ソニーリピートカードプレーヤーCP-33修理

CP-33

ソニーリピートカードプレーヤーCP-33修理

今回のご依頼は、お持ちのCP-33 2台を基に1台を完成させてもらいたいというご希望でした。

CP-33は、こちらのスタッフブログ記事のように溶解してボロボロになってゴムローラーが磁気ヘッドのコアを浸食して修理不可能になることが多いです。

さて、今回の2台の機種の調査から開始しましょう。

2台の機種の状態と調べましたら、2台とも磁気ヘッドは無事だったのですが、①番機は、古い設計のようなゴムローラーの交換ができない設計でありました。

スペーサー

金属製のスペーサーが軸に圧入されており取り外しが困難です。

②番機は、過去の修理履歴が多くモータードライバが交換された形跡がありました。その影響かもしれませんが、ゴムローラーの交換が可能でした。

修理履歴

ということで、ニコイチという修理方針ではなく、②番機をそのまま修理することにしました。

因みに、②番機の方が、シリアル番号も新しく筐体の外装もより綺麗でした。

交換可能ゴムローラー
磁気ヘッド

磁気ヘッドは綺麗ですね。ゴムローラーがボロボロになっていませんので浸食はありません。

左:劣化ゴムローラー、右:新品ゴムローラー

ゴムローラーは、表面が劣化でくすんで汚れていますね。新品に交換してしまいましょう。

②番機のその他の不具合箇所を確認します。

溶解ゴムベルト

CP-33あるあるですが、ゴムベルトが溶解して切れまくっています。

腐食電極

電池ボックスの負極に液漏れによる腐食がありますね。研摩して対処します。

カードで手で押してスライドさせ、音声の増幅を確認します。

スピーカーや電子回路にも不具合は無さそうですね。

ACアダプターでモーターもきちんと回るので、その他の不具合箇所はなさそうですね。

では、修理作業に取り掛かります。

ゴムベルトの除去

溶けたゴムベルトを念入りに除去します。

パーツクリーナーとエタノールが一番綺麗になります。

ふき取るとゴムが広がって、またふき取っての繰り返しです。

また、プーリー軸の古いグリスが固着しており、プーリーがカチコチに固まっています。

CP-33は、プーリーの軸がカシメられており外すことができないのでカシメられた状態で洗浄しプーリーの軸隙間の古いグリスも洗浄します。

洗浄

かなり大変でしたが、溶解したゴムを取り切り洗浄完了しておきます。

電極研磨

錆部分をルーターで研摩し抵抗値を確認しておきます。

ゴムローラー

ゴムローラーも接着固定し修理作業完了です。

動作確認

動作確認も問題ありませんね。修理完了です。


CP-33はデジタル時代にあって、今なお貴重なアナログ学習機器です。

貴病院におかれましては、引き続き入院加療を続けられることを期待致します。

ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ランゲージパル マイクロスイッチ故障修理

ランゲージパル

ランゲージパル マイクロスイッチ故障修理

カードを差し込んでも起動せず、カードも引き込みスライドもせず音声の再生もしないという状況です。何度か差し込みを繰り返すと引き込み再生してくれることもあるので、過去の修理でも経験しているマイクロスイッチの故障と思われます。

届いて直ぐ動作をみましたが、やはりカードを差し込んでも、うんともすんともでした。

では、開封してマイクロスイッチの状況をまずは確認します。

マイクロスイッチ

やはりマイクロスイッチの接触が悪くなっております。

スイッチの導通部分を短絡してあげると無事にカードを引き込み再生をしてくれます。

まずは、マイクロスイッチは故障なので交換をします。

交換マイクロスイッチ

このマイクロスイッチは、分解できないので、接点復活剤ごときでは接点までしみ込むこができないかもしれません。例えできたとしても接点を研磨でもしないかぎり、直ぐまた接触不良が再発します。というか、2,3日で直ぐ接触不良が再発しました。

