ソニーカードリピーターCP-55A

久しぶりの依頼でしたが、CP-55Aの修理依頼がありました。

CP-55Aは、長尺のカードのリピート再生にも対応している機種となります。

およそ30年前に使用していたとのことでした。

自動でスリットに差し込んだカードを引き込み再生しないそうです。

手でスライドさせると、おかしいなりに音がスピーカーからはしているとのことなので電子回路系の致命的な故障はなさそうです。

では、診断しましょう。

早速ですが、プーリーのベルトが無くなっています。

ゴムローラーも表面が固化しはじめていますね。

ありゃりゃりゃりゃ、ゴムベルトが切れてモーターに巻き付いています。

溶けて切れたわけではなかったので除去が簡単でした。

磁気ヘッドのコアには、カードの磁気テープとの密着摩耗がありますが、綺麗でまだまだ使えるレベルです。

ゴム系の劣化部品は、新品に交換します。

その他の機構部も分解しメンテナンスをしておきます。

ゴムローラーも新品にします。

さて、CP-55/CP-55Aの持病ともいうべき、ACカップリングコンデンサーの容量抜けがあります。

過去の修理実績では、約1割~2割で容量抜けによる再生音の低下がありました。

そのため、CP-55/CP-55Aの依頼のあった方には、今後の予防措置的にコンデンサーの交換のご希望をお聞きしており今回も交換をすることになりました。

では、再生確認をします。

動作確認

バッチリですね!

