新種発見!たまごっち スポンジズレ修理

当医院のYouTubeチャンネルにアップしている動画をみたという方からの依頼です。

たまごっち液晶押圧確認動画

こちらの動画は、液晶のゴム電極と基板の端子が導通に不良が起きており、指でその電極を押してあげるだけで液晶の描画が切れている箇所が映りだすという現象です。

ゴム電極は、押し圧で導通する仕組みなので押し圧を増すだけで改善します。

さて、今回のご依頼は、事情が違いました。

右下1/4程度しか描画しないのは同じなのですが、原因は違うようです。

押しても映らない

動画の通り、押し圧を変えても描画に変化がありません。

どうも違い要因のようです。

早速分解して内部を調べてみましょう。

おおおお!

どうして、こうなった!?

向かって左の壁紙の上下にあるのが、ゴム電極です。

液晶の上下に配置されており、右側の基板上の電極に向かい合わされ接触し導通します。

本体をネジ止めすることで押し圧が確保され電気的に導通します。

が!

本来、液晶の壁紙と基板の間に挟まっていたスポンジが45度ズレてしますね。

よく見ると、電極の上に被さっており液晶の電極の導通を阻害しています。

本体側のネジも少し緩めだったので、恐らくご自身で分解された際にズレてしまい、そのまま組み立てたのだろうと思います。

正常な位置に戻して組み立てます。

折角なので押しボタンの接点をアルコールで拭いておきます。

さて、どうでしょうか。。。

動作確認

無事描画しましたね。

因みに、液晶が反転し黒く描画されているドットの上下に影が出ています。

確たる原因は不明なのですが、以前も同じような症状を解析したことがあったのですが、原因は分からずです。

液晶を交換するときれいになったりしたので、恐らくは液晶の劣化だとは思うのですが、現状のままでお使いいただくことになります。

液晶ドットマトリックスのRow、Columnsのデコーダは活きているようなので、周辺液晶の誤反応のように感じます。

さて、今回は液所の描画不具合の依頼でしたが、蓋のネジが鉄製の純正のネジでした。

恐らく、今後潰してしまう危険性大です。

相談の結果、ワッシャー付きネジをご希望でしたので装着して修理完了です。


修理をご依頼したたまごっちを受け取りました。
とても古いおもちゃですので半ば諦めておりましたが、正常に動いて感激しました。
これで姪っ子に渡せます。ありがとうございます。

この度は大変お世話になりました。
ありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

たまごっちプラスカラー 液漏れ腐食重症 発振回路修理

数年ぶりにたまごっちを遊ぼうということで電池を交換したが、時計が進まず卵が孵化しないとうことでした。

因みに、羽化(うか)は、昆虫で、孵化(ふか)は鳥類や爬虫類だそうです。

じゃあ、たまごっちはどっちなの?

ですが、卵なので孵化ですね。

では、早速診断を開始します。

まず、電池ボックスの電極の液漏れの腐食が広がっています。

恐らく導通が取れていたのかもしれませんが、カツカツだったかと思います。

前述の1日ほど経過すると電源が落ちるという症状は、この接触不良かと誤認していたのですが、こちらは単なる液漏れで後述で判明する主因ではありませんでした。

電池ボックスの外からの目視ではそれほどでもないかな!?

と思いきや本体を分解すると…

┌|◎o◎|┘

まさしく地獄絵図かのような光景です。

アルカリ乾電池から強アルカリの水酸化カリウムが染み出し固まった光景です。。

保管時の乾電池外しは徹底しましょう。

電極の腐食が酷いので電極を交換してしまいます。

単四用の電極がサイズぴったりです。

電池ボックスの蓋止めのピンも削れていましたので、補修しようかと思ったのですが、蓋と止めるだけなので、現状のままとなりました。

さてさて、本体を分解して内部を確認しますが、そもそも卵が孵化しない場合、時計が進まないのが原因ですが、皆さんもご存じのとおり、32.768kHzの発振に不良が起きていますね。

クリスタル部品自体の故障か、発振回路の故障かなので、詳しく調べてみましょう。

早速ですが、電池ボックスの負極も腐食があり分解のタイミングでもげてしまいました。

カツカツで接続していたのですが、分解のはずみでポロっとちぎれたのでしょう。。

芯線も腐食していたので、導線は正極/負極とも交換します。

やはり発振回路にひろく液漏れの腐食が広がっていますね。

ちょうど、電池ボックスの負極の裏側にこの発振回路が位置していたので、液漏れの液がこの基板にも降り注ぎ付着し影響がモロに出たようです。

では、この状態で電源導線を仮付けし起動してみます。

お問い合わせ時に通り、卵は、コロコロしますが、やはり孵化しません。

もちろんですが、時計も進んでいません。

やはり発振回路が停止していそうです。

因みに、時計用の発振とシステム用発振回路は別々回路なので、時計が進んでいなくとも起動しますし、システム自体は動作します。

時計用の32.768kHzの発振もオシロで計測してもうんともすんともです。

まぁ、そりゃそうだよね、発振回路がこの腐食状態であれば発振はできません。

Hiに張り付いたままです。

発振回路を詳しく目視確認します。

発振回路の外付けコンデンサーや帰還抵抗、制限抵抗も液漏れの粉で埋もれ基板の配線にもこびりついています。

テストパッドも設けられていますが、粉が吹いています。

アンプバッファは、COB内のICチップ内と思われますが、その他の回路は、基板からも推測できました。

発振回路については、こちらに詳細がありますので、勉強できます。

自分は、車載マイコンの設計と評価をしていたエンジニア時分に、これでもかという解析と評価をしていたので、たまごっちでも同じような発振回路にお目にかかれるとは思いもしていませんでした。

液漏れの腐食によるリーク電流や基板の誘電率の変化、何より各部品の劣化が進行しているので、この時点で本来であれば修理不可能と判断となります。

このレベルの液漏れ腐食は、小手先の腐食部分の洗浄などは無力と思われます。

ですが、宅配おもちゃ病院は違います!

