白たまごっち 破損電極移殖交換 修理

白たまごっち

白たまごっち 破損電極交換 修理


本当に迅速かつ丁寧にご対応頂き、ありがとうございました。

これで娘と2世代にわたってたまごっちで遊ぶ事が出来ます。

改めて今回は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

連日のたまごっち修理祭です!

自分は、たまごっちに詳しくないので、筐体の色でたまごっちを呼んでいます。

今回のたまごっちは、白地に青柄のたまごっちですが、白たまごっちと呼んでいます。

多分、細かく名前があるように思うのですが、スンマセン、よく知りません。。

さて、修理に話しを戻します。

約25年前に購入されたたまごっちをお子様が遊んでいた際に、急に画面が消えたり、消えたかと思いきや電源がONになったりOFFになったりと不安定だそうです。

恐らくですが、電池ボックスの電極がらみの不具合でしょうかね。

さて拝見します。

液漏れ痕

やはり、電池ボックスの電極に液漏れによる腐食痕があり、粉がこびり付いています。

液漏れ腐食痕

こちら側にも腐食痕がありますね。

液漏れの粉がこびり付いたままですと、辛うじて電池の電極と接触したり、こび付いた粉の箇所では電極が離れたりすると、依頼者様のような不安定な動作となります。

腐食痕を研摩して綺麗にします。

ですが、電極が一ヶ所折れています。

折れてます

ちょうど液漏れの腐食がある箇所で電極端が折れて、おれた残骸もないですね。

これも接触不安定の原因になりますね。

うーん、このままでもカツカツで電極に接触するだろうけど、心もとないです。

ちょうど、当医院には部品取り用の全く同じたまごっちがあり、また運よくこの基板に半田付けされている電極のパーツが綺麗な状態で残っています。

この電極は移殖することにします。

その他の腐食部分は、ルーターで研摩しておきます。

移殖
左:折れた電極 右:移殖電極

綺麗に基板からも取り外し、半田の残りも綺麗に吸取っておきます。

半田付け

サクッと半田付けしてしまいます。

半田盛り

本体を分解したついでなのでシリコンボタンの電極もアルコール拭きしておきます。

電極掃除

問題なさそうですね。

今回は、電池ボックス蓋のスペアネジもご注文を頂きましたので、純正のステンレス製ネジとワッシャー付きのオリジナルネジを同封します。

以上で修理完了です。


黄色たまごっち 接着ネジ外し

黄色たまごっち

黄色たまごっち 接着ネジ外し


昔を思い出して懐かしみながら育てています。

最近のたまごっちで遊んでいる子供には何これ~と言われていますが笑

今回電池交換の際にネジが開かず自分の手には負えなくなってしまってネットで探した所宅配おもちゃ病院の存在を知りました。

諦めかけてたのでダメかな思いながら送り出しましたが無事修理して帰ってきてくれてよかったです。

もっとお時間かかるかなと思っていましたが即日に対応して頂いて連絡のやり取りもスムーズで安心してやり取りが出来ました。

この度はありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

約20年ぶりにたまごっちで遊ぶためにボタン電池を交換するために裏蓋のネジを外そうと試みたそうです。

ですが、経年のためは、ネジが固く溝を潰してしまい、瞬間系の接着でドライバーとネジを固定しようとも試みられたとのことですが全くダメだったそうです。

接着剤を垂らすなど厳禁です。

ネジと蓋がくっつきます。

容易に想像できますよね?

