しました。

この三つ目の宇宙人は、リトルグリーンメンというらしいですね。

おもちゃの会場では、分解や診断に時間がかかりそうだったので入院として預かり診断しました。

パケットが上下しないので、モーターのピニオンギア割れかギア外れかのようですね。

分解は上部と底の固定ネジを外すと透明のカバーが外せます。

底面のネジ位置はここで外すとスピーカーがお目見えします。

さらに、透明の筐体を多いカバーしている底面のネジを外すと本体下部内部が見えます。

ただ、その前にロケットの台座を外さないとネジ穴にドライバを差し込めないので台座のツメを押して外してください。

ここでやっと透明カバー内のクレーンに手が届きます。

クレーンは、上下に4本づつのネジがあり外しとばらけます。

パケット開閉用のケーブルがあります。その他はありません。

上部のギアボックス内を確認すると、すみっこに何らか外れたパーツと切れた糸の端があります。

不具合のパケットの上下運動は、パケット内に糸の巻き取りや開放を行うボビンがあってその糸がちぎれてしまったようですね。

まず、両方のパケットのネジを外しツメを外します。

何やら糸巻き用のボビンがありそうですね。

これですね。

モーターからのギア駆動でギア付きのボビンで糸を巻き上げパケットが上下する構造です。

クレーンの上部にあった残骸は、この切れ端だったのですね。

では、この切れた糸をギアボックスを組み立てながらクレーンの筒内部を通して上部まで引き上げます。

上部の糸を通す穴位置は、ケーブルが通っていない側を通します。

転がり残っていた残骸からこのようにバネをワッシャで挟み端を結んで固定するようです。

こうすることによって、糸の撓みが解消されるはずです。

後は粛々と組み立て直しますが、最後のパケットのツメのネジは緩めにしないと開閉稼働時にキツキツになり回転抵抗でパケットが開閉しません。

この画像のような具合に隙間をあけてネジ締めしておきます。

動作確認

因みに、アンパンマンのクレーンゲームとは全く違い、とてもとてもとても難しいです。


すみっコパッド USB給電基板交換

USBコネクタが破損し給電ができなくなったということです。

当医院での受け付け条件は、乾電池での動作には問題ないという前提になります。もし、乾電池での動作にも問題があった場合は、コネクタの破損の影響で本体内部の故障が誘発された可能性があります。

※当初の依頼ではUSBコネクタが破損し充電ができなくなったとあったのですが、本商品は充電式ではありません。

目視でもコネクタ内が破損していますね。

ゃだ~、なんか出ちゃってる。

本黄色い筐体のすみっコパッドはUSBコネクタの位置が手前に移動されマイナーチェンジ前の緑版よりもプラグの抜き差しが簡単によりなっています。

なのですが、対策は完全ではなくやはり破損していまう事例があります。

当医院では、マイナーチェンジ前後の両方の修理対応をしております。

もちろんですが、USBコネクタの付いた基板のみの販売も通信販売コーナーでしております。

破損したコネクタに無理にプラグ側を差し込むとプラグ側も破損してしまったという事例もあります。

目視では問題ありませんね。

基板を交換します。

給電動作確認

乾電池での動作およびUSBケーブルによる給電起動確認、パソコンとの通信確認とも問題ありません。

これで、乾電池の消費を気にせずたくさん遊んでいただけると思います。


マウスでバトル 恐竜図鑑パソコン マウス断線修理

当医院でお馴染みになりつつある、マウスでバトル 恐竜図鑑パソコンです。

依頼者様の亡きおじい様からの最後のプレゼントということです。

是が非でも何としても修理しましょう!