特に、依頼者様が同封されたカードの状態がほぼ新品なので、全音域が明瞭に聞こえます。

以上で、修理完了となります。


30年前に私が使っていたものですが、今娘が夢中でカードを通して遊んでいます。とても嬉しいです。

メールのやりとりもとてもスムーズで、瀧下様に修理をお願いしてよかったです。

どうもありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A 2台修理

CP-55A 2台の修理依頼がありました。

およそ30年前に英語の教材用に購入され、2年目頃から不具合が出始めたそうです。

その後、購入先に相談したが修理受付も終了しており、そのまま保管されたおられたようです。

今回、当医院の修理実績から修理の依頼がありました。

では、診断しましょう。

① CP-55A

本体もきれいな状態ですね。

まずは、不具合の主因は、プーリーグリスの劣化で駆動不良が起きていました。

まぁ、他のプレーヤーでも同様ですが、ほぼ持病のようなものですね。

また、ゴムベルトも曲がり癖も付いて伸び伸びです。

ゴムローラーも表面の固化が出始めており、ピンチローラーの押し圧で表面に凹みができています。

ゴム部品は、一式新品に交換します。

劣化したグリスは綺麗に洗浄してシリコングリスを塗布しておきます。

その他、各所もメンテナンスをしっかりしておきます。

磁気ヘッドも使用頻度程度の摩耗がありますが、まだまだ十分使えるレベルです。

CP-55の持病であるACカップリングコンデンサーの容量抜けで再生音が小さくなる現象も予防のため丸ごと交換しておきます。

ゴムローラーは、当医院オリジナルの開発部品となります。

ゴムローラーを交換しておりますのでアジマス調整をします。

カード再生速度調整用のカードで速度をチェックし速度調整をします。

動作確認

CP-55Aは、長尺カードの録再生ができる機種になります。

動作も問題ありませんね。

これにて①のCP-55Aは修理完了です。


② CP-55A

①同様にゴム系部品の劣化がありました。

駆動不良は、やはりプーリーグリス劣化固化でした。

また、電池ボックスに液漏れの形跡があります。

負極のバネに腐食が広がっているので、外して研磨します。

研磨後は、ちゃんと抵抗値を計測しておきます。

粉もきれいにお掃除しておきます。

各所のメンテナンスを実施しておきます。

ピンチローラーの当たり位置も調整します。

このピンチローラーの当たり調整をしないとカードが逆上がりしたり跳ね上がったり、最悪カードが浮き上がり再生音がしなくなります。

②番機もACカップリングコンデンサーを総交換します。

アジマス調整もして動作確認をしたのですが、②番機に予期しない動作不良がおきました。

突発的にカード再生速度が遅くなります。

動作不良

動作確認で使用しているACアダプターの電流容量が300mAです。

カードプレーヤーの消費電力からは十分として今まで各機種の動作確認で使用してきました。

ですが、この②番機では、突発的に消費電力が大きくなっているようで、電源LEDが消えるくらいになり、カードの再生速度が遅くなるタイミングと同期しています。

乾電池での動作確認や、他のACアダプターでは発現しないところをみると、一番電流を消費するモーターに何やら起きていそうです。

モーターの速度調整時にも、なかなかうまく調整できなかったのですが、前述の液漏れもあり、モーター内部に何か腐食が広がっていたのかもしれません。

そこで、接点復活剤で調整用の可変抵抗含めメンテナンスをしたところ、カードの再生速度低下は無事なくなりました。

動作確認

無事動作するようになりましたね。

これにて②のCP-55Aも修理完了です。

ところで、②番機の再生品質がかなり良好です。

新品のような再生品質でした。

30年来に復活したCP-55Aが、これからも活躍してくると思います。


このたびは、誠にありがとうございました。

引き受けてくださる回答と修理の速さにビックリしました。

さらにいつぶりでしょう。

30年ぶりのスマートな紙送りと音の美しさに感激しました。

的確な修理箇所の指摘と手早い修理方法の提示にあっぱれです。

誠に気持ちの良い仕事ぶりです。

ありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000/CP-1100修理

CP-1000とCP-1100 2台の修理依頼がありました。

どちらもカードを自動で引き込み再生できないそうです。

CP-1000

外装は綺麗ですね!

プーリー軸のグリスが劣化して接着剤のように強固に粘着していました。

CP-1000の持病のような症状ですね。

また、ゴムベルトも伸びておりました。

カードを直に接してスライド駆動するゴムローラーの表面もツルツルになりかけています。

ゴム系部品は一式交換します。

磁気ヘッドのコアの摩耗もありますが、無事カードのテープから磁気を拾え電子回路で増幅もでき音出しできました。

では、その他のメンテナンス作業も一式実施します。

ゴムローラーを交換していますので、ヘッドのあたりを調整します。

アジマスは、再調整ほぼなしで大丈夫でした。

筐体自体まだまだ綺麗、今後のまだまだ活躍をしてくれると思います。

動作確認

因みに、奥の猫のフィギュアは大人気です。


CP-1100

こちらもお馴染みのCP-1100です。

個人的にですが、ソニー製のカードプレーヤーでCP-1100が一番好きです。

おっやー!