他のおもちゃ病院では、お手上げでもできる限りは尽くします!

ᕙ( ‘ω’)ᕗ

クリスタルを交換し、基板や部品に影響の出ないクリーナーで掃除します。

強くゴシゴシすると、弱ったパターンが剝がれるので、拡大鏡で確認しながら洗浄します。

クリスタル交換します。

クリーナーでざっくり除去できるこびりついた粉を物理的に除去します。

それでも残った粉は極細のピンセットで地道に剥がします。

この過程を4,5回繰り返し、もうこれ以上物理的に剥がすとパターンが剥がれてしまうかもしれないという程度までとしました。

次に半田付け部分に腐食とクラックも入っているだろうから、各チップ部品の半田付け部を溶かしなおしします。

すると、時計が進み始めました。

⸜(´・∀・)_∠※ ヤッター!

しばらくすると、卵も孵化し成長し始めたました。

ですが、だいたいこの手は、糠喜びがほとんどです。

時間が経つと再発します。

というのも、半田ごてで一度熱しているので、その熱の影響で一時的に動作しただけであり、熱が冷めると再発することが多いです。

で、このまま時間をおき経過観察します。

ごはんやおトイレ、お風呂や庭の植物に水をやったりします。

自分も夕食を取りお風呂にも入って様子見しましたが、なぜか時間の進み方に早かったりと不可思議がことが出ています。

やや怪しい気配がムンムンしていますが、リセットしてみたり様子見を継続します。

ですが、翌朝、時計が停止してしまいました。

というか電源も落ちていました。

_| ̄|o チーン

もう、強制リセットしても、時計は進むことはありませんでした。

依頼者のところで、1日経つと電源が落ちるという現象は、これだったのですね。

もう、ここまでか、、、。(´・_・)

COB内のボンディングに剥がれがあって基板を温めるとくっつき、冷めると離れているのかもしれません。

であれば、やはりもう、ここまでか、、、。(´・_・) Part2

いやいや、こんなことではあきらめません。

何度もですが、こういうときは基板を眺めるに限ります。

なんと!

メインICのあるCOB側の基板面にVIAの穴を伝ったであろう液漏れの粉と腐食が広がってします。

ただですが、この回路付近は、発振回路とは無関係ではあります。念のためですが洗浄と粉を除去しておきます。やはり、時計は止まったままうんともすんともです。

この腐食については、何を期待してもいなかったのですが、再度基板を眺めていると、この時です!

歴史が動きました!⸜(´・∀・)_∠※

再度、発振回路を眺めていると、原因が判明しました。

※やはり、行き詰ったときは基板を眺めるに限りますね。

前述の発振回路のチップ部品の底面に取り切れない液漏れの粉が詰まってします。

25xの拡大鏡でやっとわかるレベルです。

おそらく、この粉で制限抵抗や帰還抵抗の抵抗値が変化していそうです。

また、外付けコンデンサーにおいても容量値も変化し発振条件の定数が変化します。

もう、この影響しか考えらませんというか、もうここに望みを託すしかありません。

極細ピンセットで残留の粉をそぎ落とします。

※画像を撮影していませんでしたが、カメラのマクロ撮影でも分からないレベルです。

さてさて、無論、一時的な回復はするのは分かり切っていますので、十分を時間をかけて経過観察しようと思ったのですが!

時計が安定しません。悪化しています。

万策尽きました。_| ̄|o チーン チーン

でも、また時計も止まるんでしょう!?

やっぱりね。しばらくすると止まります。ー_-;

ですが、何気にクリスタルの足をピンセットでちょんちょんしてあげると再度動き出しました。

ですが、この状態で24時間経過観察しましたが、やっぱり時計は再度停止します。

外付けコンデンサーなりの定数が変化してしまい、外部からトリガを与えないと初動しません。

んんん?

クリスタルの足をピンセットでちょんちょんして動き始めるなら、また半田クラックでもあるんじゃね?

ってことで、期待もせずクリスタルを再半田してみました。

するとどうでしょうか!

時計が進みだしました。ですが、これも糠喜びにならないように熱が冷める十分時間が経過するのを待ちます。

ドキドキです。

また停止してしまわないか、ドキドキしながら待ちます。

待つこと24時間以上経過しました。

無事です。

これ、直ったんじゃね!?

たまごっちもスクスク成長しています。

途中、なんども乾電池の抜きと差しを時間おいて繰り返しやってみたり、強制リセット繰り返したりしましたが、無事稼働します。

これ、直ったんじゃね!?

