ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

今回の修理は、経年劣化のゴム部品交換修理以外に磁気ヘッドの研摩を実施した修理のご紹介になります。

修理完了時の動作

かなり古いもので状態も悪かったので半分諦めていたのですが、とっても早くて丁寧なご対応で、修理結果にも大満足でした。

またの機会にはぜひお願いしたいです。

~依頼者の感想より~

ご実家に眠っておられたCP-1100とのことで、久しぶりに稼働させてみたら、カードの引き込み自走せずとのことです。手でカードをスライドさせてみても、何かしら音がスピーカーからはしているが、モゴモゴという感じだとのことです。

ほぼ確実にゴム系部品の経年劣化でカードがスライドできなくなっていそうですね。

ただ、手で押してあげても音は出ているようですが、音量が小さい場合は、磁気ヘッドのアジマスの狂いや増幅回路の故障などもあるので、それらも含めて診断します。

長年のホコリや汚れが目立ちますね。

乾電池の液漏れの形跡もあり電池ボックス負極の腐食と本体内部に染み込んだ粉があります。

バネの腐食

やはり液漏れは負極側が多いですね。

腐食のメカニズムと乾電池の構造上、負極側からの液漏れが起き、漏れた電解液は、電池ボックスの隙間から本体内部に染み込み方々を腐食させます。

液漏れ粉

幸い液漏れの範囲は、限定的だったので粉のお掃除で綺麗にできそうです。

ゴム系部品を確認します。

ゴムローラー

固化してカチコチになっています。表面もツルツルで摩擦が全くなくなっています。

ゴムベルトも伸びきってプーリーを回転できなくなっておりベルトが滑っております。

劣化ゴム系部品

まずは、このゴム系部品を暫定交換してカード再生確認してみます。

交換ゴムローラー

ボリュームを最大値にしてもカードの再生音量が小さいです。

磁気ヘッドか増幅回路なりにも不具合がありますね。

では、故障を切り分けるために磁気ヘッドの信号を取り出し治具で増幅再生してみると、治具でも再生音量が小さいです。

磁気ヘッドでカードの磁気を拾えていないようです。

そこで磁気ヘッドのアセンブリを外し目視確認します。

磁気ヘッド

まぁ、経年での摩耗がある程度予想されましたが、何やら黒い異物が粘着していますね。

異物

これでは磁気を拾えないため、再生音量も小さくなって原因ですね。

今回は、この磁気ヘッドを修理します。

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

ランゲージパル CR-80

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

1991年にお子様に購入された物を、お孫様へということで修理のご依頼がありました。

電池ボックスの電極の腐食は目視で確認できておられるそうですが、まったく動作せずという状態とのことです。

腐食電極
電極

まぁ、この状態では導通が取れないので、まずはこの腐食が故障原因のひとつということで間違いないでしょう。

電源は、外部電源からの供給できるので、その他の故障の有無を確認します。

マイクロスイッチ

以前修理をしたランゲージパルと同じマイクロスイッチがONしても導通しません。一時的に接点復活剤で改善しても、すぐまた導通不良を起こしていますので、マイクロスイッチを交換してしまいます。

マイクロスイッチ交換

この状態でひとまずは動作できるところまで確認します。

ゴムローラーは、表面をアルコールで拭き上げておき、磁気ヘッドをカードの磁気テープのクリアランスも調整をしておきます。

暫定動作確認

その他の致命的な故障は無さそうですね。

では、その他も確認しましょう。

スピーカー固定用のスポンジ

もうボロボロで触れるだけで脆くも崩れます。

新品のスポンジに交換しておきます。

新品のスポンジ

次にゴムベルトを確認しますが、現状でもカードの駆動はできておりました。ですが、1991年から既に32年経過しておりますので、ゴムベルトは新品に交換しておきます。

劣化ゴムベルト
新品ゴムベルト

では、最後に腐食の電極を研摩します。

電極研磨

腐食によってバネの先端が脆くも取れておりますが、残りを研摩して心持ち伸ばしておきます。

さて、今回の修理にて同封いただた動作確認用のカードに保管時に付いた反りがありました。

カード反り

この反りによって磁気ヘッドへの当たり不良が出ておりましたので、歪みを補正しておきます。

今回の依頼内容にACアダプターも必要ということでしたので、市販の規格が合致するプラグと極性のアダプターもお譲りすることになりました。

プラグ規格は、センターマイナスで外形Φ=5.5mm, 内径Φ=2.5mmになります。

恐らく市販されているほとんどのプラグ規格ではないので、流用はもちろんですができないでしょう。今回も誤ってプラグが抜けてしまわないように収縮チューブで固定しておきます。

