初代たまごっち 新品 未使用 未開封 のワナ

今回は、当医院に依頼の多いたまごっちについての記事となります。

ところで皆さん、新品未使用未開封の品物がフリマなどで販売されていた場合、恐らく以下のうように思い購入を検討するかと思います。

  • 購入をしたが、そのままの状態で保管していた
  • だいたい数か月か長いものでは数年の時間が経過している
  • 一度も使用していないので綺麗な状態で問題なく可動する

しかし、たまごっちについては少々事情が違います。

特に初代のたまごっちの場合は、20年以上経過しているものでも新品未使用未開封品ということで販売されている物を見かけます。

たまごっちには、ボタン電池が一応は絶縁シートで導通しないようにして本体の電池ボックスに装着されたままです。

20年も経過しているので、100%液漏れをします。これは、電池の安全装置のようなものなので仕方ないです。

えー???

100%ってほんと!?って、思うかもしれませんが、液漏れしなかった場合は、ボタン電池の不良で液漏れしなかったような位の確率です。

この液漏れがとても厄介なのです。

液漏れは電極を腐食し、表面のニッケルメッキや侵食が進むと金属の導体にまで及びます。

さらに、この腐食によって、基板側にも損傷が及びます。

当医院の修理記事にも毎度同じような内容で啓蒙活動を行っておりますが、特に初代たまごっちを購入する場合、以下を肝に銘じて購入ください。

新品未使用未開封品 = ジャンク品

です。

安心して購入するのなら、出品者にボタン電池を抜き電極に液漏れや腐食がないことを目視確認してもらい、その画像も紹介画像として載せるべきです。

さらに、本体も起動するなら起動確認をしてもらい、乾燥剤を入れたジップのビニール袋で保管してもらいましょう。

そのような商品であれば、例えプレミア価格であっても購入しても良いかと思います。

何度でも書きます。

新品未使用未開封品 = ジャンク品

です。

さらに、デビルっちのたまごっちについても少し記載します。

中古市場で高騰しているデビルっちのたまごっちですが、当医院でも多く依頼があります。

新品未使用未開封で購入しても、そのほとんどでネジ折れが発生しております。

黄色い枠の電池ボックスの蓋のネジが両方とも折れています。

もうどうしようもできない状態です。

デビルっちのたまごっちに限ってこのようなネジ折れがとても多いです。

というか、ほぼ折れています。

なぜなんだろうと考えたのですが、もしかすると当時の製造ラインで各箇所のネジ締めは電動ドライバーを使っていたのではないかと推測しました。

製造時に既に強力に締め上げており、その後未使用のまま保管していたので、ネジ折れに気づかないという顛末です。

もし、長期保管のためボタン電池だけでも抜いていれば、ネジ折れが発見でき初期不良として新品交換できたと思います。

ここにも、新品未使用未開封での弊害が出ているように感じます。

プレミアの付いているたまごっちは、お安い買い物ではありません。

でもしかし、どうしても欲しいという衝動には勝てないかもしれません。

そうですよね…わかります。

であれば、新品未使用未開封であれば、電池の液漏れ腐食のリスクがあるので、値引交渉ができるかもしれません。また、デビルっちのたまごっちの場合は、ネジ折れのリスクもあるので、さらにお値引きの交渉ができると思います。

皆さん、『新品未使用未開封』の売り文句に騙されないようにしましょう。

2023年 今年もありがとうございました

2023年も暮れになり、今年を総括してみたいと思います。

非常事態が継続した1年でした。

宅配を利用した全国から依頼を受け付けている性質上なのでしょうか、依頼数が毎日のようにあり、当医院の処理能力を大幅に超えております。

そのような事態が数年前から続いており、2023年も一段落する暇もなく継続しております。

このような事態に対応すべく、有料修理と一部の無料修理のみを受け付けするというお品物の種別を縮小せざるを得ない事態になりました。

また、毎日数十件と届くお問い合わせもその全てを確認し回答できる体制も取れない事態のため、トリアージを実施し受け付けできないお問い合わせについては、回答すらできない状態でした。