こんな感じで動作確認

当医院での診断と修理は以上までができる限界でしょう。

もう何度も途中くじけそうになりました。

この状態で依頼者様に返却し、依頼者様のところで、数日稼働をみてもらいます。


ここで返却し数日経過、、、。

※もうドッキドキです。


本日、3日目の動作確認させていただきました。

昨日と同じく、無事稼働しております。

また修理について感想なのですが、液漏れという酷い状態から、何度も何度も細かい所まで作業していただいて、ただただ驚いておりました。

時計も無事稼働しており、卵から孵化した瞬間も興奮して動画を撮っていました☺️

私の思い出のたまごっちに再び命を入れてくださりありがとうございます。

瀧下さんの熱心な治療のおかげです。

この度はありがとうございました🥰

ボランティア活動、陰ながら応援しております☺️

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

と、返却から三日経過確認してもらい無事稼働とのことでした。

めでたしめでたし~。

てんしっちのたまごっち 白/青

てんしっちのたまごっち 白/青 2個の修理依頼です。

てんしっちのたまごっち 白

蓋のネジが固く開けられるとのことです。幸いに致命傷になる前にご依頼をいただいたので、開封の確率はグーンとアップします。

新品未開封で購入されボタン電池の絶縁シート抜いても起動しないそうです。

固くで回らないそうです。

左側、若干頑張られた感がありますが、溝はほぼ無事です。

右側もほぼそのままです。

開封作業に着手しましたが、かたは固く鉄製のネジでは、恐らくすぐ削れまくってツルツルになりそうです。

焦らず、定石方法で適切な治具を用いて開封します。

ネジが思いのほか固かったですが無事外せました。

ボタン電池の液漏れもありますね。

では、次に起動確認をします。

残念ながら、うんともすんともです。

電極も液漏れによる腐食などなく、念のため接点復活剤で拭きあげてましたが、やはりうんともすんともです。

本体内部に故障がありそうですね。

では、分解して診断します。

すぐ原因が判明しました。

シリンダー型のクリスタルの足の半田付け部分が変です。

足も曲がってしまって短絡していそうです。

これって、明らかに初期不良の交換対象になりそうな案件ですが、恐らく個人の方のデッドストックだったのかもしれません。

半田が取れて足が浮いています。

もう片方の足の曲がりも変に気になります。

調べてみると、半田が取れてしまった原因と片方の足が曲がった原因もはっきりしました。

このシリンダー型のクリスタルの位置をテキトーにして半田付けすると、クリスタルの筐体とたまごっちの筐体の縁が干渉し内側に押し込まれます。

その力でまずは、筐体外側の足の片方が曲がってしまったようです。

で、で、で、その力が内側の足にかかり半田付けが弱かったので、半田付け部分が取れたようです。

足の曲がりで両足の短絡がおきたりもします。

実は、この故障解析前に曲がった足をまっすぐにして取れた半田付けを再半田しただけで筐体に収めると、カバー閉まりません。

収まりが悪く、強引に押し込むと同じように足が曲がりました。

と、ここで故障原因がはっきり分かったという次第でした。

筐体との干渉に注意して足の長さも切りそろえ再半田しました。

これで無事起動できるようになるでしょう。

動作確認

問題ありませんね。

最後に当医院オリジナルのワッシャー付きネジを装着しておきます。


てんしっちのたまごっち 青

青のてんしっちのたまごっちのネジも同様に固かったですが、無事外せました。

やはりこちらも液漏れしていますね。

依頼者様より絶縁シートを抜くと一瞬起動するが、すぐ切れてしまうそうです。

まぁ、このボタン電池の具合では起動すらできないですね。

電極にも液漏れの粉が付着していますね。

のぞき込むと半田の残骸が、ボタン電池の底面シートの上にのっているので剥がしておきます。

ルーターのブラシで研磨します。

では起動確認しましょう。

動作確認

問題ありませんね。

こちらも同様に当医院オリジナルのワッシャー付きネジで装着しておきます。

久しぶりのおばQです。


フリマサイトで購入したたまごっちの電池の蓋ネジが固く修理をお願いしたのですが、他にも不調箇所を見つけて直していただけて、本当に助かりました〜…!

遊べるようになってとても嬉しいです!

修理の内容なども写真と動画で丁寧に送っていただけて、安心してお任せできました。

この度はありがとうございました〜…!

~依頼者のご感想より~

たまごっち ケーたま 修理

可愛らしいシールですね。

ネジは錆びて溝が潰れていますので、新品に交換します。

さて、このケーたまは、ベースはたまごっちプラスのようですが、『赤外線通信ができるたまごっちの「ケーたま」、20周年を記念して全世界でリバイバル』とのことです。

「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」20周年を記念して、リバイバル版となる「Tamagotchi Connection」が全世界で発売される。

だそうです。

恐るべし、20周年の全世界で大人気のたまごっちです。

さて、不具合の症状は、電池を入れてもなかなか起動せず、押しボタンも先の遅いもので押し込まないと反応しないそうです。

起動不良は、電極の汚れかもしれませんが、電源が突然切れたり突然入ったりでなければ、他の不具合の線が強そうです。

押しボタンの反応は電極の汚れでしょうか。

では、診断します。

早速、電極の汚れを懸念して接点復活剤で電極を拭きあげておきます。

次にボタンを入れてみると、起動しジャガイモのような卵がゆらゆらします。

しかし、待てど暮らせど一向に孵るそうすがありません。

通常、3分ほどで孵るのですが、うんともすんともです。

押しボタンも反応せずリセットのみができる状態です。

他の修理でも経験していますが、この起動直後のジャガイモのゆらゆらは、IC内のCR発振で起動しております。

ですが、時間制御は、外付けのクリスタルに切り替わるので、進まないときは32.768kHzのクリスタルの故障を疑います。

マイコン回路の設計やマイコンの設計経験があれば、このあたりの回路はご存じかとは思いますが、起動自体は内蔵の発振を使い無事起動できたところで外部発振に切り替えます。