プラグ固定


30年前に買ったトーキングカードリーダーでしたが、 まだ未開封のカードがたくさんあり、このたび孫に使わせたいと思いました。

しかしやはり機械は動かず、処分するしかないかと、がっかりしていました。

新品か中古で同じような機械がないか探してみましたが見つかりませんでした。

検索するうちにこちらのサイトでまさに同じ機種の機械の修理の動画と記事にたどり着き、 これだ!と思いおねがいすることにしました。

ホームページから依頼をしましたが、 修理依頼する際にいろいろな注意書きや同意書があり、それらを読みこむのはちょっと大変でしたが その後はとてもスムーズにお取り引きできました。

送付のやり取りや修理の工程でも随時丁寧な連絡を下さり、安心しておまかせできました。

料金も部品代+工賃でとてもリーズナブルでした。

返送後、孫がとても気に入って夢中になって遊ぶ姿を見て 修理にだしてほんとに良かったと思いました。

修理をすることで、機械も30年前の思い出もよみがえりました。

お世話になりありがとうございました 。

~依頼者のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55A

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55Aの修理のご依頼がありました。

カードサイズの大きいカードもリピート再生できる機種となります。

CP-55・・・カードサイズが小さいカードしかリピート録音できない

CP-55A・・・大きいサイズのカードもリピート録音再生できる

CP-55でカードサイズの大きいカードを録音再生すると、メモリがオーバフローし先頭アドレスから音声データが上書きされてしまいカードの冒頭が録音できません。

さて、故障の症状は、電源が入らないとのことです。

では、早速診断を開始します。

液漏れ

故障の原因は、すぐ判明しました。

電池ボックスを覗き込むと負極のバネに液漏れの形跡があります。

原因は、これでしょうね。

液漏れ

液漏れした粉と電解液が電極に付着しカッチコチに固まっています。

半田付けされている導線の半田部分にも影響が出ていましたので、負極バネを外して掃除と研摩します。

取り外し

このバネは、接着で固定されているので、外すには少しコツが要ります。

綺麗に掃除と研摩を行い元に戻しておきます。ちゃんと、研摩後の抵抗もチェックしておきます。

研摩
抵抗計測
研摩後

さて、バネの対象は以上で、その他の不具合は無いか確認します。

電源は、無事入るようになりましたが、カードが滑って正常にスライドしません。

ゴムローラーが経年で固化して滑ってしまっています。

ゴム系部品

ゴムベルトも曲がり癖が付いていますので、ゴム系部品は一式交換してしまいます。

新品ゴムローラー

その他のメンテナンスとして、プーリーグリスの交換とフライホイール軸受けが剥がれているので、接着しておきます。

プーリー洗浄
軸受け接着
組み付け完了

組み立てし、カード再生速度をチェックします。

動作は問題なさそうですね。これにて修理完了です。


直していただけるものなのかどうか、少し不安もありましたが 丁寧にそして敏速に直していただき、ありがとうございました。

改めて修理していただいた製品で、子供がカードを通す姿をみて、 大切に使っていこうと思いました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