非常事態な1年でした。

2024年は、当宅配おもちゃ病院の運営を今一度見直し、体制整備を含めどのようにすべきか考える1年になりそうです。

2023年に受け付けした、案件も完全に消化できておらず、待機患者様の皆さまには受け付けまで年を越してしまう事態になりたいへんご不便をお掛けしております。

2023年12月30日(土) 宅配おもちゃ病院 瀧下

ESP-WROOM-32 ラジコンクローラー試作

ESP32の無線基板を使用したラジコンクローラーの紹介です。

コントローラーは、プレステ3のコントローラーとBluetoothで接続しています。

これだけでは、巷のネット記事であふれている試作内容と変わらないのでスタッフブログで紹介するまでもないのですが、単一電源で全てを賄っている点はアピールポイントとなります。

当医院でも販売しているArduino Pro mini用のUSBホストシールドでBluetoothのUSBドングルでPS3のコントローラーと接続した同じような試作と行っておりました。

それぞれのざっくりとした構成です。

ESP32クローラーラジコン構成

  • ESP-WROOM-32基板
  • MX1616Hモータードライバ基板
  • 3.3V昇圧基板
  • 10000uF電解コンデンサー
  • Panasonic eneloop 4本
  • タミヤ 楽しい工作キット

Arduino pro miniクローラーラジコン構成

  • Arduino primini
  • USBホストシールド
  • MP4212 自作モータードライバ
  • 5.0V昇圧基板
  • 47uF電解コンデンサー
  • Bluetoothドングル
  • Panasonic eneloop 4本
  • タミヤ 楽しい工作キット
PS3 ラジコン

MP4212のモータードライバーと5.0V昇圧基板は、1Fに設置しています。

Promini版のラジコンクローラーは、priminiとUSBホストシールドなどが二階建てで、モータードライバ基板も1Fにあったりとやや複雑でした。

今回のESP32のラジコンクローラーは、USBドングルとUSBホストシールドおよびArduino promini部分がESP32基板に集約でき一体化しておりますので、かなり省スペース化ができます。

ということで今回の記事となりました。

ただ、USBホストシールド版と同様にモーターの起動電圧降下による瞬停(ペアリング解除)を防ぐ電源設計が一番の難点でした。というのは、ラジコンを設計された経験があれば以下のような事態に遭遇します。

トイラジコンのような、いわゆる受診のみに特化したラジコンであれば、Bluetoothのようなペアリングは不要であるので、瞬低によるペアリング解除の心配はありません。

ですが、コントローラーとしてPS3のコントローラーを使用する場合は、このペアリング問題を解決しないといけません。

とうことで、コンセプトは、モーター起動時の電圧低下を補間できるように昇圧回路と特大電解コンデンサーで解決します。

ESP32用電源

1.2V * 4本 = 4.8V eneloop → ショットキーバリアダイオード Vf=1.2Vで3.6Vまで降圧します。

この3.6Vは、ESP32の最大定格ギリギリで印加します。

MX1616Hモータードライバ電源

MOSFETのVDDに1.2V * 4本 = 4.8V eneloopの電源をそのまま印加します。

ロジックの制御側のVCCには基板上の高圧抵抗で減圧された電源が印加されます。


恐らくここまでの電源設計は、誰でもできるかとは思いますが、この状態ではモーター起動時に大きい電圧降下を招きESP32が再起動しペアリングが解除されます。

参考までにESP32の3.3Vをモニターした波形が以下です。

低下後、復帰しますが、速度追い付かずペアリングが解除されます。

そこで、USBホストシールド版のラジコンクローラーでも適用した昇圧回路を挿入します。

Vf=1.2Vショットキーバリアダイオード → 3.3V昇圧回路 → ESP32

ですが、これでも昇圧回路の復帰速度が間に合わず瞬低でペアリングが解除されます。

最後に、3.3V昇圧回路の出力側に大きな電解コンデンサーを挿入します。

いろいろ試してみたのですが、10000uFの電解コンデンサーでやっと電圧補償が間に合い瞬低時でもペアリングが解除されなくなりました。



PS3コントローラーとのぺリング方法の事前設定などやノイズ取り用のコンデンサーの使い方などは、もちろんご経験があるという前提という記事となります。

PWMとは?とか、モーターのブラシノイズとは?とか、突入電流とは?という方は、それらを習得してから再度お読みください。

中華製の2.4GHz無線基板

とある、中華製の2.4GHzの無線基板が、通販サイト売っている。

こんなやつです

この中華製基板の実装をYouTubeで紹介している方が居られたのですが、コメントのやり取りをみると、日本国内の電波法で規制されている以上の出力が出ているそうでした。かなり電波が飛んでいるらしいです。