まぁ、信頼性の問題なのでしょうが、よくある回路仕様ですね。

クリスタルの発振ははり付いたままですね。

半田クラックの懸念もあるので、ひとまず半田付け部分を溶かしなおしてみます。

改善しません。

で、クリスタルを交換してみます。

無事、発振しました。

さて、次に押しボタンを確認します。

電極に汚れが付着していますね。

恐らく、この汚れはシリコンボタン側の導電ゴムの残骸のようです。

アルコールできれいに掃除をしておきます。

で、起動確認をします。

無事、初期設定できるようになりました。

ではでは、組み立てて、次に時計設定をして秒が進むことも確認し、卵の孵化をまちます。

無事、孵化しました。

ボタンの反応も回復しました。

まだまだ安心できません。

半田付けをしているので、12時間以上放置してから起動の再確認します。

問題ありませんね。

動作確認

これにて修理完了です。


いぇー!ふぁみりーイロイロ!たまごっちプラス ふぁみたまユニクロ限定ver 水没修理

以前にも同じたまごっちの依頼のあった同じたまごっちで液晶のドットが切れ切れに描画されるということで修理の依頼がありました。

壁紙にユニクロの印刷があり、当時は商品名を知らなかったのですが、『いぇー!ふぁみりーイロイロ!たまごっちプラス ふぁみたまユニクロ限定ver』とのことです。

長いの白いユニクロたまごっちと呼ぶことにします。

蓋のネジや飾りのフックに錆が上がっていますね。蓋のネジは新品に交換しましょう。

さて、液晶の具合を診ましょう。

液晶の縦横ラインがガッツリ消えていますね。

液晶のゴム電極を基板端子に導通に問題がありそうです。

では、分解して診断を続けます。

裏蓋をあけると気になる点があります。

国宝級にネジ錆びてません?

尋常でないレベルにネジ錆びちゃってます。

理由はすぐ分かりました。

ですが、この錆びたネジを回しても折れないか心配です。

コキコキ感触を確かめながらネジを外します。

無事外せましたが、うあ”-錆さびですね。

分解時の水没反応シールですが、がっつり水没していたようです。

因みに水没シールは、筐体の穴から覗いて確認できます。

矢印の奥にシールが見えます。

少しでも滲んでいる場合は水没反応ありです。

日常の生活湿気のようなものでは反応しませんので、こちらで確認できます。

所々の半田付け部分にも腐食しています。

依頼者は、このたまごっちを中古で10000円程で入手したそうですが、残念ながらこれは水没のジャンク品ですね。数百円レベルです。

先のネジが錆びていた原因は、水没が原因のようです。

しかもしばらく浸っていたのかもしれません。

基板のネジの錆がないので、表面的な水没かもと思ったのですが、がっつり水没ししばらく放置されていたのが、次の解析で判明しました。

押しボタンの基板側のパターンもすごい汚れです。

もう酷いの一言です。

このレベルでは、修理不可能という判断してもよいのですが、依頼者様からたってのお願いでしたので、診断を継続します。

接点類は、溶剤のクリーナーで洗浄します。

で、液晶の描画の原因であろうゴム電極と基板との密着点です。

すごい汚れです。

この電極部をきれいに剥がさないといけません。

インターネットで修理されている方で強引に剥がし液晶が消えちゃったという方がおられました。

液晶のガラス面を基板間の導通を担っているのが、ゴム電極でゴム素材の中に導電性の金属が仕込まれており両側からの圧で金属同士が接続し導通するというメカニズムです。

LSIのテスト治具であるソケットに業務でも使用した経験があります。

で、もちろんですが、両側の端子と接続できるようにアライメントされており、基板側のアライメントは、筐体のケースに枠があります。

一方、ガラス側とのアライメントはそのような位置決めはしていませんので、ガラス側は決して剥がしてはいけません。

というか、そもそもこの液晶部品は、ガラス面に導電ゴム端子が付いた状態でアセンブリされるはずです。

失敗すると、終わりの世界になるので、依頼者様に剥がすというリスクの承諾を得て剥がしました。

無事成功!

かなり強固に粘着しています。

何か変です。

うっあ”-、、、なんじゃこりゃ。

汚れや何やらびっしり付着しています。

もう、完全に水に浸りまくって、湯舟じゃないけど首まで浸かっていたのですね。

しかも長風呂。

で、液晶側は、、、

だ・よ・ねー。

スゲー汚いです。

これだけ汚れていたのに、少なくても液晶がある箇所は描画されていたのが逆に不思議です。

手持ちのクリーナーを基板に吹き全体をブラシでゴシゴシしてきれいにします。

まぁ、ある程度は綺麗にはなります。

数回ゴシゴシします。

で、取り切れない腐食は細かいサンドペーパーでもゴシゴシしたり、ゴム側も表面をサンドペーパーでゴシゴシします。

基板側は仕上げにピカールで磨きもします。

このようなゴシゴシやコキコキを繰り返しながら、起動描画確認します。

あ”-!

起動しない! _| ̄|o チーン

うんともすんともになっています。

心臓が止まりそうになりました。ー_-;

ゴシゴシ前までは起動していたのに、ゴシゴシしたのが原因で起動しなくなってしまいました。

ですが、おおよそ原因は推測できます。

腐食が基板全体に広がっていたので、各素子の半田付けが脆くなっていたはずです。

そこにクリーナーをシコタマ吹いたので急冷されクラックが入ってしまったようです。

よくある、基板の半田付けを全て溶かしなおします。

いろいろ起きますね。

依頼者からのたってのお願いなのであきらめずに頑張ります。ᕙ( ‘ω’)ᕗ

半田の溶かしなおしを終え再起動すると、ピーっとなりました。⸜(´・∀・)_∠※

でも、まだ液晶が切れています。

ですが、ここまでよく復活できましたよね。

自分を褒めてあげたいと思います。

ご覧の皆さんもサポートのご寄付を受け付けますので、ご遠慮なく冒頭のご支援をください。

さて、どうしましょうかね。

ですが、依頼者様のお気持ちを考えるとあきらめられません。

液晶との導通状況を再確認します。

既にかなりの研磨もしているので、これ以上の研磨をすると電極のパターンが剥がれます。

とどめを刺すことになるので、拡大鏡で確認します。

す・る・と?