カードが正常にスライドせずにカードの再生もしないということで修理のご依頼がありました。

症状の動画を提示いただいていたのですが、まったくスライドせずピタッと止まっています。

まぁゴム系部品の劣化以外にもプーリーのグリスの固着もあるようですね。

電池を入れてでカードを差し込んでみます。

カード検知スイッチで検知はし、電源が入りますが、モーターのうなり音はしますが、それ以外はうんともすんともです。

では、開封して確認しましょう。

綺麗

筐体は、ほぼ新品な状態で埃ひとつもないです。

ゴムローラー

ゴム部品のひとつであるゴムローラーも固化劣化もなく摩擦も十分です。交換の必要はありません。

では、次にゴムベルトを確認します。

ゴムベルト

溶けていませんが、伸びきっていますね。

伸びたゴムベルト

とここで、やはりプーリーのグリスの固着でゴムベルトで駆動できなくなっていました。

主因は、このプーリーのグリスの固着ですね。

プーリー

取り外すと、古いグリスが黒く変色して接着剤のように粘着しています。

では、分解し綺麗に洗浄しあたらしいグリスを塗布します。

きれいきれい

洗浄後に組み上げます。

その他のメンテナンスとしては、ボリューム押しボタンの滑りが悪いのでシリコンスプレーを接点吹いておきます。

同時にボリューム切り替えスイッチ内部の接点にも接点復活剤を吹いておきます。

カード再生速度もチェックします。

磁気ヘッドも摩耗もなくヘッドのコア部もほぼ新品のままです。

動作確認

問題なしですね。これにて修理完了です。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

40年程前に購入されたということで、カードの再生音が歪んだりスライド途中で止まったりしているそうです。では、早速診断をします。

開封

筐体は、40年前にしてはかなりきれいな状態で内部もホコリはありますが、綺麗ですね。

さて、故障の原因は、ゴム系部品の経年劣化でした。

ゴムベルト

ゴムベルトが固化し伸びきっていますね。

ゴムベルト

張りが無くなっているのでモーターで力強く駆動できません。

モータープーリー

おや?

この形状は、初めてみるプーリーですね。上下に二つの溝があります。

次に肝心のゴムローラーを確認します。

ゴムローラー

経年劣化でカチコチになっています。

これではクリーニングしても滑りまくりますね。また、音が歪む原因も、このゴムローラーが劣化で収縮し磁気ヘッドのコア先との隙間が広がってしまったためでした。

隙間
隙間

ゴムローラー交換後のアジマス調整時に隙間も再調整します。

ゴム系部品

その他では、初期型CP-1100では、ゴムベルトのプーリーと筐体の支柱が干渉してしまい、干渉ノイズが出ています。

初期ロット以降の出荷分からは、クレーム処理のためか干渉部分を削って出荷されているので、今回も干渉部分は削っておきます。

マイクロスイッチ接点

カードの挿入を検知するマイクロスイッチの接点が、長年の接触の火花で少々焦げていますので磨いておきます。

また、ボリュームにガリが出ています。

オーディオを趣味にされておられれば、この手のガリノイズの完治には、分解し接点清掃が必要というのは理解できるかと思います。

トーキングカードプレーヤーCP-1100に使用されているボリュームは、軸がカシメられており、分解しても接点部分の清掃はできません。また、接点バネを固定している円形の樹脂パーツが必ずといっていいほど割れていますので、ボリュームは交換が必須です。

念のため伝えておきますが、接点復活剤なぞを吹き付けても数週間でガリノイズは必ず復活します。

ボリューム交換

劣化部品の交換や各パーツのメンテナンスや洗浄を行います。

パーツ類

組み立てし、カードの再生速度をテストカードと測定器で調整します。

同時に磁気ヘッドのアジマスも調整して最適化しておきます。

動作確認

問題なさそうですね。

まだまだ十分活躍してくれそうです。


トーキングカードプレーヤー CP-1100 他4台 修理

カードプレーヤー

トーキングカードプレーヤー CP-1100 他4台 修理

ソニー製 トーキングカードプレーヤー CP-1100 3台と中央出版 トーキングUFO 1台の修理の依頼がありました。

内CP-1100の2台は、2020年に一度当医院で修理実施した機種の再修理依頼となります。

因みに、中央出版社製のトーキングUFOは、ソニー製のカードとの互換性が高く同じカードを再生できます。録音機能も有しているので、CP-33やCP-55などと同じ機能を有していますね。

では、順に診察しましょう。

CP-1100 ③番機

③番機

2020年にゴム系部品の総交換と磁気ヘッドのアジマス調整やカード検知用のマイクロスイッチの調整も実施しておりました。

カードを差し込みスライドはするのですが、音声が速くなっておりかつ音質も悪く途切れ途切れです。また、カードを差し込んでもカードの挿入を検知できずスライドしないことが出ています。