その他の不具合は無いか確認します。

スポンジ

ランゲージパルあるあるですが、スピーカーを固定するスポンジが劣化でボロボロになります。

本体内部に崩れた粉が散らかっています。

スポンジの粉

飛散した粉やその他のホコリや汚れもまとめて綺麗にお掃除します。

劣化スポンジ除去

ボロボロのスポンジを取り除き隙間用スポンジをサイズカットし張り合わあせておきます。

スポンジ

スポンジは厚さに注意しましょう。

ゴム系部品のゴムベルトもやや伸び気味だったので新品に交換します。

伸びたゴムベルト
交換ゴムベルト

ゴムローラーは、磁気ヘッドと一緒にアルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

部品交換および内部清掃とメンテナンスを終え動作確認をします。

動作確認

先生モードも生徒モードも問題ありませんね。

ボリュームもガリノイズもなく良好です。

今回は、ACアダプターもご希望とのことでしたので、規格仕様に合致するACアダプターもお付けして修理完了です。


スムーズに動いています。

ACアダプターも便利ですね。

おかげさまで孫たちにもランゲージパルを活用して 楽しみながら学んでもらいます。

家内もたいへん喜んでいます。

本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

カードを差し込むと自動でスライドするが、音が全くでないということで修理の依頼がありました。

届いて直ぐ再生確認したのですが、まったく音が出ていません。

ボリュームを増減させてもノイズすら出ていません。スピーカー故障の線が強いのですが、アンプ回路や断線の懸念もあります。では、早速分解して原因を探ります。

まずは、一番懸念されるスピーカーを確認します。

スピーカー

導線を外しインピーダンスを測定します。

インピーダンス測定

DC測定にはなりますが、O.Lのままですね。ボイスコイルの断線のようです。

スピーカー故障以外にも不具合はないか暫定的にスピーカーを交換接続して動作を確認します。

やはり経年のためゴム系部品が劣化しており、辛うじてカードはスライドしますが、スライドのスピードが不安定でしかもプーリーも何かに擦れているようなガサガサノイズが出ています。音量も調整すると、ガリノイズが出ていますので、ボリュームも交換してしまいます。

ゴムベルト

伸びきってゆるゆるになっています。

長年のホコリもいっぱい溜まっています。

交換部品

では、粛々と作業を進めます。

清掃

分解し本体内部の隅々をお掃除します。

カードの挿入を検知する推知ももっさり感があるのでマイクロスイッチの接点を研摩します。

マイクロスイッチの接点

長年ON/OFFを繰り返し、その度にスパークしていますので、接点が黒く焦げてします。

ヤスリで表面を研摩しておきます。

一式掃除

その他の部品類も一式取り外しアルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

交換スピーカー

交換用スピーカーは、筐体にすっぽりと収まらないので、台座を作成してぴったり収めます。

ボリュームも交換

ボリュームも交換します。

ボリュームのガリノイズは、接点復活スプレーぐらいでは、一時的な改善はできますが、数日でノイズが再発しますので、ボリュームの交換が必要です。

修理完了

磁気ヘッドのアジマス確認とカードの再生速度チェックも終え修理完了となります。


もう使えないと、諦めていて捨てようかと思っていたところ、修理を手早く行なっていただき、鮮明な音声にびっくりしました。

懐かしい思い出も蘇ってきて、私たち家族、喜んでおります。

今後は孫の成長と共に使っていきたいと思います。

ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

今回の修理は、経年劣化のゴム部品交換修理以外に磁気ヘッドの研摩を実施した修理のご紹介になります。

修理完了時の動作

かなり古いもので状態も悪かったので半分諦めていたのですが、とっても早くて丁寧なご対応で、修理結果にも大満足でした。

またの機会にはぜひお願いしたいです。

~依頼者の感想より~

ご実家に眠っておられたCP-1100とのことで、久しぶりに稼働させてみたら、カードの引き込み自走せずとのことです。手でカードをスライドさせてみても、何かしら音がスピーカーからはしているが、モゴモゴという感じだとのことです。