原因が分かります。

やみくもに研磨したりこすったりしましたが、原因は、凹凸でした。

端子の谷間にまだ汚れがびっしり詰まっています。

本来は、端子間に凹へこみがあり、そこに押し付けることで密着度が上がるのですが、凹みがフラットになっています。

極細のピンセットと拡大鏡で地道に端子間の凹みを復活させます。

あ”-こんなに汚れが詰まっています。画像は一部ですが、全端子の凹みを復活させるべく地道に休憩を入れながら作業します。

液晶側のゴム電極の表面も今度は少し粗目のサンドペーパーでゴシゴシします。

作業をすること、数時間後。。。

キタ━(゚∀゚)━! キタ━━━━

バッチリ復活しました。

なんの切れ間もなく正常に描画されています。

ただ、コントラストが強めが気がしますが、もともとだったのかどうかまでは分かりませんが、描画が復活しました。

ただし、当医院は騙されません。

時間んをおくと再発することも多いので、今夏もお世話を数日します。

その前に錆びたフックを研磨し錆びたネジも交換します。

できる限りの処置はしました。

あとは、経過観察で再発しないことを祈るばかりです。

ごはんに、トイレ、遊んであげること2日間。。。

快調です。

問題ありません。

これで無事修理完了としてもよいでしょう。

長かった、いゃー長かった。

フリマなどで購入する際は、動いているだけで値段を決められてしまいますが、水没有無で値段交渉できると思います。


海で発見 たまごっち ネジ外しと穴再建

海で発見たまごっち 2個のネジ外しの依頼がありました。

恐らく中身は同じ商品ですが、筐体が違うバージョンのようです。

スケルトンの海で発見たまごっち

では、まず筐体がスケルトンのたまごっちから着手します。

ネジの状態を確認します。

依頼者様は、ネジが固くて外せないとのことでした。

固くて回せない場合、ネジが折れることが多いんですよね。。。

ちょっと心配。(˘•ω•˘)

左側のネジは、ネジ回しに頑張られた痕がありますね。

溝が少し歪んでいます。

溝が歪むくらい固いようです。

左側は無傷のようです。

では、開封に挑戦します。

歪んだ側のネジは少し手こずりましたが、無事無傷でネジを外せました。

ボタン電池は、膨れてきていますね。

幸い液漏れしておらず、電極もきれいです。

動作確認

ボタンの反応も問題ありません。

スケルトンの海で発見たまごっちのネジ外し作業は完了です。


では、次に水色の海で発見たまごっちを診断します。

先にお伝えしますが、この水色の海で発見たまごっちのネジ外しが、今までネジ外しで作業した中で一番のたいへんさでした。

両手の内出血もひどく収まるまで時間がかかりました。

問い合わせの際に画像を拝見していたのですが、市販のネジ外しの溶剤のような痕がありました。

ボタン電池用の絶縁シートが挿入されたままなので、ほぼ新品なのでしょうかね。

左側は、もはや地獄絵図ですね。

ネジ穴周辺の溶け具合をみると、瞬間接着剤を垂らしてしまったようです。

右側のネジも同様ですね。

後で確認したのですが、やはり接着剤を垂らして開封に挑戦したそうです。

インターネットでそのような記事を見つけたそうです。

以前ネジ外ししたたまごっちでも同じようにインターネットで見つけた情報で接着剤を垂らした方がおられました。

ドライバーとネジの溝が強固にくっつくことはありません。

検索してみると、過去のYahoo知恵袋で無責任に回答している方がいますね。

しかも、ベストアンサーになっている恐ろしさです。

再度啓蒙します。

たまごっちのネジ外しに接着剤はダメ絶対!

話をネジ外しに戻します。

垂らしてしまった接着剤越しにネジが回転するか確認します。

運よく蓋との間で回転してくれればネジは外せます。

では、左側から。

うあ”~、無理ですね。

みるみるうちにネジの頭が削れます。

筐体が割るかもしれないほどのおよそ数十キロの圧をかけながらですが、ネジの頭がびくともしません。

逆にこれほど強固に接着できたのが、すごいと拍手したいくらいです。

同じく、右側も削れに削れました。

後で判明するのですが、筐体側にネジまれている軸は回転できたので、ネジの頭と蓋が接着剤で強固に粘着していたことになります。

既にここまでで数時間かかっており、両手の手のひらが内出血でひどいため、ここで一旦ネジ外し失敗と判断しました。

依頼者様にその旨の相談とここまで作業をしたのだから、いっそのことネジ頭を削り除去に挑戦されるか相談しました。

やっちゃってくださいとのことです。

(^O^)ワーイ

ルーターで既に削れたネジ頭を完全に削り取り蓋を開閉できるようにします。

とりあえず、ここまでできれば再度遊ぶまでのことはできます。

次にネジの残骸も除去できれば再度ネジ止めもできるようになります。

ネジが折れてしまった場合は、追加料金でネジ穴の再建をされるかどうか相談しようと思います。

翌日、両手の内出血が収まるまで休みます。

ではでは、ネジ頭を削ります。

精密作業用の研磨用ルータでできる限り蓋の穴周辺が拡大しようないように削ります。

このぐらいでやっと半分ぐらいまで削れました。

研磨用ルーターなのですが、不用意に蓋側を痛める心配が少ないので、地道に作業します。

いやでも、画像からも分かるぐらい接着剤を蓋がくっついていますね。

削り始めてから、半日でやっと薄皮ぐらいまでネジの頭を削れました。

ネジの頭が薄皮一枚なので、極細のマイナス精密ドライバーで薄皮をめくり蓋をこじると抜けます。

長かったー!