平の輪ゴムが使われています。

輪ゴムに使われている天然ゴムですが、プラスチックを浸食します。

今回は致命的ではありませんでしたが、プーリーの溝が溶けかけています。

カードの駆動不良もこの輪ゴムが滑っていたためでした。

またゴムローラーも完全に固化しカッチコチでツルツルです。

カードの挿入を検知する検知スイッチも分解し、火花のバチバチで焦げている接点を磨いておきます。

スイッチの反応と抵抗値を確認します。

さて、完全に分解し隅々までメンテナンスします。

駆動系も一式分解し綺麗にメンテナンスします。

磁気ヘッドのコアも摩耗がありますが、まだまだ使えるレベルです。

無事音出しもできました。

隅々まで綺麗にメンテナンスできたところで組み立てします。

ゴムローラーを装着しネジ留め類も塗布します。

スピーカーのボロボロのスポンジ類も除去し厚手の両面テープで固定します。

動作確認

無事、修理できました。

CP-1100は、回路もシンプルで電子回路の故障も少ないです。


以上、2台の修理完了です。

いづれも無事修理できこれからも末永く活躍してくれると思います。


DWE 旧式アナログプレイメイト 修理断念

DWE 旧型式のアナログプレイメイトの修理依頼がありました。

ですが、今回は修理費用が高額になりそうという見通しのため修理を断念したという案件の紹介記事となります。

故障の症状としては、カードを引き込み自動再生しないという症状ですが、この旧型式のDWE製のアナログプレイメイトでは、ほぼ確実にゴムベルトが溶解しています。

経年劣化で溶けて切れてしまうんですよね。

しかも溶けて方々にはじけ飛ぶので、筐体内のあちらこちらに溶けたゴムが粘着しています。

カードを磁気に駆動するゴムローラーも経年劣化で表面が固化して摩擦が低下します。

当医院では、このゴム系部品は交換部品を用意していますので交換できますが、今回は電子回路にも故障があり修理を断念しました。

さて、ゴム系部品の劣化は分解し目視でも確認はできます。

次に電子回路の故障の有無は、実際にカードの磁気を拾い音声を増幅し再生できるか確認します。

届いた当初ですが、前述のとおりカード駆動系のゴム部品が一式ダメになっているので、カードを手で押しながらスライドさせました。

これで一応は再生音はめちゃくちゃでも何かしらの音は確認できます。

ですが、初回、動作モードがマイク録音モードになっているのを知らずに録音動作をさせてしまいました。

しまった!と思い、早速、生徒モードで再生すると、何かしらの音はスピーカーから出てきました。

おおお!電子回路には問題はなさそうかなと思い、次に生徒+先生モードで再生すると、先の初回録音したぐにゃぐにゃな音声も一緒に再生されました。

録音機能にも問題はなさそうだと、高を括っていたのですが、この直後から一切なにも再生できなくなりました。

やれやれとどっと汗が出てきました。

電子回路の基板を磁気ヘッドから離しINから音声信号を印加して信号の伝搬を探ります。

カップリングコンデンサーなどの経路を調べ電解コンデンサーの容量抜けもチェックしつつ故障箇所を調べると、プリアンプのLA3220のオペアンプが故障しています。

印加信号が増幅されていません。

というか、ノイズが混ざり酷い状態です。時間が経過するとノイズの状況も変わったりするので、非常に不安定な動作です。

後段のパワーアンプは問題ありませんでした。

前述の診断作業中の症状を考えると電源の印加でIC内の故障を誘発したと思われます。

動作モードをいろいろ切り替えてもうんともすんともです。

交換用のLA3220の用意もあるのですが、工数を考えると修理作業料が高額になります。

この点を依頼者と相談しました。

ちょうど、代替えの同じ機種がありましたので、代わりにお譲りするということで今回の案件は一旦のクローズし、後学のため宿題となりました。


ソニーリピートカードプレーヤー CP-33 磁気ヘッド粘着ゴム剥離研磨修理

CP-33の修理依頼がありました。

カードを挿入しても自動で引き込み再生しないということです。

カードプレーヤー全般に共通しますが、ソニー製やDWE製、学研など、当時この点の商品を開発販売していた商品では、全てにおいてゴム部品が使用されております。

恐らく、1990年代でしょうかね。

製造から既に30年近い年月が経過しておりますので、特にゴム部品については、素材の性質から加水分解でボロボロになります。

これは、ゴムという素材を選択した時点で既に逃れることのできない持病となります。

加水分解するしないは程度の差こそあれ逃れることはできません。

ですが、CP-33については、設計思想も手伝って、溶けたゴムが他の故障を誘発します。

では診断をします。

ゴムローラーがボロボロになっていますね。

これは、素材の性質上、仕方ありません。

ですが、この加水分解したゴムローラーが磁気ヘッドに密着し磁気ヘッドにも影響します。

磁気ヘッドのコア部が接していた跡がありますね。

ご覧のとおりなのですが、溶けたゴム成分が単に粘着していれば剥がせるかもと思いますよね。

残念ですが、そうはなりません。

IPAなどで拭き取ってもヘッドのコアが破損しています。

アモルファス合金が脆くもボロボロです。

もちろんですが、このままでの状態では、磁気テープに記録された磁気をまともに読み取ることができないのでカード再生も、もちろんですができません。

本来であれば、ここで修理不可能と判断をします。

往年のテープデッキであれば、このような故障であれば音質に大きく関係しますので、まともな音質で再生できません。というか、再生自体してはいけません。記録媒体のテープを壊します。