さて、この商品にはメダルでバトル版もありますが、今回はマウスでバトル版となります。

過去にも同じマウス断線での修理経験があります。

症状としては、マウスが動かなかったとのことです。

届いて直ぐの動作確認では、マウスは完全にうんともすんともです。

キーボードのキー操作ではマウスが動きクリックもエンターキーで反応するので、マウスが完全に機能していないようです。

マウスが動かない経験としては、ダントツでケーブルの断線が多いのですが、マウス側の故障や本体側の故障もあり得ますので、合わせて確認します。

既に蓋の付け根の被覆に亀裂がありますね。

断線の線が強そうでです。

まずは開封です。他のパソコン系と同じく液晶周辺の化粧シールを温めながら慎重に剥がします。

ネジは、シールの周辺部に集中しているので、すべてを剥がす必要はありません。

化粧シールは一度剥がすとシワシワになりますので、念のため依頼者様に承諾をいただいておきます。

いつもの光景が目に入ります。

マウス側も開封し基板についたままで一旦導通確認をします。

既に答えを出してしまっておりますが、左側が基板についたままでの導通確認です。

kおの時点は、9本中2本で導通が取れておりませんでした。

次にケーブルを外し導通を確認すると、9本中1本で導通がとれません。

基板に付いた状態での導通確認で青線の導通が取れなかった理由は、恐らく半田付けの盛りの上に剥がしきれなかったホットボンドの残りがあったようです。

因みにホットボンドは、食いつきが結構強いので温めながら剥がします。

そうしうないと基板の半田部を剥がしてしまう危険性がありますので、注意ください。

さてさて、9本中1本の断線でマウスがうんともすんともになったしまった原因は、前述の画像にも記載しましたが、緑線がGND端子のためです。

GND端子なので、電源の給電はもとより各端子の反応も一切できなくなるので、この1本の断線でマウス機能が全滅してしまいます。

ではサクッとケーブルを交換しましょう。

在庫のケーブルで交換をしますが、このケーブル剥きがたいへんです。

純正ケーブル径より若干細いので、ビニールテープで少し巻き熱収縮チューブを被せて径の増しをしないと緩くなります。

マウス側の作業をします。

綺麗に径を増すことができ筐体にも固定できました。

次に本体側の作業をします。

拡大眼鏡とピンセットでの作業になります。

隣り合った半田付け部が短絡していないか、短絡チェックもしておきます。

GND線の断線はやはり蓋の付け根のバツ印の箇所でした。

交換するケーブルもこの付け根にはビニールテープを巻き熱収縮チューブと弾性の接着剤で強固に固定しておきます。

動作確認1
動作確認2

カーソルの移動もクリックも動作問題ないですね。

ケーブルの径が細くなっているので取り回しや保管時の曲げには十分注意いただきましょう。

大事なプレゼントも無事修理できました。ほっと一安心です。

これにて修理完了です。


息子はさっそく開封し、マウスが使えることを非常に喜んでおりました。

今回、こちらの問い合わせに真摯に素早く対応いただき、都度の連絡、確認をいただけたことで、安心してお任せすることができました。

ありがとうございました。

瀧下様に修理いただけたことを嬉しく思います。

私の父から息子への最後のクリスマスプレゼント、大切にしていきたいと思います。

~依頼者様のご確認より~

ベネッセ 音声を録音できる絵本 電池ボックス電極腐食修理

ベネッセから販売されていた教材と思われる、音声を録音し再生できる絵本の修理依頼がありました。

生前のお子様の声が録音されておられるとのことで、久しぶりに再生し声を聞こうと思ったところ動作しなくなっていたとのことです。

お子様の思い出のお品物の修理依頼も過去にいただくこともあります。今回も何としても音声が聞こえるようにしましょう。

ボタン電池2個で動作します。

ロックする回転ノブには、録音時に押すボタンがありむやみに消去してしまわないようにダイヤル付きの蓋がついているのですね。

通常聞く際は青い『きく』ボタンで再生されます。

さて、事前に液漏れの形跡があることはお聞きしていたので、電池ボックスの電極を確認します。

まず、現状で電池を挿入し電圧を確認します。

2.4Vしか上がっていませんね。

腐食部の抵抗成分で電圧も電流も制限されています。もちろんですが、きくボタンでも音声は再生されません。

では、液漏れの腐食が負極側に広がっていましたので、まずは接点復活剤で拭きあげ、ルーターで腐食部を研磨します。

では、再度ボタン電池を入れて電圧を確認します。

正常に電圧があがりましたね。