ダメ絶対

片方のネジは開封ができ、そちら側のボタン電池は取り外した状態で診察を開始しました。

裏側
接着

おおお、潰れたネジが埋没するように蓋に固着していますね。

使用した接着剤は、瞬間接着剤とのことです。

よく、瞬間接着剤を剥がす時は瞬間接着剤剥がし(=アセトン)とお聞きしますが、アセトンはプラスチックを溶かすの樹脂に付いた接着剤を剥がすことはできません。

仕方ないので、ネジ頭周辺の接着をコツコツ削り剥がしネジの頭を綺麗にします。

さて、ここから作業開始です。

たまごっちの潰れたネジ外しは、いつも大変なのですが、やはり、今回の接着剤で固着したネジも、もうかなり、非常に、とても、、、たいへんでした。

だって、筐体に強くねじ込まれているところに接着されているんですから。

でも、諦めません。

地道にいつものように作業を行います。

格闘すること、30分、拡大鏡でないと分からないくらいですが、極わずかに回りはじめました。

蓋が浮いてきた

ネジは回っているのですが、蓋の穴を塞ぐように接着剤が覆いかぶさっているので、蓋が浮いてきます。

ですが、これはこれでネジは開封されている証拠です。

あと少しです。

さらに出てきた

作業を続けるとさらに蓋が浮いてきました。

もうたいへんです。

いつもは、右手だけの内出血で済むのですが、今回は左手も酷い内出血です。

約1時間の格闘の結果、蓋を破損することもなく、ネジも折れずに無事綺麗にネジが外せました。

ネジ外し

まぁ、でも毎回よく自分は、こんな溝のもへったくれもないネジだったであろう金属の残骸を綺麗に外せますよね。

ボタン電池が液漏れしていました。

また、蓋の片方のツメが折れています。ツメの残骸が本体内部から出てきました。

恐らく、依頼者様が片方のネジを外した際にこじったはずみでツメが折れたのでしょう。

このツメは補修ができません。

例え接着しても強度がないので、直ぐ同じ箇所で折れます。

同色の蓋を探すか、心許ないですが、テープで補強などするかですが、依頼者様と相談の結果、このままで返送することになりました。

次に液漏れの修理をします。

液漏れ
液漏れ腐食

液漏れの腐食は、ルーターで研摩をして接点復活剤で拭いておきます。

ついでにメンテナンスとして、シリコンボタンの接点もアルコールで拭いて綺麗にします。

あたらしい純正のネジを装着して動作確認します。

動作確認

ボタンの反応は接点の劣化もあるのですが、このぐらいの感度の場合は、現状でお使いいただくことになります。

まったく、効かない場合は、最終手段のホイル補修でボタンの接点を補修しますが、ある程度の押し込みで対処できるレベルであれば現状のままとなります。

以上、接着剤で固着した潰れたネジ外しのご紹介となりました。


たまごっち 潰れたネジ外しとシリコンボタン交換

たまごっち

たまごっち 潰れたネジ外しとシリコンボタン交換


最初のご連絡から、修理対応、全てにおいて大変明確でわかりやすく、修理内容も大変満足しております。

かなり古いおもちゃでしたので、使用は諦めていた分、子供に使わせてあげる事ができ嬉しく思います。

当初、素人判断で動作は半分以上諦めておりましたので開封のみでお願いしておりましたが、色々と良心的にご対応くださり、本当に有難うございました。

~依頼者様のご感想より~

どちらも電池ボックスの蓋のネジが潰れてしまい蓋を開けられないということでご依頼を受けました。では、診断を開始しましょう。

白たまごっち

白たまごっち

育成途中なので液晶は描画しておりますね。

ネジ

依頼者様で市販のなネジ外し剤を使用して抉ってしまったそうです。

頭の肉は残っておりますが、溝は完全に無くなっており、ドライバーでの感触も完全にツルツルです。

付着したネジ外し剤を除去しネジ外しを開始します。

出てきた!

徐々に出てきました!^^

もう少しです。

出た!

ここまで出ればもう安心です。

頭を摘まみゆっくり回し無事外せました。

無事開封

液晶が描画はしていたのですが、ボタン電池が液漏れしていますね。

電極にも腐食が回っております。

腐食電極

綺麗にお掃除をしておきます。

白たまごっち

動作も問題ありませんね。

白たまごっちの修理は以上で完了です。次に緑たまごっちを診察します。


緑たまごっち

緑たまごっち

こちらもネジの状況を確認します。

既にある程度出ている

緑たまごっちは、ネジの溝は、完全に無くなっており、知らない人がみたら、リベットかと思いますね。

でも、ここまで頭部分が出ていれば、回すというよりは摘まんで回すことができるので、こちらはサクッと外してしまいます。

開封

ボタン電池からの液漏れは無いので腐食なども見られないですね。

ですが、潰れていなかった左側のネジがどうもダメです。

溝削れ

画像からも分かるように本体側の溝が削れてしまっており、純正のネジでは締め付けることができなくなっております。

そこで、当医院オリジナルのネジで代替えしてみます。

代替えネジ

このネジは、ネジの頭にワッシャに付いており、万一溝が潰れても開封できる可能性を残しております。

長め

また、ネジの長さも純正のネジに比べ長めなので、今回のような純正のネジで本体側の溝を削ってしまっても締め付けできる余力を残しております。

ただし、再度強く締め付けてしまうと、同じように削ってしまうので、今後の締め付けについては、重々の注意が必要です。

蓋のネジについては、この代替えネジで対処していただくことにしました。

ですが、動作確認でボタンが全く効きません。

シリコンボタンの接点が劣化していますね。

このボタンの補修は基本交換できれば交換で、交換できなければ、最終案のアルミ泊補修となります。

と、ちょうど同色のシリコンボタンが、部品取り機についているじゃないですか!

シリコンボタン

サクッと交換してしまいます。

全く効かないよりは、効くようにはなりましたが、やはり新品同様に接触部ではないので、やや強めに押し込まないとイケませんが、これはこれで育成することはできるまで回復できました。

緑たまごっち

しかし、まぁ指の太い自分には、まぁ押しにくいボタンだなぁーと毎回思ったりします。

今回、2台のたまごっちのネジ外しと不具合部の修理を実施しました。

どちらも無事稼働できるまで修理できました。


メスっち オスっち ネジ外しと偏光フィルターシート交換修理

メスっちとオスっち

メスっち オスっち ネジ外しと偏光フィルターシート交換修理

メスっち

電池蓋のネジの片方が潰れてしまし開封のご依頼がありました。

既に装着されていたボタン電池の残量はあるようで稼働はするそうでした。では、ネジの状態を確認します。

潰れたネジ

錆もあがっていますが、溝が無いですね。ネジの頭自体は残っています。

ダメ元でプラスの精密ドライバーで感触をみると、食い込む溝がないので、くるくるのツルツルでした。

例によっていつもの手筈で開封をします。

出てきた!

格闘すること30分。

最初は、全くビクともせず、この状態のままで力ずくで回してしますとネジの頭が取れてしまいます。

汗だくでがんばり、ネジが出てきました。;;

ここまで出れば、もう大丈夫です。

開封

無事損傷なく開封できました。

ボタン電池が液漏れしており電極に黒色の腐食部分が出ていましたので研摩しておきました。

動作も問題ありませんので、メスっちのネジ外しは以上で無事完了です。

次にオスっちを診断します。


オスっち

オスっちの不具合は、2点です。

依頼者様で開封した際に折ってしまったネジの除去と液晶の映りが薄いとのことです。

ネジ折れ

折れたネジの残骸が、ほとんど本体から出ておりません。これでは、外部からツマミ抉ることができません。

本体カバー裏側から物理的にルーターで削りネジの除去を行い、新品のネジをとめることができるようにネジ穴の再建を提案しました。

ご依頼様に相談した結果、ネジについては片側だけで除去もネジ穴の再建も不要となりました。従いまして、次の液晶の映りが薄い件をみます。

新種発見!たまごっち 基板交換修理

新種発見たまごっち

新種発見!たまごっち 基板交換修理

たまごっちの修理のご依頼がございました。

余談ですが、自分はたまごっちは全く詳しくないのですが、『新種発見たまごっち』と呼ばれるたまごっちを数個過去に拝見した経験があります。

  • 白筐体に青デザイン版
  • スケルトンイエロー版
  • スケルトングリーン版

ネットで画像検索してもたっくさんヒットするので、もしかして『新種発見たまごっち』とは、筐体色やデザインを挿すのではなく、ゲーム機内のプログラムの違いを挿すのかもしれません。