まず、交換した円筒形のゴムローラーが片減りしており、正円を描くように軸を中心とした回転できなくなっておりました。そのため、カードを再生しても磁気ヘッドに正常に密着できなくなっています。

以前のカルテからも、磁気ヘッドのアジマスを調整しても完全にアライメントを取り切れなかった旨の履歴が残っておりました。

従いまして、まずはゴムローラーを再度交換実施しアジマスを取り直します。今回もできるだけのラインでの調整となります。

アジマス調整

履歴にも残しているので、かなり四苦八苦して調整しましたが、なかなか最善がポイントを探せませんね。今回もやはり最善な落としどころで調整をします。

また、ゴムベルトも耐久性のよい素材ベルトに交換しておきます。

次にですが、カード検知のマイクロスイッチのスイッチバネが弱くなっております。強く押し込むとONにはなります。

2020年の時点では交換用のマイクロスイッチの在庫が無かったのですが、その後に入手できましたので、今回は新品のマイクロスイッチに交換します。

マイクロスイッチ

再入院にはなりましたが、ゴム系部品の再交換とメンテナンスで無事再稼働できるようになりました。

では、次のCP-1100を拝見します。


CP-1100 ④番機

④番機

2年前に交換をした、ゴムベルトの1本が切れておりました。

より耐久性の向上したゴムベルトに交換します。また、カード再生速度が速くなっておりますので調整もします。

ゴムローラーは、まだまだ使用できる摩耗の程度でしたので、表面をアルコールで拭きしておきます。

ゴムローラー

ただ、磁気ヘッドのコア部にあたっている筋が出ているので、アジマス調整でヘッドとの間隔を調整します。

アジマス調整
動作確認

よさそうですね。では、次のCP-1100を拝見しましょう。


CP-1100 ⑩番機

⑩番機

⑩番機は、新規の修理機種です。

こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。

ゴムベルト

このゴムベルトは、ソニー純正のゴムベルトではなく、他のおもちゃ病院で交換されたと思われるゴムベルトでした。

ゴムローラーも経年でカチコチに固化しておりますので、新品に交換します。

ゴムローラー

また、内部清掃で各機構部を綺麗にします。

綺麗

長年のホコリや汚れもスッキリ綺麗にします。

ホコリ

カードを挿入差し込む本体の隙間から埃類が入り込みます。

ピカピカ

ゴムベルトも交換しカードの再生速度を調整、アジマス調整も行います。

⑩番機

よさそうですね。では再度のトーキングUFOを診察します。


トーキングUFO ⑬番機

トーキングUFO

前から疑問だったのですが、この製品名のUFOとは、どういう意味で付けたのでしょうかね。

主に語学用の教材としても、UFOというネーミングってね。。。

プーリー
ベルト切れ

こちらもゴムベルトの1本が切れておりました。

CP-1100同様に耐久性の高いベルトに交換します。

ゴムローラーは、問題ありませんので、こちらも内部清掃かねて埃や汚れを綺麗にします。

ゴムローラー
清掃完了

トーキングUFOは、再生速度をSLOWにできるボタンが実装されております。

カードの再生速度をチェックすると、なんとSLOW押下時の再生速度が適正速度、通常時速度がやけに速くなっております。

こちらもカード再生速度を適正速度にしておきます。

トーキングUFO

以上、4台のカード再生機の修理でした。

約2年程前の機種の再修理となりましたが、ゴム部品などの消耗部品は定期的にチェックすると、末永く使用になれると思います。


ソニーカードリピーターCP-55 ACカップリングコンデンサー交換修理

CP-55

ソニーカードリピーターCP-55 ACカップリングコンデンサー交換修理


最初はヨドバシカメラに持って行き、サポート期間が過ぎているため修理不能と言われ、ソニーのお客様相談に相談して、やはり修理不能と言われ、諦めかけていた時に、どこか修理してくれるところはないかとネットで探してようやく宅配おもちゃ病院を見つけました。