ついでに音声も無事に再生されるようになりました。

大事な音声とのことでしたので、再生音声をCD-Rに記録し渡しておこうと思います。

取扱説明欄には、記録された音声はながらく保存できると記載があります。

マイクで拾った音声をフラッシュメモリに記録していると思われます。

半導体メモリの信頼性に依存はするのですが、まともな半導体メーカーのFlashメモリであれば10年位は十分保存可能です。

ですが、メモリは保存できても再生するIC側が故障する場合もあります。

今回は、無事大事な音声を再生できるようになり、ほっと安心しました。

以上で修理完了です。


何かしゃべってと言ったら、ちょっと早口で当時お気に入りだった歌を歌ったのを思い出しました。

修理して下さりありがとうございました。

無事再生できております。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

マジカルスマートノート 液晶交換

マジカルスマートノートの液晶割れの修理依頼です。

以前まで多くの依頼は、液晶画面ではなく、その上層にあるタッチパネル割れが多い症状でした。

が、今回は派手にやってっしまったらしく、下層の液晶も逝ってしまったそうです。

ゃだ~。

お姉さんが無残なことになってます。

タッチパネルのみでしたら、タッチ操作ができないだけなので、上層のタッチパネルを剥がして張り替えますが、今回は、全取っ換えです。

新品の液晶モジュールは送料など含めると高額になるので、ご相談の結果、在庫の中古液晶モジュールへの交換となりました。

では、サクサクと作業します。

液晶周辺の化粧シールを剥がし、液晶が強力な両面テープで貼られているので、ドライヤーで温めながら注意して剥がします。

この化粧シールを強引に剥がすとL字のところで切れ裂けますので注意ください。

40pinのケーブルコネクタを外して交換します。

因みに、在庫の液晶モジュールは、同じ4.3インチのタッチパネルが実装された、ディズニーのワンダートイパッド2からの移殖です。色彩や視野角などでも勿論流用可能です。

描画問題ありませんね。

綺麗なお姉さんになりました。

動作確認

タッチ操作も問題ありませんね。

これにて修理完了です。

因みにですが、同様の4.3インチのタッチパネル用の保護シートが市販されておりますが、落下や踏み付けなどの衝撃には無力となります。既にタッチパネルの表面には保護シートが1枚貼り付いていたりもしますよ。


ボイスフォーメーションDXブイレックスロボ リモコン修理

赤外線のリモコンで変形や各種操作ができるヒーローもののロボットの修理依頼がありました。

半年前までは稼働していたということで中古で購入したが、購入時には既に故障で動かない状態だったようです。

リモコンの電池ボックスの液漏れを既に確認できており、依頼者様でリモコン内の液漏れの影響がありそうというところまでは確認できていました。

ご提示の画像です。

乾電池の負極からの液漏れで基板側にも腐食が出ていますね。

電源用のスライドスイッチも全滅のようです。

ですが、電極に盛った液漏れの粉をみると、半年前まで稼働していたということはなさそうですよ。

この塊の状態なら、少なくとも年単位で経過していそうです。

兎にも角にもお困りのようなので診断をしましょう。

この赤外線のリモコンです。

各動作ボタンに赤外線LEDと動作状態がわかるLEDとなんとマイクが付いています。

というのは、発声のパターンで操作するコマンドを設定するというもののようです。

後に分かるのですが、この声でコマンドを設定するというのは、マイクで拾った音声というよりは周囲の音によって、押しているボタンのコマンドが有効になるだけのようです。

2000年代の玩具でこの時代に音声認識のような仕組みを玩具に組み入れることは、恐らくできなかったと推測されます。

ではでは、内部を診断します。

地獄絵図

うあ”~~という感じですね。

液漏れの粉で各素子の半田部も腐食していそうです。

軽くブラシで粉を綺麗にするだけで、チップ抵抗や配線パターンもめくれます。

あ”~ですね。

200Ωのチップ抵抗が取れています。

後で分かるのですが、マイク端子の配線がめくれています。

電源用のスライドスイッチへの配線も全て取れています。

できる限りで綺麗にして動作できるかどうか確認します。

このような状態を?

ここまで綺麗にします。

取れたチップ抵抗は、リードの抵抗で代替えし腐食の半田はできる範囲で溶かし直ししておきます。

外部電源で赤外線LEDが反応するか確認します。

赤外線確認

うぉー!

とりあえず、何か反応してる!

うれぴー!