ですが、本機種のカードプレーヤーは、主に語学勉強など向けの機種なので、オーディオ並みの音質をそこまで求める必要もないかもしれません。

そこで、当医院ではこの磁気ヘッドを研磨し何とか記録された音だけでも再生できないか挑戦します。

駆動モジュールに磁気ヘッドを再セットし、アジマスを再調整後に研磨します。

ちょうどカード上のテープと同じ当たりがでるように研磨します。

当医院では、このような対応で元々の音質にはなりませんが、音だけでも再生できるようにします。

※もちろんですが、当医院は、ただのおもちゃ病院ですので、この手のオーディオ専門の修理業者のような品質まで回復はできません。完全を期すのであれば、8トラ用の新品のモノラル磁気ヘッドをプレーヤーのモジュールに交換するのでしょうが、点付けのスポット溶接なので、一気にハードルが上がります。

さてさて、脱線しましたが、音質についてはこのように出来高で修理とさせていただきました。

その他の故障としては、電池ボックスの負極に錆が上がっておりましたので、ルーターで研磨してさび取りおきます。

ではでは、ゴム系部品を一式交換して、アジマス再調整、カード再生速度も調整し修理完了となります。

ゴムベルトも溶けかけておりのびのびです。

溶解してはおらず、後始末が楽でした。

ゴムローラーも交換します。

やはり、特に高音域において籠ったような音質の劣化が残りました。

動作確認

筐体もほぼ無傷の新品の状態でしたので、また活躍できるまで修復できました。


カードプレーヤー2台の修理

ソニー製トーキンカードプレーヤーCP-1000と全研製のワールドトレインカードプレーヤーという商品の修理依頼がありました。

ソニー製のカードプレーヤーは、当医院得意としているのですが、全研製のワールドトレインカードプレーヤーは、初めてお目にかかる商品です。

では、まずCP-1000から診断しましょう。

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000

お馴染みの商品なので、もう目をつぶっても修理作業できます。

嘘です。

目をつぶっては修理はできません。

カード自動で引き込み再生してくれないそうです。

手でカードを押してあげると音はスピーカーからしているそうです。

ゴム系部品の経年劣化で滑っていそうですね。

と、思いきや電池ボックスの負極に液漏れの粉が付いていますね。

致命的ではないので、サクッとルーターのブラシで研磨しておきます。

やはり、ゴムベルトが伸びてでろでろに溶けています。

このゴムって溶けるんですよね。

市販のオーディオ向け交換用のゴムも恐らく同じ素材なので、交換してもいづれ溶けちゃいそうです。

因みに、当院では素材の違うゴムベルトを使用しているので、溶けるという事態は起こりませんので、ご安心ください。

磁気ヘッドは、経年での摩耗はありますが、コア部も残っており、まだまだ使えます。

ゴムローラーを交換するので、最終段階でアジマスを調整します。

カードを引き込めなくなっていた主因は、先のゴムベルトが伸びていたためですが、カードを直に引き込み駆動する、このゴムローラーも表面の劣化が出てきています。

今回折角修理を実施するので、ゴム系部品は一式交換します。

各可動部も分解し劣化したグリスを洗浄し再塗布します。

磁気ヘッドのアジマス、カード再生速度も調整し修理完了です。

動作確認

全研 ワールドトレインカードプレーヤー NP-0167

チャオチャオっていうんですね。

スリットにカードを通して再生するという機能は各社共通ですが、この機種は、前面に3つの押しボタンがあります。

左から、録音機能、生徒モード&カード戻し、先生モード&カード戻しです。

そうです。アナログプレイメイトと同じカードの位置戻し機能が付いています。

元々カードに記録された音声は、先生音声で先生モードで再生できます。

磁気ヘッドが上下に位置をずらし磁気テープのトラックを切り替えます。