おもちゃ修理で使用されている方がホームページで公開している事例も見受けられます。

この基板は、もちろんですが、技適も未取得な製品です。※技適取得されていれば、故障でもしなければ大丈夫なはずです。

つまり、使用した場合、WiFiなどの通信障害が起きる可能性があります。

基板実装し修理したラジコンなどで遊んでいたら、お隣さんのWiFiに通信障害が起き問題になります。技適取得済みの基板もあるはずなのですが、それを使用せずわざわざこの基板を使用するのには理解に苦しみます。

この事実を知って実装される方は、心して欲しいと思います。

総務省 電波利用ホームページ

ざっくり計算してみましょう。

Amazonで売っている記事に送信電力が記載されています。

送信電力(最大):+7dB

こちらのサイトで、総務省の規制値35uV/mを変換しておられ、『デシベルに変換すると約30.88dBμV/mです。』とのことです。

ちょうど同じホームページに変換表もありますので、+7dBを変換してみると、電解強度は、149.7dBuV/mとなります。約5倍の規制値オーバーとなります。

法律を無視してまでも、おもちゃを修理したいのですか?となりますね。厳しい言い方になりますが、そのような法規無視な活動はおやめになった方がいいです。

目に付かないようにしていれば、このような啓蒙活動はせずとも良いはずなのですが、ご自身のホームページで公開してまでもアピールしたのですかね。


人工知能だなんて

工学系の教養と専門の研究も経ております。

巷で騒がれている人工知能というキーワードに違和感しかない。

乱暴な言い方をすると、インターネットに転がっている回答と思われる内容の多数決をを取り、それらしい回答を無責任に回答をするというイメージだ。

そうなのだ、無責任に回答しているのだ。

官公庁でも自分の業務を軽減するために、ChatGPTを導入するという何ともいいかげんな判断をしているが、言ってしまえばインターネットからそれらしいテンプレートとか文言をコピペしているといっていいと思っている。

こちらの記事を参照してみてほしい。

ただのプログラムをAIと呼ぶ現象

こちらにはさらに詳しく説明がある

何でも「人工知能」と呼ばれてしまうその理由–AIブームの功罪

理工学系の教養を修めておられれば、ニューラルネットワークやニューラルコンピューティングに関する知識を得ることができる。

私は90年代に研究室でこの手の研究論文を読んだり自身の研究に導入できないかなど色々研究材料として検討をしていた。

人工知能には『自我を持ち学習をもって自身を更新していかなければならない』と思っている。

参考にした研究論文に、プログラムであったとしても、学習によって自身のプログラムを改変しないければ、最低限の人工知能とは言えないと研究者が論じていた。

そうなのだ。

この前提知識を知らないと、巷の人工知能 A.I = Artificial Intelligenceが、あたかも人工知能であるかのような言い回しになっている。

違和感しかない。

単なるインターネット上にある情報を検索しそれらしい回答を適当に回答しているに過ぎない。では、インターネットにはない、まったく新しい疑問を投げかけてみるとどうなるのか興味ぶかい。

学習データがヘボいと回答もへぼい。

以前、ニューラルチップの開発のため、学会に出席していた。錚々たる顔ぶれでした。

Google, NVIDIA, マイクロソフト、IBM, 中国科学院, トヨタ、ドコモ etc…

※IBMのは当時はワトソンとか呼ばれてましたね。

当時の最先端の研究を知る良い機会でした。

深層学習(ディープラーニング)にためのとんでもない数の中間層、学習用のビッグデータの収集、学習時間など現状での限界。

ニューロチップとしてスタンアロンで機能するためという前提でしたが、まだまだ不可能でした。

インターネットには常時接続していなければならず、半導体として成立するには不可能でシステムとして実装するという感じです。

ただ、巷のニュースでは、この現状も知る由もなく、人工知能という言葉が違う意味で飛び交い誤用もされている。

ターミネーターのような人造ロボットが、自我を持つようなことはまだまだ未来の先の先。

だって、単なるインターネットにつながったプログラムです。

今までパソコンで検索が得意な人がおおよそ正解らしい答えをそれらしくいうだけと同じ。

人であれば、分からないものは分からないというし、人の道にそれた回答はしないと信じておりますが、単なるインターネットにつながったプログラムは、そんなのお構いなしです。