さて、今回のご依頼は、90年代に購入されたたまごっちで、ボタン電池の蓋ネジが潰れてしまい電池交換できないとのことです。メールのやりとりでは、97年からそのままとのことなので、およそ25年そのままだったとのことです。

潰れたネジの開封を含みますので、今回は有料修理となります。

さて、ネジの具合を拝見します。

ネジ

向かって右側は、ご自身んで開封できたようですが、向かって左側のネジは溝が削れております。過去の症例では、重症とまでは行きませんが、筐体にネジが強固に固着した場合は、溝が残っていても開封できなかったことがあります。油断はできません。

左側
右側

では、開封に挑戦をします。

無事開封

サクッと開封できました。

懸念されたボタン電池の液漏れもやはりしており、電極に電解液が付着しております。ですが、25年の割には、粉粉しておらず電極に電解液は付着してはおりますが、腐食にまでは至っておりませんでした。本体を開封し漏れた電解出来は、慎重に拭きとり電極を綺麗にします。

液漏れ電解液

さて、今回はネジの開封および動作確認と修理のご依頼も含まれておりますので、早速ですが動作確認をします。

残念ながら、うんともすんともでした。起動時のビープ音も鳴らなければ、液晶の描画も現れません。

こういうtきは、基板の電源とクリスタルをまずチェックします。

電源は無事基板端まで供給されているというか、安定化電源で基板に直に供給します。

で、クリスタルがやはり発振しておりません。

無発振

起動しない原因は、このクリスタルが原因と思いますが、クリスタルの故障と早計に判断してはいけません。本件と同様に事象をオルゴールメーカーの修理で勉強になりました。

発振しない原因は、そもそもクリスタルの故障もそうですが、発振回路に給電がなされていない場合もあります。基板断線やCOBに封止されているICの故障もあります。原因の切り分けをします。

まず、クリスタルを手持ちの正常品と交換してみます。

クリスタル交換

たまごっちのクリスタルは円筒シリンダー型の32.768kHzです。

交換をすると、あら!?びっくり何事もなかったかのように起動します。

32kHz発振

トリガーを掛けておりますが、若干ジッタ―も多いですね。

さて、クリスタルを交換して発振するようにはなりましたが、これでクリスタルの故障と決めつけることはできません。

本件は、液漏れの経験のある基板なので、半田付け部分のクラックや目に見えない腐食、COB内に封止されたワイヤーボンディングの剥がれとも切り分けないとイケません。

半田付けの熱で一時的に断線が接続されているのかもしれませんので、この点も詳しく調べます。※よくある、翌日にまた起動しなくなったようなやつです。

そこで、この状態で冷ますためにしばらく時間を置きます。

約6時間経過、、、、。

やはり、起動しなくなりました。当初の状態と一緒です。なので、クリスタルは白でした。

次に、基板上の半田クラックを懸念して素子の半田付けを一式しなおしておきます。

これは結果は直ぐ分かり、一式半田付けし直しても変わりませんでしたが、ここで原因は判明しました。クリスタルの足に熱を供給すると、直ぐ発振し出します。冷めると停止します。

原因は、クリスタルの足の経路にありました。

断線ワイボンの箇所

発振回路の帰還抵抗から伸びる黄色丸枠あたりのボンディングワイヤーが恐らく剥がれ断線しているようです。半田で一時的に熱を加えると繋がり発振し冷めると停止します。

COB内の断線は、もうどうしようもないですね。

と、棚をあさっていると、何と!同じ新種発見たまごっちの部品取り機があるじゃないですか!うれぴー¥(^^

左:故障基板、右:移殖基板

依頼者様と相談した結果、部品取り機の基板を移殖することで合意できました。

ただ、液晶はないので、基板のみの移殖となり、液晶モジュールの導電ゴムとの接触不良の懸念があります。

液晶の描画不良

液晶の反転したドットの上下にうっすら反転痕が出ています。

原因は、分からないのですが、液晶の描画信号は、恐らくデジタル信号なので、こんなアナログが調整ができるわけないはずもなさそうだから液晶モジュールの劣化の線が強そうです。

さてさて、これらの点を含めて依頼者様に報告をし、ご納得をいただけましたので、これにて修理完了となりました。

オリジナル特殊ネジ

今回は、ステンレス製の頭の大きいネジもご希望ということでお付けしました。

ネジ頭が大きいので潰れにくく、ネジの径も純正ネジより0.1mm太いです。しかもワッシャ付きなので、ネジの溝が潰れてもワッシャー部分で開封できる見込みがあります。

当医院の通販で2本100円で販売しております。


てんしっち潰れたネジ外しと新種発見!たまごっち 修理

てんしっち 新種発見!!たまごっち

てんしっち潰れたネジ外しと新種発見!たまごっち 修理

てんしっちの蓋のネジ溝が潰れてしまい開封のご依頼がありました。同時に、緑の新種発見たまごっちの液晶の上下に反転痕が出てしまいかつ押しボタンの感度も悪いとのことで修理のご依頼を受けました。

では、てんしっちのネジ開封します。

てんしっちのネジ

てんしっち

このてんしっちっていろんな色があるんですね。

で、ネジは、二つあるネジの内、片側のネジは無事に取れ、もう片方のネジが潰れてしまったとのことです。

ネジ

遠目でみても、その悲惨さが分かります。

おおお

依頼主様が、プラスドライバーでかなりやっちゃったそうです。

もうネジだったような形跡が無くなっていますね。

このような状況で無事開封できるかどうか不安になりますね。

そこでガンバります。

出てきた

出てきました。もう少しです。

おおお

ここまで出てくればもう安心ですね。

後は、つまんで回して開封します。

無事開封

新たな傷もつけることなく無事に開封できました。

液漏れもなく動作の快調です。

潰れたネジの状況をみると、絶望に近いですが、よくもまぁー自分もよく開封しますねと思っております。


さて次は新種発見たまごっちです。

新種発見たまごっち

過去にも同じような現象をみたことがあります。

液晶の反転したブロックの上下にもうっすらと反転した箇所が出ています。

完全に映らないとか、途中から切れてしまうとかなら電気的な接触というのもあろうかと思うのですが、液晶への描画信号は、デジタル値なので、このようなうっすら描画するというどう説明できるのかなと悩んでおります。