ほぼ確実にゴム系部品の経年劣化でカードがスライドできなくなっていそうですね。

ただ、手で押してあげても音は出ているようですが、音量が小さい場合は、磁気ヘッドのアジマスの狂いや増幅回路の故障などもあるので、それらも含めて診断します。

長年のホコリや汚れが目立ちますね。

乾電池の液漏れの形跡もあり電池ボックス負極の腐食と本体内部に染み込んだ粉があります。

バネの腐食

やはり液漏れは負極側が多いですね。

腐食のメカニズムと乾電池の構造上、負極側からの液漏れが起き、漏れた電解液は、電池ボックスの隙間から本体内部に染み込み方々を腐食させます。

液漏れ粉

幸い液漏れの範囲は、限定的だったので粉のお掃除で綺麗にできそうです。

ゴム系部品を確認します。

ゴムローラー

固化してカチコチになっています。表面もツルツルで摩擦が全くなくなっています。

ゴムベルトも伸びきってプーリーを回転できなくなっておりベルトが滑っております。

劣化ゴム系部品

まずは、このゴム系部品を暫定交換してカード再生確認してみます。

交換ゴムローラー

ボリュームを最大値にしてもカードの再生音量が小さいです。

磁気ヘッドか増幅回路なりにも不具合がありますね。

では、故障を切り分けるために磁気ヘッドの信号を取り出し治具で増幅再生してみると、治具でも再生音量が小さいです。

磁気ヘッドでカードの磁気を拾えていないようです。

そこで磁気ヘッドのアセンブリを外し目視確認します。

磁気ヘッド

まぁ、経年での摩耗がある程度予想されましたが、何やら黒い異物が粘着していますね。

異物

これでは磁気を拾えないため、再生音量も小さくなって原因ですね。

今回は、この磁気ヘッドを修理します。

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

ランゲージパル CR-80

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

1991年にお子様に購入された物を、お孫様へということで修理のご依頼がありました。

電池ボックスの電極の腐食は目視で確認できておられるそうですが、まったく動作せずという状態とのことです。

腐食電極
電極

まぁ、この状態では導通が取れないので、まずはこの腐食が故障原因のひとつということで間違いないでしょう。

電源は、外部電源からの供給できるので、その他の故障の有無を確認します。

マイクロスイッチ

以前修理をしたランゲージパルと同じマイクロスイッチがONしても導通しません。一時的に接点復活剤で改善しても、すぐまた導通不良を起こしていますので、マイクロスイッチを交換してしまいます。

マイクロスイッチ交換

この状態でひとまずは動作できるところまで確認します。

ゴムローラーは、表面をアルコールで拭き上げておき、磁気ヘッドをカードの磁気テープのクリアランスも調整をしておきます。

暫定動作確認

その他の致命的な故障は無さそうですね。

では、その他も確認しましょう。

スピーカー固定用のスポンジ

もうボロボロで触れるだけで脆くも崩れます。

新品のスポンジに交換しておきます。

新品のスポンジ

次にゴムベルトを確認しますが、現状でもカードの駆動はできておりました。ですが、1991年から既に32年経過しておりますので、ゴムベルトは新品に交換しておきます。

劣化ゴムベルト
新品ゴムベルト

では、最後に腐食の電極を研摩します。

電極研磨

腐食によってバネの先端が脆くも取れておりますが、残りを研摩して心持ち伸ばしておきます。

さて、今回の修理にて同封いただた動作確認用のカードに保管時に付いた反りがありました。

カード反り

この反りによって磁気ヘッドへの当たり不良が出ておりましたので、歪みを補正しておきます。

今回の依頼内容にACアダプターも必要ということでしたので、市販の規格が合致するプラグと極性のアダプターもお譲りすることになりました。

プラグ規格は、センターマイナスで外形Φ=5.5mm, 内径Φ=2.5mmになります。

恐らく市販されているほとんどのプラグ規格ではないので、流用はもちろんですができないでしょう。今回も誤ってプラグが抜けてしまわないように収縮チューブで固定しておきます。

プラグ固定


30年前に買ったトーキングカードリーダーでしたが、 まだ未開封のカードがたくさんあり、このたび孫に使わせたいと思いました。

しかしやはり機械は動かず、処分するしかないかと、がっかりしていました。

新品か中古で同じような機械がないか探してみましたが見つかりませんでした。

検索するうちにこちらのサイトでまさに同じ機種の機械の修理の動画と記事にたどり着き、 これだ!と思いおねがいすることにしました。

ホームページから依頼をしましたが、 修理依頼する際にいろいろな注意書きや同意書があり、それらを読みこむのはちょっと大変でしたが その後はとてもスムーズにお取り引きできました。