ここまでほんと大変でした。

蓋の穴周辺もできる限り損傷なく作業しました。

ボタン電池も液漏れなく電極もきれいですね。

次の難関である、ネジの軸の残骸を除去します。

本体側にも強固に密着しているので、回るかどうか確認します。

右側のネジの軸は前述のように固かったですが、地道にラジオペンチでつまみ回転させ外せました。

ですが、左側のネジの軸は、もうびくともせずで根本で折れました。

ここで次の判断ポイントです。

右側だけでも稼働はできます。

動作確認

ただここまで作業したのだから、ネジ穴も再建した方がよいか相談しました。

デビルっちのたまごっちと違い筐体側のネジは緩いので、この選択肢を提案でききました。

さっそく快諾とのことでネジ穴の再建をします。

裏カバーを外し裏面からルーターで削りネジの残骸を除去します。

穴周辺を養生し補修材で盛ります。

代替えのネジは、当医院オリジナルのワッシャー付きネジでということです。

補修材を垂らします。

十分時間をおき固まったところで再度ルーターで形を整えます。

浮いているように見えるのは、養生テープをはがした際の隙間があるためです。

組み立てて密着も確認します。

問題ありませんね。

再度動作確認も行い無事描画やボタン操作の反応確認し修理完了となりました。

ルーターで削った際の影響でワッシャー付きネジの端で穴が見えるようになってしまいましたが、蓋止めには影響ありません。

とてもたいへんな作業でしたが、ネジ外し困難が状況から再度ネジ止めし遊べるまで復活できました。


今回は海で発見たまごっちの蓋開けをふたつお願いしました。

ひとつは接着剤で酷いことになっていたにも関わらず、細かく提案を頂きながら修理頂きとても感謝です。

スピードもとても早く、あっという間に返送頂き、驚きでした。

もうダメかも、と思ったおもちゃで遊べてとても嬉しいです。

また機会があれば、よろしくお願いします。

~依頼者のご感想より~

てんしっちのたまごっち 折れた電極作成

おなじみのてんしっちのたまごっちです。

今回は、潰れたネジ外しではなく電極が折れてしまったそうです。

何十年も放置していたということと、電極に液漏れの粉も付いているので、液漏れで電極が腐食されL字などで既に曲がっている弱っている箇所に影響しもろとも折れてしまったのかもしれません。

過去にも液漏れのたまごっちの同じ電極を交換したことが多々あったのですが、あいにく既に在庫の部品取りの機の電極は全て移植済みでした。

2か所であれば頑張って半田付けして補修できるか診断してみましょう。

では、分解して確認します。

あ”ー!

もう片っ方も折れている!

木端微塵でした。

うーん、どーしよう、、、。

この電極は0.3mmの電極で程よい弾力でボタン電池に接地します。

0.5mmの銅板があるので、電極を作成しましょう。

マスキングテープで別の電極の型取りします。

このマスキングテープを銅板に貼り金物はさみでカットします。

ここまでざっくり加工し電池ボックスにあてながらルーターで微調整し成形します。

厚さ0.5mmで丁度の溝でした。

テキトーにするとカバーが収まりません。基板の絶縁シートに直に接しますので接する面は研磨しておきます。

ここまで加工できました。

厚さが0.5mmもあるので、ボタン電池のサイズギリギリになります。

依頼者様には、ボタン電池の出し入れは、コツをつかんでもらいましょう。

最後に液漏れで突起部が腐食した電極もルーターのブラシで研磨しておきます。

動作確認

バッチリ問題ありませんね。

押しボタンの感度も問題なしです。

久しぶりに復活したたまごっちで楽しんでもらえたらいいですね。


数十年ぶりにたまごっちを起動することができて感激しております。

子供の頃に叔父が買ってくれた思い出のたまごっちなので本当に嬉しいです。

ホームページも拝見しましたが、思ったより状態が悪かったようでしたがとても細かく丁寧な作業をしていただき感謝です。

迅速な対応とスムーズなやり取りも安心感があり、今度また何かあればお願いしたいと思いました。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

赤いたまごっち 潰れたネジ外し

電池ボックスの蓋の潰れたネジ外しの依頼がありました。

赤がきれいなたまごっちですね。

電池ボックスの絶縁シートがあるので、恐らくほぼ新品な状態のようです。

どちらのネジも錆が上がっておりますね。

向かって左のネジは、依頼者様で既に開封できており、今回の依頼は右側のネジとなります。

左側のネジは問題ないですね。

問題の右側のネジは、、、

かなり錆が上がっており溝も潰れドライバーで頑張った形跡があります。

うっすらとまだ溝らしきものが残っているので頑張ってみましょう。

無事出てきましたね。

ここまで出せればもう安心です。

無事ネジ外し成功しまいした。

今回は、動作確認も含めての依頼ですので、起動確認をします。

ボタン電池からは液漏れしていたのですが、幸い電極などへの影響はありませんでした。

動作確認

動作確認も問題ありません。

無事開封でき動作も問題ありませんので、これからも楽しく遊んでもらえると思います。


早速電池を入れましたが問題なく作動しております。

育てたい子がいたので本当に嬉しいです。

無事開くかどうか少し心配もあったのですが、想像もしていない速さでねじ外しだけでなく中の修理まで終えて連絡をくださった時は、本当に感激しました。

こまめに連絡もくださり安心して預けることが出来、また困った時はお願いしたいと思います。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