ニュースで安全性について懸念しているという。

ただ、よく聞く過去の判例に従えばなどのような、過去の情報を重要視するような場面では、人間よりも多くの情報をデータベースでもっているので、人事を超えたことができることも想像できます。

そういった場面では、有用性があると思いますが、人工知能と呼ばずにデータベースプログラムと呼んでもらいたい。


【備忘録】Arduino IDE環境でAttiny13a開発

プログラム開発のいろいろ備忘録もスタッフブログにアップしていこうと思います。

AVRマイコンであるAttiny13aにはArduino IDEで書き込みを行っている。

IDEの再インストールなどをすると、それまで個別にいろいろ設定したことをすっかり忘れてしまっていて、トラブルが起きてからいろいろ調べていることが多々あります。

今回は、先日Arduino IDEを再インストールすることがあり、久々にATtiny13aに書き込みをするとavrdude.confが、…\Arduino15\packages\bitDuino13\hardware\avr\1.0.1にないぞと怒られます。

もうすっかりセットアップ当時の記憶なんか忘れてしまっていました。

ネットで再度調べていると、やはり皆さん備忘録などでヒットします。

こちらの方も同じですね。

対処としては、Arduinoのインストールフォルダから該当のファイルをコピーすればOK牧場です。

コピー元

C:\Program Files (x86)\Arduino\hardware\tools\avr\etc

コピー先

C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Arduino15\packages\bitDuino13\hardware\avr\1.0.1

CH32V003J4M6 PD1 SWIO ピン共用問題 シリアル出力の実装とFlash eraseでの解決方法

RISC-Vコア CH32V003J4M6というSOP8パッケージの8pin品でのUART事情とその改善策の紹介です。

J4M6の8ピンパッケージは、PD1/PD4/PD5とUTXとSWIOが共通ピンです。

で、シリアル出力のデフォルト はUTXピンなので、UARTのシリアル出力を無計画にプログラムしてしまうと、次回からの再書き込みができなくなります。

こんなんエラーが出てボード認識できなくなります。

書き込みのみで、そのまま製品に実装するのなら、次回の書き換えはしないだろうからよいのですが、ファームの開発中となるといろいろ問題です。

ピンが共用されているもんだから、WriterがFlashを消去しようとSWDIOで通信をしようとしても、CH32V003側が他のピンで既に動作してしまっている場合、SWDIOでの通信がもうできなくなっているという状況です。

同じ事象を以下のサイトでも紹介されています。

8PinのRISC-VマイコンCH32V003J4M6にプログラムを書き込めなくなった時の一手段

小ピンマイコンの酷暑(1) CH32V003、8ピンマイコンからのHelloWorld

EEVblog Electronics Community Forum

SWIOピンからシリアル出力が割り当てられてしまっているので、チップとの通信ができなくなってしまっているので以後のFlash消去や再書き込みができないという訳ですね。

これは、UARTなどのシリアルの通信を実装する場合のファーム開発中の作業性に問題になったり、最終製品にはUARTは実装しないが、ファームの開発中にデバッグ用のモニターとしてシリアル出力でターミナルソフトに表示させたいなどの場合に問題になります。

もう、再起込みできなくなってしまったと途方に暮れるのではなく、以下の手法で再度書き込みができるようになります。

まず、プログラムの書き換え手段として2案を紹介します。

その1.Flashを強制消去をしてしまえば再書き込みができます。

前述のリンクでも紹介されていますが、WCH-LinkUtilityでプログラムを全消去してから再度プログラムを書き込むことで再書き込みできるようになります。

WCH-LinkUtility → Target → Clear All Code Flash-By Power off

ですが、書き換えるたびに消去を別のユーティリティソフトで実施するのは、手間だなという面倒くさがり屋さんには、次の手段があります。

その2.プログラムの先頭にdelayを挿入

たとえば、Arduino環境であれば、setupに非Arduino環境であれば、mainの冒頭にdelay(xxx);を設置し、起動直後5秒程度の”待ち”をいれます。