録音は、録音ボタンを押しながらRepeat after meのように録音し生徒モード聞くことができます。

今回は、録音機能の動作確認は不要ということでしたので、録音動作の確認はしていないのですが、恐らくですが録音ボタンを押下すると、自動で生徒モードになり生徒モードのトラックに録音します。その際、先生モードの記録音声も再生しながらとなると思います。

アナログプレイメイトと同じですね。

さて、ワールドトレインカードプレーヤーもカードを手で押してあげると音声が再生できるが、自動で引き込み再生はしてくれないそうです。

では、診断しましょう。

黄色矢印のゴムローラーが再生時の駆動用のゴムローラーです。赤矢印のゴムローラーは、カードの位置戻しのゴムローラーです。

分解して少し驚いたのですが、全研の本商品のパーツが、ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000と同じ部品なのです。

メーカーは違えども部品供給している業者さんは同じだったのです。

当医院は、ソニー製のカードプレーヤーの修理を得意としておりますが、他社の場合、補修部品の持ちがなく修理不可能になる場合も多いです。

幸いにワールドトレインカードプレーヤーのゴムローラーはCP-1000の部品を流用できました。

磁気ヘッドも摩耗がありますが、まだまだ使えるレベルです。

ゴムローラーを外すと、、、

ほら、そっくり。

ゴムベルトのプーリーも全く同じ部品でした。

ここまで同じ部品なら、磁気カードも互換性があるかもと思いますが、互換性はありませんでした。残念。ー_-;

故障の原因は、プーリーゴムが伸び切っていたためでしたので、ゴムベルトを交換しますが、各所機構部もグリスアップなどメンテナンスしておきます。

まずは、各所のメンテナンスを実施しましたが、やむなく見送る修理もありました。

カードを元の位置の戻す機能は修理不可能でした。

この小っちゃいゴムベルトの替えがありません。伸びて滑っています。

伸びて滑るとホイール軸の逆回しで滑りできません。

動作確認

生徒モードもしくは先生モードボタンを押しても滑ってカードが戻らず、手でちょんちょんしてあげると、がんばってもどるような感じです。

依頼者様と相談しカードの位置戻し機能は使用せずにカードを抜き取りさしなおすようにお願いしました。

ひとまず、カードを再生できるという機能は無事復活できました。


幸いに電子回路的が故障もなく、消耗品も劣化故障でした。

まだまだ活躍できる商品なので、今後もたくさん遊んでもらえればと思います。


丁寧に細かい連絡をいただき感謝しています。

この度は修理本当にありがとうございました。

プレーヤーが使えるようになり嬉しく子どもと懐かしんでいます。

~依頼者のご確認より~

ソニーカードリピーターCP-55 基板交換

カードの再生音が小さいということで修理の依頼がありました。

CP-55の場合、再生音が小さくなる原因は電子回路起因である場合が多いです。

届いた状態での再生確認でも、音量MAXでもほぼ聞こえないです。

まぁ、それ以外というケースもあるのですが、アジマスが狂っていたり、ゴムローラーが摩耗し磁気ヘッドのコアに磁気テープが当たらなくなっていたりもありました。

他の機種では、落下の衝撃でホイール軸の支えるフランジが曲がりこれも磁気ヘッドのコアに磁気テープが正常にあたらないとうなどいろいろあります。

さて、診断しましょう。

CP-55では珍しい底面のゴム栓が片方なくなっていますね。

これがなくなるとグラグラしちゃいますので、両側とも新品の栓に交換します。

再生音が小さいという現象以外の報告はなかったのですが、ゴム系部品の状況から、恐らくすっごくゆっくりですが、カードはスライドしていたように推測されます。

手で押してあげると再生音がスピーカーから出力はされますが、何を言っているかめちゃくちゃだと思いますが、如何せん電子回路の故障で再生音自体が小さいという状況だっかかと思います。