たまごっち いろいろな修理

いろいろなたまごっちの修理依頼がありました。それぞれについてご紹介しましょう。

#1. たまごっちプラス ふぁみたまワールド

青がきれいなたまごっちですね。

表面のシリコンボタンの反応が悪いそうです。

反応しないということではなく、押し込むと複数回反応してしまい操作しづらいとのことでした。

電子回路のチャタリングですね。

到着直後に動作確認をしましたが、特に左端のメニュー切替ボタンが複数回反応するので、操作しづらいです。

チャタリング現象は、メカニカルな電気接点の宿命なので、ソフト側などで対応します。

たまごっちも対応は既になされてはいるのですが、それでもチャタリング現象が起きるということは、ソフト側でも対応できないような複数回接点に接触するような機械的な現象が起きていそうです。

と難しいように書いていますが、要は汚れか異物でが接点とボタンの間に挟まってかで指押し込んだ際に機械的に複数回接触しているのでしょう。

恐らくたまごっちのプログラムは、チャタリング防止でFFを仕込んでいるか時間おきで電位の安定性を観測しボタンの押し込み判定をしていると思います。

で、依頼者様は、同じことを推測しご自身で分解し接点を清掃しようと頑張られたのですが、隠しネジのカバーが開けられずということでの依頼でした。

●要件

  1. 隠しネジのカバーは外す。
  2. 分解しボタンのチャタリング現象を改善する。

の2点です。

では、隠しネジのカバーを診ましょう。

黄色枠の隠しネジのカバーです。

通常は、鋭利な工具で抉るのですが、やはり大事なたまごっちなので、傷を付けたくないなどありますからね。

傷を付けずに外す場合は、強力な粘着テープで引っ張ることを想定していましたが、依頼者様よりホットボンドを塗って固まった後に引っ張るという手段も教えてもらえました。

では、挑戦します。

巷で売っている厚みのある超強力な両面テープです。

3M製などいろいろあります。

では、貼って十分粘着するようにカバーの上を押しこんで、、、、

剥がします。

ざんね~ん。 ̄▽ ̄/~

粘着の面積が小さく粘着力が足りません。

ではでは、次はホットボンドでリベンジです。

では、剥がしましょう!

ざんね~ん。パート2。 ̄▽ ̄/~

きれいに型取りできました。

おやおや、どうしましょうかね。

やはり物理的に抉るほかないでしょうかね。

依頼者様に状況を報告し傷などご了承の上抉ることになりました。

でもしかし、できる限りきれいに外せるように頑張ります。

少し端な白くなりましたが、致命的な破損もなく外せました。

ふぅー、やっと終わりました。\(^o^)/

…あれ!?