以前、液晶と基板間の接点ゴムを剥がしアルコールで拭いてみても何も改善しなかったことがあります。剥がすことに失敗すると液晶が映らなくなります。

描画のドットは、座標で送ると思うので、このような現象は、液晶自体の何らかの劣化とみているのですが、自身があまりありません。

よく見る現象なので、次回までにできれば原因を突き止めておきたいですね。

それと、押しボタンの感度ですが、こちらも悪くなっております。基板のパターン側を接点復活剤で拭く上げておき、シリコンボタン側もアルコールで拭いてみます。

やや改善はされましたが、良好とまではいきません。

テレビのリモコンの補修でも実績のある、アルミ泊で保守したシリコンボタンに交換してみます。

アルミ泊

このアルミ箔での補修は最終策となります。アルミ箔をシリコンボタンの電極に接着剤で貼りつけるため、剥がすと塗布された導電塗料諸共剥がれますので、元に戻せません。

さて、アルミ箔で補修したボタンをもってしても感度が最良とはなりません。

この導電塗料は、抵抗値をもっているので、制御IC側は、AD変換などで変位を検知しているのかなと思います。そのため、アルミ泊で完全に導通させても感度が最良にならないのではと推測します。

押しボタンは、接点のお掃除である程度は改善できました。液晶については、接点のゴムを剥がしてアルコールで拭き上げてみるかどうかを依頼主様にご相談したところ、映らなくリスクがあるならということで、押しボタンの改善までとなりました。


たまごっちのネジが潰れてしまい途方に暮れていたところ、宅配おもちゃ病院のサイトを拝見し、藁にもすがる思いでご連絡させていただきました。

今回修理をお引き受けいただけたこと、そして無事潰れたネジを取り除いていただいたこと、深く感謝いたします。

また、厚かましくも別のたまごっちの不具合も併せてご対応いただき、ありがとうございました!

私にとってたまごっちは子供の頃を思い出す大切なアイテムです。

修理いただいたものは、これからも大切にさせていただきます。

この度は大変お世話になり、ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

新種発見!!たまごっち/モスラのたまごっち(スケルトンブルー)修理

新種発見!!たまごっちとモスラのたまごっち(スケルトンブルー)

新種発見!!たまごっち/モスラのたまごっち(スケルトンブルー)修理

たまごっちの修理ウィークの最中で、液晶が映らなくなってしまったと修理のご依頼がありました。

透明なイエロー(スケルトンイエロー)の新種発見!!たまごっちです。

新種発見シリーズのたまごっちはいろいろあって、どれがどれなのか区別が付かないのですが、今回のスケルトンイエローのたまごっちは、初代たまごっちよりも本体が若干大きめです。では、この新種発見!!たまごっちから拝見しましょう。

新種発見!!たまごっち

新種発見!!たまごっち

到着し当医院のボタン電池を入れてみると、なんと!無事に稼働します。

ん!ん!!ん!!!

まさか、また神の手が働いてしまったのか!

と冗談はさておき、原因は直ぐわかりました。

依頼主様が動作確認された際のボタン電池が同封されなかったので、しかたなく当医院のボタン電池を使用したのですが、原因は電池ボックスの腐食でした。

腐食1

たまごっちあるあるの液漏れによる腐食でしょうかね。

で、で、で、なんで当医院のボタン電池で稼働してしまったかというと、ボタン電池って、規格サイズが完全に同じではないので、依頼主様が動作確認した際の腐食部に接触しており、導通できずに動かなかった。

ですが、当医院のボタン電池では、多少外径形状が違うようで、接触部がズレたまたま導通して稼働したという具合です。

腐食2

腐食は、ルーターで研摩して綺麗にしました。

研摩1

反対側は、アルコールで拭きとるだけで綺麗にできました。

拭きとり

スケルトンイエローの修理は以上となります。

動作問題なし

液晶の描画も押しボタンの感度も問題ありません。


モスラのたまごっち

次にモスラのたまごっちを拝見します。

このモスラのたまごっちの貴重性を後で認識したのですが、60年代ではなく、90年代に製作されたモスラ映画とコラボレーションしたたまごっちらしいのです。

このスケルトンブルーのたまごっちは市販されておらず、なんと映画のチケットの半券!?が抽選の応募用紙になっており、抽選で当選しないと入手できないという、なんともマニアには、喉から手が出るのレアなたまごっちなのだろうと思われます。※すみません、その貴重度は、この程度にしか表現できません。。。

また、モスラといえば、恐らく怪獣系の映画という認識しかありません。年代的に、この時期の怪獣系の映画を見た世代ではないので、蛾の怪獣で、双子が歌を歌っているような、コントは観た覚えがあります。

脱線はこのぐらいにして早速電池を入れて動作確認をします。

あらら

あらら、何とも液晶の中央部しか描画されず、しかもめちゃめちゃですね。

依頼者様からのご説明では、当初は正常に映っていたのだが、急に画面の描画がだんだんおかしくなって再度には全く映らなくなったそうです。

うーん、今までのたまごっちでは、液晶と基板間を接続する導電ゴムの電極が歪んで接触しなくなったとか、押し圧が足りなくなって断線するとかですかね。。。

いづれにしても開封して接触の具合を確認しようとすると、疑問点が出てきました。

ネジ溝削れ

本体左下のネジの筐体側の溝が削れてネジを絞めることができなくなっています。

もうクルクル状態です。

そんで、他の3本もなにやらキツメに絞められているようです。開封する際に、”カキ”と音がなります。ネジの溝削れは、記憶にとどめておいて開封します。

開封

綺麗ですね。特に液漏れなどもありません。

ん!ん!!

何か無い。

無い!