ゴム系部品の状況も、ゴムベルトが伸びており、ゴムローラーの表面の摩耗でツルツルし出していますので、まとめて新品に交換します。

磁気ヘッドのコアも経年程度の摩耗はありますが、問題ないレベルですが、電子回路側の修理を実施してアジマス調整を行います。

さて、ここまでは、CP-55でもよくある故障内容なので、サクサクと作業します。

機構部はすべて分解し洗浄清掃します。

やはり、ゴムローラーは新品がいいですね。

では、再生音が小さい原因を対処します。

再生音が小さくなる原因は、アンプ回路内のACカップリングコンデンサーというアルミ電解コンデンサーという部品の劣化にあります。

経年で容量が低下し伝達できるAC特性が変化するためです。

いわゆる、アルミ電解コンデンサは、消耗部品という言われる所以です。

回路内のACカップリングコンデンサーを一式交換します。

さて、ここで再生音を確認します。

ゴム系部品も一式交換しておりますので、アジマスを調整します。

最適位置でネジロックを塗布し固定しておきます。

では、状況はどうでしょうか!?

再生音確認

無事、カード再生音が復活しましたね。

ですが、リピート再生時の音量が低下しています。(´・_・`)

カード再生時は問題ないが、その音声を録音し繰り返し再生するとカード再生時よりも音量が低くなります。

カセットテープ世代の方は、もうご存知だと思いますが、エアチェックなどでテープに録音すると多少は原因よりも音質も音量も低下してしまうのは避けられません。

ですが、今回のような音量の低下は、数々のCP-55を拝見しているとやはり有意差のようです。

ですが、残念ながら、当医院の技量ではこの故障原因がはっきりしておりません。

依頼者に状況をお知らせし、現状までの修理がいっぱいいっぱいの旨をお知らせし了承は得られたのですが、何かモヤモヤします。

できれば、この故障の詳細解析をしたいのですが、修理可否も分からないまま、診断を継続すると、解析工数もかさみます。既に、費用も高額になっています。

数時間悩んでいたところ、そういえば、倉庫の棚に部品取り機が数台あったのを思いだしました。CP-55ではありませんが、CP-55Aという機種になりますが、大は小を兼ねるで基板を丸ごと交換して、ひとまずは対処します。

交換した基板は、寄付いただき、今回のリピート再生時だけ音量が低くなる原因解析を継続できます。

一連の次第を報告し了承がえられましたので、基板をCP-55A→CP-55に移植交換します。

CP-55Aの基板なので、長尺カードも対応できるようになりました。

因みにですが、TI社の録音ICを制御するOKI製のマイコンのプログラム、および録音音声を収録するFlashメモリの容量の違いがあります。

ではではどうでしょうか?