ではでは、リモコン側を組み立てて、ロボ本体側を操作できるか確認しましょう。

仮付けの抵抗を本付けします。

電池ボックスの電極が液漏れで腐食しているので外して綺麗にします。

負極の電極が完全に破損していたので、新品の端子に交換します。

接触の抵抗値も計測し確認します。

スライドスイッチも新品に交換し配線も一式交換します。

さーって、動作するかな?

ロボ本体側には、不具合はないと勝手に思い込んで動作確認をはじめました。

ろぼ本体は、電源を入れると、v

んんん、(´・_・`)

リモコンに全く反応しません。

ブォンブォン音が鳴りっぱなしです。

ブォンブォン音

何をどう操作しても、何も変わりないです。

おやおや、ロボ本体側にも何やら不具合が隠れていたのかもしれません。

というか、先のブォンブォン音が鳴りっぱなしが、納得いきません。

取扱説明書をみると、起動音が鳴りコマンド待ちになると、吠えるそうです。

この起動音が鳴るといういうのは、ブォンブォン音が鳴りっぱなしなのか分かりません。

電池ボックスを再確認すると、負極のバネに錆があがっております。

研磨して綺麗にしてみましたが、主原因ではありませんでした。

うーん、困りました。

とここで、商品到着時に足の稼働軸が抜けている事態を発見しハメていたを思いだしました。

ということは、もしかするとギア噛みなどでそもそもロボ静止状態の待機姿勢になれていないのかもと思いました。

ビンゴでした!

動画のブォンブォン音は、ロボ形態と恐竜形態の相互変形する際の変形音で、商品が届いた際に、輸送中の振動か衝撃で稼働部の噛み合わせに異常があり、変形途中をご認識したままだったようです。

原因を知ってしまうとわかるのですが、この状態が変形途中であるまでは流石に分かるはずもなく、結構な時間悩んでいました。

きっかけは、底面のタイヤをくるくる回したところぎゅーんとギアが回り変形の最後の締めまで動作したところで、先のブォンブォン音が止んだのです。

おや!?と思いリモコンで操作してみるとぎゃおーんと反応がしました。

この事態が分かるまで半日程かかりました。

さてさて、本体側のロボが待機状態になったので、リモコンの操作で動作をするか確認します。

動作確認1
動作確認2
動作確認3

動作するにはするのですが、肝心のマイクでコマンドを設定できません。

途中コマンドが照射されてはいる場面もあるのですが、マイクでの反応と連携が微妙です。

と、取扱説明書をみると、周囲の音が大きいとマイクの音声と誤認しコマンドを照射してしまうような記載があります。

なるほど、マイクは単なる音拾いで何を言っているまでは認識していないのですね。

でも、マイクで音自体も拾えていない位動画がおかしいです。

もう一度、リモコンの腐食部を目視確認します。

マイク線から伸びてチップコンデンサーにまでつながっている配線の途中が剥がれています。

J1シルクの恐らくテストランドがあった箇所が綺麗に剥がれて配線の途中が切れています。

おおお!

マイクが効いていない原因は、この断線ですね。

銅箔の上にのったレジストを剥がし余った線で接続しようと頑張ったのですが、液漏れの腐食であちこち脆くなっており周辺のパターンも簡単に剥がれるようになっています。

なんとか、半田付けできるようにギリギリの箇所で接続できました。

これでどうでしょうか?

動作確認

コマンドの操作ですが、マイクでの音声認識なしに即コマンドを送出できることがほとんどになってしまいました。

本来は、コマンド認識の待機状態にて、マイクに声を出しながらコマンド名の声だしするはずが、恐らくマイク回路の腐食や先のジャンパー接続で、常時コマンドを認識するようにマイクレベルが上がったままになってしまっているようです。

これはこれで操作はできるのですが、取り扱い説明書のような声によるコマンド設定にはなっていません。

ですが、リモコンの腐食基板の状況も考えると、ここまでの修理作業ができる限界のように感じます。腐食基板をこれ以上さわると、致命傷を与えかねないことを懸念すると、本来の操作手順ではありませんが、一連の操作ができる現状のままの方がよいと判断します。