送付のやり取りや修理の工程でも随時丁寧な連絡を下さり、安心しておまかせできました。

料金も部品代+工賃でとてもリーズナブルでした。

返送後、孫がとても気に入って夢中になって遊ぶ姿を見て 修理にだしてほんとに良かったと思いました。

修理をすることで、機械も30年前の思い出もよみがえりました。

お世話になりありがとうございました 。

~依頼者のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55A

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55Aの修理のご依頼がありました。

カードサイズの大きいカードもリピート再生できる機種となります。

CP-55・・・カードサイズが小さいカードしかリピート録音できない

CP-55A・・・大きいサイズのカードもリピート録音再生できる

CP-55でカードサイズの大きいカードを録音再生すると、メモリがオーバフローし先頭アドレスから音声データが上書きされてしまいカードの冒頭が録音できません。

さて、故障の症状は、電源が入らないとのことです。

では、早速診断を開始します。

液漏れ

故障の原因は、すぐ判明しました。

電池ボックスを覗き込むと負極のバネに液漏れの形跡があります。

原因は、これでしょうね。

液漏れ

液漏れした粉と電解液が電極に付着しカッチコチに固まっています。

半田付けされている導線の半田部分にも影響が出ていましたので、負極バネを外して掃除と研摩します。

取り外し

このバネは、接着で固定されているので、外すには少しコツが要ります。

綺麗に掃除と研摩を行い元に戻しておきます。ちゃんと、研摩後の抵抗もチェックしておきます。

研摩
抵抗計測
研摩後

さて、バネの対象は以上で、その他の不具合は無いか確認します。

電源は、無事入るようになりましたが、カードが滑って正常にスライドしません。

ゴムローラーが経年で固化して滑ってしまっています。

ゴム系部品

ゴムベルトも曲がり癖が付いていますので、ゴム系部品は一式交換してしまいます。

新品ゴムローラー

その他のメンテナンスとして、プーリーグリスの交換とフライホイール軸受けが剥がれているので、接着しておきます。

プーリー洗浄
軸受け接着
組み付け完了

組み立てし、カード再生速度をチェックします。

動作は問題なさそうですね。これにて修理完了です。


直していただけるものなのかどうか、少し不安もありましたが 丁寧にそして敏速に直していただき、ありがとうございました。

改めて修理していただいた製品で、子供がカードを通す姿をみて、 大切に使っていこうと思いました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

カードが正常にスライドせずにカードの再生もしないということで修理のご依頼がありました。

症状の動画を提示いただいていたのですが、まったくスライドせずピタッと止まっています。

まぁゴム系部品の劣化以外にもプーリーのグリスの固着もあるようですね。

電池を入れてでカードを差し込んでみます。

カード検知スイッチで検知はし、電源が入りますが、モーターのうなり音はしますが、それ以外はうんともすんともです。

では、開封して確認しましょう。

綺麗

筐体は、ほぼ新品な状態で埃ひとつもないです。

ゴムローラー

ゴム部品のひとつであるゴムローラーも固化劣化もなく摩擦も十分です。交換の必要はありません。

では、次にゴムベルトを確認します。

ゴムベルト

溶けていませんが、伸びきっていますね。

伸びたゴムベルト

とここで、やはりプーリーのグリスの固着でゴムベルトで駆動できなくなっていました。

主因は、このプーリーのグリスの固着ですね。

プーリー

取り外すと、古いグリスが黒く変色して接着剤のように粘着しています。

では、分解し綺麗に洗浄しあたらしいグリスを塗布します。

きれいきれい

洗浄後に組み上げます。

その他のメンテナンスとしては、ボリューム押しボタンの滑りが悪いのでシリコンスプレーを接点吹いておきます。

同時にボリューム切り替えスイッチ内部の接点にも接点復活剤を吹いておきます。

カード再生速度もチェックします。

磁気ヘッドも摩耗もなくヘッドのコア部もほぼ新品のままです。

動作確認

問題なしですね。これにて修理完了です。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

40年程前に購入されたということで、カードの再生音が歪んだりスライド途中で止まったりしているそうです。では、早速診断をします。

開封

筐体は、40年前にしてはかなりきれいな状態で内部もホコリはありますが、綺麗ですね。

さて、故障の原因は、ゴム系部品の経年劣化でした。

ゴムベルト

ゴムベルトが固化し伸びきっていますね。

ゴムベルト

張りが無くなっているのでモーターで力強く駆動できません。

モータープーリー

おや?