黄色枠にあるはずの液晶が横ずれしないようにするアライメントパーツがありません。

手持ちの初代たまごっちにはあるこのパーツが付いていません。

アライメントパーツ

初代たまごっちのパーツを付けてみたのですが、ガバガバですが、このようなパーツが付いているはずです。※と、この時は付いていて正しいと思い込んでいました。

ここで現状の分かった情報から推理します。

  • 液晶の描画変で液晶と基板の接触不良のような感じだ。
  • 本体のネジがきつく締めてあって、左下のネジに至っては溝が削れる位になっていた。
  • 液晶の横ずれを防ぐパーツが付いていない。

ここである予想を立てました。

横ずれのパーツを何らかの理由で取り外したか紛失しそのままの状態で本体のネジをきつく締めてしまった。それが原因で、液晶の導電ゴムの電極が、ネジ締めの押し圧に負け横ずれを起こして液晶の描画不良を起こしていた。

依頼者様は、このモスラのたまごっち(スケルトンブルー)を中古を購入されたとのことなので、前主様が何らかの理由で手を入れたのだと。

この推測が正しければ、付いていない横ズレ防止のパーツを取り付けズレを抑止しないといけません。そんで、強くネジ締めをしていたので、ネジを緩めることで液晶の描画が改善されるかもしれません。

しかしですね、無いパーツは、作りようもないのでどうしようか悩んでいました。

うーん、ジャンクの中古品から移殖でもしようかと、フリマを漁っていたところ、あることに気づきます。

『モスラのたまごっち』で検索すると、似ても似つかないたまごっちがヒットします。

  • 白い筐体に青いデザインの、初代のモスラのたまごっち
  • 白い筐体に緑のデザインで、初代よりもやや大きめもたまごっち

この2種しかヒットしません。前述しておりますが、ここであることを知りました。

このスケルトンブルーのたまごっちは、市販品ではなかったのでした。

聞くところによると、白い筐体に緑のデザインで、初代よりもやや大きめもたまごっちと中身は同じで90年代のモスラ公開に合わせて抽選で配られたレア品だったのでした。

であれば、市販品の格安中古ジャンク品を入手して、例のパーツを移殖してみようと思います。パーツが無い件は、この線で対応します。

次に、ネジの締め過ぎであった検証をしてみます。

まず、開封の状態で安定化電源から給電してみます。

するとー!なんとー!

正常

正常に描画するじゃない。

やっぱり、ネジがきつく締めてあったんでしょ?

もう一歩踏み込んで液晶の描画オカシイ時点から徐々に三ヵ所のネジを徐々に緩めて液晶の描画がどうなるか確認します。

ほら綺麗

全くもって綺麗に描写されます。

これで液晶の描画がおかしい原因の一つが、ネジの締め過ぎによる導電ゴムの電極の接触不良と判明しました。では、横ズレ防止のパーツを付けてネジを絞めてみると、どうなるのでしょうか?

どきどきですね。

続きは、また来週!ってうそです。

フリマでご予算内の可動品を見つけたのですが、そのモスラのたまごっちを入手しパーツを移殖してみます。

待つこと数日、手元に届きました。

そっくり

筐体は異なりますが、中身を同じようですね。

早速開封します。

ない・・・

なんと、何度も見返しましたが、この市販のモスラのたまごっちにもあると思っていた横ズレ防止のパーツがありません。( ̄▽ ̄;

もっしかすると、このバージョンのたまごっちって、液晶の横ズレ防止のパーツが無くて正解だったという...

パーツが欲しくてフリマから可動品を購入しましたが、必要なくなってしまいました。なんてこったい!

_| ̄|o

号泣に塞ぎ悲しんでてもしかたないので、このモスラのたまごっちは、自分用で育てようと思います。

さて、スケルトンブルーのたまごっちの考察をやり直さないといけません。

当初は、ネジが締め過ぎで電極が歪んでいるので、それを補正する術はなく、ネジを緩めて遊んでいただく他無いように思いました。

もしネジ締め圧が正常な誤差範囲であった場合は、このスケルトンブルーのたまごっちは初期不良のような扱いになったかもしれません。

依頼者様は、本体の4箇所ネジの内、実質三ヵ所しか機能していなく、しかもその三ヵ所も緩めて遊ぶことに、かなり不安とのことでした。

不用意な振動などでリセットされると、ショックが大きいですよね。

描画不良の原因が、接触不良と予想されたので、導電ゴムの電極の基板のパッドとの接触部をアルコールで拭きとってみるようなことも考えてみましたが、以前に液晶のガラス側を剥がすといった失態の経験があったの最終案としました。

そこで、もう一つのプランとして、スケルトンブルーのたまごっちの液晶と基板間を接続している電極ゴムの歪みが原因であれば、フリマで入手したたまごっちの液晶と基板のみを移殖してみれば改善できるかもしれません。※制御ICを含む基板を移殖してしまうので、他のたまごっちといわれればそうなります。

基板の形状も同じでぴったり収まります。移殖部品は最小限にします。

すると、スケルトンブルーのたまごっちにおいてもネジを通常通りに絞めても液晶の描画が直りました。液晶の電極に歪みがないので、描画が正常にはなりますね。

で、不思議なことに、スケルトンブルーのたまごっちの中実をフリマで入手したたまごっちに移殖しても正常に描画がなされます。

スケルトンブルーのたまごっちの電極には歪みあると思っていたのですが、恐らくネジ圧が強くない場合は正常に導通しているようです。ネジ締め過ぎ=歪み発生というメカニズムで歪みが通常いつでも起きているわけではないのですね。

というもの、製品筐体設計や部品選定で相互の干渉を考慮し誤差範囲に収まるように製品設計されているはずです。

スケルトンブルーのたまごっちは、液晶と基板の厚さが誤差最大限界値に近かったとします。そこに筐体のスペース誤差が、運悪く最小誤差の限界値に近かったとすると、ネジを普通に絞めても何らかの不具合が起きそうですが、やや強めに絞めてしまったため、導通不良が発現したのだと思われます。

フリマのたまごっちは、筐体のスペース誤差が、通常誤差であったので、ネジを絞めても歪みが発生しなかったとすると辻褄があいます。

ただ、遊んでいる途中で描画がだんだんおかしくなったとすると、この歪みがネジ締めがトリガというわけでは無さそうです。歪みのトリガがなんであったかは、知る由もありません。