依頼者様にご説明したところ、ここまでの作業で終え返送することで合意できました。

液漏れの腐食の状況を目視した際は、これはもうどうしようもないかもしれないと悲観的になっていたのですが、一連の操作ができるところまで何とか復帰できたのは良かったと思います。

ロボ形態から恐竜形態にまで変形する動作がカッコいいですね。

また、パンチやミサイルがリモコンで飛ぶのもいいですね。

私世代では、一度飛ばしたパンチは直ぐ無くなり、皆おもちゃは手のひらがないとい人が多かったですね。


問題なく動きました! 修理の内容や動作の動画など分かりやすくご連絡いただいたおかげで安心してお任せできました。 治していただき本当にありがとうございます。

~依頼者様のご感想より~

オウム返しするカラスのぬいぐるみ 基板換装

オウム返しをするぬいぐるみです。

各社からいろいろなキャラクターで販売され、本体はどれも同じ筐体がOEM供給されていますね。

今回の依頼は、発声の音声に反応し、上下運動をするが、オウム返しの音声が出ていないということです。

スピーカーか導線の断線かと推測し診断を開始しました。

底面の結束バンドを外すと本体を取れ外せます。今回は、既に依頼者様側でぬいぐるみは脱がされておりましたので、新品の結束バンドははめておきます。

本体は、いつもの見るやつです。

構成もいたってシンプルで、基板に電池ボックスからの導線とスピーカー、マイクにモーターが繋がっています。

モーターは、モータードライバでドライブ制御されており、各チップ抵抗とパスコンがあります。

電源スイッチには、基板裏面に実装されている電解コン用のディスチャージ抵抗がGND側に付いており、さらにポリスイッチも付いています。

ポリスイッチはできれば、電池ボックスの渡り電極間が良かったですが、電池ボックスの電極の仕様で渡り配線に仕込めなかったようです。

既にマイクの音声に反応しているということは判明しているので、ささッとスピーカーのチェックと導線の導通を確認します。

DCで計測してもおおよそ8Ωをさします。ボイスコイルは無事のようです。

スピーカー導線も断線がありません。

( ,,`・ω・´)ンンン?

予想が外れましてね。

では、オシロでスピーカーの出力をモニターします。

COBパッケージから直で両端子ともドライブされているのでBTL構成のようです。

オシロで反応させた際の挙動をみると、通常時は若干の揺らぎがありますが、マイクの反応があるとGNDに綺麗にピタッと貼り付きます。

何か反応はしておりますが、出力信号らしきものはありません。

IC内部の音声ドライバーは反応していそうですが、まとも出力できていません。

単純なワイヤーボンディングの断線ではなく、どうもICのIOセルの故障のようです。

多分IOセル内のプルアップかプルダウンの制御が故障していそうです。

ここまでの解析で基板上COB内のIC故障(IOセル)と結論付けました。

さてさて、ものまねぬいぐるみは、前述のとおりいろいろな代物が、たくさん市場に出ています。

Aliexpressでもハムスターやサメなど、OEM供給された本体に多種多様のぬいぐるみを被せて販売されています。

しかも、激安です。

数百円でぬいぐるみも購入できます。

また、実装された基板のみも販売されており、これも数百円です。

もう、ぬいぐるみも基板も同じような値段帯で売っています。

この手の機能であれば、大好きな8pinの1チップマイコンと低容量のフラッシュメモリか容量の大きいFlashを積んだマイコンで、周辺回路にADCとPWMがあれば、同じものを作れてしまいます。音質も8pinの256諧調でもいいです。

マイクで拾った音声をADでサンプリングしPWMで再生できるように変換しフラッシュに書き込み、おおよそ数秒後にサンプリング周期を速めにしてPWMで音声を再生させてあげればいいです。音質を求めないのであれば、これでOK牧場です。