この形状は、初めてみるプーリーですね。上下に二つの溝があります。

次に肝心のゴムローラーを確認します。

ゴムローラー

経年劣化でカチコチになっています。

これではクリーニングしても滑りまくりますね。また、音が歪む原因も、このゴムローラーが劣化で収縮し磁気ヘッドのコア先との隙間が広がってしまったためでした。

隙間
隙間

ゴムローラー交換後のアジマス調整時に隙間も再調整します。

ゴム系部品

その他では、初期型CP-1100では、ゴムベルトのプーリーと筐体の支柱が干渉してしまい、干渉ノイズが出ています。

初期ロット以降の出荷分からは、クレーム処理のためか干渉部分を削って出荷されているので、今回も干渉部分は削っておきます。

マイクロスイッチ接点

カードの挿入を検知するマイクロスイッチの接点が、長年の接触の火花で少々焦げていますので磨いておきます。

また、ボリュームにガリが出ています。

オーディオを趣味にされておられれば、この手のガリノイズの完治には、分解し接点清掃が必要というのは理解できるかと思います。

トーキングカードプレーヤーCP-1100に使用されているボリュームは、軸がカシメられており、分解しても接点部分の清掃はできません。また、接点バネを固定している円形の樹脂パーツが必ずといっていいほど割れていますので、ボリュームは交換が必須です。

念のため伝えておきますが、接点復活剤なぞを吹き付けても数週間でガリノイズは必ず復活します。

ボリューム交換

劣化部品の交換や各パーツのメンテナンスや洗浄を行います。

パーツ類

組み立てし、カードの再生速度をテストカードと測定器で調整します。

同時に磁気ヘッドのアジマスも調整して最適化しておきます。

動作確認

問題なさそうですね。

まだまだ十分活躍してくれそうです。


トーキングカードプレーヤー CP-1100 他4台 修理

カードプレーヤー

トーキングカードプレーヤー CP-1100 他4台 修理

ソニー製 トーキングカードプレーヤー CP-1100 3台と中央出版 トーキングUFO 1台の修理の依頼がありました。

内CP-1100の2台は、2020年に一度当医院で修理実施した機種の再修理依頼となります。

因みに、中央出版社製のトーキングUFOは、ソニー製のカードとの互換性が高く同じカードを再生できます。録音機能も有しているので、CP-33やCP-55などと同じ機能を有していますね。

では、順に診察しましょう。

CP-1100 ③番機

③番機

2020年にゴム系部品の総交換と磁気ヘッドのアジマス調整やカード検知用のマイクロスイッチの調整も実施しておりました。

カードを差し込みスライドはするのですが、音声が速くなっておりかつ音質も悪く途切れ途切れです。また、カードを差し込んでもカードの挿入を検知できずスライドしないことが出ています。

まず、交換した円筒形のゴムローラーが片減りしており、正円を描くように軸を中心とした回転できなくなっておりました。そのため、カードを再生しても磁気ヘッドに正常に密着できなくなっています。