長かったですが、無事に二つのモスラのたまごっちが稼働できるようになりました。

依頼者様には、この二つともお返しすることになりました。

二つのモスラのたまごっち

電池の入れ替えの反復や、数時間の稼働で様子見を行い、不具合の再発もありませんので、これにて修理完了となります。

修理作業の間、依頼者様とは、いろいろヒアリングし、気にある点などできるだけ払拭できるようにしました。今度は最後までモスラを育ててもらえたらと思う次第です。


今回、当時の思い入れのある新種発見たまごっちとスケルトンブルーのモスラのたまごっちを修理していただきました。

どちらも突然動作不良になってしまい非常に落ち込んでいたのですが、こちらの宅配おもちゃ病院をネットで発見し早速お願いしてみました。

たくさん実績もありましたので安心して依頼をすることができました。

修理をしていただく過程でも、予算や状況について色々とご相談にのっていただき大変感謝しております。

この2つのたまごっちをまた育てることができ本当に嬉しいです。

自分ではどうすることもできなかったので、本当に本当にありがとうございました!

~依頼者様のご感想より~

ケータイかいつー たまごっちプラス

たまごっちプラス

とある日、新しい電池を入れたら、起動も正常に画面も描写されたが、電池の蓋をして、表に返したら、それっきり全く動かなくなったという問い合わせでした。

時間をおいた後でも故障の再現性もあるそうです。

当初は、蓋のネジを絞めすぎか異物の挟み込みで基板か電極の接点が離れたのかなと思い調べてみました。

到着後、直ぐ動作確認をしましたが全く問題なく、電池の入れ替えや蓋の開け閉めの繰り返しを行っても全く問題ありません。

うーん、、、。

このままでも仕方ないので、一応開封し内部に異物でも入りこんでいないか確認します。

内部

液漏れの形跡もなくきれいです。

異物らしき物もありません。

さて、どうしようかと悩みボタン類の接点のアルコール洗浄と電池の電極とクリスタルを再半田して元に戻し様子見することにしました。

数日、このままで電池の入れ替えと起動確認、ボタンへの反応をみます。

並走修理をしていた、別の案件の部品到着までひと月ほぼ時間があったので、その間様子見をしましたが、問題なく起動しましたので、現状のまま返送をすることになりました。

故障が再現せずとなりますが、依頼者様のところでは再現性もあるとのことですが、当医院では全く再現しません。

まさか電池の入れ方とかじゃないと思いますが、返却し動作を再度みていただくことにします。

それと、裏蓋のネジの溝がつぶれかかっていたので交換をしておきました。

蓋のネジ

我が家でも問題なく動いてくれました。

感動です! 逐一詳しい状況の連絡メール、写真、動画をくださり、安心して預けて待っていられました。

又、こまめに動作確認をしてくださり、あまりの丁寧な対応に感謝しきりでした。

一時は諦めたおもちゃ達ですが、思い切って瀧下様にお願いして本当に良かったと心から思います。

諦めず最後まで手を尽くしてくださり、無事復活して戻って来れたので孫の代まで大切にしていきたいと思います。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

たまごっち 潰れたネジ外し 5個

たまごっち

たまごっち 潰れたネジ外し 5個

当医院ではお馴染みの初期型たまごっちの電池裏蓋の潰れたネジ外しのご依頼となります。

当初は、依頼者様ご自身で開封を試みたようで、潰れかけたところで心配になり開封を諦めご依頼がありました。

このご判断は適格でした!^^/~

そのおかげもあり、ご依頼5個のたまごっち全てにおいて、綺麗にネジ外しができました。

ご自身でとことん迄こじった後でギブアップしご相談される方も居られるのですが、どこをどうしても開封できない事例もあります。

潰れたかも?と思ったら、即開封を諦め早めに相談ください。

今回のご依頼は、ネジ外し以外にもそれぞれのたまごっちの動作確認をして何らかの故障があれば、その修理もということでした。

潰れ程度

まず、一通りネジの潰れ具合を目視すると、3グループに分けることができました。

潰れ程度が酷いのから、良好のまでいろいろでした。

では、まず1個目のてんしっちのたまごっちから着手します。


てんしっちのたまごっち

こちらもお馴染みのてんしっちのたまごっちです。※名前くらいは詳しくなりました。

潰れ具合

既に片側のネジはご自身で外せたとのことで、残り片方を外します。

まぁまぁ山は残っていますね。溝の残り程度から開封の望みも十分あります。

出てきた

適切なサイズのドライバーで適切な外し方をすると、時間はかかりますがネジを外せます。

ご覧の通り頭が出てきました。

開封

無事綺麗に外せました。ネジ穴のくぼみに黒色のザラザラした粉が付いていましたが、これは市販のネジ外し剤のようです。

残念ながら、たまごっちのような極小のネジには無意味です。

残存の粉を綺麗にお掃除をします。

動作確認も問題ありませんでしたが、蓋のツメの片方が折れておりました。

既に開封済み側のツメだったので、誤って蓋をこじ開けた際に折れてしまったのかもしれません。

ここ
ツメ折れ

このツメは、たまごっちの本体側のツメがすっぽり入る穴に挿入され蓋を固定する役目を負っています。接着面に小さいです。

当初、エポキシ接着剤かプラリペアで盛って補強しようかと思ったのですが、そうするとツメ穴に入らなくなってしまいます。一応接着はしておきます。

接着

新しいネジで軽く絞めて作業完了です。

後のたまごっちで動作不良の修理不可能なたまごっちがあったので、依頼者様のご希望でそのたまごっちの蓋と交換装着することになりました。


どんどん行きましょう。では、引き続き2個目のてんしっちのたまごっちです。

てんしっちのたまごっち

では、ネジの具合を見ましょう。

左側
右側

こちらもまぁまぁ溝が残っていますね。こちらもネジ開け剤の痕がありますが、この程度で依頼をされた依頼者様のご判断は吉とでました。

開封

無事綺麗に開封できました。ですが、挿入されていたボタン電池の液漏れで腐食が出ています。錆の粉が本体内部に散らばってました。

動作確認もしないといけないので、電極の錆を落とします。

電極

ボタン電池間の電極が酷い錆です。取り外して研摩します。

あ”あ”あ”