ですが、換装できる基板が数百円であれば、もろもろの機能を実装した基板を作成するより、コストがずっーっと抑えることができます。

左が以前に購入したオウム返し基板です。送料込みでも200円程です。

基板サイズもネジ穴の位置も同じ規格サイズで、ほぼポン付けで換装できます。

ほらぴったりです。

その他にギアボックスのモーターのピニオンギアも割れていましたので交換します。

結束バンドで底面を留めて修理完了です。

カラスにお名前も付いており、今回無事に修理もできましたので、楽しんでもらえればいいですね。


このたびはすぐに治療していただきありがとうございます。

親切に動画まで送っていただきありがとうございます。

元気に治って妻とともに喜んでます。

2人と1羽で車で出かけてました。あっちこっちに一緒に行っていたので思い入れがありました。

無事に退院できたのもDr瀧下さんのおかげです。

感謝しております。ありがとうございました🙇‍♂️

~依頼者様のご感想より~

シーシーピー JEEPラングラー 電極拭き修理

地域のおもちゃ病院で診断した事例の紹介です。

CCPの水陸両用のJeepラジコンです。

ある時から、ペアリングできなくなったそうです。

ペアリングの仕方は送信機裏の電池ボックスの蓋に記載があります。

その手順で操作すると、ラジコン本体側の待機状態になりません。

送信機から電波が送信されていないというのではなく、そもそも起動すらできていない事態です。

なので、送信機か受信機かの切り分けはする必要もなく、真っ先にラジコン本体側を疑います。

診察日の当日は、会場の開催時間の関係で詳しく調べることができませんでした。

というのも、このラジコン水陸両用タイプで、本体内部の電源スイッチや基板を覗くには、完全に分解しないと本体の蓋さえも外せないという代物でした。

持ち帰り分解しようと、ひとまず電源の再チェックをと考え、基板端で確認できないのであればと、電池ボックスの電極の端と端にテスターのプローブを挟み電圧を測ります。

単三乾電池6本 = 9.0V 入るのですが、3.0V程度しか上がっていません。

電極も目視上腐食も汚れも何もありません。

そこで、試しにアルコールで電極を綺麗に拭き上げてみます。

動きました。

∵ アレ

でも、何か不安定です。

今度は、乾電池の電極を接点復活剤で拭き上げてみます。

完全に復活しました。

原因は何だったのだろう…

目に見えない何かが付着していたのだろうか…

もう今となっては分かりません。

依頼者の方にお聞きしたのですが、水中での使用もなく、ジュースなどを溢したこともないそうです。

今後の教訓として、目に見えなくても電極はアルコールで拭き上げてみようと思います。


たのしくおしゃべりばいきんまん 電源スイッチと電極修理

セガトイズのたのしくおしゃべりばいきんまんの修理依頼がありました。

ぬいぐるみのお腹に入っている発声モジュールがあり、ボタンを押し度に7種の発声パターンを順に再生するという仕様です。

発声するときもあれば不安定ということです。

不安定ということであればプッシュスイッチの接触不良かもという推測で診断しました。

故障症状

まず、届いた時点、1,2回は途切れ途切れで少し発声しましたが、すぐにウンスンになりました。その後、どうやっても発声することはありませんでした。

電源スイッチが見えるので、早速電源から確認します。

基板端で無事電圧が上がっていますが、電源スイッチのON側に接触不良があります。

不安定動作の要因のひとつですね。

このスイッチは、どこかで見たことあります。

そうです。

アンパンマンのおしゃべりいっぱいことばずかんのタッチペンでも使われている、接触不良がとても起きやすいスイッチです。

ただ、ノブが8mmのタイプなので、手持ちスイッチでは交換できません。

接点復活剤を吹いてみたのですが、完全な接触不良のようで改善しません。

そこで、3極タイプのスイッチなのでOFF側をON側を逆付けしてこの場を凌ぐことにしました。

とりあえず一旦ON側のみ付けて動作確認をします。

5極の半田付けスイッチなので、ここで半田付けしてしまうと、やり直しが大変なので、ひとまずON側のみとします。

電源スイッチの導通はひとまず回復したのですが、ウンスン状態は改善しません。

( ,,`・ω・´)ンンン?

なんでだ?

そこで、ピンセットで電源スイッチのON側を短絡させ、ボタンを押してみると無事発声します。

まだ電源スイッチに接触不良があるの?

確認のためにON端子間を半田付けで完全に短絡接続させました。

これでも回復しません。

なんと!

電源スイッチは主因ではなかったー!

いろいろ調べます。

調べます。

見つかりません。

焦ります。

ここではじめに戻り再度、基板端での電源をチェックします。

あれ!?