で、書き込み時(例えば、書き込みボタンの押下のタイミング)に電源を入れなおして再起動させます。この5秒の待ち時間の間でFlash eraceができればOkです。reset端子があればいいのですが、CH32V003J4M6の8ピン品には、リセット端子が無くPower on resetのみなので、書き込みのタイミングと電源入れ直しにコツが要ります。

書き込み治具の基板にモーメンタリーのB接点かC接点のプッシュスイッチを付けて書き込みボタンの押下と同時に電源OFF→ONしてあげdelayの待ち時間中にFlashの書き込みが開始でればOKです。

Flashなので多分ですが、その1.も、その2.も手続きは同じことをやっているだと思いますが、好きな方で実装すればよいかも思います。

まぁ、趣味の範囲なので、何とかやりますが、まじめにICEなどの開発デバッグ環境をそろええるとフツーに実装された機能なんだろうと思います。

で、少ないピンの共用問題あるあるなんだけど、デバッグ用に他の汎用ピンにUARTでモニター出力できるようにできればと思い少し調べてみました。(※Arduino環境限定)

その3.ピンのリマップでピン機能を切り替える

J4M6のデフォルトのピン設定が、SWDIOとUART TXが共用であれば、ピン設定を他のピン配置にしちゃえばいいよねということです。

まず、Arduino環境でのピン設定です。

…\Arduino15\packages\WCH\hardware\ch32v\1.0.4\variants\CH32V00x\CH32V003F4

上記に保存されている、インストールされたPeripheralPins.cを参照します。バージョンは、v1.0.4です。

UARTが有効されている場合のUSART1が利用されデフォルトのピン設定が分かります。

TX = PD5, RX = PD6, RTS = PC2, CTS = PD3です。

例えば、Remapレジスタ AFIO_PCFR1を参照すると、USART1_RM1[21:2]を書き換えることでピンマップが変更できそうですが、SOP8 J4M6では、ピンが限定されているのでUSART1_RM1[21:2] = 10しか選べません。

ですが、残念ながらUSART1_RM1[21:2] = 10としても、SWDIOが今度は、RXと共用されてしまうので、いづれにしてもSWDIOが無効化されてしまいます。

でなら、UARTのTXを汎用ピンで実装してしまいましょう。

その4.シリアル出力の実装

シリアルの出力のみ程度なら、サクッと汎用ピンに機能を実装してしまいましょう。

J4M6でなら、例えば、PD6にTXの機能を実装します。

内容としては、ボーレートの設定、汎用ピンの設定、シリアル出力機能の実装です。

※Arduino環境のバグがありますので、delay値は、1/2の値で設定しています。

Arduino構文を使用するとサクッと完結に記述できますが、非Arduinoとすると、まま構文が増えますね。

最終製品に実装する際には、SWDIOは不要になるので、そのままピンを寝かしておくには資産的にもったいないので、ファームの開発中は、delayで書き換えを凌いでいいと思います。

PWMでモーターやサーボを回したりや簡単な音を鳴らしたり、ADCもあるので外部入力のボタン類も実装できますね

たまごっちのネジにかんする相談いろいろ

今回は当医院に相談のあったたまごっちのネジに関するトラブルいろいろです。

5段階の可能性評価(5:難易度高、1:難易度低)で評価します。

デビルっちのたまごっちの白です。

修理記事にもたびたび登場しますが、デビルっちのたまごっちはどの色タイプもネジがほんと脆いです。

それほど強く回していなくても、ぽきっとすぐ折れてしまいます。

黄色枠の電池ボックスの蓋のネジ2本が折れてしまい、本体後ろのカバー内部に残骸が残っています。

この残骸はもうどうすることもできませんので、物理的にほじくって取り除くしかありません。評価段階5の難易度最高となります。

こちらのスタッフブログ記事でネジの残骸の除去とネジ穴の再建を行いました。

記事でも注意書きしておりますが、ネジ穴の溝を再建してもプラリペアでの溝は脆いので元々のネジ締め強度は残念ながらありません。

ネジを絞めるというよりは留めるというだけになります。

電池蓋のネジが折れても、本体の後ろ半分を白筐体の別のたまごっちからの移殖という手もありますが、そのためには本体を分解しなければならない。

このたまごっちは、本体のネジも潰してしまったので、とても厄介です。

右下の青丸のネジは、市販のネジ開封ドライバーを使ったような形跡ですが、これもこちらのスタッフブログで紹介しているとおり、ただ回すだけでは柔らかい鉄製のネジなんぞは簡単に削れてしまいます。これは、評価段階4となります。