捨てるしかないかと思っていたのに、すっかり元通りに直してくださり、本当にありがとうございました。

迅速な対応と、明快な指示と説明で大変わかりやすく、丁寧で、完璧な修理をしてくださったと感謝しています。

~依頼者様のご感想より~

長期間ご自宅で保管されておられたとのことで、乾電池の液漏れがあったそうです。

そのため、正常に動かないとのことと、お持ちのカードも多数あるとのことで修理のご依頼がありました。

乾電池の液漏れは、恐らく電池ボックスの電極に腐食を起こしていると思われます。

早速診断をします。

液漏れ腐食

やはり、負極側に液漏れの粉と腐食が出ていますので、外して研摩します。

それ以外にゴム系部品にも経年劣化がありました。

ゴムベルト

ゴムベルトが伸びきっており滑っております。プーリーのグリス固着もあり稼働しておりません。また、ゴムローラーも表面がテカテカに光っております。

ゴム系部品

これら以外にもプーリーのグリスが劣化し固化粘着しておりますので、綺麗にしてグリスを再塗布しておきます。

劣化グリス

では、その他の音声再生の不具合がないかを確認するために駆動系の修理を先に済ませてしまいます。

電池ボックスの負極側の電極を外して綺麗に研摩します。

液漏れ腐食

この電極は、接着剤で固定されているので、抉りながら温めながら外します。

メモ

導線を外し裏側から電極を押し込み外します。

研摩

腐食部を隅々まで研摩しテスターで接触抵抗を計測して確認しておきます。筐体にハメて接着剤で固定します。

ここで、やっと音声再生確認ができますが、再生音が全く出ておりません。

まず、磁気ヘッドが正常かを確認します。

磁気ヘッド確認

別回路の治具で磁気ヘッドから磁気が拾えているか確認しましたが、無事に磁気が拾えており、外付け治具で音声を再生できました。従いまして、再生音量が出ていない原因は、本体の電子回路側にありそうです。

ソニーカードリピーターCP-55では、持病ともいえるACカップリングコンデンサーの容量抜けがあります。まず、プリアンプからパワーアンプ間などに実装されている電解コンデンサーを外しチェックします。

デジタルプレイメイト DAC IC故障 基板交換

デジタルプレイメイト

デジタルプレイメイト DAC IC故障 基板交換

トークアロングカードを通すとブーというノイズが鳴りカードが再生できないとのことで修理のご依頼を受けました。

デジタル版のプレイメイトの修理実績が多くないのですが、発振ノイズ系は電子回路起因の可能性が高いように推測しました。

では、早速診察開始しましょう。

ノイズの状況を確認します。

ブーと鳴っていますね。微かなりともカードの再生音すら混じってもいないです。

ボリュームの可変に反応もするので、ノイズの発信源は、ボリューム回路前段のようです。

次にシステム自体は正常に反応しているかどうかも確認するため、SDカードに関する動作を確認します。

SDカードも正常に2スロット側に挿入されており、SDカードを抜いてカードを通すと、無事にLEDが3回点滅します。SDカードを認識するシーケンスは正常のようですね。

DSPは正常に制御できているらしいが、音声に発振ノイズが混じるようです。

では、発振ノイズの発信源を探しましょう。

この手の解析にが、クリスタルイヤホンで出力側から回路を解析しながら経路を遡っていきます。

DWE アナログプレイメイト アンプIC故障

DWE アナログプレイメイト

DWE アナログプレイメイト アンプIC故障

今回の記事は、アンプ回路に使用されているICが故障しており交換不可のため修理を断念した記事となります。

他の玩具もそうなのですが、年月が経った場合回路に使用されているICがディスコンになっていたり、そもそも製造メーカーが半導体事業を閉じていたり、残念ながら統廃合になっていたります。