オ・カ・シ・イ

電源が上がっていない。

先にチェックしたときは、無事電圧が上がっていたはず。

そこで、外部電源で動作確認をします。

無事発声します。

しかも、快調です。

動作不安定なんてありません。

電池ボックスを再チェックします。

電極の接触不良が起きていました。

ですが、完全が接触不良でなく、若干の応力で接触したりしなかったりです。

で、この応力が、ボタンを押した際に顕著に出ます。

そうなのです。

押しボタンを押すと、この接触がズレて付いたり離れたりします。

基板端の電極で電圧をチェックすると、テスターのプローブを基板に押し当てるだけで、接触が回復します。プローブを離すと接触が切れます。

ギリギリカツカツだったのですね。

こりゃー見つからんわーね。

曲がって電極を矯正して戻したところ、無事快調に動作するようになりました。

動作確認

問題ありませんね。

これにて修理完了です。


ネットで検索し助けていだきましたが大変ありがとうございます🙇‍♀️

子供が喜んでくれてます。

~依頼者様のご感想より~

くすぐりエルモ ピニオンギア 起動スイッチ不良

くすぐりエルモの修理依頼がありました。

受け付けまで既に半年以上お待ちいただいておりました。

お住まいの地域のおもちゃ病院に診断をお願いし修理不可として返却されたそうです。

諦めきれずということで依頼がありましたが、受け付け、待機患者多数で通常受け付けも既に閉じておりましたので、しばらく待機の上で半年以上お待ちいただき着手できました。

なお、2024年2月現在でも通常受け付けはしておりませんので、ご注意をください。

くすぐりエルモは、筐体が2種類あり、黄色い枠の色が白色の筐体がマイナーチェンジ前の筐体です。

白筐体のエルモは、持病とも言える経年でモーターのピニオンギアが割れて滑ってしまいます。

されに、このピニオンギアも腰曲げ用のピニオンギアが特殊ギアで一旦の市場では入手できません。

以前、CADで設計し3Dプリンターで発注の見積もりを取ったのですが、1個あたり1000円程してしまう事態でした。※ほぼ送料です。

如何ともし難い事態に、所属の日本おもちゃ病院協会にて3Dプリンター仕上げのギアを入手できるようになり、今までも数々のエルモを修理してきました。

さて、今回のエルモの症状を診断しましょう。まずは動作確認です。

電池ボックスに酷い液漏れがありますね。

これもエルモで多い症状です。

でも、んんん🤔

確か修理不可で返却されたはずなのに液漏れの対処がなされていないぞ!

いい加減な診断をしたのかもしれませんぞ。。。

だめだ、こりゃ。

何も液漏れの掃除をしていません。残念なおもちゃ病院にあたってしまったのでしょうね。

残念でしかたありませんが、液漏れは固着した粉を取り除き電極の表面を綺麗にし導通と抵抗値を確認しながら作業します。

ただ、診断を先にしたいので、外部電源でひとまずは起動テストをします。

液漏れは、4本が収納できる電池ボックス側のみでしたので、そちらのみ6.0Vを給電して起動してみます。

起動テスト

おおお!