以前のカルテからも、磁気ヘッドのアジマスを調整しても完全にアライメントを取り切れなかった旨の履歴が残っておりました。

従いまして、まずはゴムローラーを再度交換実施しアジマスを取り直します。今回もできるだけのラインでの調整となります。

アジマス調整

履歴にも残しているので、かなり四苦八苦して調整しましたが、なかなか最善がポイントを探せませんね。今回もやはり最善な落としどころで調整をします。

また、ゴムベルトも耐久性のよい素材ベルトに交換しておきます。

次にですが、カード検知のマイクロスイッチのスイッチバネが弱くなっております。強く押し込むとONにはなります。

2020年の時点では交換用のマイクロスイッチの在庫が無かったのですが、その後に入手できましたので、今回は新品のマイクロスイッチに交換します。

マイクロスイッチ

再入院にはなりましたが、ゴム系部品の再交換とメンテナンスで無事再稼働できるようになりました。

では、次のCP-1100を拝見します。


CP-1100 ④番機

④番機

2年前に交換をした、ゴムベルトの1本が切れておりました。

より耐久性の向上したゴムベルトに交換します。また、カード再生速度が速くなっておりますので調整もします。

ゴムローラーは、まだまだ使用できる摩耗の程度でしたので、表面をアルコールで拭きしておきます。

ゴムローラー

ただ、磁気ヘッドのコア部にあたっている筋が出ているので、アジマス調整でヘッドとの間隔を調整します。

アジマス調整
動作確認

よさそうですね。では、次のCP-1100を拝見しましょう。


CP-1100 ⑩番機

⑩番機

⑩番機は、新規の修理機種です。

こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。

ゴムベルト

このゴムベルトは、ソニー純正のゴムベルトではなく、他のおもちゃ病院で交換されたと思われるゴムベルトでした。

ゴムローラーも経年でカチコチに固化しておりますので、新品に交換します。

ゴムローラー

また、内部清掃で各機構部を綺麗にします。

綺麗

長年のホコリや汚れもスッキリ綺麗にします。

ホコリ

カードを挿入差し込む本体の隙間から埃類が入り込みます。

ピカピカ

ゴムベルトも交換しカードの再生速度を調整、アジマス調整も行います。

⑩番機

よさそうですね。では再度のトーキングUFOを診察します。


トーキングUFO ⑬番機

トーキングUFO

前から疑問だったのですが、この製品名のUFOとは、どういう意味で付けたのでしょうかね。

主に語学用の教材としても、UFOというネーミングってね。。。

プーリー
ベルト切れ

こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。

CP-1100同様に耐久性の高いベルトに交換します。

ゴムローラーは、問題ありませんので、こちらも内部清掃かねて埃や汚れを綺麗にします。

ゴムローラー
清掃完了

トーキングUFOは、再生速度をSLOWにできるボタンが実装されております。

カードの再生速度をチェックすると、なんとSLOW押下時の再生速度が適正速度、通常時速度がやけに速くなっております。

こちらもカード再生速度を適正速度にしておきます。

トーキングUFO

以上、4台のカード再生機の修理でした。

約2年程前の機種の再修理となりましたが、ゴム部品などの消耗部品は定期的にチェックすると、末永く使用になれると思います。


ソニーカードリピーターCP-55 ACカップリングコンデンサー交換修理

CP-55

ソニーカードリピーターCP-55 ACカップリングコンデンサー交換修理


最初はヨドバシカメラに持って行き、サポート期間が過ぎているため修理不能と言われ、ソニーのお客様相談に相談して、やはり修理不能と言われ、諦めかけていた時に、どこか修理してくれるところはないかとネットで探してようやく宅配おもちゃ病院を見つけました。

捨てるしかないかと思っていたのに、すっかり元通りに直してくださり、本当にありがとうございました。

迅速な対応と、明快な指示と説明で大変わかりやすく、丁寧で、完璧な修理をしてくださったと感謝しています。

~依頼者様のご感想より~

長期間ご自宅で保管されておられたとのことで、乾電池の液漏れがあったそうです。

そのため、正常に動かないとのことと、お持ちのカードも多数あるとのことで修理のご依頼がありました。

乾電池の液漏れは、恐らく電池ボックスの電極に腐食を起こしていると思われます。

早速診断をします。

液漏れ腐食

やはり、負極側に液漏れの粉と腐食が出ていますので、外して研摩します。

それ以外にゴム系部品にも経年劣化がありました。

ゴムベルト

ゴムベルトが伸びきっており滑っております。プーリーのグリス固着もあり稼働しておりません。また、ゴムローラーも表面がテカテカに光っております。

ゴム系部品

これら以外にもプーリーのグリスが劣化し固化粘着しておりますので、綺麗にしてグリスを再塗布しておきます。

劣化グリス

では、その他の音声再生の不具合がないかを確認するために駆動系の修理を先に済ませてしまいます。

電池ボックスの負極側の電極を外して綺麗に研摩します。

液漏れ腐食

この電極は、接着剤で固定されているので、抉りながら温めながら外します。

メモ

導線を外し裏側から電極を押し込み外します。

研摩

腐食部を隅々まで研摩しテスターで接触抵抗を計測して確認しておきます。筐体にハメて接着剤で固定します。

ここで、やっと音声再生確認ができますが、再生音が全く出ておりません。

まず、磁気ヘッドが正常かを確認します。

磁気ヘッド確認

別回路の治具で磁気ヘッドから磁気が拾えているか確認しましたが、無事に磁気が拾えており、外付け治具で音声を再生できました。従いまして、再生音量が出ていない原因は、本体の電子回路側にありそうです。

ソニーカードリピーターCP-55では、持病ともいえるACカップリングコンデンサーの容量抜けがあります。まず、プリアンプからパワーアンプ間などに実装されている電解コンデンサーを外しチェックします。