今回も旧サンヨー製のラジオやカセットテープ用にリリースされていた、LA3220が故障しており、市場でも入手ができなため修理を断念しました。

依頼者様は、ゴムベルトの溶解までは確認されて修理を依頼されたのですが、残念ながら他の故障要因が致命傷となりました。

ゴムベルト溶解

ゴムベルトは、このアナログプレイメイトでよくある溶解してドロドロになっていました。ベルトについては交換部品の在庫があります。

LA3220

こちらが、プリアンプ部に使用されている旧サンヨー製のLA3220です。

データシートもネットで入手できます。

LA3220は、オペアンプが2回路実装されており、ALC(Automatic Level Control)自動レベル制御も2回路実装されております。

オペアンプの2回路の内、1回路はマイク部の音声増幅ともう一方の1回路は磁気ヘッドからの音声を増幅するといった設計がなされております。

どの磁気カードプレーヤーの修理でも同じなのですが、機構系の故障以外にも電子回路の故障もないかチェックします。

磁気ヘッド自体は、当医院に検査治具があるので検査を行い、二つある磁気ヘッドの録再生用も再生用も無事機能しておりました。

ですが、音声が全く増幅されずスピーカーからも音声が出ていないので、回路の調査に乗り出しました。もちろんですが、スピーカーは事前チェック済みです。

データーシートを基に回路を調べると磁気ヘッドで拾った音声が正常にIC入力まで入力されているのですが、出力からはまったく反応がありません。

電源などの他の印加状況もチェックをしておりますが、これは完全にICが故障していました。

磁気ヘッドから配線を外し外部からオーディオ出力を絞って印加しIC単独で駆動できるようにカップリングコンデンサーを外して独立させます。

出力にクリスタルイヤホンをつなぎ音声の変化を観察しました。

ICチェック

まったくうんともすんともです。

電源印加時のポップノイズすらありません。

このLA3220の電源は、カードの挿入を検知したスイッチによってICに電源が印加されるので、テストのために検知スイッチは入りのままにしておきます。

悩んでプリアンプ部のみであればディスクリートや他のオペアンプで自作回路で代替えしてしまろうかとも思ったのですが、他の不具合もないか調べたところ、LA4100のパワーアンプ側にも何やら問題があります。

スピーカーからは、カード検知時にポップノイズは出ていますが、こちらの入力にも外部から信号を印加しましたが、こちらも音声がでていません。

ざっくり調べてみると、ブートストラップ回路の220uFの電解コンデンサーが容量抜けしてしまっておりました。

容量抜け

ゴム系部品の交換やメンテナンスと電子回路のアンプ部の修理において部品調達の策の検討などを踏まえると、修理費事態も高額にならざるをえないです。

諸々を検討し修理不可能と判断しました。

もし入手できるのであればジャンク品から基板のみ移殖した方がコスト的にも良いかもしれません。

LA3220

今回は、電子回路の故障により修理不可能となった案件の紹介となりました。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000修理

ゴムベルト溶解しているとの報告があり修理依頼がありました。

他の機種でもなのですが、ゴムベルトの溶解はその除去がとても、とても、そうなんです、とても大変なのです。今回は、そんな記事となります。

ゴム溶解

今回も酷い溶け具合ですね。

部品

この残骸を丁寧に丁寧に少しづつ除去していきます。

アルコールやクリーナーを使うのですが、キムワイプを半端なく消費します。

真っ黒

こそぎ落とした工具にも手も真っ黒です。

手に付いた汚れもエタノールで洗い落します。

綺麗

ここまで綺麗に洗浄します。

気合を入れて洗浄します。

今回のCP-1000ですが、モーターの速度調整で少々時間を要しました。

しばらく保管したままだったのか、モーター内の調整ツマミに接点が、どうも汚れたいたようです。

ツマミ調整して一旦速度の合わせ込みを行っても、30分位で速度が速くなるという現象が出てしまいました。

そこで、接点復活スプレーの先をツマミカバーの隙間から好きつけて、グリグリやりました。

再度速度調整を行い半日おき再度再生速度を確認します。

やはり接点に問題があったらしく接点復活剤とグリグリで速度が安定しました。


この度は、きちんと見積りや修理箇所、修理方法など、細かくご報告していただき、 とても安心してお預けすることができました。

また、諦めていたプレーヤーを修理していただき、無駄になるハズだったカード を引き続き活用することができそうで、心から感謝しております。

離れていても、メールやYouTubeの動画などで確認できたり、宅配便ですぐに商品を受け取れて、全く距離を感じることもありませんでした。

どうもありがとうございました!

~依頼者様のご感想より~