当医院に相談にある時には、ほぼ手遅れな状態がほとんどです。

いづれのネジ外しは有料で承っているのですが、開封の可能性と概算の費用をお伝えすると皆さん諦めてしまいます。

こちらの記事もネジの開封の相談でした。

こちらのレベルでは、過去に開封の経験もあり、これは、評価段階2となります。

ネジ外しの経験があるので技術を駆使して比較的成功率あります。

こちは、電池蓋のネジを前述のネジ外しドライバーでツルツルにしたケースです。

もう手遅れが状態ですね。これは、評価段階5となります。

ご覧の皆さんへですが、ネジ外しのドライバーで失敗した場合は、もうどうしようもないと思ってください。

皆さんが、最後のトドメをさしたのです。

ネジ外しのドライバーを使わずに、真っ先にご相談していただければ救いの余地もあったのですが、とても残念です。

メールフォームの更新

メールフォームを刷新しました。

今までMW WP formというプラグインを使っていたのですが、プラグイン製作者の更新もセキュリティ以外の対応は既に終了しており、最近のセキュリティ更新にて突如、添付ファイルが添付できなくなるという不具合が起きました。原因は不明ですが、既にサポートも終了しているので、これを機に他のプラグインに移行することにしました。

前述の不具合のため、2023/9/7(金)から2023/9/4(月)までの間、お問い合わせフォームからファイルを添付できない状態でした。お問い合わせ自体は問題なく送信はできておりました。

おもちゃドクターの姿勢について

品質

私もおもちゃ修理に手詰まるとインターネットで修理記事を参考にすることが多いです。

また、当医院の修理記事が参考になり修理できたとうれしい報告をいただくことも多いです。

今回のスタッフブログは、そんな記事やいただいた質問に関する記事となります。

『高額がおもちゃを販売しておいて、壊れやすい設計になっていたり、修理などのアフターサービスがないことや修理のための情報を開示してくれない』とメーカー様の批判記事が目につきます。とても残念です。

恐らく、製品開発や事業管理などのご経験のない方のご意見なのかもしれませんが、このような事態にしてしまった一因は、我々にもあるように考えます。

製品開発をすると、自ずとビジネスとして成功するかどうかが重要な点になります。

例えば、家電製品並みの信頼性試験や高品質の部品を揃えた場合、恐らく現在の数倍の製品価格になることは容易に想像できます。まして、幼児や児童を想定し落下/振動試験、信頼性試験などもできるわけないです。

キャラクター物にしないと売れなくなり、そうすると高額なライセンス料の支払いが必要です。少子化で競争も激化、その中で生き残りをかけて各社が新しい製品開発を日々頑張っておられます。

玩具としての価格設定は、他社の競争なのでPayできるラインをマーケティング部隊や開発部隊と相談して設定します。

現在の価格でも高いというのと逆に、この価格で販売してくれて、かなり頑張られたという一面もあろうかと思います。

このようなビジネス環境においてしまったのも、我々消費者です。玩具の開発や事業をやめてしまっては元も子もありません。

このような見えない圧力を消費者が与えているのも一因です。

製品のライフサイクルとその間の生産台数の見込みなどを綿密に計画し製品価格を設定し、どのような部品が使えるかと、どのレベルまでの試験で出荷すると、顧客サービスはどのレベルまで対応できるかなどです。

私も、以前HDDレコーダーの製品開発で、競合他社とのコンペにおいて、出荷試験コストが自ずと決められ、その中で実施することになります。

玩具も同じく、そのような制約のなかでできることしかできません。

批判ばかりで、メーカー様に的外れなクレームを申し入れ、その回答をホームページに掲載して晒すような、酷い方もおられ、残念でしかたありません。

我々おもちゃドクターは、壊れたおもちゃを修理するという使命から逸脱し、いつしかメーカー批判にばかり尽力するような事態になっています。

部品ひとつひとつに高信頼性を求め、商品も10年無事稼働するよう設計とそれに見合う製品価格を想定し、アフターサービスもある玩具を想像してみてください。

おもちゃドクターの任務は、壊れたおもちゃを修理をして元のように遊べるようにすることです。