動作確認

無事、リピート再生時の音量も正常になりましたね。

長尺のカードも再生でき、一石二鳥!?。

因みに、もちろんですが、交換する基板においても予防措置的にACカップリングコンデンサーは、一式交換しております。

いろいろと故障対応が必要でしたが、できる限りの対処で全機能が復活しました。

また、活躍いただけると思います。


30年以上前に買ったリーピターが蘇り、大変嬉しく思っております。

定年退職後の有り余る時間を利用して、英会話の勉強に勤しみたいと考えております。

孫ができた暁には、子供が使った長尺のお勉強カード💳と一緒に今回、修理していただいたカードリピーターを譲ろうと思っているところです。

瀧下様、本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100の修理依頼がありました。

カードをスリットに差し込むと電源が入りうなりだしはするが、カードを引き込み自動再生しないということです。

40年以上前に購入された商品ですが、是非依頼者様のお子様にもということで修理の依頼がありました。

差し込んだ手で押してあげるとスピーカーから音声はオカシイなり出力はされるそうなので、駆動系のゴム部品の劣化が主因と思われます。

では、早速診断を開始しましょう。

ゴムローラーがカチコチに固化してツルツル滑っていますね。

摩擦がまったくなくなっていますので、カードを引き込みできなくなっています。

ゴムベルトも伸びてしまいプーリーを駆動できなくなっています。

ゴム系の部品は、すべて新品に交換します。

フリマなどで、ゴムベルトのみを交換し平気でメンテナンス修理済みとして販売されている方が居られますが、一番肝心要のゴムローラーも新品に交換しているか確認をしてください。

中古で購入して一時カードが再生できてもすぐまた故障してしまいます。

当医院にも中古で購入し再生不良であったという相談もきておりますので、ご検討の皆さまにおかれましては、ご注意ください。

話を修理に戻します。

磁気ヘッに摩耗はありますが、おおよそ経年使用レベルなので、再生テストで音質を確認します。

ボリュームにガリが出ていますので、新品のボリュームに交換します。

この手のボリュームは、接点復活剤如きでは一瞬回復しますが、翌日にはもう再発してしまうので、新品への交換必須です。

また、ときどきあるのですが、カード再生終了後にカード検知スイッチがOFFになった瞬間、『ピューン』という雑音というか音がします。

耳をスピーカーにそばだてると聞こえます。

過去に基板上の電解コンデンサーの総交換で解消した経験があるので、今回も全交換します。

まぁ、電解コンデンサーは消耗品なので、40年も経過したのなら、ACカップリングコンデンサーも含めパスコンも交換した方が安心です。

カードの検知スイッチも分解し接点の焦げを研磨しておきます。

カードを抜き差しする度にON/OFFを繰り返しますので、火花で接点が黒変します。

ON/OFFの切替時の抵抗を確認します。

その他、機構系も一式分解しメンテナンスします。

やはり、ゴムローラーは新品がいいですね。

カード再生速度を検査カードと測定器で調整し、磁気ヘッドのアジマスの調整し修理完了です。

動作確認

音質も問題ありませんね。

これで、依頼者様のお子様におかれても十分活躍いただけると思います。


この度は,お盆前のお忙しい時期に大変迅速かつ丁寧にご対応いただきまして,ありがとうございました。

約40年前発売の古い製品のため,もう直らないものとあきらめかけておりましたが,瀧下様のおかげで小さい頃に遊んでいたとおりの元の完全な状態に直っており,感動しました。

お盆休みまでに修理いただくことまでは期待していなかったのですが,大変迅速にご対応いただいたおかげで,自分の娘と,お盆休みで実家に帰省してきた姉と甥とで,(私と姉と母は)懐かしみながら,(娘と甥は新鮮に)楽しむことができました。

これからも大切に使わせていただきたいと思います。

ご苦労もおありかと思いますが,瀧下様には,これからも良い物をより長く使うためのこの活動を是非続けていただければと思います。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A ゴム系部品交換