起動しましたが、明らかに腰曲げで腰曲げの角度を位置センサーが検知できるずにハングアップしていますね。

ピニオンギア割れの典型的な動作です。

ほぼほぼピニオンギア割れですね。

ただ、顎とお腹の起動スイッチでは起動しないことも判明していたので、それらお含めて診断を進めましょう。

まずは、以後は電池ボックスで動作確認をするので液漏れの対象しましょう。

負極のバネを外してこびり付いた粉を除去します。

腐食のためバネ抑えが折れていますので、研摩して半田付けして固定します。

ですが、半田付けによって負極バネの高さが高くなってしまい、単三乾電池の出し入れがきつくなります。

この負極のバネですが、とても応力が強力で電池ボックスが破損していたこともありますので、バネ1.5周分をカットしておきます。

このレベルの液漏れをここまで綺麗にします。

もちろんですが、作業途中でちゃんと抵抗値を計測しながら作業をします。

黒変した箇所はルーターのワイヤーブラシで研摩します。

電池ボックスに組み込み乾電池を挿入し電圧が正確に上がっているかもちゃんと確認します。

問題ありませんね。新品のアルカリ乾電池なので、多少高くは出ています。

これでやっと乾電池での動作確認ができるようになりました。

スタートラインに立った感じです。

では、エルモを開封します。

ここで何や発見です。

足裏が、本来であれば結束バンドで留めてあるのですが、黄色いナイロン製の糸で結んであります。

前任のおもちゃ病院では電池ボックスの結線は確認したのでしょうね。ただ、液漏れの対象を何かもしていないのに内部を診てもしかたないです。

背中の縫い合わせに沿って開きますが、既に開かれていたようでスルスルスルーっと開けました。

顎の起動スイッチが効かないのは断線が原因ですね。

後はササーっと分解してピニオンギアを確認します。

やはり、腰曲げ用のピニオンギアは割れて滑っておりました。

そうすると、腕振り側も恐らく割れていますね。

先の動作確認では腕振りはできていましたが、完全に滑っていなかったのかもしれません。

腕振り側のピニオンギアも割れていますね。

どちらのピニオンギアも交換してしまいます。

が!

3Dプリンター製のピニオンギアは、ジュラコン製のギアと違い弾性がありません。

軸の口径が狭いので強引に挿入すると折角のギアが割れてしまいます。

当医院では、垂直にモーターの軸を熱して圧入します。

ここで肝心ななのは垂直で挿入しないと回転ムラが生じてしまいますので、治具などを用意して圧入します。

モーターの外形の径と同じ筒を厚紙で作成して横からコテ先を軸にあてれるようにすれば大丈夫です。この原理は、アンパンマンのわくわくクレーンゲームのギアの圧入時にも使えます。

で、次に肝心なのは、ギアボックス内のクリアランスです。

圧入位置が浅いとピニオンギアがギアボックスの壁に干渉してしまいます。

位置確認のため、軸にマジックペンで目印のラインを記入しておきます。

成功するとこんな感じになります。

まだあります。

コテで熱して圧入しても緩む懸念もありますので、最後にエポキシ接着剤で根本を固定もしておきます。

電池で軽く回転させピニオンギアの回転ムラがないか確認します。

腕振り側のピニオンギアは、ジュラコン製なので、これはそのまま圧入して大丈夫です。

こちらもギアボックスの干渉位置に注意します。

ですが、上の画像からもハッキリ分かりますが、ギアの噛み合わせを面一にしてもモーターの軸が短すぎますね。ピニオンギアの半分しか刺さっておりません。

さてさて、ここまででピニオンギア割れの処置は完了となります。

次に顎のスイッチとお腹のスイッチを修理します。

オレンジ色の導線は再接続しますが、この作業中に方々の他の導線が取れてしまいます。

もうイヤになるほど取れまくります。

根気よく補修作業をしましょう。

さて、お腹の起動スイッチを調べます。

導電極の表面はサンドペーパーで磨いておきます。

ですが、まだ接触不良が解消しません。

いろいろ調べてみると基板の湾曲してしまいボタンの接点が基板のパターンに届いていません。

しかたないので、ネジ止めしてあるネジの台座を削り幾分前に基板がでるようにします。

この原因が判明するまで、とてもたいへんでした。断線もなく基板間で導通も問題ないのだが、筐体に装着すると接点が接触しません。

シリコンのボタンを直接押すと導通しますが、筐体にネジ止めすると導通しません。

よし!

作業中あちこちの導線が取れたりたいへんでしたが、やっと起動確認できるまできました。

どうでしょうか?

途中の動作確認

お腹も起動スイッチも効きましたね。

ここまで確認できればおおよそ大丈夫ですね。

外した綿を頭に入れて縫い合わせます。

最終動作確認

問題ありませんね。

お目目の黒の一部が擦れているのでマジックペンで塗っておき修理完了です。

お孫様が大好きとのことなので、エルモを楽しい思い出を作ってください。


エルモ到着しました。

とっても元気です😄 エルモと一緒に大笑いしています。

止まってしまったエルモがいつかまた動く日がこないかと、ずっと思っていました。

ボランティア修理ということで半信半疑で依頼しましたが、受付の仕方やメールのやり取りから、本当におもちゃが好きで元通りにしたいと思ってくれる人がいるのだと感動しました。

本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~