腐食の影響で折れてますぅ。というか、折れています。

では、錆を研摩して綺麗にし折れた箇所は、半田付けで接続しましょう。

まず、ルーターで隅々を研摩します。やりすぎると電極の厚み薄くなりこれまたそこで折れてしますので、研摩は注意しましょう。

折れた箇所にあらかじめ半田を盛っておき、注意深く最後に接続します。

持った半田が今度は筐体の溝に入らないので、コテ先であたためで圧入します。

無事装着できました。

ネジ装着

以上で、てんしっちのたまごっち2個は無事ネジ開封と動作確認ができました。


次に行きましょう。

名前が分からないので、緑のたまごっちと呼びます。※名前、知っている方居られたら教えてください。

ネジの具合を見ましょう。

左側のネジ山は、過去の程度と比較すると、ほぼ残っているに等しいですね。

さくっと開封

これもサクッと開封できました。

ボタン電池の液漏れもありません。動作確認をしましたが、表面の押しボタンの反応がイマイチです。

強く押し込まないと反応しません。分解しボタンの接点をアルコールでお掃除します。

ボタン側
基板側

ボタンの接点と基板のパターンをアルコールで拭きます。

明らかな腐食などはないのですが、この手の感度が悪い原因は、シリコン製のボタン側に塗布された導電性の塗料の劣化で抵抗値が大きくなったせいと思われます。

全く反応しない場合は、覚悟を決めてアルミ箔で補修しますが、まだある程度感度が残っている場合は、無理に対応はしません。理由は、アルミ箔を接着剤で接着してしまうので、補修に失敗しても元も戻せないためです。

過去のこの塗布された塗料を何とかできないか検討をしたのですが、まだよい解決策がありません。

導電性の塗料Agペンがあるのですが、シリコン製のボタン側に塗っても時間をおくと剥がれてしまいます。また、円形の抵抗値のある導電性の補修部品も市販されているのですが、たまごっちのボタン先のサイズがそもそもなく、あったとしても厚みが厚すぎて貼れないということもあります。

依頼者様に事情を説明して今回は、この反応具合でとお許しをいただきました。

まぁ、指先で押し込めばいいんですけど、てんしっちのたまごっちの感度が良いので何とかできないかなぁと悩ましいですね。

5個中3個の作業が完了しました。一日目は、これにて就寝し残りは翌日対応します。


残り2個のたまごっちの作業を再開します。

同じオレンジ色のたまごっちです。※このたまごっちも名前が分かりません。誰か教えてください。

オレンジのたまごっち

ネジの具合を確認しましょう。

既に右側のネジは開封作業中の画像ですが、無事にネジの開封はできました。

ボタン電池から液漏れしています。

開封

が、電池ボックスの電極の錆があるので錆取りをします。

液漏れ錆

このままで錆取りをしても本体内部の錆は残ってしまうので、電極の半田を溶かし電極を外して研摩します。※本体を分解せずに表面の錆だけちょちょっと削るような手抜きはダメです。

本体は、4本のネジ止めされています。

この4本のネジも何故かきつく締められており、左下のネジがネジを回していると折れてしまいました。

ネジ折れ

ドドットイヤな汗が出ました。~~;

基板を外しネジをペンチでツマミ回転させ外しますが、過去の別のたまごっちの修理依頼で、同じように本体のネジが折れた修理可否相談がありました。依頼者は、ペンチで残ったネジ先を摘まんで回したらしくネジ穴の根本でネジがさらに折れたという、非常に残念な依頼相談ありました。ネジ穴の根本で折れると本体裏側からドリルで穴をあけネジ丸ごとを取り外すしかないです。その際の依頼者にお伝えすると、本体には傷を付けたくないとのことで埋まったネジ外しは断念されました。

話しを本件に戻します。

ネジを慎重にラジオペンチの先でツマミゆっくり慎重に回転させます。無理に力を掛けると同じように根本で折れます。

折れたネジ

無事に折れたネジも除去できました。当医院には、電池の裏蓋のネジ以外にも本体側のネジの在庫もあるので、この折れたネジは新品に交換します。

さてさて、話しを電極の錆に戻します。

隅々をルーターで研摩するので基板から電極を外します。

粉粉

この粉は、液漏れの粉ではなく電極のニッケルメッキの腐食による錆で、とても固く簡単には取れませんでした。ルーターで根気よくかつ慎重に研摩します。

研摩

研摩を行い基板に半田付けし直してやっと動作確認ができます。

無事装着

外部電源で電源を給電し液晶の映りとビープ音を確認します。

液晶は、筐体に収まっていないので、導電ゴムの押し圧が足りず液晶の映り欠けがあったも大丈夫です。

ウンスン

うんともすんともです。基板を眺めていたのですが、先の電極の腐食同様に基板の所々にも腐食が広がっていたのは気になりますが原因を探ります。

まず、過去の知見からたまごっちのクリスタルの故障を疑います。

クリスタル故障

まさしくビンゴでした。クリスタルが発振していません。先の基板の腐食もあったので、クリスタルの交換を基板上のチップ部品の半田を再半田しておきます。

クリスタル交換

さてこれでどうでしょうか?