いやいや違った。

本業はボタンの接触改善でした。

では、分解しボタンの接点を確認します。

櫛パターンの間に何か黒いのが粘着していますね。

異物の粘着でパターン表面に凹凸ができてしまい、押し込み後にボタン側の接点が離れて際に再接触を繰り返していたのでしょう。

アルコールできれいにします。

次にボタン側の導電塗料も表面を薄く研磨しておきます。

これで大丈夫でしょう。

動作確認

解消しましたね。

電池ボックスのネジも錆が上がっていますので、新品のネジに交換します。

ネジは新品はやはりいいですね。

以上で、#1. たまごっちプラス ふぁみたまワールドの修理は完了です。


#2. たまごっちプラス ふぁみたまラブ

動作は問題ないのですが、電池ボックスのネジを新品に交換したいそうです。

ネジが少しさびでおり、溝も少し潰れかけております。

依頼者様では、このネジも外せないとのことでの依頼でした。

ネジは蓋から取れおりないように樹脂のワッシャー付きです。

純正のネジは、ワッシャー付き部分のネジ山がないタイプですが、ワッシャーは樹脂製なので通常のネジでも問題なく装着できます。

M2.6 * 4mmもしくは5mmの長さがぐらいがちょうどいいくらいです。

また、蓋のネジ穴の頭のサイズもあるので、なべネジの頭の径と穴の径も調べておきます。

※フラットヘッドタイプのネジを試したことがあったのですが、フラットヘッドタイプは強度を保つために頭の径が大きくハマりませんでした。

長いネジで絞め込むと基板にネジ先が達し基板を損傷します。

純正のフラットヘッドもいいのですが、個人的にはこのなべネジがお気に入りです。

すっきりですね。


#3. たまごっちメスっち

メスッチの潰れたネジの開封の依頼です。

オスっちもメスっちもデビルっちのたまごっち同様にネジがとても折れやすいです。

デビルっちは、ほぼ100%折れるのですが、オスっちやメスっちは、80%折れます。

残念ながら、今回のメスっちも折れて失敗してしまいました。( ノД)シクシク…

※この失敗、結構引きずります。

向かって左側のネジが潰れたネジで右側は問題のないネジです。※右側のネジは、なぜかサイズの細いネジでした。

ネジの溝はもう完全に無くなっておりますが、当医院においては、このぐらいのネジであれば回すことはできます。

そうなのです。

ネジの頭は回せるんだけど、ネジの軸が強固に筐体にねじ込んであり密着しているとネジの頭を回せても軸で折れてしまいます。

ほら、きれいに軸がねじ切れていますよね。

これは、同じことがデビルっちのたまごっちでも起きます。

幸いに右側のネジが残っているので蓋を抑えることはできます。

若干ボタンから液漏れしておりましたが、電極や基板に影響はなかったので、動作も問題ありませんでした。

動作確認

依頼者様に折れたネジ穴の再建のご希望をお聞きしたのですが、分解作業のため黄色枠のネジを外す際にさらに折れてしまう懸念があります。

そうなのです。

デビルっちのたまごっちでもそうですが、電池ボックスの蓋ネジが強固だと、本体側のネジも強固にねじ込んであるので、本体側のネジ折れることが多いです。

本体側のネジを折ってしまうと、もう取り返しのつかない事態になりますので、依頼者と相談しましてリスクを負いたくないということでこの状態までとなりました。

最後に無事な右側のネジも純正よりも細いネジでしたので新品に交換して修理完了です。


#4.おうちのでかたまごっち ゲーム王けってーせん

こちらのデカたまは、育成機ではなく完全なゲーム機でした。

症状としてうんともすんともで起動しないそうです。

同封の電池が単四のニッケル水素型の充電池でしたが、過電流事故防止の観点からも乾電池が適切なので、修理動作確認はアルカリ乾電池で実施します。

当初のお聞きしていた状態では起動しないということですが、乾電池挿入では起動しません。裏面のリセットボタンを押下すると起動はしますが途中でハングアップします。

起動同さ確認

( ,,・ω・´)ンンン?

途中でハングアップしてしまうのは、厄介かもしれません。

マイコンのプログラムの途中で読み込みできなくなっているのかもです。

Flashメモリの読み込みエラーであれば半導体故障で修理不可能となってしまいます。

では診断のため、こちらも分解しますが裏面の隠しネジのカバーがあるので、こちらも両所鵜の上こじって開きました。

まずは、基本的なところで、以下を確認します。

  1. 電池ボックスの電極端で正常に電圧が上がっているか?
  2. 基板の給電箇所で正常に電圧は上がっているか?
  3. 基板上の素子で目視問題ないか?
  4. クリスタルの発振は正常か?
  5. 電源の電解コンデンサーは問題ないか?

サクサクと確認します。

クリスタルの発振も問題ありません。発信回路のコンデンサーんぼ半田付けも溶かしなおしてみました。電解コンデンサーも取り外し容量の低下など問題ありません。

まったく改善の兆しすらありません。

基板の表面はCOBで封入されの制御ICのみとなります。

さてさて、困りましたね。

このような事態では、もう万策尽きた感があるので、基板上の素子の半田付けを全て溶かしなおしてみます。

既に目視確認はしておりますが、目に見えない汚れや腐食などで他のたまごっちで過去に改善した経験があります。

結果論になってしまいますが、そもそも仕様書もない状態での故障解析なので、ダメ元です。

あ”-!

ハングアップした箇所以降まで進みました!

やはり改善しました!

不具合の原因は分かりませんが、、、。( ̄▽ ̄;

動作確認1
動作確認2
動作確認3

うんうん、動いているっぽいです。

またこれも過去にあった経験ですが、基板上の半田を溶かすと一時的な小手先の熱で動作し、熱が冷めると元のように動かなくなることも多いです。

そこで、12時間以上時間をおき再起動してみます。

ドキドキですね。

問題ありません!

※動画は撮影していませんでした。

途中リセットなどしてみましたが問題ありません。

確たる故障原因は不明のまま、場当たりの修理作業となりましたが、この状態で返送することになりました。


潰れたネジ外しや押しボタンの接点清掃、起動不良の修理など、いろいろめじろ押しでした。

メスっちの失敗はありましたが、概ねいづれもたまごっちも遊べるようにはなりましたので、合格点はいただきます。


私の大切なおもちゃを修理していただき、本当に感謝しています。

私の乏しい日本語でこの作業をこなせるかとても心配でした。

あなたはとても親切で辛抱強く私に接してくれました。

おもちゃたちに新しい命を与えてくれてありがとうございました。

おもちゃは長く楽しむものだと思います。

ずっと大切にします。

あなたが直してくれたからこそ、これらのおもちゃは私にとってより大切なものになりました。

たまごっちで遊ぶたびに、あなたの優しさを思い出します。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

たまごっち ピース 修理不可

たまごっちピースの修理依頼がありました。

2012年に購入され、お子様が遊んでおられていたとのことです。

久しぶりに稼働させてところ、無事起動し出したとのことですが3日目に突如電源が落ちてからそのまま起動しなくなったとのことです。

過去にも数台のたまごっちピースを診断しておりますが、たまごっちピースは完治率が悪いです。

開封すると、電池ボックスのコンデンサーのボンドが変色しています。

過去にはこの粘着でフラッシュメモリーが剥がれてしまったという事態もありました。

何やら嫌な予感がします。

ちょうどその反対側のフラッシュメモリーのチップコンデンサーが腐食してしまったいますし、GNDのパターンかレジストにも何やら起きていそうです。

電池を挿入してもうんともすんともなので、まずは電源と発振回路回りを確認します。

電源は基板端まで正常に給電されており、基板上の昇圧IC端で3.6Vまで無事昇圧あれております。

クリスタルも32.768kHzと1.84MHzの2つが実装されており、どちらも発振もオシロで確認できました。

ついでに電源の電解コンデンサーも外し容量とESRを確認します。念のため交換もしてみました。

途中、液晶が点灯し起動音が鳴りはじめる場面が稀にあります。

以前、たまごっちiDLで同じ症状を経験しましたが、その際は修理不可能でした。

電源回りや発振回路回りの半田も溶かしなおしなどやってはみましたが、一向に改善しません。

基板上にはところどころ腐食した素子部品が目につきます。

もう解析できる作業は、万事尽くした感があり、この時点で依頼者様へ修理不可能であった旨報告しました。

当おもちゃ病院での解析能力では確たる原因は分からずで、もし分かったとしても基板の損傷からして修理不可能であったように感じます。

以上、残念ですが修理不可能あった案件の紹介でした。


残念ではありますが、瀧下さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

瀧下さんに診断依頼をして本当によかったです。細やかな連絡に安心して経過を知ることができました。

~依頼者のご感想より~