CP-1100の以前修理依頼された方から、実家用にもということでCP-55Aの修理依頼がありました。

CP-1100は、長尺のカード用の製品ですが、この長尺のカードをリピート録音再生できる機種は、限られておりCP-55AもしくはCP-7000のみとなります。

カードで出て押してあげると再生音がスピーカーから出ているそうです。リピート録音も音声がおかしなりに録音はできているとのことで受け付けをさせていただきました。

ではでは状況を確認しましょう。

プーリーグリスが固化し軸に粘着していますね。

接着剤のようにカチコチでびくともしません。

ゴムベルトも劣化で伸びており、ゴムローラーも表面の摩耗で摩擦が低下しております。

ゴム部品は、当医院オリジナル部品で一式交換します。

磁気ヘッドは、コアの摩耗はありますが、致命的な損傷もありませんので、アジマスを調整し最適化しておきます。

ゴムローラーとの当たりを確認しつつ微調整します。

機構部は、一式分解し各所をアルコールで拭き取りきれいにします。

カード再生速度もゴムローラーを交換するので、検査治具で測定し調整します。

また、CP-55特有の再生音とリピート音声が小さくなってしまう持病があります。

今回のまだ発現していませんが、電解コンデンサーは言ってしまえば消耗部品ですので、ACカップリングコンデンサーも予防措置的に一式交換することになりました。

最終動作確認をします。

やはり、ゴム系部品を交換するとアジマスの再調整は必須となりますね。

動作確認

リピート再生も高音域も問題なく明瞭に再生できました。

CP-1100と一緒にCP-55Aも活躍いただけると思います。


今回で2回目の利用になりました。

この度は孫のために、予備用に別の機種を手に入れたものを前回同様に点検、整備していただきました。

こちらの病院は同一機種の修理の実績が豊富にあり、安心してお任せすることが出来ました。

ホームページにある手順に従って依頼すれば、迅速丁寧な対応が保証されます。月曜日の夕方に発送したものが、何と木曜日の夕方には修理が完了して手元に戻ってきました。

おすすめ出来る信頼のおける業者さんです。

~依頼者のご感想より~

ソニーリピートカードプレーヤーCP-33修理

久しぶりですがCP-33の修理依頼がありました。

動作しなくなったということです。CP-33は、ソニー製のカードプレーヤーの中でもゴム部品の経年劣化、特に溶けて周囲に粘着してしまい修理不可能になる場合が多いです。

以下のスタッフブログ『CP-33 修理不可能な事例』でも詳細を紹介しております。

では、早速診断しましょう。

まず、目にするのがゴムローラーの劣化です。

同じ商品群の中でもCP-33は特におおく、次にCP-1000でこの点の劣化が起きます。

他の機種では、硫黄分が抜け固化してカチコチになるのですが、CP-33とCP-1000で使用されているゴムローラーのみでこの現象が起きます。

で、この現象が起きると何か厄介かというと、ゴムローラーに接している磁気ヘッドにゴムが粘着するかヘッドのコアを浸食します。

う”、う”、う”。

┐( ̄へ ̄)┌」

やっぱりね。

ただ、過去の事例からすると今回は軽微です。

何とか表面を拭き上げるか調整をして無事再生できるか確認します。

そのためには、他の機構部を先に修理します。

う”あ”-。┌|◎o◎|┘

ピンチローラーが、ボロボロのゴムローラーにめり込んでいます。

さらにですが、ゴムベルトも溶解してプーリーに粘着しています。

地道に剥がしアルコールで洗浄しながら各部品を綺麗にします。

磁気ヘッドは、コア部をマスキングしてハウジングの黄ばみはルーターのブラシで研磨します。

コア部は、IPAで拭き上げ可能な範囲での粘着した異物は除去し最終の研磨仕上げは、アジマス調整後に当医院オリジナルの研磨治具で研磨します。

過去にこれで無事復活した機種が多くあります。

この状態から研磨治具で研磨します。

研磨治具で研磨した結果は、筐体にセットしたままになるのでお見せできませんが、、、。

電池ボックス負極の恐らく液漏れによる腐食もありましたので、ささっとルーターのブラシで研磨しておきます。

測定用のカードと測定器でアジマスの調整をしつつ最適化します。

ゴムローラーとのクリアランスは、目視ギリギリ接するかしないかの限界で調整します。

新品の状態にまではさすがに戻せはできませんが、他の機種同様の再生品質まで復活できました。

動作確認

問題ありませんね。

カードをたくさんお持ちとのことなので、これはまたたくさん活用できますね!

以上で修理完了です。