映った

無事液晶も欠けありですが映り出しビープ音もし出しました。

ではでは筐体に収め再度動作確認をします。

液晶列欠け

液晶の1列に欠けがありますね。さらに表面の3つの押しボタンも全く反応しません。

うーん、、、。

液晶の欠けは導電ゴムの押し圧の足りないかもとプラシートを1枚挟めてみたのですが、改善しません。押しボタンも接点を掃除してみたのですが、これも改善しません。

基板の腐食

押しボタンの配線パターンには腐食が広がっていたので、目の細かいサンドペーパーで軽くこすりできるだけパターンが復活するようにしました。液晶の欠けた1列も基板上のどこかの配線が腐食で切れたと思われます。

基板上の腐食断線を見つけることも修復することもかなり難しいです。特にスルーホールをなると手も足も出ません。

この状況からオレンジのたまごっちは、ネジ開けは成功したが本体の修理は不可能という判断にしました。

まぁ、電池蓋のネジが取れないので電池も液漏れしてしまうし、それが原因で基板もダメになってしまうという事態でしょう。

どのたまごっちもそうですが、保管時は電池を抜いておきましょう。


では最後のオレンジのたまごっちを診断します。

オレンジのたまごっち

先のたまごっちと同じたまごっちです。

ネジの状況を確認します。

この程度の潰れでしたら、サクッと開封できますね。

サクッと開封

こちらも液漏れがありますが、液漏れの青い粉がちょっぴり電極に付着している程度です。お掃除をして動作確認をします。

液漏れ粉
新しいネジ

液晶の映りもビープ音も正常に起動し押しボタンの反応も問題ありません。

やはり液漏れの影響の大小でこれほどに差が出るかと実感して2つのオレンジのたまごっちでした。


以上で、今回は5つのたまごっちの潰れたネジ外しと動作確認の記事となります。

ネジ外しは、全数無事成功でしたが、修理は、5個中4個の成功となります。

総括すると、長期間の保管時は必ず電池を抜いておくこと、蓋のネジを外した際、少しでも削ってしまったと思ったら、深追いせずご相談をすることですね。

tama town TAMA-GO(海外版たまごっち)圧電スピーカー交換

tama town TAMA-GO

tama town TAMA-GO(海外版たまごっち)圧電スピーカー交換

海外より購入されたたまごっちということで、圧電スピーカーの音割れが起きて居られるとのことで修理のご依頼がありました。

画像からも単四の乾電池と大きさを比較してみると分かりますが、とても大きいです。がちょうのたまごサイズです。

横から

横からの厚みも十分あり、なんかウルトラマンエッグのように変形でもしそうです。

到着して直ぐに音割れの具合を確認したのですが、これといった音割れ的な要素は無さそうでした。※自分は、まだ耳が遠くなるような、お年頃ではないと信じているので、聞き間違いではないと信じています。

次に物理的な不具合も出ていないかを確認するため分解し本体内部を確認します。

圧電スピーカー

たまごっちでは共通しますが、ビープ音は圧電素子を使用した圧電スピーカーで音が鳴らされております。Φ=20mmの圧電素子です。

半田部をゴム系の接着剤で固定はしておりますが、ペラペラ剥がれたり割れていたりはしておりませんでした。この状態で再生音を確認もしましたが、これといった不具合は無さそうでした。そこで、同じ口径サイズの圧電素子に交換を行い音の違いを確認します。

圧電素子を交換し、外部電源に繋ぎ起動音を確認しましたが、やはりこれといった違いは分かりませんでした。在庫の圧電素子は、反響用のアルミカバーが付いているので、幾分大きめの音に聞こえますが、有意差と言えるほどの差ではありませんでした。

ならばと、電子音のメロディで同じ再生条件で差があるかを確認します。

メロディICのカッコーを再生してみます。

まずは、たまごっちに付いていた圧電素子でカッコー再生です。

次に新品の圧電素子でカッコーを再生します。

バルクの圧電素子を固定せずにそのままで鳴らしておりますので、ビビりのよう音割れが出ているのは気にしないでください。

ここまでやってしても差らしい差はなさそうです。

そこで、依頼者様に状況を報告したところ、実は当初は音割れ的な症状が出ていたのだが、待機期間中保管したままにして、当医院へ発送する直前に動作をみたところ、症状が改善していたが、折角なので音の状況を確認したく依頼をされたそうでした。

スピーカーの穴に異物でも入って音割れのような音がしていたのかもしれませんので、ではでは、折角往復の送料もご負担をいただいておりますので、新品の圧電素子に交換してしまいます。一緒のボタン類の接点もアルコールで拭き上げておきましょう。

圧電素子を本体に固定しているツメを削り外します。

圧電素子

当医院在庫の圧電素子には、反響用のアルミカバーが付いているので、たまごっちに取り付けるためにカバーを慎重に外します。新品はピカピカしてますね。

裏面もピカピカ。

このΦ=20mmの圧電素子は、ユメルのセンサーにも使われているので、ドクター諸氏の皆さんは在庫を用意しておいて良いと思います。

圧電素子交換

削ったツメの箇所にエポキシ接着剤を盛って固定します。粘性の低い瞬間接着剤の使用は厳禁です。接着剤が素子側に流れ込んでしまいます。

ケーブル類を半田づけして組み立てます。半田箇所は、ゴム系の接着剤で固定してあったので、元に戻す時も最後に接着ボンドG17を盛っておきます。

今回は、圧電素子のセラミック部の銀メッキへの半田付けは行っておりませんが、導線が剥離したなどがあった場合は、銀食いを防ぐために銀入りの半田をご使用ください。

オーディオ機器用のスピーカーケーブル向けに銀線の接合などでも使用したりできます。

組み立て後に最終動作を確認し修理完了です。

国内用とは違いやはり海外版は手のサイズからも大きいですね。


この度は修理依頼をお受けして頂きありがとうございました。

初めて購入した海外版のたまごっちで音割れがあったのですが 瀧下様のところに到着する頃にはなくなっていました。

到着後は元々割れていた音が治っていた事についての原因究明や 色々な検証をして下さり、こちらも安心して納得する事が出来ました。

分解してのメンテナンスや音が出る圧電素子の部分を新品に交換して下さったので安心して遊ぶことができます。

今回同時にご依頼すればよかったのですが、まだ見て頂きたいたまごっちもあるのでまた次の受付が始まった際にお願いしたいと思います。

とても丁寧で連絡も動画や画像付きで明確に教えて頂けるので とても良い先生です。

またお願いする時があるかと思いますが、よろしくお願い致します。

~依頼者様のご感想より~